日本で馴染みの薄いロシアのバンドであるが、このバンドを知ってる、あるいは観たことあるメタル者は多いと思う。

91年ソ連崩壊の年、モスクワで開催されたモンスターズ・オブ・ロック、AC/DC、METALLICA、PANTERA、THE BLACK CROWSが出演、50万人を集めたとされる。

AC/DCの代表曲から「FOR THOSE ABOUT TO ROCK」(ロックしようとしている人たちへ)と題されたそのドキュメンタリービデオが日本でも発売されていて、ロシア側から唯一参加していたのがこのバンド。

 

FOR THOSE ABOUT TO ROCK: ロシアからの招待状

 

 

だからこのビデオ観てたら観てるはず。

 

 

E.S.T.

 

 

85年、モスクワでザーン・サガデーエフ(Vo&B)、アンドレイ(G)、ヴィクトル(Dr)のゲルネーザ兄弟によって結成される。当初は3人の名からЖан-Гернеза(Zhan-Gerneza)と名乗っていたが88年にE.S.T.に変更。ゲルネーザ兄弟はデビュー前に脱退、89年の1stアルバム「ELECTRO SHOCK THERAPY」発表時にはザーンを中心にした4人組になっていた。

唯一持ってたのは91年の2nd。

 

ПРОБА ПЕРА

 

 

翻訳かけたら「羽毛のサンプル」になった。よくわからない。また3人に戻ってるし。(フェスのステージ上には5人いるような?)ちょうどそのフェスに出演した年の発売、世界的に名を知られる直前のアルバム。

荒々しいヘヴィR&R、根本にAC/DCやMOTÖRHEADなんかがありつつアメリカンロックからの影響も隠せないような、荒い演奏とVoの汚い声質からサザンロックというかカントリー、カウパンクみたいな荒野っぽささえ感じる、そこにあからさまなロシアっぽさが出てくる、2曲目の "Батько, пожалей коней" なんてヘドバンしながらコサックダンス踊りたくなるような気分になった。

4曲目 "Игры зверей" は完全にカウボーイ風、荒野を駆けるような疾走感が心地よい。ロシア版VULCAINとかWALTONSみたいな。"Пьяный без вина" なんかもロシアで爆走するTANKみたいな男臭さがたまらない。そういう変さを楽しめたらイケると思う。西側のバンドとは明らかに違うものがある。

 

フェスで演ってたAC/DC丸出しの "Bully" という曲がどのアルバムに収録されているのかわからない。少なくとも2ndには入ってない。

 

 

95年に3rd「13」、98年に4th「Терапия для души」、ライブアルバム、2003年に5th「Злой рок」、2005年6th「Подъёмъ!」と2009年にザーンが亡くなるまで活動を続けた。死因に「Sucide By Hanging」と書いてあった。R.I.P.

2012年に再結成、中心だったザーンはいないが彼とともにバンドを結成したアンドレイを含め1st、2nd時のメンバーが復帰している。

 

 

"ПРОБА ПЕРА [FULL ALBUM]"

 

"Bully"