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CARVEN MEN 2016 SS !!!




 今日はCARVEN(カルヴェン)の2016 SS MEN'S COLLECTIONのリポートをお伝えしましょうね。




 前回2015-16 AW MEN'S COLLECTIONのディレクションをもってアーティスティック デレクターのGuillaume Henry(ギョーム・アンリ)の退陣が発表され、2016 SS WOMEN'S COLLECTIONからAlexis Martial(アレクシス・マーシャル)とAdrien Caillaudaud(アドリアン・カヨド)のイケメンお二人さんによるコレクションは既にこちらのブログでも御紹介した事と思います。



 随分と時間が経ってしまい、あれ?って感じですが、実は今回のMEN'S COLLECTION、新しいメンズウエアのクリエイティブ・ディレクター、Barnabé Hardy(ベルナベ・アルディ)のファーストコレクションになります。私、彼のInstagramをフォローしてまして、この半年間の彼の日々のクリエイションを見ていると、なんだかすっかりディレクターとして落ち着いた感じでして、、、、、。これって、デジタルマジックですねぇ。。。



 でも、今日御紹介するのは彼のファーストコレクションになりますよぉぉぉ=。



 まずはこちらの一目惚れのコートに袖を通させて頂きました。ブルーグレーのベースに赤、青、白というトリコロールカラーの波形のアブストラクトなプリントのコートで、レインコートのようにガサッと羽織れる、着易いストレートシルエットです。


 ディテールにも拘った作りになっていて、羽織った感じで『今までとは何か違うぞ。。。。』という心地よい新鮮さを感じさせてくれましたね。



 何故だか、この日履いていたピエール アルディーのスニーカーとカラーリングはマッチしております。。。。しかも、名字も被る。。。。。www 




 今回のプレゼンテーションは、サン・ジェルマン・デ・プレ教会の側のお馴染みのプレスルームで行われましたが、いつもとは少し違うしつらえでゲスト達をおもてなししました。


 入り口のドアの前には一枚の銀杏の葉のプリント。ゲスト達を誘導するように中に入ると、会場のスクリーンにも美しい銀杏の葉のデコレーションが飾られています。まず少し暗めのお部屋に通され、そこでは今季のカルヴェンがテーマとする男性像をイメージしたショートムービーがイントロデュースとして上演されていました。


 Jan Urila Sasの『Legacy/レガシー』のエキセントリックなミュージックビデオでもお馴染みの、フランス人アーティスト達に爆発的に支持を得ている映像ディレクター、Anton Bialas(アントン・ビアラス)によって今回の為に撮影されたムービーは、世界の何処だか良く解らない、時代に取り残されたような70'Sの現代建築の都市を、はっきりと何人だか解らない新しいカルヴェンのコレクションを纏った青年が、駆け抜けたり佇んでいたり、実にグローバルな印象を受けます。



 新しいクリエイティブ・ディレクター、Barnabé Hardy(ベルナベ・アルディ)がファーストコレクションに選んだのは、都会を冒険するカルヴェン メンの為の新しいワードローブです。クラシカルなガーメンツをベースにカルヴェンらしい捻りを加え、遊び心をさりげなく漂わせます。


 都市の中に存在する様々な光はコレクションの随所に鏤められます。ビルの谷間から覗く朝日や現代建築の窓ガラスに反射する強い日差し、摩天楼に消えて行く夕日から漆黒の闇。。。。明と暗のコントラストはユニークなハーモニーを奏で、デイでもナイトでも活躍しそうなユーズフルなアイテムが用意されています。


 カラーパレットはネイビーやコバルト、ブルーグリーン、インディゴブルーと様々なニュアンスを付けたブルーのグラデーションをベースに、鮮やかなレモンに始まる12色のクレヨンの中の赤や緑のようなポップなカラーがアクセントに。。。。もちろん、ホワイトやグレー、ブラック等のベーシックカラーはそれらを引き立てる名脇役として良い仕事をしています。




 では、早速コレクションを御紹介して行きましょうね。ブラックのジップブルゾンにサックスブルーのシャツ、ネイビーのパンツにブラウンのシューズ。。。。メンズウエアのスタイルとしてはほぼほぼ全ての人にマッチしていてしまいそうな、エターナルなプロポーションからコレクションはスタートします。


 一見するとブラック一色に見えるこちらのブルゾンに使用されているファブリックは、ナイロンのような光沢のテクニカルファブリックでございまして、近づいてみると、、、、。ブラックにダークネイビーで銀杏の葉のパターンがジャカードで表現されています。ほんと1,2mくらいまで近づかないとわからないくらいのさり気なさです。


 敢えてフロントのジップはブラックでボディと同化させ、襟に施されたドローストリングのメタルパーツや、ポケットのジップのみをシルバーにしてアクセントを付けているのも、ベルナベの拘りを感じますね。


 コットンのパリッとしたクラシカルなシャツは小さめの襟でスマートに、ネイビーのパンツはウエスト部分にストライプのディテールを施して、若々しさの中に男子特有の拘りを感じさせてくれたルックでしたね。。。





 今回も恒例のカルヴェンボーイズ達は会場でゲスト達をおもてなししてくれましたよ。


 まず左のモデル君が着用しているのは、武道のコスチュームのような、または医師の制服をイメージさせる深いダブルのショールカラのーのシャツです。ほっそりとしたボディーラインとゆったりしたショルダーやスリーブのコントラストが実にユニークで、一番上のボタンだけ表に出し、あとは比翼にしているのもニクい演出でしたね。


 右胸に施された両たまぶちのコインポケットに飾っているのはやはり銀杏のモチーフのピンでございます。。。パンツも、こうやって離れてみるとブルーグリーン一色に見えますが、近くに寄ると複雑にメランジェした糸を使って織り上げたツイードライクな素材で、素敵でしたね。。。



 右のモデル君が着用しているのは、ライダースの襟とフロントのデザインをシャープに再解釈したブルゾンで、ポケットの矢羽根のフラップや細めのスクエアのシルエットがコンテンポラリーな印象です。使用されているのは生地の繊維を何処までも拡大したかのようなユニークなプリントで、少し離れるとカムフラージュのようにも見えましたね。。。。


 洗剤のCM等で『ミクロの汚れも!!!!』みたいな時に登場する拡大図。。。。。。少しそんな感じがしてしまいましたが。。。。。汗。。。。。

 
 印象的な一つタックを施したショートパンツとホワイトのシャツ、ショートブーツでアーティスティックなグッドボーイスタイルを提案していましたね。。。




 こちらのブルゾンも素敵でしたね。。。


 ダークネイビーのスエードを用いて仕立てられたのは、フロントにボタンとジップがダブルで施されたブルゾンで、よ~く見て頂くとお解りになると思いますが、舞い散る銀杏の葉がアップリケで施されています。丁度葉脈にあたる部分に効果的にステッチが施され、エレガントなアイテムでしたね。



 今回、会場のデコレーションにも用いられていた銀杏の葉ですが、実はこれはクリエイティブ・ディレクターのベルナベ・アルディのラッキーアイコンなんだそうです。気になって少しグーグルしてみましたが、この銀杏。。。。色々と面白い話が出て来ましたので御紹介しましょうね。


 裸子植物門イチョウ網イチョウ目イチョウ科イチョウ属のイチョウでございますが、お解りの通りチョウと言われる植物は現在一種類しか世界に存在しません。1億5千年前のジュラ期にイチョウの仲間は大繁栄しますが、親戚縁者は全て絶滅し現在化石でしか残っていません。よってレッドリストの絶滅危惧種に指定されています。

 
 その葉の形状から広葉樹に思われますが、実は松や杉等と同じ針葉樹。紅葉、落葉する実に特殊な針葉樹で、原産地は中国の山奥と言われています。10世紀頃まではかろうじして自生していたらしく、当時発見した人々がその葉の色と形の美しさ、銀杏の身を食べる習慣が生まれてから、人為的に栽培されるようになって絶滅の危機を逃れました。


 元々は中国、朝鮮半島にしか生息しない『極東の奇木』の銀杏は、鎌倉時代から室町時代に日本に渡って来たので日本人との関わりは以外と浅く、平安以前の様々な花鳥風月を詠んだ『万葉集』等にも一切登場しません。因みに学名でもあるラテン語のGinkgoは江戸時代日本で呼ばれていたGinkyoがそのまま移植されたそうで、gの部分は書き間違いがそのまま登録されたそうです。www


 もちろん、ローマやギリシアの神話にも一切登場しないこの古代樹は、現在ドイツ等の医療グループの研究によってその薬効成分が研究されています。イチョウ特有のギンコロイドとビロバライトが、血管の拡張や血液凝固の抑止に効果があるとされ、もしかしたらアルツハイマーにも効くのではないかと研究されています。。。



 イチョウの葉がラッキーアイコンだというベルナベ君。。。。。何か個人的なエピソードでもあるんですかねぇ。。。。おじさん的にはそこの所が知りたいです!!!!!




 今回、コレクションに登場する要素の一つにトロンプルイユというアイディアがあります。先ほど御紹介したブルーグリーンのパンツや繊維の拡大画像のようなプリント、銀杏のデコレーションを施したブルゾンにも見て取れるように、近づいた時ははっきり見える物が、距離を置くとぼやけて違う表情を見せるとユニークな視覚効果を作為的に生み出しています。

 
 数多く用いられているブルーと対照色となる、レモンイエローのシャツジャケットが爽やかなこちらのルックでございますが、インナー着ているホワイトにブラックのプリントのシャツ、こちら身頃にはマイクロサイズの小さな銀杏のパターンが描かれ、袖の部分はミニマムなウィンドーペーンでございまして、構造的にもトロンプルイユに仕立ててあります。


 イエローのジャケットのサッカーのファブリックや、ボディバッグのスエードの少し無骨なムードが、さりげなくレトロテイストを感じさせていましたね。。。



 柔らかいカーキのレザーを使用したこちらのブルゾンも素敵でしたね。。。はい、私、この種のレザーブルゾン愛好家でございますので!!!!


 実にプレーンに仕立てられたこちらでございますが、まず、ボディーに施された独創的なカッティングが注目です。ネックからスタートしたラインはアームホールギリギリで切り返しウエストに繋げ、その間にポケットまで施すという実に個性的なライン。。。。もっとシンプルにも出来るのに、敢えて難しいカッティングにチャレンジする事で、何とも言えないラグジュアリーなムードを生み出していましたね。


 リブの部分も実にユニークです。パッと見、シャツカラーに見えるようにボディーをカットし、そこにリブをはめ込んでいて、こちらも行程的に手間がかかりますし、リブ自体も編み地を変化させ実に個性的ですね。


 こういうクラシカルなピース一つとっても実に個性的な仕立てになっていて、真摯にメンズウエアとしてデザインしている部分にも、ベルナベへの期待感を抱きましたね。。。


 
 かつてのアーティスティック・ディレクター、ギョーム・アンリは実はメンズのデザイン経験がなく、天性の才能でメンズ部門のデザインも牽引していました。なので、アイテムでによってはかなりびっくりするようなクレージーな物が登場したりと、それはそれで楽しかったですね。


 一方ベルナベはメンズウエアの道を歩んで来た人。。。。。こちらのショートパンツに長めのコートのスタイリングでも、明確にクリエイトする姿勢が違うように思えます。


 ウィメンズの感性でメンズをクリエイトしていたギョームだったら、襟が少し大きかったり、コートの丈はもっと長くてショートパンツはより短いかもしまれせん。。。それが、ベルナベだとこのバランス。。。。実際に袖を通す男子からすると繊細過ぎたり、少し不安になるような斬新な要素が取り除かれ、安心して着れるバランスで仕上げて来るのはさすがなと感じましたね。

 
 カルヴェンというメゾンのフレンドリーなムードや、人好きのする柔らかさをきちんと表現しながらも、ディレクターによってそのバランスやディテールがこれだけ変化するというのも、今回実に面白い部分でしたね。。。



 その冴えたるものが感じられるのがテーラードです。これはうまいなぁーと感心しましたね。


 同じ、テーラードのジャケットにおいてもメンズとウィメンズではクリエイトして行く行程がまるで違います。アームホールが要なのは同じなんですが、メンズの場合、襟やラペルのディテールに拘り、胸元や背中に増し芯をしたりと威厳のあるフォルムに細心の注意を払います。


 一方ウィメンズにおいてはまずは全体のデザインです。胸元は丸くふくよかに、その分ウエストからヒップにかけての砂時計のシルエットが一番のポイントとなる事が多いですね。


 こうやってプレゼンテーションに用意されているアイテムは、身長180c以上のモデル君に合わせたシルエットなので174cmの私に合う訳がないのは当然で、以前はアイテムによってはもの凄く面白いアティチュードになったりしましたが、今回、しっかしとしたテーラリングで仕立てられているので、背の低い方でも格好良く着こなせそうでしたね。


 ミントグリーンやブラックの糸で織り上げたジャカードは近くで見るのと離れてみるとまるで違う表情を見せます。左身頃のフロントの部分にはまるでラペルが作る影のようにユニークなカッティングが施され、おそらく同じ生地の裏側を使って微妙にニュアンスを変えているのもニクい演出ですねぇ。。。

 
 普通にスリムな若い子ちゃんが着ると、グッドボーイで好感度倍増の上品なアティチュードになりますのでご安心下さい。このブイブイ感は私のアイデンティーのせいですから!!!!



 アイテムの構造やプリント、ファブリックのテクスチャーで視覚効果を生みだすトロンプルユのアイディアが沢山登場した今回のコレクション、それらは現代アーティスト、Victor Vasarely(ヴィクトル・ヴァザルリ)のジオメトリックなアートワークからインスパイヤされているそうです。


 ヴィクトル・ヴァザルリ(1909-97)はフランス人の現代アーティストで、オプ・アートと呼ばれる絵画史に残る独創的なスタイルを生涯を通じて追求した人物です。平面である筈のキャンバスが飛び出して見えるようだったり、絵の前を移動すると動いているように見えるというユニークな作品を沢山残しています。


 オプ・アートとは視覚の知覚的心理に基づいて特殊な視覚効果を計算して描かれる絵画の事で、広い意味においてトロンプルイユ(騙し絵)ですが、基本的には抽象画です。『光学的な=Optical』という意味ですが、オプ・アートと略するほうがこの絵画のスタイルをよりポップに表現していて、この言葉は1964年のタイム誌で初めて活字化されます。


 先駆者はドイツ・アメリカ人アーティストJosef Albers(ジョゼフ・アルバース)。1949年以来彼が描き続けて来た『正方形へのオマージュ』は簡潔な条件の元、明暗や視覚効果を実験した作品で、現在のオプ・アートのバイブルともなっています。


 1963年ニューヨーク近代美術館にて開催された『The Responsive Eye(感応する目展)』で広く一般的にその存在が知れ渡ります。1931年の『シマウマ・シリーズ』には既にオプ・アートの兆しを見せていたヴァザルリは一躍人気の画家となり、その後に続くBridget Louise Riley(ブリジット・ライリー)が1968年のヴェネチア ビエンナーレで絵画部門国際賞を獲得する等で一層注目を浴びる事になります。


 作品に余計な物語性を追求せず視覚効果の実験のみを繰り返したスタイルは、若い人々を中心に圧倒的に支持されインテリアやインダストリアルデザイン、ファッション等幅広くカルチャー全体に浸透し、60'Sから70'SのLSDカルチャーやサイケデリック等ともリンクして大きなムーブメントとなります。


 今回、カルヴェンではそのオプ・アートの本質的な部分でもある抽象的な要素による視覚効果が随所に登場し、グラフィカルな奥行きをプラスしています。ヴィクトル・ヴァザルリが絵画の中で用いる円や放射状のモチーフは、こちらのようなカットソーにも登場していましたね。


 因みにこちら、ブーメランを投げた時の放物線を組み合わせて描いたモチーフだそうですよ。。。



 シックでマンリーなアイテムが中心のコレクションでございましたが、カットーやプルオーバー等ではこれまで通り、ユニークで遊び心に溢れたアイテムが沢山登場していて、これまでのファンにも嬉しい限りです。


 こちらもユニークなプリントが施してあるアイテムです。イレギュラーに見えるドットのようですが、近づいてみると。。。。。まるで草原でピクニックをしている人々を俯瞰で描いたかのようなユニークなモチーフが手描きタッチで描かれていて、ホワイトにブルーのウィードーペーンの上にプリントされているのも都会的な印象でしたね。


 一人、二人、まどろんだり佇んだり、座ったり。。。。。その影が長く伸びているのもなんだか意味深で、楽しいアイテムでしたね。



 今季のシューズも実にユニークでしたね。フォーマルとスポーティーの両方を兼ね備えたシューズが登場し、あらゆるシーンで活躍しそうでしたね。


 こちらのシューズはアッパーがクラシカルなスエードのハイキングシューズで、ソールがハイブリッドスニーカーのようなアティチュード。。。ソールに施されたビビットカラーのグリーンは、チラ見えするくらいのさり気なさでしたね。。。


 あしらわれているロープもアウトドアテイストになっていて、楽しいアイテムでしたよ。。。。


 はい、右から二番目がプレゼンテーション会場にいらした、新しいカルヴェンのMEN'S部門のクリエイティブ ディレクターBarnabé Hardy(ベルナベ・アルディ)氏です。初コレクションの開催で、自身のデザインしたウエアを着たモデル君達に囲まれて満面の笑みでございます。


 実際お見かけした所、実にナチュラルで好青年。。。。イケメンさんでございますし、これは人気になりそうでございましたねぇ=。。。。


 



 ベルナベ・アルディにより新しいCRAVEN MENのコレクション、皆様いかがでしたか?



