4/6(土)森ノ宮ピロティホールで行われた薬師丸ひろ子さんのコンサート備忘録の続きです。
今回もやはり幕が上がって開演しました。
1980年代はどうであったか憶えていませんが、21世紀以降、つまり歌手復帰されてからのコンサートはいつも幕を利用しています。
間の休憩時間は当然幕が下ります。
そして第1部終了間際は、幕が下り切る寸前に、薬師丸さんが『これから15分間の休憩です』と幕の下から覗き込んで語り掛けるのがお約束。
一方、面白いことに平原綾香さんはたまに左右開閉式の幕を利用します。
上下式の膜は会場に常設されたものとしても、真ん中から左右に開く幕は珍しいため、平原さん側が用意したのでしょうか?
話を戻すと、1曲目は昨年のツアーで披露した“素敵をあつめて”。
幕が上がると、薬師丸ひろ子さん含め、既にメンバー全員が舞台に現れ、身近いイントロからすぐ歌に。
細身の黒いドレスからこんな愉しい曲が聴けるなんて意外…とは思わない。
管楽器が本来必要な楽曲ですが、そこはストリングスとオルガン、シーケンサーで盛り上げていました。
ピアニストはピアノに専念し、シンセサイザーで必要以上に音を分厚くしないところに好感が持てます。
第2部の最初に登場したのは、アルバムの1曲目の“今日”でした。
こちらもわかりやすくて愉しい曲ですね?
実際薬師丸さんも間奏箇所では、行進する様子を手の動きで表現されていました。
ただし、歌詞は結構現実的な部分もあり、歳を重ねてきた人々に向けた応援歌と私は解釈しています。
薬師丸さんの声とストリングスの美しさが一際映える作品です。
美しさで言えば、前半に歌われた“きみの月光”はチェロが前面に出て、白眉と言えるでしょう。
1stヴァイオリン奏者の弦一徹さんがマンドリンに回ったのも関係してそうですが、原曲もチェロの目立つパートは多い。
また、このマンドリンと狩野良昭さんの弾くクラシック・ギターが途中から参入し、見事なアンサンブルを聴かせてくれました。
“愛することにもし疲れても”はCDと同じく大作であることが、ライヴでもわかります。
普通はほぼ直立不動の姿勢で歌う薬師丸さんですが、ここでは珍しく体の角度を変えて歌っていました。
つまり、熱唱された訳ですが、演歌やロックのそれとは異なり高い音域で力いっぱい歌うための動作ですよ(笑)
本公演は『アルバム全曲披露ライヴ』ではあるものの、曲順はよく練られていたと思います。
1曲目にアルバム後半の最初と思しき“素敵をあつめて”、第2部の1曲目にはCDと同じく“今日”を配していました。
また、本編最後は昨年も歌った“時の道標”と、聴き憶えのある楽曲を持って来ることで、聴衆が重苦しくならぬような配慮も垣間見えました。
でも“時の道標”は編曲が若干変えられ、ピアノ・バラードだったのが、中盤からギター、コントラバス、ドラムスも入る流れになりました。
CDではストリングスの参入のみに対し、ライヴでは最後の曲らしい盛り上がりとなったのは言うまでもありません。
また、“今日”と同じく小森啓資さんによるスネアのロールが冴え渡っていました。
この人のチューニングは通常よりもやや高めだったからか、例えば“素敵をあつめて”でも少しザラついた音が聴けて、私はとても愉しめました。
ストリングスやコントラバスとの相性も○。
いま待ち遠しいことは?
▼本日限定!ブログスタンプ