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パーカーフレーズ

「パーカーフレーズ」とはチャーリー.パーカーの「手癖フレーズ」のことですね。パーカーに限らず、ジャズミュージシャンには自分の手癖フレーズみたいなものがあって、それが出るとオーディエンスも喜んだりするわけです。同じようなフレーズでもどこでどう出すかで違ってくるわけです。時々「ジャズは同じことをしてはいけない」みたいな言葉を目にしますが、それは間違いだと思います。

Mario=Castelnuovo Tedescoとアメリカ音楽について考える。

1940年台、ヨーロッパのファシズムを嫌って多くのヨーロッパのクラシックのコンポーザーがアメリカに亡命しました。ミヨー、シェーンベルグ、テデスコなどです。彼らはLAに居住し、アメリカ音楽に大きな影響を与えました。ミヨーはピート.ルゴロの師匠として知られていますし、シェーンベルグはジャズの和声の理論の高度化に大きな影響を与えたことが伺えます。そうした中のひとり、テデスコの影が薄いのですが、調べてみるとこの人がアメリカ音楽、ジャズと映画音楽に与えた影響はとても大きかったということが伺えるのです。テデスコのクラシック音楽の作品群はギターに書かれたものがよく知られているのですが、それ以外ではほぼ何も情報がありません。が、映画音楽を辿ってみるとその影響の大きさが見えてきます。彼の初期の代表作は1943年の「名犬ラッシー」で、非常にカラフルなオーケストレーションが聴かれます。その後の仕事や、彼の指導を受けた人を列挙してみるとすごいことになっているんです。Russell Garcia, Marty Paich, Jerry Goldsmith, Henry Mancini, Nelson Riddle などなどなどなど。誤解を恐れずに言うと、今につながるアメリカ映画音楽の基礎を築いた、みたいな感じの人ではなかったかと思われるのです。弟子のRussell Garciaの下にはBill Holman, Bob Graettenger, Jimmy Giuffreなどこれまた鬼才がずらりと並ぶのです。そしてガルシアの書いたProfessional Composer Arrangerは恐らくジャズのアレンジや作曲について初めて書かれた本であり、後に出されたBook2ではセリーなどの当時の現代音楽の技法まで紹介されているのです(どっちも持っています)。1940-50年代のアメリカの音楽シーンではジャズとクラシックの交雑が見られて非常に面白いのですが、この辺りのことは日本ではもちろん、アメリカでもほとんど顧みられていないように思えます。この辺りは掘り起こすと面白いのではないかと思います。

 

今年はやらないと決めていること

今年はマイルスとコルトレーンの生誕100年に当たっています。でも私はこの2人のトリビュートをするつもりがありません。理由は簡単で、コルトレーンは楽器が違うしそもそも毎年命日には誰かがトリビュートしてるのでわざわざやる必要がない、ということ。マイルスも今年は大勢取り上げるだろから殊更に自分がやる必要はないな、というのが理由ですが、もう一つあります。個性が強すぎるので、彼のアプローチにトライしても単なる下手なモノマネにしかならないだろう、ということです。この数年は毎年誰かのトリビュートをしましたが、それは4管だったりビッグバンドだったり、アンサンブルで作られる世界を再構築するものでした。クインテットでのトリビュートだとしたら、おそらくは新鮮味のないものにしかならないのではないか、と思われるのです。Birth of the Coolのアンサンブルの譜面は手元にあるけど、あれをマイルスの音楽というには無理があるからなぁ。