トランペットの音域について考える
なぜか知らないけど、教則本などを見ると、ラッパの音域というのはLow F#からHigh Cくらいまで、って書かれていることが多いですね。本によってはHigh Eくらいまで書いているのも見たことありますが。
でも、これ、少しおかしい気がします。例えばバッハの楽曲ではHigh Gくらいまで出てくるケースだってあるんですから。
ラッパなんてものは倍音をならせれば良いから音域には物理的には上限が存在しませんし、youtubeなんかを見ているとtriple high Cまで鳴らす映像がありますね。ここまで高いと音楽的に使う必然性を感じません。
でも、個人的にはDouble High Cまではラッパの音域として認めるべきではないかと思います。
個人的には、トランペットという楽器の音域が拡張されたのは20世紀中期あたりのジャズではないかと考えています。Cat Anderson, Maynard Furgusonなどの登場によって、このあたりまでの音域が使える楽器という認識ができたわけですから。また、クラークなどの20世紀前半に書かれたエチュードにはHigh Gくらいまえは出てきます。やはりトランペットの音域の拡張、すなわち楽器の機能の見直しはアメリカで行われ、完成したという感じを持ちます。
もちろん一般的には今まで書かれてきた音域であれば充分なわけですが、ハイノートを特別扱いする考え方は少し違うのではないか、と個人的に考え始めています。
え、私?一応ダブルハイCには届いていますが、まだ実戦配備はできません。がんばらないとね。
でも、これ、少しおかしい気がします。例えばバッハの楽曲ではHigh Gくらいまで出てくるケースだってあるんですから。
ラッパなんてものは倍音をならせれば良いから音域には物理的には上限が存在しませんし、youtubeなんかを見ているとtriple high Cまで鳴らす映像がありますね。ここまで高いと音楽的に使う必然性を感じません。
でも、個人的にはDouble High Cまではラッパの音域として認めるべきではないかと思います。
個人的には、トランペットという楽器の音域が拡張されたのは20世紀中期あたりのジャズではないかと考えています。Cat Anderson, Maynard Furgusonなどの登場によって、このあたりまでの音域が使える楽器という認識ができたわけですから。また、クラークなどの20世紀前半に書かれたエチュードにはHigh Gくらいまえは出てきます。やはりトランペットの音域の拡張、すなわち楽器の機能の見直しはアメリカで行われ、完成したという感じを持ちます。
もちろん一般的には今まで書かれてきた音域であれば充分なわけですが、ハイノートを特別扱いする考え方は少し違うのではないか、と個人的に考え始めています。
え、私?一応ダブルハイCには届いていますが、まだ実戦配備はできません。がんばらないとね。
Carl Saundersと私
誰それ?
って言う人多いでしょうね。カールはLAでスタジオやらビッグバンドで活躍している人で、リーダーアルバムを含めたレコーディングが認識されてきたのはほんの数年前ですから。勿論LAのラッパ関係者で知らない人はない、という人ですが。
私自身も名前は聞いたことはあれど、音は全然知らなくて「相当凄い人なんだろうなぁ」な認識だったわけです。95年に最初のリーダーアルバムを出した、というのはDownbeatで見て知っていましたが、日本に現物が入ってこない。このアルバムは結局96年か97年にNYCのミッドタウンにあるHMVあたりで入手しましたが。
そしたらやはり中身がとんでもなく凄かったわけです。こんなに楽器が巧い人がいるとは信じられないくらい。どんなに高い音でもサンドヴァルやファディスみたいなスクリームにしないんですから。
驚いてアルバムのプロデューサーにメールを書いたことがきっかけで、98年に自分がモンタレイ.ジャズフェスティバルに参加するときに彼も出ているのが分かっていたので、現地で会おう、というメールを送って最初の邂逅を果たしたのでした。我々の演奏も聴いてくれたし、夜のホテルのラウンジでのセッションで一緒に吹いたり、と、楽しい時間を過ごしました。以来、99年のアナハイム, 2002年のロングビーチで再会し、確か2003年にフランク.キャップのバンドで来日して初めて日本で彼を聴くことが出来ました。彼を知らずに聴きにきていたエリック宮城さんが驚いて、彼は東京でのカールのプレイは全部見たそうです。それくらい正確無比で完全な演奏をする人なのです。youtubeに強烈な映像がいくつかあります。たとえば