 プレゼンテーションに足を運んで感じた事は、カルヴェンがこれまで人気を博して来たフレンドリーでハッピーなムードはそのままに、一つ一つのアイテムが少しメンズウエア独特のギミックで、しっかしとした感じになったなと感じましたね。


 ギョームが生み出して来たどの時代やコミュニティーの中に居ても、不思議な存在感を放つアイデンティティーのある男性像は引き続き追求しながらも、今までより少しワイルド且つアクティブに時間や空間を越え、自らのフロンティア精神で次の時代を生きて行こうとするポジティブなムードを感じましたね。


 プリントやモチーフ、アクセサリーとこれまで通り面白い驚きに溢れていますが、とても現実的。。。。ベルナベの真面目さが作品の随所に表現されて好感が持てましたね。。。。



 

 これまでより少し男らしくなった、カルヴェン メンのコレクション。。。。若い層のファンにはきちんとしたフォーマルなムードをプラスし、これまで少年過ぎると思ってた大人男子からしても、リアルに楽しめるアイテムが充実していましたね。。。。


 より広いターゲットの男子達から愛されそうな印象を受けましたよぉぉぉ。。。。。



  



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Masion Margiela 2016 SS !!!





 今日はMaison Margiela(メゾン マルジェラ)のリポートをお伝えしましょうね。



 今回会場となったのは18区にある国鉄の元車庫。どちらかと言えばダウンタウンのこの界隈の、現在閉鎖されている施設の前に、朝からファショニスタが勢揃いというパリコレならではの景色が見れましたよ。荒廃した建造物に朝の鋭い光が差し込むという、独特の雰囲気のスペースを使ってコレクションが発表されました。


 この日は折角でございますので、インナーのタンクトップにメゾン マルジェラをセレクトしました。スポンジのようなフワフワのテクニカルファブリックを使用した2015SSのアイテムです。スリッポンはMM6。男子が履けるグリッターのシューズ、しかも、とにかく歩くパリコレのハードスケジュールにはぴったりの、快適なスリッポンなんて中々お目にかかれません。。。一目惚れしてもうた!!!!


 タンクトップ/MaisonMargiela、シューズ/MM6、ジャケット、パンツ/今回の為の我が社のHaute couture、クラッチ/以前に制作したもの、サングラス/3.1 Phillip Lim





 現在、ジョン・ガリアーノがアーティスティック・ディレクターを務めるメゾン マルジェラですが、今回ご紹介するMEN’S COLLECTIONを手がけるのは、このメゾンのデザインチームです。

 
 現在prêt-à-porterやMaison Margiela ARTISANAL(メゾン マルジェラ"アーティザナル")を中心にクリエイションを手がける彼ですが、メゾン全体の幹となる新しい価値観にジョン・ガリアーノの感性は深く影響しているのはもちろんの事、、、。ですが、このコレクションに対してジョンはこれまでも多大な成功を納めて来た、メゾンの誇る優秀なデザインチームをリスペクトし、その名前で続ける事となったそうです。。。。。。



 そんなメゾン マルジェラのメンズコレション、、、、。今季は実に端正でクールなアティチュードです。

 
 フォーマットにしているのはクラシカルなジャケットやスーツ。上質なジャケットはスリーブやヘムが長く伸ばされたロング&リーンのプロポーションを描き、チェスターやジャケットがそのままマキシ丈になったようなコートとミニマムなスタイルが中心です。。。

 端正な佇まいのテーラリングは実にリラックスしています。メゾンが追求する構築と再構築のハーモーニーはデザインだけではなく、基本的な構造にも表現されています。余計な要素を省いたアンコスントラックティッドな仕上げながらも、行程の熟練したテクニックを感じさせるパーフェクトなルック。。。恐らく袖を通すともの凄く快適なんだろうな~とランウェイからもしっかり伝わって来ます。


 メゾンがこれまで追求して来た実験的な作品や、時間の経過を表現する作品ももちろんゲスト達の目を楽しませてくれます。アトリエの壁やストックマン(ボディ)の上で、直接手作業で施されたプリントやコラージュは、斬新なテクニックの中にロマンティックな香りを漂わせます。破壊的や奇抜といった要素を出来る限り取り除いたディテールは、メゾンのアイデンティーをより強く表現し、そのさりげないあしらいにラグジュアリーな印象を受けましたね。。。



 では、早速コレクションを御紹介して行きましょう。


 ファーストルックには今回のシルエットを定義付けるようなエレガントなルックです。ショールカラーのタキシードジャケットのスリーブとヘムを、ぐんと引き延ばしたデザインのこちらは、シャープなショルダーがストイックなアウトラインを主張しています。


 ウエスト部分に大胆にパッツリと切り替えを施し、そこから直角に上に伸びたダーツと全てにおいてシャープなアティチュードで、フロントと折り返したカフスに包みボタンを一粒飾ります。

 
 オールブラックでコーディネイトしたルックのこちらですが、インナーには同じ一つボタンのジャケットを合わせ、上前の襟の部分にだけサテンのディテールを施して、パンツはマスキュリンなストレートシルエット。。。


 フォーマルなスタイルの中にリラックスしたムードや、アーティスティックなスピリットを取入れたクールなルックからコレクションがスタートします。



 こちらも実に美しいスーツスタイルでしたね。。。

 長めのヘムのジャケットは細く長いシルエットが魅力的です。真っすぐでシャープな深いVのフロントに一つボタン、横方向にバッツリ切り替えたウエストラインにダーツを強調し、カッティングでシャープな印象を表現していますね。


 ウエスト、前立てのヘム、ダーツのライン等に施されたユーティリティーからの延長のようなスタッズのデコレーションが見事なアクセントになっていましたね。

 ヘムにスタッズのデコレーションが施されたかなり細身のパンツをコーディネイトして、シューズはパテントのキラッキラのブーツ。。。。なんだかアーティストのレッドカーペットにピッタリな感じがしました。確固としたアンデンティティーを持つ人に似合いそうな、静かな中にも着る人の個性をしっかりと表現してくれるルックでしたねぇ。。。


 縦長のシルエットを強調したようなホワイトのルックも素敵でしたねぇぇぇ。。。。

 美しいホワイトのロングコートは、少し広めのピークドラペルのタキシードをベースに、スリーブやヘムを引き延ばしたようなアイディアのコートです。ラペルの部分にはシャイニーなサテン、中心にコンパクトに寄せた4つボタンのダブルフロントと極めてクラシカルなディテールに溢れています。


 今回長めの丈のアイテムが沢山登場しましたが、コートというよりロングジャケットとして解釈されていて、サリトリアルのテクニック駆使して端正に仕上げられていましたね。

 まるで素肌に一枚でコートを着ているかのように見えるように、インナーにはさらに深い合わせのベージュのジャケットとパンツを合わせ、SSシーズンにこのホワイトワントーンのルックは最強ですよね???

 ちなみにアイウエアは、私も大好きなベルリンのアイウエブランドMYKITA(マイキータ)とのコラボアイテムです。


 フォーマルでスタートしたコレクションはカジュアルなルックも登場しましたが、一貫して上質でエレガントな香りが漂います。

 ウエストでバイカラーにパッツリと切り替えたこちらのルックですが、トップスには前開きに大きめのスナップボタンのアクセントが効いているホワイトのノースリーブがコーディネイトされています。


 ボトムスにはデニムと思いきや!!!!!なんか違う。。。。こちら、スカートなんですね。。。。分解して再構築したようなこのアイテムはデニムの股下を開いてスカートにしたようなアイテムで、時間の経過を感じさせるダメージ加工やローエッジのディテールがワイルドです。

 メンズウエアにおいてボトムが揺れるなんてアイテムは滅多にお目にかかれない事でございまして、そしてそのアティチュードがメゾン マルジェラが追求し続ける男らしいタフなムードというのも。。。。。大好物です!!!!!

 レイヤーしたブラックのシガレットパンツは、スカートとアクセントを付けるように光沢のあるファブリックを使用し、ミニマムで美しいルックでしたね。。。


 こちらのロングジレにも分解と再構築のアイディアが盛り込まれています。

 ゆったりとしたシルエットで上質なウールで仕立てたコートは、アームホールの部分に袖を剥ぎ取ったかのような、ローエッジのディティールが施されアクセントになっています。幅の細い美しいショールカラーや供布のベルト等、まるでバスローブに見立てたようなリラックスしたスタイリングもリッチなムードでしたね。

 フロントのVの部分から覗くインナーも実にユニークなテクニックが疲れています。ブルーのファブリックの上にホワイトの糸を敷き、上からチュールを重ねキルティングのようなステッチを施しています。


 今回いくつかのルックでは現代アーティストの作品に着想されたディテールが登場しています。かなり手の込んだハンドメイドによるアイテムを、こうやってサルトリアルに裏付けされた美しいアイテムとさりげなくコーディネイトするのが今季の気分のようですね。。。

 ボトムに合わせたパンツは、シルバーのカラーリングを施したレザーを使用したインパクト大なアイテムで、チラ見せくらいに抑えているのも。。。。。実にニクいですねぇ==。。。



 今回特に興味深かったったのが、第二の皮膚ような独特のテクスチャーのラバー素材です。医療用に使用させるようなスキンカラーを中心に用いたピースは、シンプルに仕立て、インナーとして取入れたりと、デイリーなスタイルに独特の楽しい違和感を生み出しています。

 その中でもまさにアートピースのこちら。。。実際にストックマンに着せた状態で、上からコラージュのように雑誌のページや新聞等を貼付け、ホワイトのペイントを施したメゾン メルジェラらしい素晴らしい作品です。

 ウエストにコーディネイトしているのはシルバーのレザーを使用したノースリーブのライダースジャケットで、このようにベルトのようにウエストにスタイリングして、さらにオリジナリティー溢れるアウトフィットを作り出していました。。。



 ブラウンやベージュのメランジェの糸で織り上げたファブリックを使用したこちらのルックでございますが、メンズウエアではクラシカルなこの種の素材を、実に軽やかに仕上げているのがお解りになると思います。。。。


 まるでジャケットを二枚重ねたような軽やかさは、ピークドラペルの長めのヘムのジャケットのインナーに少しタイトなダブルのジャケット、スリムフィットのパンツで新しい3ピースのスタイルを提案しているようですね。


 分解、解体していくピースとは逆のクラシカルなサルトリアルに裏付けされた美しいピースも実に印象的でしたね。。。中でも『Mappina(マッイーナ)』と呼ばれる伝統的な袖付けのジャケットは見事でしたね。。。。


 身頃と袖を縫い合わせるアームホールの処理はジャケットの要、通称『エクボ』と呼ばれるくぼみが生まれないように、職人達は細心の注意を払います。『マニカ・カミーチェ(雨降り袖)』と呼ぶ、袖山に縦にギャザーを入れて運動量を出すスタイルがありますが、マッピーナはギャザーを入れるまでもなく、まさしく加減で袖に運動量を出すスタイルで高度なテクニックになります。しかも今回余計なパットや芯を省く方法で仕立てているのでアイテムによってはハードルが余計高くなっています、、、、、。ほんと、感動的でした。

 今回ハンドメイドにより丁寧に仕上げられた一部のアイテムには、『SARTORIAL』と書かれたスペシャルなタグが付けられていて、アトリエのプライドを感じさせます。タキシードやクラシカルなジャケット等一生物のアイテムも登場していますので、興味のある方はチェックして見て下さいね。 


 先ほどのメタリックなレザーと並んで、今回ルレックスのファブリックもコレクションに艶やかな輝きをプラスしていました。

 こちらはブロンズのルレックスのファブリックで、深めのVゾーンのシャープなラペルに一つボタンのジャケットと、センタープレスの部分にステッチを施し、縦のラインを強調したスリムなスーツでございます。褐色のモデル君にとってはにヌードカラーに見えるブロンズのルレックスのスーツと、鮮やかなクリムソンのトレンチコート。。。。。。確信犯的に美しかったですね!!!!

 クリムソンからヴァーガンディー等の鮮やかなレッド系のカラーのアイテムも、クラシカルなピースからジップのディテールが施されたアウトドアテイストのアイテムまで登場してましたし、ルレックスのスーツもシルバーカラーのアイテム等もあり、そちらはよりクールな印象でしたね。。。。


 今季、ノースリーブのデザンもいくつか登場していましたね。先ほど御紹介したコートのように袖を剥ぎ取ったようなデザイン等、肩を見せる事で男らしさやセンシュアルさを上品に提案していましたね。

 こちらは、ライダースジャケットの袖を剥ぎ取ったようなデザインで、先ほど御紹介したラバーのルックに巻いていたシルバーのアイテムのカラー違いで、着用するとこんな感じになります。


 フロントにダブルジップをあしらう事でより個性的なディテールが生まれ、ジップの引き手にボールチェーンを飾る細かい演出も効いていますね。。。パッキリしたスカイブルーのカラーも綺麗でしたね。

 今回、スタイリングとしてウエストにアウターをプラスしてコーディネイトを楽しんでいたのも気になりましたねぇぇぇ。こちらのようにコートのように、長めのアイテム等をかなりハイウエストにセッティングして、オーバースカートのように見立てていたのも新鮮でしたよぉぉぉ。


 こちらのコートには時間の経過を感じさせるユニークなテクニックが施されています。

 スリーブや襟等のディティールを取り除いたようなブラックのロングコートは、ラフカットしダメージ加工で独特のテクスチャーを作り出しています。その上からホワイトのペイントを施し、乾いた絵の具は部分的に剥がれ独特の味を生み出すというアーティスティックなピースです。


 こちらのコートは前後でヘムの長さが違っていて、後ろ見頃にはアバンギャルドなホールになったスリットが施してあって、背中が覗くデザインでしたよ。

 インナーに着たのはラバーのTシャツで、熱処理によるローエッジの部分に、独特の焦げたようなディテールまで施してありましたね。。。。







 さて、2016 SS メゾンマルジェラのメンズ コレクションはメゾンのアイデンティティーやスピリットをいつもよりさりげなく、エレガントに表現した感がありましたねぇぇぇ。。。ラグジュアリーなムードを感じさせるミニマムなスタイルには、常に斬新さと驚きを与えてくれるこのメゾンのまた新しい美意識を感じさせてくれたようでした。


 今回、アクセサリーも実に充実していましたねぇ。コレクションでも登場した、少し乱暴にスタッズを施したようなエッジィなブーツや、太めのベルトが印象的なフラットサンダル、前回大評判になった解体されたディテールのスニーカーのアップロードバージョンや、フェザーをびっしりと貼り付けたリュクスなスニーカー等バリエーション豊かに登場して、アクセサリーも話題になりそうでしたね。。。



 ミニマムでエレガントな今季のメゾン マルジェラ 2016SS COLLECTIONコレクション。。。。。さりげない男らしいアティチュードの中に漂うロマンティックで繊細なムード、丁寧でクラシカルなアイテムとアーティスティックに解体されたピースの緩急、グロッシーなルレックスの光沢やマットなラバーのテクスチャー、バーガンディーやスカイブルー、クラシカルなウールからハイブリッドなテクニカルファブリック、、、、、、、、と実に沢山の要素を盛り込みながら、多面的で魅力的な、麗しい男性像を魅せてくれましたねぇぇぇ。。。。。。。




 2015-16 AW Maison Margiela PARIS MEN'S COLLECTIONはこちら からどうぞ。




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lucien pellat-finet 2016 SS !!!




