ラブリン・モンロー
「ラブリン・モンロー」 こと『マイ・スゥイート・ワイフ』が私に提案します。
「『定額給付金』どうしよっか?」
さして欲しいものも無く、振り込まれると知った今、貯金してやろうかと思っていた矢先にそう問われました。
「貯金したろうかと……」
「いやいや、せっかくだからパァーっと使おうよっ!」
何たる気っ風の良さ。
何たる男らしさ。
我が家の「大蔵大臣」は「ラブリン・モンロー」、私も反対する大した理由も御座いません。
「私、欲しいものがあるんだよね。」
なるほど。
そうだったのかとその「もの」を聞いて見ると「電子ピアノ」が欲しいとの事です。
「レイディ」の「マストアイテム」………「ピ
ア
ノ」
先程の「男らしさ」とその「ギャップ」。
これこそ私の愛する「ラブリン・ハニー」に他なりません。
それは良い!と相槌をうち肝心な事を聞きます。
「で、おいくら万円?」
「ん~、そうね、2、3万。」
あらあら。それでは「定額給付金1万2千円」を超えてしまいます。
じゃ、少しお金を足して………と思った刹那
「あんたの分と足せば何とかなるでしょっ!!」
「えっ??……えぇっ!?」
ねぇ…ハニー…………
我が家は「定額給付」じゃないのかい…………。
『オマエのものは俺のもの、俺のものは俺のもの』
何たる・・・・・・『ジャイアニズム』。
その日から「ラブリン・モンロー」改め
『ジャイ子』
と呼んでいます。(もちろん心の中のみで。)
《今日の雑学》
○「ジャイ子」には「その名前でいぢめられる子供がいない様に」との藤子不二雄先生の配慮から
本名が設定されていない。
○「少女漫画家」を目指す「ジャイ子」のペンネームは「クリスチーネ剛田」である。
へえ。と思った分、下を連射してくださいませ。
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こうなったら「ジャイ子」の練習の隙間を縫ってこちらも「ピアノ」を練習し、
QEENの『Somebody to love』を弾き語ってやろうと思います。
妖怪大全集・番外編
「スーパー銭湯」…………
それは魑魅魍魎が巣くう「妖怪の館」……………。
皆様にご紹介いたしましょう。
『妖怪・つり五平』(別名『パックン』又は『元・三平』)
この「妖怪」はつりぼりの後、スーパー銭湯へ行きたいと自ら懇願して出没。
敗戦の痛手が冷やし切ってしまったのは彼の身体か、それともその心か。
つりぼりでの敗戦直後、
「おいっ!五平っ!!「つ」じゃ可哀相だから「つり」にしてやんぞ。」
との言葉を投掛けると
「過去二回勝ってるのに『五平』なんですか?」
などとボンクラな事を言う始末。
『三平』の称号はボクシングのタイトルマッチと同じ。勝者がその栄冠を手にするのです。
「だから「つり」にしてやるって言ってんだろっ!」
その言葉に悔し涙を浮かべて
「あ……ありがとう……ございます……。」
などとのたまいます。
「敗戦」の悲しみからか洗い場で身体を洗い沸立つ泡も心なしか濁った色に見えます。
「負けの悲しみを洗い流して、心の傷をお湯で癒せよっ!ぷぷっ」
と優しく声をかけると、その涙を隠す為か、顔を洗いお湯を顔面に掛け続けるのでした。
「風呂上りは祝勝会だぜ。五平っ!」
「ぐっ!………は、はい。」
「心配すんな。二次会は五平の『残念会』してやるからなっ!」
そして翌朝、
「つり・五平」こと『パックン』は「妖怪・マーライオン」と化し、
『トイレでシンガポール』を迎える事になるのでした。
ちなみに『ネクスト・ムーヴメント』 、映画版『釣りキチ・三平』 絶賛公開中
つりぼり十番勝負《ニジマス編⑤》
「じ、じっちゃん!おら、困ってるっペよ!」
「三平、どした?…・・・・・・よし。わしのやり方見てるだぞ。」
「うん!!でも、じっちゃん!おら、今「五平」なんだ………」
「ははっ。しんぺぇいらね。わしのやる通りやりゃ、三平じゃ。」
「うん!!分かったっ!じっちゃんっ!」
そんなやり取りを心で交わす程、その横で釣りを始めた釣人のキャスティングは見事なものでした。
実際には「じっちゃん」よりは「魚神さん」………
いいえ、もっと若いお兄ちゃんなのですが、今はそんな細かい事はどうでもいい。
そのしなやかな竿の振り、風切る音、全てをもってしても「じっちゃんクラス」と言うべき程のテクニックの持ち主なのでした。
何本かを投げた「じっちゃん」は、アタらないのを見るやすぐさまルアーを変更。
遠目からでしたが私が最初から使っていたルアーに良く似ているようです。
「良く見るんじゃ!三平。」
「うん!!じっちゃんっ!!」
チラリと合った視線でそんな会話が交されたと私には思えました。
「この辺りからわしは仕掛ける。おめぇはこの奥からじゃ。」
「うんっ!!」
「この拍子で巻け。そうじゃ、わしに合わせて!」
「いいっぺよ!じっちゃんっ!」
そこから「じっちゃん」は神懸かった様な怒濤の釣りを見せます。
流れる様なキャスティング。
リールを巻く………。
「ヒット!!」
そして魚を取り込む。
その動作が何度となく繰り返されるのでした。
今同じつりぼりで釣っている事が嘘かの様な釣果を見せるのでした。
「じっちゃんっ!これでいいんだべか?」
「おらを真似れ!さすればおめぇは「三平」じゃ…」
目を丸くし「じっちゃん」の釣果に驚きつつ、過去の栄光か、今の驕りか…………
「三平師匠」は、今までの釣りと変わらずじまい……。
やっと一本を上げその釣果を「4匹」としたのです。
「三平っ!今ここが一番「食いが立つ場所」じゃあ!!」
「じっちゃん」が投げる。
そして私が投げる。
遂に二匹目を上げました。
じっちゃんの「教え」がこの身に浸透し、何かを掴んだ様な感覚に包まれました。
「それで良いんじゃ……。」
私がそう思ったのは「じっちゃん」が私を向き投掛ける微笑みに他なりません。
さらに一匹、そしてまた一匹…………。
とうとう同点まで漕ぎ付く事が出来ました。
そしてその時、久し振りに「三平師匠」に視線を合わせました。
「追い付いたぜ!三平師匠っ!」
その表情全体に焦りの色を漂わせ時計を見る「三平師匠」。
「後、20分位か………。」
どうやら4匹目以降は大したアタリにも恵まれず、何とか同点で「三平」のタイトルを守り切りたい……。
そんな弱気な心情がその表情から滲み出ていました。
「じっちゃんの教え」で開眼した今、私はこのままドローで終わる気など微塵もありませんでした。
残り時間は少なくなっていましたが、必ず釣れると信じキャスティングに入ります。
すると横にいた「じっちゃん」は竿をしまい帰る支度に入りました。
心の中で言葉をつりぼりから去る「じっちゃん」の背中に投掛け、「教え」の通りリールを巻く。
「ありがとう、じっちゃんっ!助かったっぺ!」
「最後まであきらめるでねぇぞ、『三平』。」
「うん!おら諦めねっ!」
ニジマスがルアーを引く手ごたえが私の竿を伝いその腕を震わせるのでした。
《おわり》
『つりぼり十番勝負』 過去の対戦はこちら
『戦いの導火線』・・・・・・・・・《ヘラブナ編》
『戦いの発火装置』・・・・・・・・・《鯉編》