http://jp.youtube.com/watch?v=nKlhZJOWVyE
http://jp.youtube.com/watch?v=qmOmO5xBeK8
なんとかこの人をリーダーで日本で見られないかなぁ、と思っています。彼自身は「ブックしてくれたらいつでも行くよ!」って言ってくれてるんですが、コストの問題やビザのこともあるのでまだ実現できないでいます。
カールは完全主義者なので、結構キツいこともさらっと言ってのけますが、印象的だったのは「アメリカにはハイノート吹けるヤツは掃いて捨てるほどいる。だけどスウィングするヤツは本当に少ない」
っていう言葉でしたね。ちなみに私みたいなタイプは「アメリカにいないタイプだから面白い」でした。
本人は独学でただ吹くのが楽しかったから、沢山吹いたけど「練習をした」という感覚はないって言ってのけていますが、恐らくは理想的なラッパの奏法を体得している数少ない人だと思います。
日本で一緒に吹きたい人の筆頭格なのであります。
って言う人多いでしょうね。カールはLAでスタジオやらビッグバンドで活躍している人で、リーダーアルバムを含めたレコーディングが認識されてきたのはほんの数年前ですから。勿論LAのラッパ関係者で知らない人はない、という人ですが。
私自身も名前は聞いたことはあれど、音は全然知らなくて「相当凄い人なんだろうなぁ」な認識だったわけです。95年に最初のリーダーアルバムを出した、というのはDownbeatで見て知っていましたが、日本に現物が入ってこない。このアルバムは結局96年か97年にNYCのミッドタウンにあるHMVあたりで入手しましたが。
そしたらやはり中身がとんでもなく凄かったわけです。こんなに楽器が巧い人がいるとは信じられないくらい。どんなに高い音でもサンドヴァルやファディスみたいなスクリームにしないんですから。
驚いてアルバムのプロデューサーにメールを書いたことがきっかけで、98年に自分がモンタレイ.ジャズフェスティバルに参加するときに彼も出ているのが分かっていたので、現地で会おう、というメールを送って最初の邂逅を果たしたのでした。我々の演奏も聴いてくれたし、夜のホテルのラウンジでのセッションで一緒に吹いたり、と、楽しい時間を過ごしました。以来、99年のアナハイム, 2002年のロングビーチで再会し、確か2003年にフランク.キャップのバンドで来日して初めて日本で彼を聴くことが出来ました。彼を知らずに聴きにきていたエリック宮城さんが驚いて、彼は東京でのカールのプレイは全部見たそうです。それくらい正確無比で完全な演奏をする人なのです。youtubeに強烈な映像がいくつかあります。たとえば
http://jp.youtube.com/watch?v=nKlhZJOWVyE
http://jp.youtube.com/watch?v=qmOmO5xBeK8
なんとかこの人をリーダーで日本で見られないかなぁ、と思っています。彼自身は「ブックしてくれたらいつでも行くよ!」って言ってくれてるんですが、コストの問題やビザのこともあるのでまだ実現できないでいます。
カールは完全主義者なので、結構キツいこともさらっと言ってのけますが、印象的だったのは「アメリカにはハイノート吹けるヤツは掃いて捨てるほどいる。だけどスウィングするヤツは本当に少ない」
っていう言葉でしたね。ちなみに私みたいなタイプは「アメリカにいないタイプだから面白い」でした。
本人は独学でただ吹くのが楽しかったから、沢山吹いたけど「練習をした」という感覚はないって言ってのけていますが、恐らくは理想的なラッパの奏法を体得している数少ない人だと思います。
日本で一緒に吹きたい人の筆頭格なのであります。
ルー.ソロフ氏が語ってくれたこと
過日、都内の音楽専門学校で、Lew Soloff氏のクリニックがあった。長年NYCで超一流のスタジオミュージシャンとして活躍してきた人ならではの重みがあり、非常に勉強になりました。
曰く、
Spirit:精神、っていうか心っていうか気持ちが音にこもっていることがまず大事だと。
Sound:自分が美しいと思う音、理想の「これだ」と思う音で、他人が一音聴いて引きつけられるような音を出すように努力をすること。
この二つがまず非常に大事であると。で、それに
『正確なタイム』(メトロノーム的正確なタイムということではない。きちんとin the pocketな感じでリズムに乗れるということのように思われます)
があれば、どんな音を吹いても、インプロヴァイズの現場ではそれは間違いにはならない。
