FIST
FISTと言えばNWOBHMで有名、そしてカナダにもFISTがあることは知っていた。中古盤でよく見かけた数枚を買ったり、このオムニバスに収録されてたりしたから。でもそこまで興味のあるバンドでもなかったから、他のアルバムを買うことなく現在に至る。FIST我らの世代がカナダのバンドとして思い出すのは80年代、ANVILやEXCITER、HELIXとかKILLER DWARFS、HONEYMOON SUITE、BRIGHTON ROCKなどなど、このFISTはそれらよりもう一つ古い世代、RUSHやTRIUMPHなんかに近い70年代寄りの歴史あるベテランバンド。79年、オタワでロン・シェニエ(G&Vo)を中心に結成されたKeyを含む4人組。地元でのライブを経て同年、自主でアルバムを制作。ROUND ONEこんなの当時は一切知らなかったからずっと後に買った再発盤。だから思ってた音と違う、プログレ風味の爽やかなメロディアスロック、ポップというより空を飛んでるような浮遊感とか、Keyが多用されたスペーシーな雰囲気はRUSHなんかに近い印象。もっとAOR寄りでRUSHみたいな緊張感は皆無だけど。曲によってはBÖC思い出したりした。最初はこんなバンドだったのね。でも悪くない、古さはあるがロックの一形態として質は高いし普通に楽しめる。予想と違ってただけで。そしていつも言うカナダらしさ、このアルバムにも物凄くあって空間の広さとか大陸感、のどかで広大さを感じる。泣けるメロディとか曲とかそう言うのとは違う、爽快な感じ。その分スリルとか感動は薄い。メタル要素もほぼない。近代HR/HM以前の70年代な音。カナダからアメリカまでツアーで回りその成果が出たのか80年A&Mと契約、2ndアルバムを発表。HOT SPIKESジャケ見たら分かる、メタルに寄せてきた、時代的にNWOBHMの波に乗せてきたのかな。HRっぽくはなっても相変わらずメタル感は薄い、それどころかちょっと軽薄になったような。。古臭さも変わらず。このアルバムをよく当時の輸入盤のバーゲンで見かけて、だからFISTはこのアルバムのイメージだったはずなのによっぽど聴いてなかったのか、改めて聴いたら「こんなんだったっけ?」って首を傾げた。GのロンとBのジェフ・ナイルストロムがそれぞれ歌ってて、その声質が全然違うから曲によって印象が変わる。タイトル曲 "Hot Spikes" は長年思ってたFISTのイメージ、ヘヴィで一番HR/HM感がある、続く "Are You Crying" は後のメロディアスハードに通ずる佳曲。"Alimony" や "Never Come Back" も楽しい気分になれるグラムバンド風ポップでキャッチーな良曲。中程に良い曲があるね、ここらへんを1曲目に持ってきてほしかった。メジャー契約で制作費も掛けられ自主制作だった1stに比べると一流感が出て、その上で内容の良さから高く評価されFISTの名は北米に広く知れ渡る。メンバーチェンジが勃発、バンド内はゴタゴタしていたが81年に3rd「FLEET STREET」を発表。オリジナルは散髪屋の椅子ジャケ、タイトルとジャケを変更したイギリス盤とアメリカ盤、これもバーゲンで買った。THUNDER IN ROCKNWOBHMのFISTの存在を知りこの時期バンド名をMYOFISTに替えていた、だからイギリス盤はジャケのロゴも変更されている。メタル感溢れる良ジャケ、散髪屋の椅子よりこっちのがいい。だんだんHR/HM感が上がってメタル者には嬉しい、ロンの強烈にダーティで男クサいVoにマッチしたヘヴィロック、そこにまぶされたKeyによって初期要素も維持、荒々しさとキャッチーさが上手く合わさって彼らならではのオリジナリティが感じられる優れたアルバム。じっくり聴いて感動する、泣けるとかそういう音楽性ではないがロックとしてのカッコ良さは間違いなくある、骨太でベテラン感もあるから大物バンドみたいな、あるいはポップ寄りになったサザンロック風なおおらかさを感じる。83年に4th「IN THE RED」を発表、でも出会うことなく以降買うこともなくなった。ただ冒頭のオムニバス「MOOSE MOLTEN METAL VOLUME 1」に収録されてた “Killer” がとても良い曲で、85年の5th「DANGER ZONE」は常に欲しいと思っていた。MOOSE MOLTEN METAL VOLUME 1でも4thでA&Mから切られ、GRUDGE RECORDSからの発売になったせいか入手が難しくなって買えなかった。NYのインディーズGRUDGE RECORDS、そういやDED ENGINEの2ndもなかなか入手できなかった覚えがある。以降解散していたのか間が空いて92年「IN OUR FACE」、さらに93年「REIGN OF TERROR」95年に「LOUD, LOUD, LOUD」、またここから間が空いて2006年9th「BOLTED DOOR」、そして2022年に「ALIVE」を発表して現在も活動中とのこと。初期作は再発CD化されてる、でも肝心の5thがされてない。5thだけは今でも欲しいね。"Hot Spikes""Are You Crying""Never Come Back""Double Or Nothin'""Leather N' Lace""On The Radio"“Killer”Round OneAmazon(アマゾン)Hot SpikesAmazon(アマゾン)In the Red -Reissue-Amazon(アマゾン)Loud Loud LoudAmazon(アマゾン)Bolted Door 2012Amazon(アマゾン)