 引き続き、明けましておめでとうございます。

 
 如何ですか?皆様健やかにおめでたい季節をお過ごしですか????


 私は実家に戻って日本の静かな年末年始を楽しんでおります。。。ええ、平和過ぎて死にそうです。。。。

 朝起きると強制初日の出、庭の木にはヤマガラやメジロがやって来たり、久しぶりに錆びた釘のような手足の大きな蜘蛛を見付けたり。。。。一年に一度私の生活に全く関係ない、もはや外国より遠い感のあるここに来る事が、最近は愛おしく思えてしまうのは。。。年をとったって事ですかねぇ。。。wwww




 体内の細胞やら血液がどんどん浄化される程の良い空気に美味しい食事。。。。『食べ過ぎないように、、、。太らないように。。。。』と念仏のように唱えながら気を付けております。。。。







 さて、時流を一切シカトして淡々と任務を遂行して行きたいと思います。今日から2016 SS PARIS MEN'S COLLECTIONのリポートをして行きましょうね。


 
  お正月なのに、どんどん冬の寒さが厳しくなって来るのに、常夏の話かい!!!なんて突っ込みが方々から聞こえて来そうですが、ブランドによっては既にこの時期のアイテムが発売されていたり、大半は来月くらいにはすっかりショップはSSシーズンになってしまいます。


 お年玉を貰える立場の方々はその使い道でも考えてみてもよろしいかも。。。。大半はあげるほうでしょうがねぇ。。。



 

 まず、恒例のトップバッターは、フランスを代表するラグジュアリーなカシミアウエアを得意とするlucien pellat-finet(ルシアン ペラフィネ)からリポートして行きましょうね。


 早速、プレゼンテーションの会場にいらしてたムッシュ ペラフィネと2ショットさせて頂きました。ホントPARISで行われるイベントでは、こうやってデザイナーが普通にいらっしゃるんですよねぇ。。当たり前だけど。。。


 昨年20周年のアニバーサリーイヤーを迎えたこのブランドですが、第二の皮膚とまで言われるラグジュアリーなカシミアを中心とするハイエンドなコレクショ ンは、益々世界中で注目されています。ご本人曰く『ようやく二十歳になって成人になったから、これからはもっと自由にいろんな事が出来るね~。。。』なんて茶目っ気たっぷりな事をお話されていたそうですよぉぉぉ。。。。wwww


 20年という節目の年が過ぎ、新しい気持でスタートした今回のコレクションは実にオプティカルで、彼が最も得意とするエピキュリアン(快楽主義者、享楽主義者)のムードに溢れています。


 テーマはズバリ『USA』!!!!!アメリカでございます。。。。


  様々なアートシーンやアンダーグラウンド、今振り返ると実に生き生きとした時代だった1970年代のムーブメントをバックグラウンドに、都会的でポップなアートシーンやストリートカルチャー、そこからさらに発展させアメリカのルーツでもあるネイティブ インディアンの文化さえも取り込んだ実に魅力的なコレクションです。

 今回のコレクションのユニークな部分の一つは、ニース生まれのフランス人のルシアン氏、、、、かつてはミュグレーやシャネルのコレクションのスタイリングや、自らモデルを務めたという、粋のファッションピープルの彼が捉えるユニークな視点での解釈によるアメリカの表現でございますねぇぇぇ。。。時には実に冷静、シニカルなユーモアを含めながら、大西洋を挟んだ、対岸のPARISから客観的に捉えている所が実にユニークですね。。。


 ハイファットのカロリーモンスターのドーナッツを、ロココ調の甘いヌガーで包んだとでも申しましょうか、あくまでフレンチスタイルの解釈が実にエレガントでしたね。。。



 では、早速コレクションを御紹介して行きましょうね。


  リゾートを愛し、開放的な時間を楽しむ事が大好きなルシアン ペラフィネ マンは、どんな状況に置いても肌に優しくコンフォートなアイテムをセレクトします。さながらアメリカ西海岸ロサンゼルスの、アーティスト達も愛するラグナ・ ビーチなんかでバカンスを過ごすのにピッタリなリラックスムード溢れるスタイルです。


 左のモデル君が着用しているTシャツは、まさしくアメリカを象徴するようなスターズ・アンド・ストライプスでございます。ボディーのヘムの部分に斜めに国旗が配されたこちら、スターの部分が、あ れぇぇぇ???はい、ルシアンのアイコンの一つでもあるリーフモチーフになっていますねぇ。。。

 こちら、愛国心の強いアメリカ共産党の方々がご覧になったら、どう思われるのかしら?????wwww


 右はこのブランドが誇る最高級のカシミアのニットです。。。。ですが、レイボーカラーのエンブロイダリーで表現されている文字は『LOVE WLL WIN』。。。。。こんな歌昔大ヒットしたようなぁ。。。。。


 ハイクオリティーなアイテムをこれだけ自由に、時折キッチュに、チープ シックに楽しむのが、今季のコレクションの一番の醍醐味かもしれませんねぇぇぇぇ。。。。。



 はい。引き続きザ・アメリカ!!!!アメリカにおける水戸黄門的存在の西部劇に登場する往年のハリウッドスター達が履いているような、カウボーイブーツも満を持してカシミア ニットに登場しましたよ。ユーモアたっぷりにデフォルメされたブーツはアメリカ国旗の星条旗のプリントになっていて、部分的にはクリスタルで輝きまでプラスされています。

 ウエスタンのモチーフは他にカウボーイハットを被ったり、西部劇のバーの壁に貼ってあるような『WANTED』ポスターが、スカル君なんてのも楽しかったですねぇぇぇ。。。

 今季、テーマがテーマなだけにモチーフは実にキャッチーでポップ、可愛らしいアイディアがいつもとはまた違ったムードプラスしていましたね。歯形のついたドーナッツ等思わずププッと笑みがこぼれる程の楽しさ。。。。是非逞しい男子にサラリと着て頂きたいです!!!!


 サーフィンをするスカル君のモチーフは、これまでも何度か登場していましたが今季はこんなサイケディリック。。。。レトロテイストのタッチがピースフルなムードです。ハイビスカスのプリントのバミュードパンツにレイまで飾り、遥か向こうには火山まで噴火しているとは。。。。ハワイですかねぇ????www

 ハワイアンテイストはクリスタルで飾られたハイビスカスのモチーフのニットや、アロハシャツ風に、ホワイトにパウテルカラーでリーフモチーフをプリントしたファブリックを使用したパンツやジャケット、トートバッグまで登場していましたよ。



 皆様良くご存知のハイウッドサインは、こんな風にシニカルなユーモアを込めて、プリントで登場していております。。。敢えて意味の解説はしませんので、ご自身でグーグルしてみて下さいませ。。。。。www


 さて、ハイウッドについて少しお話ししますと、『HOLLY』というのは柊(ひいらぎ)の事で、柊の森という意味です。中国語では『聖林』と書きます。ランドマーク的なこのハイウッドサインでございますが、これは元々ハリウッドランドという不動産会社の広告としてこの丘に設営されてもので、一文字の高さが14m、幅が19mもある巨大な文字でございます。

 このハイウッドサイン、当初は『HOLLYWOODLAND』という文字で4000個の電飾が取り付けられた華やかな物でした、が、後に広告の保守が終了すると雨ざらし野ざらし。。。一般の寄付を募ってこの看板の補修をする事になり、特に破損の酷かったLANDの部分を取り除き現在の形になりました。


 一つ逸話がございまして、女優Peg Entwistle(ペグ・エントウィスル)は映画『Trirteen Womens』の撮影終了後、この文字のHの上から投身自殺をした事で有名です。イギリスから夢を持ってやって来た女優は思い悩み、1932年9月18日の夜、Hの文字の横に立てかけてあった作業用のハシゴを登り、そのまま頂上から飛び降りたとか。。。。遺体が発見されたのは100フィート下の雑木林だったそうで、この物語は今でもハイウッドの幽霊伝説として語り継がれているそうです。。。

 一節によると『HOLLYWOODLAND』は全部で13文字、、、、キリスト教文化において不吉なこの文字数の為に、後に『LAND』の部分だけ取り除かれたというエピソードもあるそうです。。。
 



 こちらも、70’S アメリカン カルチャーにインスパイヤされていますが、アートや写真に詳しい方は一発でお解りになると思います。

 モチーフになっているのはMichael Halsbndが撮影したAndy Worhol(アンディー・ウォーホル)とJean Michel Basquiqt(ジャン・ミッシェル・バスキア)のポートレイト。ウォーホルはもちろんアメリカン ポップアートの代表選手とも言えるアーティストでございますし、バスキアも同じストリートアートからスタートしたアメリカを代表するアーティストです。以前このブランドではバスキアとコラボしたコレクションも発表していますね。。。

 ウォーホル自慢の白髪のウィグは今回グリーンに、グローブの『EVERLAST』のロゴは、このメゾンのシグネチャーのピースマークやリーフモチーフになっているのも気が効いていますねぇ。。。
 
 今回、ウエアではこちらのようなブルーが印象的に登場しています。ペール ブルーからスカイブルー、コバルトやインディゴ等様々なブルーのグラデーションが登場し、ビビットでブラックなモチーフを、ささりと爽やかに仕上げていましたねぇ。。。www




 はい、スカル君チェリーボーイバージョンでございます。。。。www しかも二つの穴から覗いているようなスカルの配置も実にユニークですねぇ。。。何処と無く今回のテーマになっている70'sの香りが漂います。。。

 高度経済成長が続いた60年代を経て、第二次世界大戦から20年を迎えた70’Sは、世界の明暗を露にするエキセントリックな時代です。1960年に始まり75年にアメリカの惨敗で終結を迎えたベトナム戦争は、信じていたアメリカの理想像を崩壊させ、人々は規正の概念ではない新しい価値観を求め始めます。特に若者を中心に生まれたストリート カルチャーがメインストリームへと多大な影響を及ぼします。

 経済は陰りを見せ社会では環境汚染が深刻化、アットホームなアメリカの家族の形すら崩壊した時代、、、、。自暴自棄になった人々からヒッピーカルチャーが生まれ、1971年にはJhon Lennoe(ジョン・レノン)が『Imazine』、Marvin Gaye(マービン・ゲイ)が『What’s going on』を発表し、社会への疑問や世界平和を唱います。LSD等のドラッグカルチャーが大ブームとなり、先ほど御紹介したサーフ スカルのモチーフに見られるようなサイケデリックの由来は、薬物接種時の幻覚作用とも言われています。

 トレンドでもあるボンミアンスタイルのルーツともなっている70’sカルチャー。。。。LOVE & HAPPYなスタイルの裏には絶望的な社会のゆがみが存在したから、、、、。世界情勢が不安定な今の時代だからこそ、再び注目されているのかもしれませんねぇ。。。
 



 都会的なポップカルチャーと同様に、今回のコレクションのモチーフとして登場していたのがネイティブ・インディアンの要素です。アメリカの先住民として独自の歴史と文化を持つ彼らのスタイルは、ハッピーなウエアに温もりのあるトライバルな要素を漂わせます。。。。

 ラフなカジュアルスタイルのこちらでございますが、上質なブラウンのスエードで仕立てたブルゾンの下にチラリと見えるターコイズのモチーフ。。。。こちらも実はスカルのモチーフなんですねぇ。。。シグネチャーのベビーカシミアのニットのフロントに施されたネイティブインディアン風のスカルは、細かくカットしたレザー、その上にアンティークゴールドのスタッズ、さらにターコイズカラーのビジューを刺繍したという実に手の込んだアイテムです。

 祭事等に使用される神秘的なレリーフのように表現されたスカルは、一見するとスカルと解らない部分も実にオシャレで、是非!違いの解る大人に着て頂きたいアイテムでしたね。。。



 ネイビーのニットにカラフルに表現されたこちらのスカルは実は全部刺繍。。。。ミサンガにインスパイヤされています。組紐の一種で、結びながら編んで行く独特のフォークロアなムードを美しく表現していて、襟元に飾られた部分やミサンガをそのまま飾ったようなデコレーションも素敵ですね。

 ネイティブインディアンのお守りとしても有名なミサンガは中南米がルーツとも諸説いろいろございますが、ブラジル、バイアーア州にあるBomfim(ボンフィン教会)周辺で売られている、願いをかけて身につけるフィタ(紐、リボン状のもの)を、ブラジル出身のサッカープレイヤーが身につけた事で世界的に有名になったそうです。

 バブルの頃。。。。皆様ご着用にされてた方々。。。。。一杯いましたね。。。www


 左側のモデル君のインナーのカットソーのフロントに施されたのはtotem pole(トーテムポール)。。。。北アメリカの太平洋に面した北西沿岸部に住む先住民達が、家の中、家の外、墓地等に建造して来た、自らの民族の出自や家系の紋章、伝説をレリーフで表現した木彫の柱です。18世紀にヨーロッパ人がアメリカに上陸した時には既に確認されていて、先住民達は建造する事に意義を求め、自然の環境の中で時間と供に朽ち果ててしまった為に、それ以前の古い時代の物は確認されていないそうです。

 ポトラッチと呼ばれる先住民の儀式の際に建造され、文字を持たない彼らの歴史や出来事を表現したと言われていますが詳細は不明のままです。その後白人がもたらした天然痘等の伝染病により先住民の人口が大幅に減り、カナダ連邦政府によるポトラッチ開催の禁止命令、さらに偶像崇拝を嫌ったキリスト教の宣教者の指導により急速に衰退して行きます。ネイティブ インディアン達のアイデンティティーと、悲しい歴史を象徴するモチーフの一つですねぇ。。

 他にネイティブ インディアンのモチーフは、インディアンのお守りとして有名なドリームキャッチャーの羽根飾りの一つにスカルがぶら下がっていたり、モヒカンヘアーのスカルなんかもいて楽しかったですねぇ。。。


 アクセサリーも人気のルシアン ペラフィネ、私もこのブランドのキャップの愛好者でございますが、今季はこちらのようなエレガントなコンビタイプのアイテムが素敵でしたね。ホワイトのキャンバスとブラウンのレザーのコントラストが爽やかで、レザーにはエンボス加工でスカルやリーフ、ピースマーク等が施してあり、よーく見ると解る感じがニクいですね。


 また、上の画像の右側のモデル君が履いている、バスク地方で生まれたジュート編みのエスパドリーユも新登場で、軽やかながらしっかりと存在感を主張していましたね。カムフラージュのスリッポン スニーカーなんかもござまして、大人の遊び心溢れるカジュアルスタイルを提案していましたね。






 パーフェクトなまでにラグジュアリーに完成されたルシアン ペラフィネのウエア。。。。単なるカラーやモチーフ等のディテールの話ではなく、カルチャー全体に着想してクリエイトする彼の姿勢そのものが、毎シーズンコレクションに新鮮さをプラスしているように思いますね。。。。特に今回に関してはアメリカを旅行したような楽しさに溢れています。



 アイテムに特化してデザインをするという事はクリエイションはよりミニマムになります。その中でどのくらい楽しむか、遊び心を盛り込むかという姿勢に、ルシアンの審美眼や目の付け所の面白さが表現されています。特に今回はその目線がもの凄くバイヤスで冷静。。。。シニカルな部分が実に素晴らしいですねぇ。。。



 私、基本的に大味でペラッペラのアメリカン カルチャーはもの凄く苦手で、アメリカ映画なんかもも60’s以降は殆ど見ないのですが、ルシアン ペラフィネの繊細なフレンチ テイストのアメリカンカルチャーだったら、しかも44歳のおっさんだからこそ、この可愛らしいポップなテイストを楽しんでみるなんてのも、乱暴で楽しいかもしれませんねぇ。。。




 アイスクリームですかねぇ。。。。チェリー???????いやぁ、、、、『HOLLYWOOD』でしょう!!!!!wwww


 


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 今回、リポートしたLucien Pellat-Finetのお話が掲載されている、現在好評発売中の私の初めての著書、『ブランドパスポート』では、ブランドのヒストリーやLUCIEN PELLAT FINETの素晴らしいカシミアのお話等も掲載しています。


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2016年 明けましておめでとうございます !!!




