上総の久留里城といえば浜松城を模した二重三層の模擬天守の城のイメージだが、その始まりは北西に隣接する安住原地区に上総武田氏の祖となる武田信長が康正二年(1456年)に築いたもので、これを古久留里城もしくは上ノ城と呼ぶ。
武田氏の内紛に乗じて里見義堯がこの地を奪って南東側に新たな城を築き、これが今の久留里城に続くこととなった。その後古久留里城が廃されたか継続的に使われたかは、分からないようす。
近世城郭の本丸から奥の岩盤チックな久留里城と異なり土の城チックで、また整備の手はほぼ入っていない。
なお、城跡の呼び方は『古久留里城』で揃えた。
『房総セブン』と題して集結したオフメンも2日間の強行軍で疲労困憊の極に達し、時間も押していたので主郭から上総小学校の方へ少し入ったところで引き返した。後日ソロで追試しほぼ全域を回ることが出来た。
古城への登り口は、駐車場への隧道手前左側から麓の城山神社へ登るか、天守閣・資料館への道を途中まで行って火薬庫の前から入るか、になる。
駐車場までの途中に城山隧道。
その手前左側、城山神社への登り口。
右端の立て札には、神社から先は未整備とある。
やっぱり山城探訪は大体にして自己責任…💦
ここは車を置きに駐車場へ。
今日は寒の戻りが来て寒いが、もう桜の季節か…
資料館方面へのコンクリ道を100メートルも進むと、探鳥なども楽しめる火薬庫からのルートへの登り口。
整備された階段道。
ここを登りきると突き当たりになる。
資料館や天守閣方面の案内が左に出ているが、古城は右。
デカい倒木とか見えていて、早くも険悪な様相…🥶
『→真勝寺』とある道標があるが、その背後へ進んで、平場に出る。
ここは久留里城と古城の間になるが、城の遺構だろうか…
城山隧道上は細い尾根になり、左側の下には城山神社の屋根が見える。
その少し先で、神社から登ってきたらしい道がぶつかる。
ここはやや右への道へ💨
以前は全く道がなく尾根上を這って進むようなところだったが、ロープが張られて道のようになっている。
ここから主郭手前までの間、このようなロープ場が所々に現れるが、途中で途切れたりしている。
あくまで自己責任の世界。道なき山の経験がない人が単独で入城するのは、ほぼ自殺行為。
城山隧道脇の法面までバッサリの横を通って登りきると、尾根の東側に沿うような曲輪みたいな平場に出る。
西の端に3メートルぐらいで一定の高さで尾根が張り付いているところからは、どう見ても曲輪😮
西に張り付いた尾根上に登ってみる。
少し幅があって、外側は小櫃川沿いの平野まで急傾斜で落ちる斜面…
どこからどう見ても、曲輪と土塁の組み合わせ…
ここからは、土塁の上を進んでも良いし、曲輪の北西端からロープの設えられたつづら折れ状を登っても良い。
どちらも道の体をなしておらず、手を使うことになるだろう。
このつづら折れ状を尾根線まで登ると、小さな堀切のような場所がある。
ってコレ、堀切だろ?
少し登って見下ろすと、左カーブを描きつつ尾根に突き刺さって終わっているようすが見える。
ここからロープに沿って急傾斜になった尾根を登ってゆくと…
ザックリ❗️🤯
これが古城の東端に辿り着いたことを教えてくれる、最初の本格的な遺構🙌
ここからの下りは、堀切の側壁を折れながら降りるような、えげつないところ…💦
そして堀底。
薬研のVの底が御椀のようになったやつ✨
反対側の、足元が怖い位置からの俯瞰も美し✨
ここから先へは、正面左側から細い木の根などを頼りに直登するか、右へ回り込んで登りやすいところを探すか、になるだろう。
どちらにしても、もはや道ではないと思ったほうが良い。
ここから急傾斜の尾根を少し登ると、アパート一室より狭いぐらいの平場に出る。
ここでは、北へ派生する尾根がT字路になっている。
で、この西側、小櫃川の方へ落ちてゆく斜面が、またすげぇんだわ…🥶
広い場所で、ササヤブに覆われているので高所恐怖症のワタシでも平気だが、何もなかったら恐ろしかったに違いない…
幻の?巨大堀切
さて、主郭方面はここから直進方向だが、北へ派生する尾根上にも見ものがあるので、まずは北へ💨
かつては道だったらしく道標などが残っているし、主郭の方へと続く左側の平場に向かってロープも何本か下ろされている…
北へ行かずに主郭の方へ行く場合には、尾根の分岐から西の方に向かって降りてゆく踏跡があるので、そこから降りてゆくと歩いて登降出来る。
で、尾根を北へ進んでゆく…
途中の、こんなちっこい凹みも堀切に見えてしまう😅
そこからさらに尾根を下る。
尾根の分岐から150メートルばかり入り、森の向こうに資料館と駐車場が見えて談笑も聞こえるところ…
で…で…でっかい🤯
足元の尾根が、突然ザックリ❗️
正面は急傾斜すぎて降りられないので、左側少し手前あたりから立木や木の根などを頼りに降りてゆく。
降りながら、もう美形な薬研堀の姿が✨
さて、古城からずいぶん脇道に逸れた…
ここから先に遺構は無さそうなので、古城への道に戻るか…
(古久留里城 その2に続く)
(2025年4月4日 記)