夜毎 つのる想いに… | 愛は限りなく ~DIO, COME TI AMO~

愛は限りなく ~DIO, COME TI AMO~

一粒の雨にさえ心揺れることもある。いつもどんな時も心閉ざさずに…。

1988年9月30日は薬師丸ひろ子さんのコンサートに行きました。

会場は大阪厚生年金会館大ホール(現:オリックス劇場)。

ちょうど30年前の出来事ですね。

あれから30年間に起きたことを振り返ると…少々複雑な気持ちになります。

2年後の1990年のツアーを最後に、薬師丸さんはツアー活動を休止したのも寂しかったです。

せめて「プリマベーラ」(1991年)のツアーが実現していれば、もっと違った想いになったかもしれません。

いや、それでも20年以上の空白は消しようはないですか…。

しかし、今こうして再びオリジナル・アルバムも発表され、ライヴも見られるのだから何の不平がありましょうか。

 

1988年は薬師丸さんにとって二度目のツアーであり、ちょうどステージで歌うのにも慣れてきた頃でした。

しかも、バック・バンドのセンチメンタル・シティ・ロマンスの演奏も素晴らしかったです。

ソロの歌手のバックを特定のグループが務めたのを見るのは、多分初めてだったでしょう。

いや、1979年の萩原健一さんの時は柳ジョージ&レイニーウッドがバックの演奏を担いましたね。

あの時のライヴとは違うのですが、それでも寄せ集められたスタジオ・ミュージシャンと共にステージに立つのとはまるきり異なった一体感が生まれたのは、事実です。

S.C.R.の名前は知っていましたが、曲は未聴でした。

でも、とても演奏技術の高いグループであるばかりか、メンバー全員の雰囲気がやさしかったのはそこはかとなく伝わりました。

 

 

1988年9月30日(金)大阪厚生年金会館

 

1. 冬のバラ

2. 麦わら帽子のアン

3. 元気を出して ☆

4. DISTANCE ☆

5. もう一度 ☆

6. 終楽章 ☆

7. ステキな恋の忘れ方

8. すこしだけやさしく

9. メイン・テーマ

10. WOMAN “Wの悲劇”より

11. ?

12. 天に星、地には花

13. 雨は止まない ☆

14. あなたを・もっと・知りたくて

15. 胸の振り子

16. 時代 ☆

 

~ENCORE~

 

17.セーラー服と機関銃 

18. 二人の帰る場所

19. 故郷(ふるさと)

 

☆…最新作「シンシアリー・ユアーズ」収録曲

 

 

センチメンタル・シティ・ロマンス

中野督夫さん…エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター

久田潔さん…ベース・ギター

近藤文雄さん…ドラムス

細井豊さん…キーボード(ピアノ、エレクトリック・ピアノ)

 

森俊之さん…キーボード(シンセサイザー、オルガン)

マック清水さん…パーカッション

 

広谷順子さん…バッキング・ヴォーカル

新倉よしみさん…バッキング・ヴォーカル

 

 

くどいようですが、本ライヴで一番の想い出は、“もう一度”が披露されたこと(笑)

それと、ファンレターで“麦わら帽子のアン”をリクエストし、それが実現したのも嬉しかったです。

ええ、わかってますよ。

同曲がコンサートで歌われたのは、私の提案とは全く無関係なのは…。

 

その“麦わら帽子のアン”は、リコーダーのような音を確か森さんがシンセサイザーで演奏し、細井さんがピアノを担当したと思います。

公演は夏ではありませんでしたが、夏に聴いたらとても涼し気に響いたでしょう。

マック清水さんのコンガや中野さんのアコースティック・ギターもトロピカルな演奏でした。

薬師丸さんは派手な動きこそ見せませんでしたが、軽やかなステップを踏みながら歌っている姿が今もよく憶えています。

ただし、麦わら帽子は被っていませんよ!