 いつもダイコ★ブログをご愛読して下さっている皆様、いかがお過ごしですか?





  明けましておめでとうございます !!! 





 2016年が華やかに幕を開けました。カウントダウンの瞬間は皆様いかがでしたでしょうか。。。しっぽり家族と一緒に年越しを迎えていらっしゃる方々、友達とクラブやパーティー大騒ぎしている方、お仕事してらっしゃる方、そえぞれに素敵な年越しを迎えられたと信じています。


 去年いろいろあった方も、まだもろもろ解決していない方も、とりあえず新しい年です。今だけは気分を変えてリフレッシュ!!!!新年ですよ!おめでたいんだから、パーっと行きましょう!!!!




 ダイコ★ブログも皆様のご愛顧の御陰で無事に丸5年を迎えまして、6年目に突入します。これもひとえに毎日遊びに来てくれる皆様の御陰、、、、。普段、悪態ばっかり付いていますが、新年くらいしおらしく、ちょっぴり本音を言ってみたりします。。。www


 今年も、東京やPARISを中心に世界中で見て、感じて、感動したファッションのお話をリポートして行きたいと思いますので、お付き合いよろしくお願いします。






 2015年は後半にかけて激動となりましたね。。。。ファッションの都パリで起こった同時多発テロや、今も耐えない戦の火。。。。ファッションの世界でも相次ぐ有名メゾンのデザイナー辞任等驚くような事が沢山起こりましたし。。。。。


 行く先の見えない不安なムードが漂いますが、ファッションは平和を、美を唱うものです。銃を向け合うのではなく正々堂々と美を競い合う、、、、。そんな風に世界が変わってくれたらどれだけ素晴らしいか。。。。夢物語かもしれませんが、私はファッションの力を信じたいと思います。。。。








 新しい年が皆様にとって健やかで、美しくある事を祈りながら、ダイコ★ブログ、
2016年の第一回目の日記、及び新年のご挨拶とさせて頂ければ幸いです。。。。。






 2016年 元旦


 スタイリスト&ファッションブロガー

 Die-co★


 



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FENDI 2015-16 AW HAUTE FOURRURE "SILVER MOON"!!!





 はい。今日はFENDI(フェンディ)のスペシャルなイベントのお話をしましょうね。。。



 2015-16 AW PARISでのHaute coutureのリポートをお伝えして来ましたが、今回のファッション ウィークで大注目だったのが、なんとフェンディの参戦。。。。イタリアを代表する世界的ラグジュアリーファーブランドが、満を持して今回のファッションウィークを盛り上げたお話は、ファッション通の皆様ならご存知の事でしょう。。。


 そして、、、、、、


 クチュールウィークの直後、フェンディの日本上陸50周年というアニバーサリーイヤーを記念して、その壮大なコレクションが一同に来日して、スペシャルなコレクションとカクテルパーティーを行われるという事で、張り切ってお邪魔して参りましたよぉぉぉ。。。。



 会場は上野国立博物館の表慶館。。。。1900年(明治33年)、後の大正天皇となる皇太子のご成婚を祝って計画し、1909(明治42年)に開館した日本で最初の本格的な美術館となったこちらは、コンドルの弟子で東宮御所(現在の迎賓館)を手がけた、宮廷建築家の片山東熊の設計によるもの。。。。中央と左右に美しい青いドームを抱き、工具や製図道具、楽器等をモチーフにしたレリーフ等が飾られ、夢と希望に溢れた美しい建造物です。




 ここを会場に行われたこのスペシャル ナイト!!!!まずは、フォトブースでこの日のセレブリティー、写真家の蜷川実花嬢と2ショットさせて頂きました!実はこの時彼女、二人目のベイビーがお腹の中にいましたよ====。今は元気に生まれて、スクスクと大きくなっている様子は彼女のInstgramをチェックしてみて下さいね。



 私はこんな機会でございますからお着物で参上して参りました!!!!夏の短い間にしか着れない黒地の絽で、背中心に一つ紋を入れて仕立てたのがありましたので、今回は伊藤若冲の鯛の柄の浴衣を襦袢風に中に重ねて透かしております。

 やはりこういうパーティーの席なので華やかさは必要!!!なので、半襟にはスパンコール刺繍。。。。いろいろルールは破っておりますが、洋服でもルール通りのものは着ない私が、いきなり和装は正統派ってのもおかしな物なので、ルール違反を衆知の上自分らしく着ております。


 洋装も和装もTPOをわきまえ、自分で解った上で説明が出来る状態で確信犯的にルールを破るのは、実はもの凄く粋な事だったりします。もちろん、その為にはきちんとルールを理解しておかないとマズいですがねぇ。。。
 



 今回のクチュールコレクションにおいてはカール・ラガーフェルドは『HAUTE FOURRURE(オート フリュール)』という新しい言葉を使用しています。フランス語で『高級』を意味するhaute、『毛皮』を意味するFourrureという言葉を組み合わせ、高価なファー、ベシックでクラシカルな物の為のHaute couture、極上の中の極上のファーという熱い思いが込められた言葉です。


 1925年、アデーレ、エドアルド・フエンディ夫妻によりローマのプレビシード通りに革小物製品店からスタートしたこのブランドは、常にハイエンドなファーを発表し続け世界中で大人気のブランドです。ファーにおけるフェンディのテクニックは世界最高峰。。。。毛皮の技術のパイオニアとして常にトップを走り続け、ラグジュアリーなコレクションにおいてはHaute coutureばりに顧客のニーズに合わせたり、また映画のコスチューム等のスペシャルなアイテムをクリエイトしたりと、ビジネス的には既にHaute coutureとしても成功しています。。。。


 なのに、敢えてのHaute coture Collection参戦。。。。。。。いかにフェンディというブランドが、今回のコレクションに対して気合いが入っているかがご理解頂けるかと思います。。。。



 テーマは『SILVER MOON』。。。。。夜空にぽっかりと浮かぶ銀色の月。。。。人類が誕生して、おそらく最初に身につけたであろうとされる最も歴史的のある素材のファーを使用し、ファーと同じく、地球が持つ唯一の衛星の月はいつの時代も人々を魅了し、伝説や神話、宗教にも深く影響し、最も近くて最も神秘を含んだ存在として想いを馳せています。

 丸い月をイメージさせるコクーン型のシルエット、毛皮の色や光沢のグラデーションで表現する月面の陰影、移ろい行く満ち欠けを流線形のパターンで表現したり、ファーに施した銀色の光沢。。。。。様々な手法を駆使してファンタジックでロマンティックな月への旅へと私達を誘うコレクションは、、、、、、もう、、、、、ため息の連続です。。。。。。



 今回、コレクション冒頭の曲はセルゲイ・ストラヴィンスキーの『春の祭典』です。第一部のクライマックス、弦楽器を中心に同じ和音がスタッカートを刻む力強い部分からショーはスタートします。

 この曲はストラヴィンスキーが1913年にバレエ・リュスの新しい演目として、セルゲイ・ディアギレフに依頼されて制作した楽曲です。1909年『アルミードの館』をパリ、シャトレ座で初演し、次々とヒット作品を上演し大成功を納めたこのバレエ団は、新しい作品のコリオグラファーに、当時プリンシパルだったニジンスキーを起用します。

 彼にとってのコリオグラファーとしては初の作品となったこの演目、癇癪持ちで自分の意志を上手く伝えられないニジンスキーは、振り付けに膨大な時間を費やしながらもこの作品を完成させ、同年5月29日にこけら落としが行われます。


 リトアニアの民話をベースにした内容は、森の奥深くに暮らすカルトな民族の生け贄の儀式を描いたエキセントリックな内容で、スタラヴィンスキーのアヴァンギャルドな音楽に、ニジンスニーの舞台を走り廻ったり、腰を屈め頭を垂れたまま飛び跳ねる振り付けで、従来のバレエとはまるで違う演目になりました。

 初演当日は演奏が進むに連れ、嘲笑や野次が漏れ出し会場は大騒ぎとなり、やがては賛成派と反対派が大げんかを始める乱闘騒ぎになり、劇場オーナーのアストゥリュクが舞台に上がり『とにかく最後まで聞いて下さい!』と叫ぶ程、、、、ニジンスキーは観客の罵声で音楽が聞こえないダンサーの為に、舞台袖で拍子を取っていたそうです。また冒頭のファゴットの一節を聞いた途端、客席にいたサン・サーンスは『楽器の使い方を知らない者の曲は聴きたくない』と席を立つほど大事件となり、その壮絶さを今に伝えています。

 あまりにもアヴァンギャルド過ぎたこの楽曲。。。。現在では20世紀を代表する近代音楽の傑作の一つです。後にモーリス・ベジャールやピナ・バァウシュ等蒼々たるコリオグラファー達が、この歴史的な楽曲を再解釈し成功を収めています。



 新しいスタイルを取り入れ、当時センショーンを巻き起こしたこの楽曲を冒頭に使用するという部分にも、フェンディとカール・ラガーフェルドの今回のコレクションに対する意気込みが感じられますね。。。。では、コレクションの解説へと参りたいと思います!!!!


 最初に登場するのは作品全体で移ろい行く月の表面を表現したようなこちらのオペラコートです。使用されているのは厳選されたロシアンセーブル。。。最高級の素材が放つ独特の光沢を丁寧に繋ぎ合わせ、フードから繋がるゆるかやにフィットしたボディ、そこから広がる丸いスカートとカスケードする前立てで、存在そのものが夜空に輝く孤高の月のようなムードですねぇ。。。


 もう、歩くとその輝きが絶妙に変化して。。。。。。。素晴らしい作品でございます。。。。。。


 メタリックなサイハイブーツに、ファーであしらったサーモンピンクのコーサージュは、メンゾンでも大切にされているオーキッドの花。。。。。


 。。。。。。こんなオープニング、、、、テンションあがらない訳にはいかんでしょう!!!!!!



 『シルバー ムーン』と供に今回のコレクションの要素として取入れられたものに『建築』という要素があります。フェンディーの本拠地、ローマに残された古代建築にルーツを持つ螺旋状のモチーフや、建築構造等にも見られる波形のモチーフ、真っすぐな円柱等のほっそりしたシルエッテがジオメトリックに作品の中に取入れます。


 こちらはジオメトリックに螺旋のパターンを表現したロング コートで、最高級のグレーのミンクとアーミンファーが使用されています。パーツの一つ一つは全て手作業のインレイ(はめ込み)により縫い合わされていて、コンテンポラリーなアイテムでございましたねぇ。。。




 今回フェンディはファーのクリエションにおいて革新的とも言える『シルバー・ファー・エフェクト』という素晴らしい技術を発明しました。


 フェンディ自身が独占権を持つこの技術は、ファーの一つ一つの毛のキューティクルを特殊な技術で開き、その中にマイクロ単位の細かい金属を入れ、再びキューティクルを閉じるという恐ろしいまでの技術。。。。。このあまりにも独創的過ぎるテクニックは、今回ミンク、シンチラ、セーブル等に施されていましたが、毛皮本来の柔らかい肌触りはそのままに、毛の一本一本に筆舌し難い程の美しいメタリックな輝くをプラスしています。。。。


 こちらはミンクファーに『シルバー・ファー・エフェクト』を施し、それを波形にインレイではめ込んだ作品です。シエアリングを施したパーツや毛足を生かしたパーツなど立体的にもアレンジを加え、見た事もないプラチナのような美しい輝きは見事でしたね。。。。


 
 最高級のファー、最高級のトリートメント、そこに最高級のテクニックが施される事で、フェンディのファーは唯一無二の存在として、これまでも常に賞賛を浴びて来ました。


 ファッションやジュエリー等でもそうですが、本来最高級なマテリアルになればなるほど、クリエイター達は保守的になり、高価な材料だからこそ間口の広いアイテムに落とし込むことが多いのですが、高級な素材だからこそ冒険や実験を繰り返し、新しいテクニックを生み出すパイオニアとしてのアティチュードにはいつも感動させられますね。


 こちらにはまさにそんなテクニックが施された宝石のような作品です。。。。ドラマティックなフルレングスのケープには、ブラックミンクやセーブルを用いた波形のパターンが実に美しく表現されています。


 ミンクの毛足を波形にカットして模様を描いたパーツ、美しいセーブルの輝きを最大限に生かしたパーツ、ファーを部分的にカットしそこにバヴェのクリスタルを飾ったパーツ、フューチャリスティックなPVCやHaute coutureではお馴染みのシルクデシン等も織り交ぜて、まるで全体で宇宙を表現しているような壮大な作品に仕上がっていましたねぇ。。。。



 こちらのケープのアンサンブルはジオメトリックな印象で素晴らしゅうございましたね。。。。


 テクニックの説明をする毎に嬉しくなってしまう今回のコレクション!!!こちらも目から鱗でございます!!!!ホワイトとブラックの部分はそれぞれ極小のミンクファーのパーツです。繋合わせる縫い代の部分のファーをカットし、表の見える部分によりキュービックな印象を付けた物を、細かく一つ一つ繋ぎ合わせて行くという驚きの行程で仕上がられています。


 トップスのケープはストライプ、スカートは市松模様とアイテムでパーツの配置を変える事でリズムを生み出し、ファーだからこそのファジーな仕上がりが柔らかさと高級感を感じさせますね。。。。


 こちら、今回のコレクションの最高額でございます。。。多分、東京近郊に、もしかしたら都内にもマンションが買えるかも!のお値段でございました。。。。。汗。。。。


 チハルちゃんが着ているこちらのコートは稀少価値の高いリンクスをメインに、ロシアンセーブルやミンクで仕立てられています。少し張り出したショルダーから繋がる丸い月をイメージさせるコクーン型のシルエット、首廻りを露にした前立ても円を描くように流線形のフォルムでヘムまで繋がっています。


 襟元にはロシアンセーブルがアクセントになったボーダー状のジオメトリックなパターンがあしらわれ、リバーシブルになった反対側には、シルクタフタにジオメトリックなパターンが刺繍で表現されているという素晴らしいアイテムです。


 こちら、プリンセズシルエットのドレスのようにスィートなコートもございましたよ。。。。





 オーストラリア出身のスーパーモデル、ジュリア・ノビス(Julia Nobis)が着用しているこちらの二点は、実はリバーシブルなんです。。。。。全く違うスタイルの両方をきちんとショーで見せてくれるなんて滅多に無い事で有り難く、あまりにも世界が違う為に同じアイテムだとは思っていませんでした。。。


