The Memory of Running | 檸檬爆弾

檸檬爆弾

純国産の英語教育を受けてきた人間が、洋書を読んで思ったことを述べる。
ライトで適当なツッコミ系感想が多い。洋書を快適に読むために必要なスキルは何なのか、自分の体験をもとに探っていく。
備忘録というよりは、すでに忘れたことを思い出しながら記録し直すのが目的。

by Ron McLarty

405ページ


洋書ワゴンセールジャケ買いで見つけた掘り出し物。

こういうところで面白い本に出会うと、テンションが上がります。


主人公Smithson Ide(変な名前)、43歳独身、素人童貞、唯一のつながりは家族のみ。そして肥満体。

"I never looked at vegetables, because I didn't eat them anymore, unless it was a potato."

と言い切ってしまう男。イモは野菜に入れていいんですか?


彼には、両親と姉Bethanyがいた。しかし、Bethanyは20年前から行方不明。そして今、Smithsonは交通事故で両親までも失ってしまう。


全てを失った彼は、偶然父に宛てた1通の手紙を見つける。

そこには、Bethanyが最近亡くなったこと、ロサンゼルスの遺体安置所にいることが記されていた。

アルコールまみれのSmithsonは決意する。ガレージに眠っていた古い自転車に乗って、Bethanyを迎えに行くことを。


物語は、現在と過去が交互に描かれる。

過去の話は、Smithsonの子どもの頃から、Bethanyが失踪するまでの様子。


姉Bethanyは、この小説の最重要人物である。

美しくて、優しくて、狂ったBethany。

彼女だけが聞こえる「声」に命じられると、どんなことでもやってしまう。

給水塔の下、裸で何時間も同じポーズを取っていたり、橋から飛び降りたり。

姉がどこかへ行ってしまうたびに、Smithson少年(この頃はやせっぽちだった)は、愛チャリのRaleighに乗って辺りを探し回る。

だから、姉の死を知った今も、東海岸から西海岸までチャリで横断し、Bethanyを迎えに行こうと決意したのだ。

SmithsonのBethanyに対する深い愛情は、本当に切ないくらいで泣ける。


はじめは肥満体だったSmithsonだが、旅が進むにつれて徐々に体重が減っていく。食事も、果物やヘルシーなサンドイッチなどに変わった。特にバナナを食べるシーンがやけにおいしそう。


ぜい肉と共に、長年溜まっていた膿のようなものも落ちていったのだろう。

読後感はさわやかで、前向きな気持ちになれる。



面白いのだが、英語の読解はけっこう大変だった。

過去と現在が入り乱れているし、唐突に全く知らない人物の名前が出てきたりするので、話の流れについていけないことがしばしばある。

しかも、現在のSmithsonの周りにBethanyの亡霊みたいなのが出てきて、普通に会話してるし(笑)。

油断していると、すぐに置いていかれてしまうが、その分、もう一度読み返したいと思わせる作品だった。


面白さ:★★★★★

英語の読みやすさ:★★☆☆☆~★★★☆☆

ダイエッターにおすすめ度:★★★★★