ということ。理論だの技巧だの云々言う前にまずここを大事にしなさい、と。
もちろん必要最小限程度の音楽についての知識は必要だとは思うのだけど、これはとても大事なことです。音楽を評価する座標軸っていうのは『巧い、下手』っていうのと『良い、悪い』という二つがあります。だから下手だけど良い、と思うのもあれば、巧いけどつまらないということにもなるわけです。ソロフ氏の言ってることは『良い』音楽をするための必要最低条件なのです。
知識や技術があればあるだけ表現力は増すわけですから、技量も必須ですが、まずはそこだ、と。
よく、ジャズ好きな人達の間で、『技術じゃない、感性なんだ』みたいなことが言われるのはこの部分なのですね。ここをきちんと踏まえた上で技術を生かせ、ということです。
更に
そして自分の理想の音を追求する為に、自分の理想だと思う音楽家の演奏に近づけるように努力をしなくてはならないと。過去の偉大な演奏家達の歌い方を例えばレコードと一緒に合わせて吹いたりすることで少しでも自分の理想とするようなサウンドを獲得できるように努力すること。これを多くの過去のミュージシャンの名前を列挙しながら説明してくれました。ルイ、ディジー、マイルス、エラ、ビリー.ホリデイ、シナトラ、コンラッド.ガッゾ、 KD、コルトレーン、などなどなどなど大勢の名前が挙がりました。やはり歌い回しということでヴォーカリストのものを聴けということで、シナトラがその筆頭に上がってましたね。歌心のあるプレイというものがどうやって醸成されるのか、ということを如実に教えてくれました。そういえば、レコードに併せて吹く、なんてのは昔ランディ.ブレッカーに尋ねたときに彼が言ってたことでもあるのです。
つまりは
信念を持って愚直にやり通すことが一番大事、という職人としてごくごく当たり前なところに突き当たるわけです。 これは音楽だけではなく、全てに当てはまることだと思います。
分かってはいるつもりだけれど、やはりこのクラスの人が語ると説得力がありました。
曰く、
Spirit:精神、っていうか心っていうか気持ちが音にこもっていることがまず大事だと。
Sound:自分が美しいと思う音、理想の「これだ」と思う音で、他人が一音聴いて引きつけられるような音を出すように努力をすること。
この二つがまず非常に大事であると。で、それに
『正確なタイム』(メトロノーム的正確なタイムということではない。きちんとin the pocketな感じでリズムに乗れるということのように思われます)
があれば、どんな音を吹いても、インプロヴァイズの現場ではそれは間違いにはならない。
ということ。理論だの技巧だの云々言う前にまずここを大事にしなさい、と。
もちろん必要最小限程度の音楽についての知識は必要だとは思うのだけど、これはとても大事なことです。音楽を評価する座標軸っていうのは『巧い、下手』っていうのと『良い、悪い』という二つがあります。だから下手だけど良い、と思うのもあれば、巧いけどつまらないということにもなるわけです。ソロフ氏の言ってることは『良い』音楽をするための必要最低条件なのです。
知識や技術があればあるだけ表現力は増すわけですから、技量も必須ですが、まずはそこだ、と。
よく、ジャズ好きな人達の間で、『技術じゃない、感性なんだ』みたいなことが言われるのはこの部分なのですね。ここをきちんと踏まえた上で技術を生かせ、ということです。
更に
そして自分の理想の音を追求する為に、自分の理想だと思う音楽家の演奏に近づけるように努力をしなくてはならないと。過去の偉大な演奏家達の歌い方を例えばレコードと一緒に合わせて吹いたりすることで少しでも自分の理想とするようなサウンドを獲得できるように努力すること。これを多くの過去のミュージシャンの名前を列挙しながら説明してくれました。ルイ、ディジー、マイルス、エラ、ビリー.ホリデイ、シナトラ、コンラッド.ガッゾ、 KD、コルトレーン、などなどなどなど大勢の名前が挙がりました。やはり歌い回しということでヴォーカリストのものを聴けということで、シナトラがその筆頭に上がってましたね。歌心のあるプレイというものがどうやって醸成されるのか、ということを如実に教えてくれました。そういえば、レコードに併せて吹く、なんてのは昔ランディ.ブレッカーに尋ねたときに彼が言ってたことでもあるのです。
つまりは
信念を持って愚直にやり通すことが一番大事、という職人としてごくごく当たり前なところに突き当たるわけです。 これは音楽だけではなく、全てに当てはまることだと思います。
分かってはいるつもりだけれど、やはりこのクラスの人が語ると説得力がありました。