 最初に登場した方は、シルクタフタにシノワズリー風の蒔絵細工のような架空の花鳥風月のデザインを銀糸で刺繍し、鳥が花の蜜を吸っている可愛らしい姿等も描かれています。顔廻りのモチーフは揺れるように立体的に刺繍され、まさにドレスのような美しいルックです。


 そして、反対側は。。。。。。。襟まわりのブラックからヘムに向かってシルバーにグラデーションして行く様をファーで表現したルックです。セーブルに始まり、フェザーの大きさを変えてグラデーションを表現し、シルバー・ファー・エフェクトを施したミンクやシルバーフォックスを複雑に組み合わせて仕上げた、目から鱗の素晴らしい作品でした。。。


 今回のコレクションではアトリエの熟練した職人達の手でさえ、一つにルックを制作するのに200時間から600時間もの作業時間を費やしたそうで、時間と労力を惜しむ事なくフェンディの魅力を最大限に発揮した作品には、見ていて胸が震える思いでした。


  その中でも一番と言って良い程手間ひまをかけたのがこちらのラグジュアリーな作品になります。立定的なテクスチャーのあるシルクに施されたのは、古代ロー マ時代、又は4世紀のトルコが発祥とも言われる最も古いスタイルの刺繍、クロスステッチが使用されています。描かれているのは空想上の植物や動物。古の人々が月には蟹やウサギが住んでいたなんてロマンティックな伝説を作ったような楽しいムードが表現されています。


 ボディーのヘムの部分には、刺繍からのグラデーションでカットしたファーのテープを編み込んで立体的なテクスチャーを表現し、近くで見ていても気の遠くなるような作品でした。。。。


 またこちらのコート、袖口やヘムからファーが覗いているのがお解りになると思いますが、もちろん。。。。。リバーシブルです。。。。。反対側はロシアンセーブルのファーがびっしりと敷き詰められておりますよぉぉぉ。。。。


 今回のコレクションには、羽毛細工工房のLemarie(ルマリエ)やテキスタイルや刺繍の工房のHurel(ユーレ ル)等、Hate coutureを支える伝統あるパリの工房が金属のフラワーモチーフのパーツや立体的なビーズの制作に携わって、フェンディのファーの世界をよりハイエンドに昇華させています。


 まるでドレスのようなこちらコートでございますが、裾からグラデーションで施されているのは、特殊なビニールとクリスタルで表現された架空の花々。ラグジュアリーなファーに刺繍。。。しかも、下半分は見えない。。。。どんだけゴージャスなんですか!!!!


 ファーは毛足があるので普通の生地とは違い、より立体的なパーツを使用しないと毛に隠れてしまいます。もちろんこのコートの為のスペシャルオーダーでございます。。。


 ボディーにはマーブル模様が美しいブラウンのアストラカン、襟にはフワッフワのロシアンセーブルが使用されていまましたよぉぉぉ。



 コレクションは終盤に向かい、大きな羽根を広げて月まで羽ばたく鳥をイメージさせる『バード・ウーマン』を表現した素晴らしい作品が登場します。


 比較的ダークトーンやモノトーンの作品が多かった今回の中で紅一点だったのが、こちらの可愛らしいピンクのグラデーションで仕上げたコートです。ロングヘア、そしてカットしたミンクファーでボディーを仕上げ、袖や前身頃の部分にはまるで翼が生えたかのように美しいデコレーションがあしらわれています。

 
 フェザーやカットしたミンクのファーを美しいパウダーピンクのトーンに染め上げ、それらをメランジェしながらびっしりと敷き詰めたデコーレーションでございます。。。そして、この装飾の部分はなんと取り外し可能という優れものなんですよぉぉぉ。。。


 こちらも同じ『バード・ウーマン』のイメージでクリエイトされたコートで、ローマ調のホワイトとゴールドの配色や厳格さすら感じさせるシンメトリーなデザインが、ギリシア神話の中に出て来る伝説上の動物スフィンクスをイメージさせます。


  エジプトのピラミッドを守っているのもスフィンクスですが、ギリシア神話ではライオンの身体に豊満な乳房を持ち、大きな翼に美しい女性の顔を持つ姿で描かれる事が多いですね。。。。さらにちなみにですが、父親は台風の語源にもなった無敵怪獣のテュポーン、母親はメドゥーサの孫の下半身が蛇の怪獣エキドナ、兄弟には地獄の番犬ケルベロスや合成怪獣のキマイラ等の大怪獣一家の出身です。


 発祥はギリシアのアクロポリスの一つ、テーバイの近郊で、テーバイの国王をが男色の罪を犯した為に、嫉妬の女神ヘラが送り込んだとも言われています。。。。



 あっ、また横道にそれてしまいました!!!!こちらはペルシャンラム、ホワイトミンク等を使用し、ゴールドの羽根の部分は職人の手によって、特殊なスプレー加工でメタリックなカラーを表現しているそうです。。。


 今回のコレクションの中で一番の私のお気に入りがこちらの作品でございます。。。。

  コートはブラックミンクのボディーにマルチカラーのミンクと羽根を襟元に飾り、一つ一つ大きさもカラーも違うパーツをグラデーションに縫い付けてあります。コートの裾には想像上の花鳥風月のパターンをインターシャで施したもの、、、、。ちらりと覗いた裏側の部分を見ると、細かい作業の労力の賜物だという事がお解り頂けると思います。


 インナーのドレスはレザーやファーを羽根の形にカットしたパーツを、丁寧に一枚ずつ縫い付けてグラデーションを作り出し、なんとも美しい作品でしたね。。。。


 




 ファーというマテリアルの可能性の幅をさらに拡げ、偉大なるチャレンジに成功した今回のフェンディのコレクションは、この上もない珠玉の時間でございまして、こんな素晴らしい作品を一同に東京で見れた事が、書いている今でも奇跡のように思えてなりませんねぇぇぇ。。。



 今回コレクションではファーアイテムに合わせて、未来のラグジュアリーな月面旅行をイメージさせる、メタリックやジオメトリックなパターンを施したレギンスやサイハイブーツ、ウエアに施した架空の植物や動物のモチーフと同じ物を丁寧に刺繍で表現したシューズなど、コーディネイトしているアイテムやアクセサリーも実に素晴らしかったですねぇ。


 中でもファーや羽根、エンブロイダリーでガラリとドレスアップした、メゾンのシグネチャーのバッグ、マイクロ・ピーカーブーやマイクロ・バゲットは、ファンの方々には溜まらないアイテムだったのではないでしょうか???





 オートフリュール。。。。ファーのフィールドを世界最高のブランドのフェンディが、自らアップさせた感のある今回のコレクション。。。。発表された作品を直後にボディに着せて、手に触れる距離で見れるプレゼンテーションまで演出したホスピタリティーの素晴らしさに感動しながら、この後に行われたカクテルパーティーが盛上がらない訳がなかった、素敵な一夜となりました。。。。。。








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JIMMY CHOO 2015-16 CRUISE !!!




 さて今日はJIMMY CHOO(ジミー チュウ)の2016 クルーズコレクションをリポートして行きましょうね。



  1区のRue Francoisにある素敵なサロンで行われた今回のプレゼンテーションですが、ロンドンをホーム グラウンドとするJIMMY CHOOは毎シーズン、ロンドンやミラノでプレゼンテーションを行っていますが、Haute couture weekの初のプレゼンテーションいう事で、ファッションの都、PARISでの開催となりました。





 会場でなんと!!!!クリエイティブ・ディレクターのSandra Choi(サンドラ・チョイ)女史に御会いすることが出来ました!!!!気さくに色々とお話しちゃいまして、、、2ショットまで頂いちゃいました。


  世界的なラグジュアリーシューズブランドのディレクターですもの、どんな仰々しい方かと思っていましたがもの凄くナチュラルでチャーミング!!!実にフレンドリーで、こういう人が作るシューズだから世界中の女性達を虜にするんだなぁぁぁ、、、、。と感動してしまいました ね。。。






  今回のプレゼンテーションはこちらの画像でもお解りのように、何やら雄大な自然のランドスケープがブースの壁面に施されていましたよ。半分はモニュメントバレーを抱く乾いたアリゾナの砂漠で、また半分は真っ白の銀世界に包まれたアラスカや北極圏に近い氷の世界。。。。



  二つのランドスケープは作品を見ているうちに朝日から夕暮れになり、星の煌めく夜の世界になったかと思うとまた朝日が登ります。。。移ろい行く太陽の光線や月の煌めきは実にドラマティックで、その前に配置された新作のシューズやバッグ達は静かに佇み、なにやら物思いに耽る美しい女性達のようでしたね。。。






 灼熱の赤い土の情景と真っ白な雪で覆われた世界。。。。この対極的な二つのランドスケープからもお解りのように、今回のジミー チュウは大きな二本柱によって構成されています。

 『Sun Light and Moon Light(サンライト アンド ムーンライト)』。。。。。アトリエの手仕事の温もりと卓越した技術のハンドメイドを生かしたサンライトと、クールでスタイリッシュなムード溢れるハイブリッドなアイディアを鏤めたムーンライトと、全く違う表情を見せる二つのコレクションは、欲張りな女子には嬉しいばかりのバリエーション豊かなコレクションになっています。



 まずは、アリゾナのランドスケープの前に飾られた、『サン ライト』のコレクションからお伝えして行きましょう。。。。こちらのコレクションでテーマになっているのはボヘミアンなムードです。ナチュラルで熱を帯びたスタイルの中に、現代のアーバン ノマドをイメージさせる上質なコレクションです。

 カラーパレットはアースカラー。ボーホー(ボヘミアンの略)・パープル、ヌード、ピーカン(ピーカンナッツのブラウン)、モス(苔のグリーン)等ナチュラルなトーンをベースに、モノトーンやメタリックがアクセントを付けます。


 こちらは『サン ライト』のコンセプトを一番体現しているかのような『LIMA』というシューズです。トレンドにもなっているグラディエータースタイルをエレガントに解釈していて、アトリエの最高のテクニックにより手仕事で編み上げられたインパクトのあるストラップが高めの位置まで施されています。

 このシューズの素晴らしい所はサイドに施されたレザーのベルトによって、フロントとバックの景色がまるで変わる所ですね。ストラップがボーダー状にあしらわれた力強いフロントに対して、バックはレザーのループをレースアップする繊細さ。。。。このアイディアが実に素晴らしく、開放的な足元を作るセンシュアルなシューズでございましたねぇ。。。



 こちらは『MYRA』というラウンドトゥのブーティーです。


 足の上に柔らかなスエードを乗せてドレーピングで仕上げたような、包み込むようなホールド感とフロントのドレープが実に美しい作品です。足首の部分にはループが飾られ、フロントのタッセルがボヘミアンなムードを盛り上げてくれますねぇ。。


 左のパープルはタッセルの中にオレンジの指し色をプラスし、ジャラジャラと幾つもあしらわれたタッセルが楽しい動きを見せてくれます。10cmで安定感も良く、細めの繊細なヒールになっているので、バックから見ても実にエレガントなアイテムでしたね。。。



 パーティー等社交の場が増えるこのシーズンにはピッタリの、フェザーを用いたアイテムも注目でしたね。


 こちらはボーホー・パープルとマンダリン・オレンジのコンビネーションが美しいアイテム達で、ボウのモチーフの中にストリップのフェザーを飾り軽やかなムードが素敵ですね。


 右端は『VOW』という11cmヒールのミュールです。足の甲の部分をしっかりとホールドするようなディテールがロココのムードを感じさせ、真ん中はさらにヌーディーにアンクルストラップを施した10cmヒールの『VIVIEN』です。


 左のクラッチバッグは『BOW』というアイテムで、エレガントなサテンの光沢にサッシュベルトを巻くようにゴールドのメタルパーツと、フェザーで飾られたボウのモチーフがアクセントになっています。


 こんなにエレガントなムードでございますが、カラーリングのおかげかネイティブ アメリカン等のエスニックな部族の持つ、独特の力強いトライバルなムードを感じましたね。。。。



 レトロチックなポラットホームのサンダルをエレガントに再解釈したこちらの『HOLLY』もインパクト大で素敵でしたね。。。


 随所に個性的なレザーのハンドステッチが施され、繊細なトップのベルトとアンクル部分のパーツから繋がったストラップが実にデリケートな印象で、スタイリッシュにボヘミアンテイストを楽しめそうなアイテムでしたね。


 左はブラウンやグレーのクロコダイルのパターンや、ボーホー・パープルやブラック、オレンジ等、パーツやステッチまで細かく変化させてマルチカラーで楽しんだバージョンで、ベルボトムやフレアーのダメージデニムなんかとコーディネイトしても素敵ですね。

 
 右はパイライト(黄鉄鉱)のようなメタリックな仕上げのナッパレザーを全体に使用し、ブラックのステッチでコントラストを付けたシャープなアイテムで、こちらはブラックの細身のクロップド パンツでハンサムな感じでコーディネイトなんかにすると素敵そうでしたね。。。







 続いては『ムーン ライント』のコレクションを御紹介して行きましょうね。
 
 月明かりの下で、艶やかにな輝きを見せるようなこちらのコレクションは、繊細なデザインが魅力的で、Haute coutureのテクニックを感じさせる贅沢でエレガントな作品が注目です。

 スパンコールの煌めきやファーやフェザー、メタリック加工やメタルパーツ等のラグジュアリーなデコレーションが幻想的な世界を作り上げ、雪の女王の氷の靴のようにさりげなく香り立つデカダンスのムードが素晴らしいコレクションでございます、個人的にはこちらのコレクションのほうが大好物でございますぅぅぅぅ。。。。


 まずは、女子ならたまらないんじゃないでしょうかぁ===!!!!的なこちらのファーをあしらった『DOLLY』です。まさにお伽話の主人公が履くような美しいシューズは、ファイン グリッター ファブリックのシャイニーなボディーに、トップとアンクルストラップの真ん中にフォックスファーのボンボンを飾ったリュクスなアイテムです。


 いやぁ。。。。。男子にもたまらない可愛らしさですよぉぉぉぉ。。。。


 こちらは10cmヒールになっていますが、同じ二つのボンボンがあしらわれたデザインでフラットのアイテムもございますので、気になる方はチェックしてみて下さいね。



 こちらはシルクオーガンジーでフェザーのような質感を生み出したデコレーションのアイテムです。一枚ずつ羽根のようにカットしたローエッジのシルクの布端を、少しずつ手作業で解いてこの独特な繊細さを作り出していて、まさにHaute coutureのドレスのようなアイテムです。


 右側は『LADINE』というブーティーです。シボ感のあるレザーでボディーを仕上げ、トゥの先から足首をぐるりとシルクオーガンジーのデコレーションが飾っています。


 クラッチバッグは『TUX』というアイテムです。メタリックなリザードのテクスチャーが美しいボディーに、持つ部分以外には、やはりぐるりとデコレーションを施したリュクスなアイテムです。


 こちら、なんとも言えないネイビーやグレー等のクールなカラーもスタイリッシュでしたね。。。



 もう。。。。。今季一番のプリンセスアイテムがこちら。。。。。。溜りませんねぇぇぇぇ!!!!氷のようなクリスタルの輝きとフェザーの軽やかさ。。。。。まだ寒い季節だからこそ楽しみたい、麗しいまでのムードの作品でござます。


 まず右は『VIOLA』という10cmヒールのシューズで、今季の特徴のトップにミニマムなストラップを一本、踵をホールドするエレガントなバックスタイルから裁ち出しで伸びたアンクルストラップのシルエットが、実に足を美しく見せてくれますね。


 ボディの部分に施されたのは大小様々なクリスタルや立体的なカットを施したマット ホワイトのビジューです。大きさの違うパーツをびっしりとパヴェで敷き詰める事によって、乱反射した輝きは複雑な表情を生み出していましたね。フロントにあしらわれているフェザーはアンクルストラップの中央からカスケードするチャームになっていて、クリスタルが施されたリンクの下のフェザーの部分は歩く度にヒラヒラろ揺れて実に軽やかな印象です。


 左のバッグは『BOX』という人気のハードケースタイプのクラッチで、こちらはミラーのようなメタルフレームのアウトラインから、オーストリッチのホワイトのフェザーが軽やかに飛び出すというエレガントなデザインです。


  
 フェザーは古来より衣服を飾る装飾品として伝統的な素材で、軽やかな動きと自然由来の迫力が人気の素材ですね。ドレスはもちろんの事、帽子のデコレーションやアクセサリーにまで広く使用され、女性が必ず帽子やグローブを着用しなくて良くなった今の時代だからこそ、こういうコンフォートなアクセサリーでその伝統的なスタイルを楽しんでみるのも素敵かと思われます。。。。




 こちらもまた素晴らしいでしょ???画像が暗めに写っていてすいません!!!!


