戦車のことをTANKと言う。
もはや日本語にもなってる、タンクと言えば本来水とか液体などを貯める容器のこと、燃料タンクとか。
第一次大戦の頃イギリスで初めて戦車が開発されたとき、戦闘用の装甲車であることを隠すために表向きは「水運搬車の開発」としていた。その開発中の名称がそのまま戦車のTANKになったとされる。


TANK


元パンクバンドのメンバーだったVo&Bのアルジー・ワードとピーター(G)&マーク(Dr)のブラブス兄弟によって80年ロンドンで結成されたTANK、デビュー時にMOTÖRHEADと深い関わりを持っていたため、MOTÖRHEADの弟分と言われていた。音楽的にも酷似しており、パンクやR&Rが元になった荒々しく埃っぽいヘヴィロック。

KAMAFLAGE RECORDSからシングル「DON'T WALK AWAY」でデビュー、82年1stアルバム発表。


FILTH HOUNDS OF HADES


日本でも発売され、邦題は「激烈リフ軍団」。



トリオ時代の名盤。

7インチピクチャーシングル。


(HE FELL IN LOVE WITH A) STORMTROOPER

裏。


同年早くも2ndアルバムが登場。


POWER OF THE HUNTER


インスト曲 "T.A.N.K." は1stの "Turn Your Head Around" と並んで初期TANKで最高に好きな曲の1つ。爆走する戦車が目に浮かぶ。

3rd「THIS MEANS WAR」で、やや音楽性を変えてくる。


THIS MEANS WAR


ツインリード編成になって曲も大作指向で聴かせるタイプとなり、より正統派ヘヴィメタルに接近、その方向性が完成し爆発するのがこの傑作4thアルバム。


HONOR & BLOOD


A面3曲が曲間無く畳み掛ける様は圧巻。戦慄が走る。これぞ真のヘヴィメタル。伝統的スタイルのギターソロが琴線に触れまくる。鳥肌の嵐。



もともと男臭いバンドではあったが、このアルバムでは特に男の哀愁を感じさせる。戦地に赴く兵士達の悲しみ、戦場で思わず空を見上げてしまうような絶望感。歯を食いしばって戦い、倒れていく兵士の無念さ。血と涙。そんな戦場の荒涼とした空気を感じさせてくれる。
さらにクールな男がときどき哀しく、寂しく微笑むような、人知れず声を出さずに、涙を見せずに泣いているような、聴いているとそんなイメージも浮かんでくる。
ヘヴィメタル史上に残る必殺の名盤中の名盤。

長い沈黙の後、87年に5thアルバムがひっそり出た。


TANK


同路線ながら4thが名作すぎたのかあまり評価されていない感じ、曲自体は悪くないし、らしさも十分にある。
ジャケの手抜き感が酷いな。"March On, Sons Of Nippon" なんて変な曲もある。

ここで完全に動きを止める。爆走したTANKは姿を消した。
誰もが忘れ、とうの昔に解散したものだと思っていた2002年「STILL AT WAR」で復活、


STILL AT WAR


初期の荒さと後期のドラマティックさが融合した快作であったが、この後TANKは二つに分裂する。



"The War Drags Ever On"


"Kill"


"Turn Your Head Around"


"T.A.N.K."


tank3tank6
TANK '84


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