Plain Truth | 檸檬爆弾

檸檬爆弾

純国産の英語教育を受けてきた人間が、洋書を読んで思ったことを述べる。
ライトで適当なツッコミ系感想が多い。洋書を快適に読むために必要なスキルは何なのか、自分の体験をもとに探っていく。
備忘録というよりは、すでに忘れたことを思い出しながら記録し直すのが目的。

by Jodi Picoult

451ページ


Picoultの作品にちょっとハマった時期があり、何冊か続けて読んだ。

一番有名なのは、"My Sister's Keeper"(邦題「わたしの中のあなた」)だろう。キャメロン・ディアス主演で映画化されたやつ。


この作品は、都会の敏腕女弁護士Ellie(39)と、新生児の殺人容疑がかかっているアーミッシュの少女Katie(18)が中心となりストーリーが進行する。

ジャンルは法廷モノだと思うのだけれど、何よりも特徴的なのは、アーミッシュを題材にしている点だ。

アーミッシュ(Amish)とは・・・アマン派というプロテスタントの一派(?)を信仰する人々。ヨーロッパで迫害を受け、18世紀以降ペンシルベニア州を中心とした米国中西部に居住。独自の生活様式・言語・教育を保持したコミュニティを形成。
・・・だそうで。自分はこの本を読むまで、彼らの存在すら知らなかった。

・アーミッシュの人々は、農耕・牧畜を生活の基盤としている。電気はほとんど使わず、家には電話もない。服装は、伝統的な無地のシャツとワンピース(アメリカ入植当時を舞台にした映画に出てきそうな・・・)。

・アーミッシュの人々は、厳格な教会の規則(Ordnung)に従って暮らしている。個人を重んじることをせず、コミュニティの皆が同じであることを理想とする。 もしもOrdnungに反する道を選ぶなら、その者はコミュニティから追放されなければならない(Katieの兄のJacobは、高等教育を受けることを望み、自らアーミッシュであることを止めた)。

↑一見非常に厳格で抑圧的だけれど、一概にそうとは言えないかもしれない。
なぜなら、彼らの根底にあるのは「赦し」だから。
普通の裁判は、罪人を「どう裁くか」が問題となる。それに対して、アーミッシュのコミュニティでは、罪を犯した者を「どう赦すか」を1番に考える。

・アーミッシュの人々は、他者を傷つけない。 自分よりも他人を優先する。 殺すか、殺されるか、という選択肢を与えられたら、殺される方を選ぶ。 だから、骨の髄までアーミッシュのKatieに殺人は不可能である。

というような、現代アメリカ社会に180度背を向けた考えを持つ人々の中で、Ellieは殺人容疑のかかっているKatieを弁護しようとするものの、当然マニュアル通りにはいかず、ずいぶんと苦労をする。その苦労っぷり、適応っぷり、成長っぷりは読んでいて楽しかった。

Katieの心理描写が何とも切ない・・・。 そして、ラストをどのように解釈するかが、なかなか難しい。
感想:悲しくて、あたたかくて、すこし不気味なお話。


異色とはいえ一応法廷モノなので、そういうのが好きか嫌いかによって読みやすさの印象はだいぶ違うと思う。

それと、自分が買ったHodder Paperback Editionというバージョンの本には、最後にディスカッション用のクエスチョン集がついていた。「この場面の誰々の発言についてどう思うか?」みたいな。高校や大学の授業で使うのだろうか?


面白さ:★★★★★

英語の読みやすさ:★★★☆☆

何か新しいものを読んだ!という実感:★★★★★