 神秘的で美しいフォルムを描く雪の結晶を、花に見立てたようなモチーフの作品も実に手が込んでいて素晴らしかったですね。それは、まさに氷の花。。。。。フェミニンなディテールとアイシーなアティチュードが見事にマッチして、貴族的なまでのノーブルさを感じさせます。


 左は『LORELAI』というシューズになります。ギリギリまでヌーディーなカッティングは、内側と外側でまるで違う表情を見せ、女らしい華奢なフォルムを描きます。ファイングリッターフブァリックのボディの上に施されたのは、ヌード、シルバー、シャンパンゴールド等の同系色であしらわれたレザーの小さなフラワーモチーフで、グラデーションするようにセンターのクリスタルで固定されています。



 折角なので、このシューズのタイトルになっているLoreley(ローレライ(独))について少しお話しておきましょう。ドイツのラインラルト=プファルト州のライン川沿いの街、ザンクト=ゴアールスハウゼンの近くには、ライン側に向かって水面から130mも突き出した岩山があります。

 
 ここはスイスと北海を繋ぐ唯一の航路にも関わらず、この岩山のせいで川幅は途端に狭くなり流れは急になり、川底にゴツゴツとした岩がある事で昔から難所として恐れられていました。いつしか船乗り達は岩山に少女が佇み、美しい歌で船員達を誘惑するという逸話が生まれローレライ伝説として受け継がれています。


 ギリシア神話に登場するセイレーンや人魚にも通じる、男を誘惑する美しい娘というコンセプトが世界中で愛され、ドイツの詩人Christian Johann Heinrich Heine(ハインリヒ・ハイネ)の刺繍『歌の本ー帰郷ー』の中でも詠まれています。


 後にドイツロマン主義の作家、Clemens Maria Brentano(クレメンス・ブレンターノ)が創作したローレライの物語は、イタリア出身の詩人Guillaume Apollinaire(ギヨーム・アポリネール)の翻訳をベースにソビエト連邦の作曲家Dmitrii Dmitrievich Shostakovich(ドミートリイ・ショスタコーヴィッチ)が交響曲第14番(13楽章)の中でオマージュとして作曲していますね。


 ローレライはある一人の絶世の美女のお話です。あまりにも美し過ぎるが故に男たちは勝手に翻弄され、面目を失わさせてまうが故に恋人に裏切られ、やがて裁判にかけられてしまいます。死ぬ事すら許されなかった彼女は修道院に送られる前に『恋人の住む城を最後に見たい』とこの岩に登り、そこからライン川に身を投げるたと詩の中には唱われています。。。退廃的な美意識が大流行した19世紀末にはブームとなり、歌曲やオペラ、アートの題材として好まれ沢山の作品が残されています。



 右のクラッチバッグは『CLOUD』というアイテムで、雲のような丸っこいフォルムのハードタイプのパーティーバッグです。クリスタルがパヴェで敷き詰められたボディーの上には、クロジャーから咲き乱れるように施された、大輪のゴールドの花々が見事ですね。。。花心にはやはりクリスタルが飾られエレガントでしたね。。。
 


 はい、繊細でエレガントな作品が多かった『ムーン ライント』のコレクションには、こんなハイブリッドなアイテムも登場して話題になっていましたよ。


 こちらはイタリア テクニカ社の『MOON BOOT(R)』とのコラボレーションにより誕生したユニークなシューズです。1969年、アポロ11号により人類が初の月面着陸した際に宇宙飛行士達が履いていたブーツに着目し1970年に独自のデザインで発表し。以後アフタースキー用のスノーブーツ等として爆発的なヒットアイテムとなりました。


 フィーチャリスティックなデザインのこちらのシューズとジミー チュウのコラボレーションは実にスタイリッシュなスタイルで登場しています。こちらはブラックとメタリックなゴールドのテクニカルファブリックを使用した、まさに雪山で映えそうなインパクトのあるデザインですね。アウトドアテイストのロープのレースアップや、その先に施されたタッセルが今季なボヘミアンなムードも感じさせています。


 他にシアリングのファー、ラパンやフォックスをあしらったバージョン、人気のスタースタッズをあしらったアイテム等もございますので、気になる方は是非チェックしてみて下さいね。




 バッグでは今季、人気の『LOCKETT』からスモールサイズ『LOCKETT PETITE』が登場して気になりましたね。


 エンブレムのようなフォルムのプッシュ ロックのモチーフがアクセントとなったこのバッグは、エレガントなフロントからすると、ハードなムードのサイドのスタッズのディテール、ノットが施されたチェーンとまさにロックな存在感のあるアイテムです。


 今季はこちらの左側のミラーのプレートが施されたアイテムが気になりましたね。フラップの部分にリーフのように刺繍されたデコレーション実にクールで、パティーにもぴったりですねぇぇぇ。またディナーの後このミラーを使ってエレガントにリップを治すなんて、映画のシーンのようなアトラクションも楽しめそうで、思わず妄想してしまいました。。。。






 PARIS Haute coutureのリュクスなムードの中行われた今回のジミー チュウ 2016クルーズコレクション。。。。世界中からクチュールコレクションの為にPARISに来た、目の肥えたジャーナリスト達をターゲットに行われた今回、彼らのお眼鏡に叶うよう気合いの入った演出と並んだ作品の美しさに、時間を忘れてうっとりしてしまいましたね。。。


 乾いた大地と手仕事の温もり、トレンドのボーホースタイルともマッチしそうな『サン ライト』は、情熱的でエネルギッシュな女性像を感じさせ、Haute coutureのテクニックに裏付けされた、ラグジュアリーで繊細な『ムーン ライト』は、クールで冷静、ミステリアスな女性像を感じさせましたね。



 この二面性のある女性像は常にこのブランドのメソッドとしてコレクションに反映されて来た大切なテーマです。どんなにお気に入りのアイテムを見付けても明日には飽きてしまうのが女性というもの。。。。。全ての女性達の中に存在するわがままな欲求を満たすようなパーフェクトなコレクションでしたね。。。



 この時期の南の島のリゾートでエレガントにバカンスを楽しむ美しい女性をイメージしましたね。。。。昼はマキシ丈のヒッピードレスに、スエードにタッセルのデコレーションが施されたボーホーパープルのブーティーで、ショッピングを楽しんだり遺跡を観光したり、、、夜はガラリとムードを変えて少し焼けた肌に真っ白のパンツスーツ、、、、足元はフェザーとクリスタルで飾られた繊細なサンダル。。。。





 そんなファム・ファタールを妄想しながら優雅な時間を楽しんだ、JIMMY CHOO 2016 CRUISE COLLECTIONのプレゼンテーションでした。。。。





 ※ちなみにこちらはPARISで開催されたワールド ワイド向けのプレゼンテーションでございます。日本未発売のアイテムもございますますので、オフィシャルサイト等でチェックして、ショップに足を運んでみて下さいね。






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 今回御紹介したロンドンを拠点にスペシャルなフットウエアを発表するブランド、JIMMY CHOOのお話しもより詳しく掲載されている私の初の著書、『ブランド・パスポート』は現在絶賛発売中です。是非、書店等でお求め下さいね。



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Dior 2016 CRUISE COLLECTION !!!





 はい。皆様メリークリスマスでございますねぇ。。。昨晩は素敵な夜を過ごされたのでしょうかぁ。。。


 私は、、、、、、。普通でーす。。。。。いつもと変わらぬ日々を過ごしておりましたよ。。。。wwww



 昨日の午後、大切な友人からクリスマスケーキを頂いたのですが、『わー!!!』って喜んだすぐ後、その場で一気に喰っちゃいました。。。その方はディナーの後にでもゆっくりと食べて下さいね!的な感じと思ってらしたようですが、目の前で。。。。。



 ほら、ケーキなんて油と糖質の塊でしょ?つまり体内に入ると悪の権化な訳ですよ。でしたら寝る迄の間に時間を稼いできちんと消化したいもの。。。最近、ディナーでは極力炭水化物を控えている私にとっては、今日の快楽は明日の地獄。。。。呆れられましたね。。。。



 そういえば今年一番嬉しかったクリスマスプレゼントは羽根布団ですし、理由を付けて自分用に買ったプレゼントは、『BALMUDA』のパンがふっくら焼けるトースターでした。。。




 嗚呼、、、、、なんだか、ロマンティックのかけらもありませんねぇ。。。。。





 せいぜいTOPページ用にクリスマス仕様のイラストを描き、気分になってみています。。。。今回はラッキーナンバーの7人の天使を描いてみました。北斗七星のような感じですかね。。。終盤からいろんな事が世界中で起こった2015年。。。クリスマスでさえ戦の火は耐える事無いですが、イエス・キリストの生誕日くらい、安らかであって欲しいと心から願いますね。。


 今日はHaute coutureのスケジュール中にPARISで開催された、Dior(ディオール)の2016 クルーズコレクションのリポートをして行きたいと思いますよ。

 
 クリスマスからニューイヤーに合わせて発表されるコレクションは、この時期、暖かいリゾートでホリデーを過ごすセレブリティーをターゲットにしています。なので『何でこんな寒い時期に?』と思ってしまうような露出度の高いドレスやスイムウエア等も発表されますのです。

 こちらパリでのプレゼンテーションのヒトコマでございます。。。。私が抱えているのは今絶賛話題沸騰中のバッグ、DIORAMA(ディオラマ)でございます。今シーズンは美しいフラワモチーフのパターンや、エンブレム等が施された遊び心に溢れたアイテムが注目でしたね。。




 毎年1回行われるこのクルーズコレクション、ディオールにおいては世界の様々な都市でスペシャルなショーを行う事で注目なのですが、今回はその舞台に南フランスのコート・ダジュールがセレクトされました。

  カンヌからマルセイユの方向に海沿いを少し車を走らせると、テウル・シュル・メールの崖の上に実に個性的な建造物のPalais Bulles(パレ・ビュル)が佇んでいます。『泡の家』というその邸宅は名前の通りブクブクと泡ぶくような独創的なフォルムが印象的で、フランスのサイエンスフィクションの創始者、作家のJules Gabriel Verne(ジュール・ヴェルヌ)の描く深海の世界や、スペインの建築家アントニオ・ガウディ、映画監督スタンリー・キューブリックのセイケデリックなムード等、見る人のイマジネーションを掻き立てるアーティスティックな建造物です。


 私は小さい頃の見た時に蛸が這っているように見えましたね。。。。。www



  総面積1800平方mのこの独創的な館を建築したのはハンガリー出身の建築家Antti Lovag(アンティ・ロバーグ)です。自身を少し気が狂った住居建築家と称する彼は『アビトロジー(居住学)』のコンセプトの創始者でもあります。イヌイットと初期人類の丸型の住居に魅了され、1977年、大富豪ピエール・ベルナールの依頼でこの館の建設に着手し1984年に完成させます。1992年に亡くなる時にベルナールはこの宮殿が新たなオーナーに引き継がれる事を望み、新しい持ち主はデザイナーのPierre Cardin(ピエール・カルダン)となりました。


 現在この建物はピエール・カルダンの別荘としてとても有名で、彼はこの邸を手に入れた後新たに講堂の設備を増築し、12室ある全ての部屋に自身のオリジナルの家具で揃え、お気に入りの画家、パブロ・ピカソ、ルーチョ・フォンタナ等の作品が飾られています。




 フランスの歴史的建造物にも指定されている大地と空と海を繋ぐユートピアをメタファーとして、ディオールの2016 CRUISE COLLECTIONは南フランスの自然の景観、溢れるばかりの光の輝き、様々に表情を変えるカラーにコンシャスしています。


『今回のコレクションでは、自由、遊び心、際立った個性といった概念を最も重要なものとして位置づけたいと思っていました。特に、ディオールのアーカイブと対比させて。。。コレクションのコンセプトは決して重いものではなく、軽やかで若々しいものです。軽やかさを文字通りに表現し、見事に爽やかな雰囲気を作り出しています。作品の建築的構造のほとんどは、クリスチャン・ディオールのコートから直接的にインスパイアされています。 しかし、コレクションでは重たい生地は取り払い、スケールを自由にアレンジしています。インスピレーションの元となっている作品のスタイリッシュな要素が他の装いに使われ、コラージュのようになっています。』
 


 ラフ・シモンズが語るようにコレクションではトラディ ショナルとエレガントが美しいパ・ド・ドゥを踊っています。様々な文化が入り交じる南フランスのムードは、コンビネゾンや画家のスモック、大胆なカットの イブニングドレスやスイムウエアと様々なアイディアで表現されます。


 この甘美なメランジェはファブリックやテクニックでも登場します。煌めくルレックスのパッチワークやマルチカラーのチェック、チュールにレースを重ねたり、メッシュにファーをあしらったりと、まるで科学の実験のような独創的なアイディアが、随所に溢れていましたね。。。



 では、ファーストルックからコレクションを御紹介して行きましょうね。


 まず登場したのはモダニティ溢れるアティチュードに、クラシカルなエレガントさが香るアクティブなルックです。


 ジャケットはディオールのシグネチャーとも呼べるフィット&フレアーのコロールラインをルーツとしながらも、メカニックなプリーツをウエストに施す事で個性的なシルエットを描き出します。プリーツのかんぬきの小さなステッチもアクセントになっていて、こういう所には痺れてしまいますねぇ。。。


 スリーブは立体的なパターンからカッティングしたパフスリーブで、襟元はスクエア。。。。キャラルカラーにブラック&ホワイトのチェックのウールを使用し、ウエストのタックのディテールにより、少しずらしたチェックがリズムを生み出すように考えられているのもさすがでしたね。。。


 ボトムにコーディネイトしたのはブラックとブラウンのギンガムチェックのシルクタフタのショーツです。ショーツの裾からポケット布が見えるようにデザインしているのもユニークで、今季、多くのルックで使用していた、エレガントなジャカードを使用したアンクルブーツがボーイッシュなムードで素敵でしたね。。。


 
 開放的な南フランスのムードはこんなリラックスしたドレスにも落とし込まれています。


 90'Sの時代、スーパーモデルのケイト・モス等が着用してブームになった、あえて女性が着るメンズライクなタンクトップのディテールを感じさせるミニマムなデザインが用いられていて、ラフなトップスとひざ下まで続くボディーの部分はクリムソンレッドのメランジェのプリーツニットで仕立られています。ダーツ等の余計なシームを一切排除したストレスプリーなデザインも素敵です。


 裾に施されたのはトップスのムードを織りで表現したファブリックのスカートです。クリムソンとホワイトのメランジェの糸を織り上げ、ラフカットした裾をさらにフリンジ状にして動きを付けています。


 一見すると同じ素材に見えますが全く違います。。。。そういう手の込んだ所が実にディオールらしいなぁと感動しますね。。。。


 アクセントを付けるようにコーディネイトしたのは、独創的なマルチカラーのバッグ『Be Dior(ビ ディオール)』でございます。防犯的にも機能的にも優れたフラップが特徴の都会的なバックでございますが、マルチカラーに見えるの中に、うっすら見えるストライプのパターン。。。。こちらどんなテクニックが施されていますか解りますか????


