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駒寄城は、麓の居館部と山頂付近の詰城とに分かれる。

詰城までは駒寄神社のあるところからの比高が200メートルほどもあり、登道も下草に埋もれてはっきりしなかったりするので、なかなかに骨が折れる。

訪問したときには要所にピンクリボンが掛かっていて付近を探せば踏跡はだいたい見つけられたが、状況によっては登れない事があるかも知れない。

また、特に下半分はほぼ沢床を道が辿っている。水のない涸れ沢で、ハッキリしないながらも踏跡もあるが、落石などを受ける可能性もあるだろうし、大雨などの時は危険だろう。

地形図とGPSを使って慎重に登るのが良い。

(電子国土webの図上に筆者作図)

GPSログではない!遺構の位置や形は正確でない!

 

道は城の主郭前を沢に沿って登ってゆき、いつしか沢床あたりを登ってゆくようになる。

この時期は草深くて湿っぽく、土の見えない場所を踏みつけるのも怖い。

 

途中に、子象ぐらいの大岩😮

ここで標高710メートル。まだ道半ば💦

 

この大岩の右側を踏跡が直上しており、少し上の標高730メートルぐらいまで行くと右岸側にハッキリした踏跡が残っている。ほぼ直登だが見つけられれば速く登れる。

 

770メートルあたりまで来ると、ピンクリボンの下に付けられた道が沢を離れ、ピークから北西に伸びる尾根に登ってゆく。

トラロープもフィックスされてる…😮

 

そして、この尾根の末端付近に詰めあげる。

ここ、箱堀状の断面を持つ凹になっているが、これがどうやらホンモノの堀切らしい🙌

 

北東側から俯瞰する。

めっちゃデカい😮

 

城の主要部は尾根の末端側にあるらしいが、まずは山頂の方へ。

堀切を振り返ると、デカくて浅い不思議さ…

 

堀切の東隣には、六畳一間ぐらいのごく小さな削平地がある。

 

そして、その向こう側にはミニチュアみたいな小さな堀切も…😮

 

 

尾根の北側を沿ってゆくと、トラロープで尾根上に導かれる。

尾根上には、曲輪らしい削平地はほぼ見えない…

 

あるとすれば、六畳一間ぐらいの広さのここぐらいか…

 

その先に、小さいながら今度はしっかり薬研のV字を見せる堀切があった😮

 

底に降りても美形✨

 

そして、南側に落ちる竪堀が左に折れ曲がっている😮

手の込んだ土木工事をしている。

 

この堀切から、細くなった尾根をぐーっと登った先に見える先に、城の末端がある。

ここも雄大な景色✨

 

そして、この尾根が少しだけ下る手前の小ピークが、城の末端とのこと。

 

削平されたような感じには見えないが、もともとは三角形、六畳一間ぐらいの広さか。

たしかに山頂側を守れば、城の末端で見張りなどが出来そうな立地。

そして、その先のコルには…

 

右から伸びてきてるの、土橋だよね…?😮

 

城の末端をさすがに何も守っていなかったことは無いらしいが、それにしても登り着いたところの堀切に比べると、土木工事はずいぶんささやか…

こちら側は見張り程度で、主要部はあくまで反対側だったということなのだろう。

 

さて、こちらは詰城の主要部は反対側…

引き返して尾根末端に向かう。

 

そして、最初の堀切まで戻ってきた。

この南端の方に、奥へ入る道があるようだ。

 

そして、入ってビックリ…

 

箱庭みたい🥳

写真だと雰囲気ぜんぜん出んなぁ😅 ←ヘタクソ😑

 

登った先にあったのは、三方をしっかりとした土塁で守られた、20メートル四方ぐらいの方形の曲輪だった。

堀切に面した側の土塁の高いこと🤯

 

堀切を穿って出た土を、まんま積み上げたな😮

 

その西から北に向かって、幅10メートル無いぐらいの帯曲輪状が伸びている。

少し北に傾いているか…

 

その南端付近から、西に向かってかなり急な尾根が降りている。

ここを降りた先に大手口があるようだ。

 

尾根には、遺構らしいものがほとんど見当たらない。

標高720メートルより少し下ったあたりに、幅2メートルぐらいの三日月形をした段郭らしいものが2〜3段あるくらいか。

 

そして、このあたりから向こうに、明らかに城塞のような土むき出しのものが見えてくる🤯

スゴい光景だ…

 

近づいてみると、それは天端の幅が1メートルほどある土塁で、南側に武者走りのような西へ通じる平場が設えられたものだった。

 

土塁に登って、西の端まで行く。

 

櫓などが立ちそうなスペースは無い…

反対側は西側のガケのような急斜面に真っ逆さまというところだが、ホントに土塁だったのだろう。

西の端まで行ってから、この土塁を振り返る。

 

土塁の先っぽに、六畳一間より少し広いぐらいの曲輪らしい平坦地があった。

 

で…

 

大手って、この急なルンゼ状??😮

 

写真では分かりにくいが、曲輪らしい平坦地の向こう側から、鋭いV字をしたルンゼ状が60°はあろうかという急傾斜で下っていた。

コレは、登降すんのムリでしょーよ🤯

懸垂下降するような斜度だぜ💦💦

 

けっきょく、ここからは尾根側の付け根に南から登ってくる広い沢ぐらいしか、登って来られそうな場所は見当たらなかった。

ただ、信州の麻績古城のように主郭虎口がガチ直登のようなスパルタな山城もある。

実際にここが大手口であっても、おかしくはない??😮

いやいやムリっ😱

 

ここから下山する大手道の跡があるかもと淡い期待を抱いていたが、そんなもんはイッパツで吹っ飛んだ😨

もと来た経路で下山〜ん💨💦

 

城郭らしいところが登城口付近と主郭まわりだけだった居館部とちがって、詰城は素朴ながら戦う山城の厳しい表情を漂わせた城だった。

この城では会津田島まで来た伊達勢を食い止められないと判断して川向うの久川城に移転したのは、時代の流れだったんだろうな…🥺

 

【完】

 

★駒寄城詰城

福島県南会津郡南会津町白沢下ノ原

駒寄城とセットで登城するのが良いが登路は踏跡程度。

山城

 

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(2024年7月13日 記)