2017年、一発目の国民投票が2/12に行われる。
いつも思うが、自ら議題にイエス・ノーを言えるこの国民投票のシステムは、素晴らしいと思う。
私はスイスに暮らす外国人として、こういう外国人に関する議題があると、スイス人の考え方が気になって仕方がない。
続々と郵便で、投票用紙と議題の内容が書かれた小冊子が、選挙権のある各人に届いているはずで、うちにも来た。
ここでいつも思うが、郵便で送り返すことで投票が出来てしまうシステムもすごいと思う。けど、投票も紙がもったいないから電子化にしよう、なんて考えもあるみたいですね。
スイス人て、どこまでも合理的やわ。
さてと。
冊子も定番の赤カラー
日本語で少し訳すと、
祖父母がスイスに移民としてやってきた世代で、スイスで生まれ、スイスで学校に通い、あらゆる活動にも参加している、第三世代の若者に対する、スイス国籍取得手続きの簡易化
とある。
ここで焦点となるのはやはり、その人物が、十分にスイスを故郷と感じ、スイス社会に馴染んでいるか、ということだろう。
この国民投票を前に、無料新聞でも関連記事があったので、載せます。
パスポートなしでも、スイスは故郷
この記事の人たちもおそらく、第3世代の人だと思う。
外国籍だからと言って、就活や住居探しで不利になることはないだろう、と考えているようだ。
また、手続きに3,000フランの費用がかかること、複雑な役所手続きなどで嫌になった例も書かれている。
最後、ただ1つ、投票ができないことが残念だとあるが、これはもっともな意見だと思う。
十分にスイス人として生きていても、選挙権がないことで、スイスの枠からはじかれたように感じるのは、何となくわかる。
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手続きを簡素化したからと言って、申請者が極端に増えるとは個人的には思えないのだが、現に、スイス国籍がただ欲しいだけの外国人もたくさんいるわけで、そういう人たちをどのように見極めるのか、気になるところ。
それとも、ヨーロッパの国籍に対する意識は、日本のそれほどは強くないのかもしれない。
けれど、こちらで生まれ育った第2世にあたる友人が何人かいるが、彼らはあえて、スイス人になることを、選択していない。
親のルーツを大切にしているようだ。
この赤い冊子には、
第3世代の若者は、スイス社会においては大切な一部であり、たいていは、祖父母の母国よりもスイスにより強いつながりを持っている
ともあるのだが、「たいていは」って何だろう。そんな言葉で一括りにしないで欲しい、とも思う私は、外国人だから、だろうか。

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そんな私も、日本でもしこんな議題が上がったら、おそらく、「イエス」と投票するかもしれない。
例えば、祖父母が外国人で、一緒に育った親しい友人がいたとして、どこからどう見ても「あんた日本人やん」という人がいたとしたら・・・
あなたなら、どうしますか?