 実はプリーツなんです。。。。柔からいラムスキンにプリーツを寄せ、ダイナミックなテクスチャーを作り出し、フロントとサイドの柄合わせも完璧。。。こうやってショルダー等でコーディネイトして軽やかに楽しんでみてはいかがでしょうかぁ???




 コレクションの前半はかなり短めのミニのルックが沢山登場しましたね。開放的に足を出しアクティブなムードを出しながらも、シルエットやファブリックにクラシカルなアイテムを取入れて、上品な若々しさを演出していました。 


 こちらのドレスにはHaute coutureでは伝統的なツイードが使用されています。ストーンブルーやサンド、ブラック等のメランジェの糸で織り上げた美しい素材は深めのVの胸元と、放射状に広がるようにフレアーを入れた軽やかなスカートで構成されています。


 インナーに着たトップスは実にユニークな素材が使用されています。ダークグリーンとホワイトのキュピールレースがチュールの上に刺繍され、胸元から肩の部分は円のモチーフ、袖口にはフラワーモチーフを施して軽やかで繊細な印象です。袖口の部分は少し拡げて刺繍する事でナチュラルにフレアーを出し、とてもハイブリッドな素材でした。


 先ほど御紹介したプリーツ加工を施したラムレザーの『DIORAMA(ディオラマ)』をプラスして全体でマルチカラーの楽しさを表現していましたね。。。




 こちらのドレスに使用されているファブリックも気になりましたね。。。


 ジャガード素材の裏側を使用したかのような、またはアブストラクトなフィルクーペのようにも見えますが、こちらは全てパッチワークによるコラージュで作られた素材です。


 ストーンブルーやブロンズデザートのルレックスが実に効果的に煌めき、部分的に施されたオレンジやペールピンクは今回の会場にもなった『パレ・ビュル』の外観とも見事に調和していましたね。


 アブストラクトなテクスチャーは南フランスの、季節や時間によってその色合いを変える海の水面のようにも見え美しく、シャープなネックラインやショルダー、ポケットのディテールにラフ・シモンズらしいシャープさが感じられた作品でした。




 今回登場した多くのドレスはカジュアルでもパーティーでも楽しめそうな、オケージョンの枠を越えた作品でございましたね。バカンスに出掛ける際はラゲージの中に何を詰めるかは重要な問題ですよね?そんな時に色んなシーンで幅広く楽しめるアイテムは嬉しい限りです。


 最高の素材で仕立てられているディオールのドレスだからこそ、華やかなシューズやジュエリーでエレガントに楽しむのはもちろんの事、デイタイムのショッピング等にはコンフォートなスニーカーや、旅先で買ったお土産感満載のサンダルなんかとコーディネイトしても、軽やかでスタイリッシュなアウトフィットとなります。


 こちらは襟元はトランスペアレントにベルベットで模様を描いたジャカード、ボディーはシースルーにグラデーションでグログランのリボンを施した素材。スカートはアブストラクトなカムフージュやアニマルをイメージさせるパターンを、マイクロスパンコールの刺繍で描いた素材と実に手の込んだアイテムです。


 ショルダーストラップで楽しんでいるバッグはメゾンのサヴォアフェールを体現したバッグ『DIORISSIMO(ディオリッシモ)』。こちらはブラックのパテントに鮮やかなスカーレットのチェーンのパターンが施してあって、やはりあえてドレスの中に無いカラーを取入れて、ハッピーなムードで楽しんでいましたね。。。



 一見するとシンプルなチューブドレスに見えるこちらでございますが、ディオールのアトリエがやる事ですからそんな訳がありません。。。。

 こちらには2015-16 AW prêt-à-porterで登場して話題を呼んだ、レザーに細かいスリットを入れる事でストレッチ性を出したハイブリッドなテクニックが用いられています。

 今季はバッグのパターンとしても取入れられているグラフティのムードを感じさせる規則的なフラワーモチーフがプリントされ、その上からスラッシュのディテールが施されています。

 着用するとスラッシュの幅が動いて肌の見える分量も変わって見えるという実にユニークなアイディアのドレスです。



 メゾンのシグネチャーとも言えるバースーツは、今季実にシャープでマニッシュなムードで登場します。


 サファリスタイルのポケットのディテールを取入れたジャケットは、花びらのように重なる前立てから続くネックラインに施した小さなシャツカラー、張り出すようにあしらわれた袖のフラップ付きパッチポケットは胸に程されたポケットとリンクし、構築的なシルエットを生み出しています。ムッシュ ディオールが生み出した様々な美しいコートの構造から着想されている通り、どこまでアレンジを加えても実にエレガントでしたね。


 スカート部分には両サイドのドレープからの延長でポケットのデコーレションが施され、少しだけロールアップしたストレートシルエットのパンツが軽やかな印象でしたね。

 コーディネイトしているのはなんとも開放的なトング サンダルでございます。。。履いてしまうと実用的でシャープな印象ですが、脱ぐとソールの部分はブーツ等にも使用されているフローラルモチーフのジャカードが施してあって、履く人のみが体感するラグジュアリーな演出にもクラクラしちゃいましたね。。。



 
 はい。こちらのドレスも実にラグジュアリーでございましたよ。。。


 ブラックのフィッシュネットをベースにしたドレスは、リラックスした深めのVの胸元とAラインのシルエット、裾にカッティングを入れてボリュームをプラスし華やかなムードです。

 
 さて、この描かれたモチーフ。。。カムフラージュのようにも、オプティカルアートのようにも見えるパターンですが、こちらファーのヤーンを編み上げる事で立体的なモチーフを描き出しています。ブラックやインクブルーの幾つかのファーをミックスしてアブストラクトなパターンを作り出し、編んでいるので裏側も肌触りも良かったですね。


 もちろん、こんな感じで素肌にお召しになって頂くのが最高なのですが、イエローやオレンジ等のスリップドレスの上にレイヤーして、ポップに楽しんでみるのも素敵ですねぇ。。。



 既にルック画像で気になっていらした方も多いかと思われますが、今季のシューズは実にスペシャルでございましたねぇ。。。。私も大好きです!!!!!


 これまでディオールの歴史を再解釈すると供に、様々な時代のスタイルや美意識を現代的に表現して来たラフ・シモンズですが、今季のシューズはこんなロココ時代の貴婦人達のコルセットをイメージさせるエレガントなスタイルが注目です。


 フローラルモチーフのジャガードを取入れ、まさにコルセットのようなレースアップを施していますが、流線的なカッティングとパターン同士をぶつける感覚はまるで現代的なスニーカーのようです。。。構築的なポインティッドとチャンキーヒールも独創的でしたねぇ。。。。


 元来、屋外を歩く事の少なかったヨーロッパの貴族たちはシルク製で刺繍等があしらわれたシューズを宮廷で履いていました。ムッシュ ディオールがクリエイションをスタートさせた1950年頃もその風習は残っていて、ドレスと同じ生地でシューズを作るというのは上流階級の夫人達にとっては当然の事でございました。


 なんだか久しぶりに登場した感じがあるこの布製のシューズ。。。クラシカルなスピリットを現代的に解釈した素敵なアイテムでございましたねぇ。。。。
 



 では、ここからは人気の新作バッグ達をリポートして行きましょうね。


 まずはメゾンの一番のアイコンとも言える『LADAY DIOR(レディ ディオール)』です。様々なスタイルにアップデートされ、常にその佇まいを華麗に変化させてくれる不朽の名作でございますが、今シーズンはこんなカスタムメイドでエンブレムやサインで遊んだような、ストリートアートのグラフティのような自由なスピリットに溢れています。


 ホワイトカーフレザーにあしらわれたのは、ムッシュが幼少の時期を過ごしたグランヴィルの館の庭園に咲くような野草や野バラ。。。。それらが少しアール・ヌーボーのスタイルで表現されています。『Dior Paradise』というスローガンも、今シーズンの開放的なムードを謳歌していて実にチャーミングでしたね。。。


 こちらモチーフはエンボス加工を施し一つ一つ手作業のペイントで描き出していて、その名も『Paradise』という名前が付いています。。。

                                   

            
    泡立つような館『パレ・ビュル』の、幾重にも折り重なる球体のフォルムをそのままバッグに落とし込んだようなこちらの『Dior Bubble(ディオール バブル)』は新作でございまして、今季の軽やかなムードにピッタリでございましたね。

 巾着型の丸みを帯びたフォルムに施されたラージリングの連なったチェーンと、実用性に特化したアクティブなデザインであってもフェミニンさは絶対忘れないのはさすがディオールですねぇ。。。

 こちらは上のレディー ディオールに使用されていた『Paradise』レザーやエンボスレザー、ヴィンテージ加工を施したアリゲータやシャイニーな光沢を施したパイソン等楽しいバリエーションになってましたよ。。。









 今回、ラフ・シモンズはコレクションのメタファーでもある『パレ・ビュル』について、リリースの中でこんな風にも語っています。



 『さまざまな意味で、パレ・ビュルの建築ビジョンは他のどのようなものにも似つきません。合理的というより、非常に人間的であり、際立った個性と軽やかさを表現しています。私はこの場所には数年前から魅了され、ここでコレクションを発表できることを心から嬉しく思います。』




 現在のこの館のデザイナー、ピエール・カルダンは1922年にイタリアのヴェネト州に生まれました。1945年に建築家を目指しパリにやって来ますが、ジャンヌ・パキャンのブティックで様々なアーティスティックな人脈を作り、同年にジャン・コクトーの映画『美女と野獣』の映画のコスチュームを担当します。


 1947年、メゾン立ち上げの中のディオールに最初の従業員として入社し、テーラーアトリエ主任として彼自身のファッションのキャリアを華やかにスタートさせます。1950年には自らの名前のアトリエを立ち上げ数年後にHaute coutureをスタートし、1954年、彼の名前を世界中に知らしめたのは、ヘムのサイドにドレープを取りコージュを飾った丸いフォルムが美しい『バブルドレス』という作品でした。。。



 ね、なんだか映画みたいなお話でしょ????



 文化史的にも、ファッション史的にも重要な意味を持ち、様々な時代や美意識が交差するこの『バレ・ビュル』で発表された、ディオールが提案するコンテンポラリーで未来的なコレクション。。。。この軽やかなムードを取入れて一足早い春の装いを楽しんでみて下さいね。。。。









 2015-16 AW Dior Prêt-à-Porter 東京でのプレゼンテーションのリポートはこちらからどうぞ 

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 今回のリポートした Diorの素敵なお話も掲載されている私の初の著書、『ブランドパスポート』は、現在絶賛発売中です。シグネチャーのバッグのMISS DIOR、バージャケットのお話等も楽しめます。


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VIKTOR & ROLF 2015-16 AW Haute Couture !!!






 さて、今日はVIKTOR&ROLF(ヴィクター&ロルフ)のリポートをお伝えしましょうね。


 


 私のHaute coutureリポートのトリを飾ってくれるのはやはりこのブランドしかないように思えますね。。。。



 今回の会場は前回と同じく、エッフェル塔にほど近いパレ・ド・トーキョーでございまして、今回は燦々と太陽の日差しが明るい2Fのルーフのスペースでございます。依然として工事中のパレ・ド・トーキョーですが、工事中を良い事にすっかりコレクションの会場としては定着した感があります。これ、完成してしまうと沢山のルールに縛られてしまいますので、今のうちにといろんなブランドがショーやイベントを行っていますね。



 なんだか、わざと完成させないような気がしてならないのは。。。。私だけでしょうかぁ????




 この日のビクター&ロルフのコレクションに合わせて、ジャケットはもちろんヴィクター&ロルフでございましたよ。今現在では買う事が出来なくってしまいましたが、私的には一生物として大事に着たいと思っています。ボウタイとシューズのフラミンゴの色がリンクしたので、こんな感じの少しシックなスタイリングにしてみました。


 白い扇子は会場に入るとゲスト達のお席に既に用意してあったものです。この日はかなり暑かったので、こういうおもてなしは嬉しいばかりでしたねぇぇぇ。。。



 ジャケット/VIKTOR&ROLF、シャッツ、パンツ/私のHaute couture、ボウタ/UNITED ARROWS、サングラス/Ray-Ban、シューズ/MARC JACOBS、





 今年3月に発表された『The Final Curtain(ザ ファイナル カテーテン)』というコレクションを最後にヴィクター&ロルフはprêt-à-porterを撤退したというお話は、私のブログでも散々書いて着ましたので皆様衆知の事とは思いますが、今回のコレクションは純然とこのHaute coutureのみに力を注いだ、彼らの本気のコレクションとなっただけにジャーナリスト達の期待感を頂点でした。



 プレスリリースには1998年、ヴィクター&ロルフが初となるHaute couture collectionを見た、メトロポリタン美術館衣装研究所部門(the Costume Institute at the Metropolitan Museum of Art)キュレーターのリチャード・マーティンが残したこんなコメントが添えられていました。


 『。。。ヴィクター&ロルフは洋服の形を装い、アイデアを形作る。ヴィクター&ロルフのプレゼンテーションは彫刻とランウェイとを取り混ぜ、ファインアートの生きた彫刻と、クチュールショーのアニメーションの両方を見せてくれる』


 

 今回のコレクションにあたり彼らは、再びこの最初の賛美とも言える言葉に立ち戻り、自身を呼ぶ『ファッション・アーティスト』としてコアに忠実に、ファッションとアートを織り交ぜたオリジナリティー溢れる作品を見せてくれました。



 テーマは『WEARABLE ART』。。。。。。。まさにアートを、絵画を着るという事にクローズアップしたコレクション。。。。そこには彼らにしか表現する事が出来ない唯一無二のクリエイションが溢れています。


 


 まずは見て頂かないと解らない!!!!!こちらがファーストルックでございます。。。。ねぇ?着るアートでございましょう????



 モデルが着ているのはキャンバスを解体して身体に巻き付けたようなデザインの作品です。イーゼルから外された白いキャンバスは、フレームの木枠が分断され、巻き付けるように施され、キャンバスの裏側の麻布のようなベルトでボディに固定されます。


 おもむろにキャンバスを身体に巻き付けただけのように見えるこちらのドレス。。。左身頃のケープのようなシルエットと、右身頃のドロップしたショルダーからウエスト辺りのゆとりの具合の絶妙さや、スパイラルするようなネックライン。。。。。もちろん、すべて緻密に計算されているのがお解りになると思います。


 。。。。ほんと、冒頭からテンションMAXにしてくれるシュールリアリな作品でございますよぉぉぉ。。。。静かに気合いの入った作品からコレクションはスタートしました!!!!



PHOTO © TEAM PETER STIGTER



 『WEARABLE ART』というコンセプトを証明するかのように、今回もヴィクターとロルフによるユニークなプレゼンテーションが行われます。


 こちらの彼女、やはりキャバンスを巻き付けたようなスカートを着用していますが、おもむろに登場した二人によって、彼女のスカートはベルト1本でするりと解体されます。


 そして。。。。。


 解体されたスカートはランウェイの壁面に飾られて行くではありませんか!!!!!


 まさに『WEARABLE ART』!!!!着れる絵画でございます!!!!!


