マドンナだけではなかったCD発売の遅れ | 愛は限りなく ~DIO, COME TI AMO~

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8月25日の記事『CD発売がやたらと遅かった』にて、マドンナの「トゥルー・ブルー」(1986年)の発売体制を批判しました。

しかし、今日たまたま昔のチラシを覗いていると、それはマドンナだけではなかったようです。

同じワーナー・パイオニア所属(当時)の矢沢永吉さんも酷かった!

まさに『マドンナさんごめんなさい』です。

 

「E´」(1984年)のチラシを見たところ、LPとカセットは7月25日とありますが、CD発売は8月25日でした。

『ワーナーさん大丈夫ですか!?』と感じないではいられません(苦笑)

ただし、「トゥルー・ブルー」の発表は1986年と、「E´」の2年後なので同列には扱えないのも事実。

1984年と言えば1986年以上にまだまだCDが普及しておらず、価格も3,500円と高価でした。

う~ん、矢沢永吉さんほどのスターでもこのような扱いだったとは、少々意外です。

それは嘘で、実際1984年当時アルバムの広告に出ているのはLPとCT(ミュージックテープ)の2本が通常であり、CD番号と発売日が記されていたのはごく一部の作品に限られていました。

 

今では信じがたいでしょうが、プリンスの「パープル・レイン」(1984年)でさえ、初回の広告にはCDについて触れた記述がなく、『コンパクト・ディスク:近日発売』の文字さえも見当たりません。

同じくワーナーの1984年作品である、ロッド・スチュワートの「カムフラージュ」も同様にCDに関する記述がありません。

ロッドのアルバムは6月25日、プリンスのそれは7月25日と「E´」と同じ日に発売されたんですね。

いずれにせよ、ワーナーは1984年に限れば、CD発売にさほど乗り気には見えない。

1984年の同時期の雑誌広告に目をやると、グレッグ・キーン・バンドやエコー&ザ・バニーメン、トッド・ラングレンでさえもCD発売の告知が全くないですから。

 

失礼!

同じワーナーのアルバムを比較するなら、邦楽を対象とすべきとお思いのことでしょう。

しかし私が依拠しているのは、『ロッキング・オン』と『ミュージック・ライフ』なので洋楽ばかりに偏ってしまうのは仕方ないのです。

ただし、洋楽雑誌に「E´」の広告を打ち、しかもCD発売の告知も~発売日にずれがあるとは言え~なされている点を考慮すれば、ある程度洋楽ファンにも支持者が居たと予想できるのではありませんか。

 

「E´」の異例の扱いは良いとして、装丁はいかがなものかと感じます。

なぜなら、LPのアウター・スリーヴには赤と青とミントグリーンの3色が用意されていたのに対し、CDは赤しか見た憶えがありません。

CDの方は言うまでもなくLPジャケットの体裁を踏襲したものではないです。

アウター・スリーヴとジャケット本体を組み合わせた写真が、そのままブックレットの表紙になっているだけ。

それがCDのジャケットとして流通しています。

 

確かに、紙ジャケットCDも登場しなかった頃だから仕方がないと言えば仕方がないでしょう。

でも、他の歌手はどのようにしていたんだろう?

これはわかりません。

1980年代半ばに、いわゆる“ギミック・カヴァー”でLPを制作した人は珍しいのではありませんか。

私が言っているのは、元々レコードで出ていた作品が後にCD化されたアルバムではなく、新作アルバムとして発表されたCDのこと。

もとより、LPとCDとでは発売日のずれはありますが、「E´」はこの場合同時発売と考えて頂きたい。

 

あと、「E´」をCDで当時購入された方で、コンサートに足を運ばれた方はどうされましたか?

矢沢永吉激論ブログさんの資料を参照させて頂いところ、1984年のツアーは8月17日(金)より始まっています。

そうなるとCD発売が8月25日だから、CDを選択されたファンのうち、ツアー日程初期の会場へ向かわれた人は、新曲を知らずにライヴに臨む形となりましょう。

もっともFM等で結構流れていた記憶もあり、それは杞憂かもしれませんね(笑)

しかし、FMで聴いてから新作を聴くと、少しばかり興が削がれるのもまた事実。

さりとて新曲を知らずにライヴに行くのも何だかなあ…。

ちなみに横浜スタジアムは8月26日(日)だったようで、CD発売の翌日に開催されました。

1日前にCDを聴いただけでは、泣けるわけがない…かもしれない。

 

最後にプリンスに関してです。

「パープル・レイン」の次作「アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ」(1985年)も初回広告にCDの告知はなかったものの、これが1986年になると一変します。

当時の最新作「パレード」はほぼ同時にCDが発売され、デビュー・アルバムの「フォー・ユー」から全てのアルバムがCDで出揃いました。

これは1986年9月の来日に合わせた企画でもあり、コンサートをご覧になろうとして、これからCDで揃えたい方には非常に良い時期に発売されたと思います。

ただし、まだこの時は価格が下がっておらず、3,200円のままでした(苦笑)

 

結論として、1986年の時点で1ヶ月もCD発売がずれた「トゥルー・ブルー」はやはり遅いことになります~あれほどのスーパースターにしては。

例えば、同年9月に発売されたシンディ・ローパーの「トゥルー・カラーズ」は、LPもCTもそしてCDも全て9月5日に発売されています。

これこそ同時発売と言えます。

エピック・ソニーだからこその快挙ですかね。

 

 

 

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Ibaraqui, le 28 août 2018