黒い衣裳でした。

 

派手な動きと言えば、“もう一度”で一瞬見られました。

スカートを軽くつかんで回転する、ダンスでよく見られる姿勢です。

中間部のメロディからAメロに戻る箇所、♪初めて 気づいたの♪から小休止があり、ドラムの合図とともに♪部屋を 出て行く勇気♪の直前だったはず。

凄く豪華で美しく映りました。

ストリングスはシンセで出していたのか、シーケンサーかはわかりませんが、ストリングスのパートはステージでも再現され、上記のドラムはあたかもティンパニーの如き響きでした。

エンディングのハープのパートは、中野さんがアコースティック・ギターで演奏したと思います。

 

歌詞もメロディも全く古くなっておらず、今も同曲の魅力は薄れていないから、再度ご披露願いたい。

それと、S.C.R.にまたバックの演奏を任せても面白いでしょう。

その証拠に、「シンシアリー・ユアーズ」から6曲歌われていますが、バンドはレコードには参加していないにも拘らず、完璧にライヴで馴染んだプレイを聴かせてくれました。

違和感を抱いた曲はひとつもなかったです。

 

私は普段のS.C.R.の演奏を知らず、本公演だけ見ていれば、アコースティックな演奏も得意とするバンドに見えました。

中野督夫さんはエレクトリック・ギターと同じかそれ以上にアコースティックを弾く比重が高かった。

だからバンドもアコースティック寄りの音楽を得意としているのかなと思えた訳です。

例えば、薬師丸さんが作詞・作曲した“DISTANCE”では、A.ギター、ピアノ、シンセサイザー中心の演奏でしたが、中間部とエンディングで中野さんは少し長めのソロを決めました。

また、シンセはストリングスと管楽器の音を見事に再現していたのも素晴らしかったです。

ただ、中野さんは指弾はせず、全曲ピックを用いていたことから、やはり基本はエレクトリック・ギタリストだと思います。

 

ライヴでも“DISTANCE”は原曲に忠実な演奏でした。

スタジオ盤をなぞったという意味ではありませんが、こんな曲を演奏する場合はピアノ奏者とシンセサイザー奏者の2人がステージに存在するのが望ましいでしょう。

歌詞は、最初こそ楽観的に聴こえますが、実は悲しい想い出を綴った歌です。

その別れとは、絵に描いたようなものではなく、時の流れに埋没した~別れた理由は明示されていません~、抽象的で、誰にでも起こりうる現実的な話である点が、逆に聴き手の胸を打ちます。

♪遠くから見守っていたい♪と言う一方、♪あなたと出逢って何年も月日がたって もううわさ耳に届かない♪と歌う下りが何とも…。

 

前年との違いは、かなりありました。

前年は少しミュージカル仕立ての要素も若干含まれていましたが、本公演は特段変わった演出もなく、音楽に特化した内容でした。

共通点は唱歌の披露です。

前年は、薬師丸さん自身のピアノの弾き語りで“椰子の実”等が歌われ、『この人は昔ながらの伝統歌が好きなのだな』とわかりました。

ところが、本公演では一切歌われず、少し訝しく思っていると、最後の最後に“故郷(ふるさと)”を無伴奏で歌って閉幕し、色々考えた構成で愉しめました。

ただし、ピアノの弾き語りは本公演ではなかった。

 

また、前年のツアー終了後に発表されたシングル”胸の振り子/二人の帰る場所”(1987年)が披露されたのも嬉しい選曲ですよね。

アルバムとアルバムの間に出たシングルで、次のアルバム~要するに「シンシアリー・ユアーズ」のこと~に入らなかったら大抵無視されそうですが、A面もB面も歌ってくれたのは感無量です。

こうして見てみると、薬師丸さんのコンサートは最新アルバムと過去の映画絡みのシングル曲以外にも何か歌う用意があることがこちらにも伝わってきます。

実際『コンサートで歌ってほしい曲』のリクエストを募れば、ファンから多数の希望が出そうです。

しかし、そうなると票が割れるのも確かですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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Ibaraqui, le 30 septembre 2018