度々amass記事の引用で恐縮ですが、英国でミュージックテープの売上が上昇しているそうです。
<英国 2018年上半期のカセットテープ販売本数が90%増を記録、セールス・チャートも好評>とあり。
1位はカイリー・ミノーグの「ゴールデン」でした。
Official Charts Companyの全英アルバム・チャートでも長期に渡りヒットしたので、カイリーの1位には納得です。
その他チャート状況は上記リンクをご覧頂くとして、まず驚いたのが、今年半年分の集計で昨年1年の売上に近い数字に到達している事実。
もっと大きな疑問があります。
購入者は充分な再生機をお持ちなのでしょうか?
そりゃ勿論所有されているはずです。
そうでなければ単に収集目的になってしまいます(それも悪くないですが)
例えば、おもちゃのようなラジオ・カセットか、もしくは3,500ポンド近く出さないとまともなデッキが入手できないようであれば、ごく一部のマニアだけのお愉しみとなってしまいます。
現実的に考えて686ポンド前後の価格で入手できるならともかく、そうでなければ本当にマニアが所有欲を満たすだけの代物となるでしょう。
我が国のレコードプレーヤーは、1970年代~1980年代半ばほどには選択の幅は広くないけれど、100,000円以下の機種で様々選ぶことができます。
無論、USB端子がどれにもこれにも付いているとか、フルオートでダイレクトドライヴの機種がないといった問題がない訳ではありません。
しかし、とにかく普及価格帝でいくつか選択できるのは好ましいと思う。
もし英国で日本のレコードプレーヤーと同じくらいにカセットデッキに選択の余地があるなら結構。
実際、上記記事を読むと、今年半年で18,500本以上の販売数があったと書かれてあります。
この数字はオーディオマニアもしくは蒐集家だけが購入した数字とは思えません(よね?)。
では、何で再生しているのでしょうか?
私にはわからないです。
記事もそこまで踏み込んではいません。
以前我が国におけるカセットテープ再評価の記事を書きました。
『カセットテープ人気再燃も機材がなければ』がそれですが、同記事にて引用したニュースにもやはり再生機に関しては一言もなかったです。
そんな中、以前もお話しましたが、ティアックからAD-850が昨春発売されています。
CDプレーヤーを内蔵…というか左にCDプレーヤー、右にカセットを挿入する仕様です。
実売価格は43,000円程度。
勿論、メタルテープも掛けられるので、昔録音して大事に保管されたものも再生できますよ。
生産国は日本かな?
実売価格60,000円でもよいので、カセット専用とし、国内生産なら購入希望者が飛躍的に増加するのに…。
恐らく私と同世代の人なら同じように考えている方も多くいらっしゃるでしょう。
でも欲を言ってはいけない。
あれこれ言っているうちに生産中止になり得ることだって無きにしも非ずでしょ?
そもそも日本のカセットテープの技術は世界一と言って過言ではなく、それは一度でも輸入のカセットテープをお試しになった方は強く実感されているはず。
ヒスノイズなんて私には殆ど無視できる範囲であり、そのためドルビーOFFで録音するのが専らでした。
もっとも生録は別ですし、ミュージックテープはドルビー録音されており、ONにして聴かねばならない。
日本のカセットテープの長所としてもっとわかりやすいのは頑丈さです。
余程酷い扱いをしない限り、テープが伸びてしまう心配は皆無でした。
まあ、テープを巻き込まないために、デッキ側の掃除も定期的に行うのが必須ですが…。
録音用のカセットテープのみならずミュージックテープもしかり。
あんなノーマルクラスの最下位モデルを使っているとしか思えない~テープ表面をご覧あれ~にも拘らず、とても丈夫で、ちょっとやそっとで伸びません。
音質も素晴らしい。
私も一度だけクラスメートに借りたことがありますが、山下達郎さんの「FOR YOU」(1982年)は非常に落ち着いた、それでいて低音の効いた音質で驚いた記憶があります。
レコードで聴き慣れた爽快感よりもどっしりとした感触の方が強い。
「FOR YOU」だけはミュージックテープで買わなかったのが悔やまれます。
おっと、嘆いてばかりいても始まらない。
ここはひとつ前出のティアックAD-850を買って試してみましょう。
今愉しめるもので愉しむのもひとつの手ですから。
遠くない将来、価格コムにて手頃なところを見付けて購入し、その様子をこちらで報告したいと思います。
第一、英国の再生機事情を私が云々しても仕方ない!
今、あなたは幸せだと思う?
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