 このシュールリアルなプレゼンテーションはコレクションの間、数点のドレスで行われました。衣服からアートへと魔法をかけるように壁面を飾って行く作品を見ていると、なんだかとても不思議な気分がして来まして、次に登場するドレスは、脱いだら一体どんな形になるんだろうとイメージせずにはいられませんでしたね。。。



 こちらもキャンバスを解体し再構築した作品ですが、こうやって後ろから見ると、そのボリューム感やシルエットが如何に美しいかがお解りになると思います。


 ヴィクター&ロルフらしいアシンメトリーなボリュームと、楽しく遊ぶイレギュラーなヘム、、、、、。でも襟から前立ての部分にはしっかりとキャンバスのフレームがあしらってありますよぉ。。。。




 コレクションはホワイトのキャンバスに絵の具をドリッピングしたりと、少しづつカラーを帯びて来ます。このモチーフにはネーデルランドをルーツとするフランドル派の裕福な貴族の肖像画や、その後のオランダの黄金時代の、グロテスクなまでに発展したスーパーリアリズムの時期の静物画等のモチーフを見付ける事が出来ます。


 おそらく、一度実際にキャンバスを解体して、それをボディーの上に乗せてシルエットを作り出したのでしょうが、ベルト一本でスルリと脱がされてしまう作品は実にユニーク。。。。コスチュームがアートに変化して壁に飾られて行く姿を見ていると、着せ付けた時と脱いだ時、その両方とも美しく仕上げられている事が明確に伝わります。。。。

 一体、何処迄この人達は才能があるんだろうと、感じずにはいられませんでしたね。。。




 はい。ここまで来ると白いキャンバスだけでは飽き足らず、実際の絵画を壁から外し、額縁ごとボディに纏ったようなアイディアも登場し出します。


 先ほど登場した木枠のフレームやこちらのゴールドのフレームですが、一件本物の木を物を使用しているようにリアルに見えますが、実はこれも生地なんです!!!


 何十枚も貼り合わせて実際のフレームの固さを表現していて、そういう所に自らの立ち位置があくまでもファッションであり、アーティストがキャンバスと絵の具で作品をクリエイトするように、自らのツールは布と糸という事を再度宣言しているかのようでしたね。。。


PHOTO © TEAM PETER STIGTER



 今回のヴィクター&ロルフの作品を見て感じた事ですが、どんなにそれがシュールリアリスティックな表現であっても、ファッションに絶対的に不可欠な『危うげ』なムードをもの凄く感じました。


 壁から絵画を外し、額縁をボキボキと折って身体に巻き付けたような不安定なフォルムは、実に衝動的に感覚的な作品に見えますが、こちらのドレスのようになんとも言えないアシンメトリーなフォルムを生み出す為にはパターンや内部構造、作り上げる高度なテクニックが無ければ成立しません。


 実に緻密に計算された、触れると崩れてしまいそうな危うげの一瞬の美しさ。。。。その瞬間的な完璧さを表現する為に、数多くのハウスが培って来たテクニックが存分に用いられていましたね。。。
  



 もう。。。。。。最高でしょ?????


 華やかな50'S風のフィット&フレアーのグランソワレのデザインに、フレームだけを上から被ったようなデザインですが、もちろんフレームは全て布製で部分的に切り込みが施してあるので、着用している際の違和感はありません。


 今回使用されているクラシカルな絵画のようなパターンですが、一件ペイントのように見えますが、これ実はすべてジャカードなんです。。。。。つまり一点ずつの為に一つ一つ織り上げて生地を作りさらにアップリケや刺繍を施すことで、アメリカのアクションペインティングのアーティスト、ジャクソン・ポロック的なドリッピングのモダニティと、フランドル派の創始者の画家ヤン・ファン・エイクや、その後に続くデューラーのような、オランダ人としての彼らのルーツでもある伝統的な要素を融合しています。


 一過的なファスティバルの服のようにペイントで仕上げる訳ではなく、ジャカードを使用する事で着心地の良さまでを提案する、、、、、。彼らなりのリアルクローズに対する考え方を表現しているようでしたね。。。


PHOTO © TEAM PETER STIGTER



 絵画の表面を内側にしてネックラインでギャザーをよせ、折り返したようなデザインのこちらのドレスには、胸元に翼を拡げる白鳥の絵を見付ける事が出来ると思います。


 このジャカードのモチーフはJan Asselijn(ヤン・アセリン)が描いた『威嚇する白鳥』という作品です。実際の絵画では卵を抱えた白鳥が外敵の犬を威嚇するように羽根を拡げているという作品で、卵の一つには『オランダ』、犬には『我々の敵』と代々の所有者による文字が描かれていて、オランダ独立の際にはシンボル的作品となりました。


 

 Jan Asselijn(ヤン・アセリン)は17世紀の初頭に活躍したフランドルの画家で、クロード・ロランのようなはっきしとした風景画のスタイルをオランダ絵画に持ち込みました。レンブラントとも親交が深かったそうで、レンブラントが描いた彼のエッチングの肖像画が残されていますね。右手が不自由で背も低かったと言われてます。


 現在この作品はRijksmuseum Amsterdam(アムステルダム国立美術館)が所蔵していますが、このコレクションの後『NIGHTWATCH』というムービーによる素敵なコラボレーションが行われました。


 目の廻りにブラックのシェードをかけた女盗賊が閉館後の美術館に忍び込むと。。。。彼女は一枚の美しい白鳥が描かれた絵に目を留めます。その絵に一目惚れしてしまった彼女は防犯ベルが鳴り響く中作品に手の伸ばし。。。。。。



 続きはヴィクター&ロルフのウェブ サイトでご確認下さいませ。


 

 PHOTO © TEAM PETER STIGTER



 ヴィクター&ロルフによるアートとファッションが融合した物語はどんどんエスカレートして行きます。


 こちらの作品も一体何が起こっているのやら。。。。って感じですねぇ。。。先にお話しちゃいますと、この2つ先の画像、壁に飾られた脱がされた作品の中の中央にある、3つのフレームが並び、その間に流れ出すようにキャンバスの布が施してある作品が、このドレスを脱いだ姿でございます。


 実際にステージの上で彼ら二人によって脱がされた作品ですが、ここまで構築的で独創的なシルエットの作品がベルト一本で成立し、脱ぐとあっという間にアートに姿を変える。。。。。


 クリエイティブな作品達を淡々と脱がせて壁に飾って行く二人でしたが、静かなその背中にファッションアーティストとして表現していくという強い意志と、プライドのような物を強く感じましたね。。。


PHOTO © TEAM PETER STIGTER




 そしてこちらが今回のラストルックになります。


 無地のキャンバスからスタートしたコレクションは、ドリッピングするようにカラーが配されてどんどんエスカレートして行き、最後にはフランドル絵画の濃厚な世界にホワイトの絵の具をドリッピングしたようなデコレーションが施されます。


 見事な迄に危うげで不安定なフォルム。。。。これも、ウエアラブルアートでございますので、恐らく襟元でまとめている部分を解放すると壁面に飾る事が可能な筈です。


 こちら、今回のコレクションの中で私の一番のお気に入り。。。。既にクリスマス仕様にTOP PAGEを変更してしまいましたが、イラストにしてしまいました!インスタグラムでご覧になれますので、覗いてみて下さいね。。。。


PHOTO © TEAM PETER STIGTER


 フィナーレのパレードが終わり、ファッションアーティスト、ヴィクター&ロルフが挨拶を終えると、ランウェイだったステージが美術館へと変貌していました。。。



 ここに飾られている作品は全て先ほどモデルが着用し、ヴィクターとロルフが解体した作品。。。。。コレクションが終った後、その作品を見ているとアートとしても実に素晴らしく、パターンの配置やフレームの形まで実に緻密に計算されていて、再度感動してしまいましたね。。。。


 




 デザイナーでもなく、クリエイティブ・ディレクターでもなく、自らをファッションアーティストと呼び、新しいクリエイションのステージへとシフトした彼ら自身のマニュフェストとも思える今回のコレクション。。。。その名の通りに『着るアート』というデザナーやクリエイター達が突きつけられるファッションにおける命題を、いとも簡単にさらりと解決してしまったかのように感じましたね。




 ファッションはアートではありません。ファッションは商品であり、着る事が出来なければそれはファッションではありません。しかしクリエイターには様々なアーティスティックな要素が求められます。ファッションと表現いう二つの事項が表裏一体で繋がっている以上、多くのクリエイター達はその部分に悩まされ、苦悩を強いられます。



 この誰もが解決出来なかった難題を、今回サラリと解決してしまった感のあるヴィクター&ロルフ。。。。Haute coutureというステージに舞台を移し、こんな難題すらシュールリアルに取入れたコレクションはユーモアとシニカルなムードに溢れ、直球での勝負を挑みました。。。。そこには彼らのクリエイションへのプライドと、今後さらに生み出されて行くであろう、アーティスティックなだけではなくアートそのものような作品への期待は高まるばかりです。




 そして今回とても印象的だったのが、キャンバスのドレスのインナーには全てのモデルがダンガリーのスモックやスリップドレスを着用していた事です。油絵を描く時に画家が纏うエプロンに着想を得たアイテムですが、時折その上にも絵の具が飛んだように小さなデコレーションが施してありました。


 ダンガリーという極めてオーセンティックなファブリックを使用し、コーディネイトしたシューズがメンズライクなクラシカルなレースアップシューズ。。。。リアルクローズを経験した彼らが、そこで得た時代にスイッチさせて行くテクニックをさりげなく取入れていたのもさすがでしたね。。。




 何が本気で何がユーモアなのかも解らない。。。。。それこそが彼らが表現するシュールリアリズムの世界であり、この頭の中に浮かぶ甘美な『?』こそが、彼らが作品を通して訴えたい事なのかもしれませんねぇぇ。。。。





 美しく大胆にフォルミングされた、誰も見た事がない『ウェラブル アート』を見ながらそんな事を考えた、2015-16 AW VIKTOR&ROLFのコレクションでした。。。





 

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 VIKTOR & ROLF 2015-16 AW Women's COLLECTIONの東京でのリポートはこちらからどうぞ。



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ALEXIS MABILLE 2015-16 FW Haute Couture !!!



 今日はAlexis Mabille(アレクシ マビーユ)の2015-16 AW Haute coutureのリポートをお伝えしましょうね。



 Haute coutureのエレガントで優雅なムードを色濃く表現するメゾン、アレクシ マビーユですが、今年は彼にとってメゾン創立10周年となる記念すべきアニバーサリーイヤーとなります。そんな彼が今回ショー形式ではなくプレゼンテーションという形で気品に溢れる素晴らしい作品を発表しましたよ。



 会場となったのはオペラ・ガルニエの素晴らしいサロン。。。。。何度足を運んでもテンションのアガる場所でございますねぇ。。。。







 ”THE HUMAN FACE WAS GREAT MY LANDSCAPE” ~COLLETE~



 プレスリリースに記されているのはフランスの作家コレットのこの言葉です。シドニー=ガブリエル・コレットは19世紀末から20世紀初頭に活躍し、『性の解放』を訴え同性も性の対称にした華麗な恋愛遍歴で有名です。


 彼女の代表作の一つが1944年の『ジジ』で、ブロードウェイ版の舞台のオーディションでは自ら立ち合い、オードリー・ヘップバーンを見出したのはあまりにも有名な話です。




 アレクシ マビーユは今回10周年を記念して『PORTRAITS DE FEMMES(女性の肖像)』と題したスペシャルなプレゼンテーションを行いました。会場には彼が最も得意とする、エレガントで上質な美しいドレス達が所狭しと並びます。


 今回のコレクション、それぞれの作品には実際にモデルが存在します。アレクシがラブコールを投げかけ、それに答えたのはモデル、女優、アーティスト、バレリーナ等の美という世界で第一線で輝く彼のミューズ達で、会場ではフォトグラファーのMatthew Brookes(マシュー・ブルックス)が撮り下ろしたそれぞれのドレスの美しいポートレートが作品と供に、オペラ座のサロンの高い天井から飾られているという趣向でございます。。。。



 あえてモデルを設定し、クライアントとの密接な関係性するコレクションの要素として取入れた今回、アレクシはコンテンポラリーに成り過ぎるファッションの動向、それが究極のエレガンスの発表の場でもあるHaute couture collectionにおいても、同様に浸透している事に問題提起をしています。




 『彼女達が本当にそんな物に袖を通したいのであろうか。。。。顧客の誰もがネオプレンのスウェットシャツを着たいのだろうか。。。。』



 自身のこれまで歩いて来た道のりを振り返り、大好きな顧客たちをモデルにクリエイトされたコレクションは、アレクシが最も得意とするフェミニンでエレガントな要素に溢れています。シルクシフォンやオーガンザ、タフタで仕立てられたドレスは美しいマーメイドシルエットや大輪の花のように広がる大きなボリュームで、お馴染みのコサージュやリボンのモチーフも重要な脇役としてドレスを華やかに飾ります。


 クラシカルなレースやビーズ刺繍をパンツスーツに取入れたり、フィーチャリスティックなメタルのモチーフをデコレーションに取入れモダニティを表現しながらも、袖を通す人を一番に考慮した、女性を花に見立てたような作品には、ホントため息の連続でしたね。。。。




 まずはこちらの美しいエメラルドグリーンのドレスです。一体誰がモデルだと思いますか?????こちらはバーレスクダンサーとして有名なDita Von Teese(ディータ・フォン・ティース)がモデルとなった作品で、ディータはアレクシ マビーユのスペシャルな顧客としてショーのファーストロウを華やかに飾っています。


 バーレクスダンサーのセンシュアルなムードをダッチェス サテンのコルセットで表現し、彼女の美しいウエストからヒップラインはシルクジャージーを使用したマーメイドスカートで、ローマ彫刻のような素晴らしいプロポーションを描き出しています。

 スカーフを落としたようなドレープのディテールの部分は、同じエメラルドグリーンのビューグルビーズをびっしりと刺繍し、アクセントとして輝きをプレスしていましたね。。。
 



 こちらは往年のハイリウッドのミュージカルスター、Leslie Caron(レスリー・キャロン)の為に制作されたパンツルックになります。


 レスリー・キャロンは1931年生まれの現在84歳。PARISからほど近いブローニュ=ビヤンクールで、フランス人の科学者の父親とアメリカ人にダンサーの母親の間に生まれます。修道女学校を卒業した後コンセルヴァトワールに入学し、卒業後シャンゼリゼ・バレエ団に入団します。

 
 彼女の人生を大きく変えたのはアメリカに巡業中に出会ったミュージカル俳優のジーン・ケリー。彼女の才能に一目惚れしたジーンとはデビュー作である『巴里のアメリカ人』で共演します。その後もフレッド・アステアとは『足長おじさん』、モーリス・シュバリエとは『恋の手ほどき』、オードリー・ヘップバーンの元夫だったメル・ファーラーとは『リリー』で共演しアカデミー主演女優賞にノミネートされ、英国アカデミー賞では最優秀主演女優賞を授賞します。


 ミュージカルスターとして大活躍した彼女ですが、ダンスシューズのかわりにポアントを履き、華麗なジャズやチャールストンに合わせてパド・ブレやフェッテを見せる姿が、最初に彼女の映画を見た中学生だった頃の私には衝撃的で、何の映画で何を着て踊っていたかは、今でも克明に記憶しています。



 私にとって永遠のアイドル的存在でございます。。。。まさか、ここでお会い出来るとは。。。。。。


 
  現在84歳の彼女の為にアレクシが制作したのは、こんなにもモダンなパンツルックです。トップスのシャツはシルクサテンに、PARIS近郊の都市、リヨンで織られたレースをインターシャではめ込んだアレクシお得意のテクニックが使用されています。ホワイトの上にポルカドットで描かれたのは黒いレースの蝶のモチーフで、カフスにはブラックのシルクサテンのボウが蝶のように飾られてます。


 パンツはハイウエストです。ゆったりとした床上ギリギリの丈で、サイドには即賞のようにブラックのビューグルビーズがびっしりと刺繍されていましたね。。。


 コケティッシュでセクシー。往年のハリウッドのミュジカルスターにアレクシがクリエイトしたこのダンディでハンサムなスタイル。。。。。もう既に胸一杯でございます!!!!

 




 続いても失禁するかと思いました。。。。。


 こちらはパリ・オペラ座のエトワール、Marie-Agnès Gillot(マリー・アニエス・ジロー)の為に制作したドレスです。彼女の透き通るような肌の色と同じヌードカラのシルククレープをベースに、クリスタルやヘマタイト、ジェットのカラーのロココビーズをグラデーションで繋げたフリンジが、女王のような威厳を感じさせます。



 Marie-Agnès Gillot (マリー・アニエス・ジロー)は現在現役で活躍しているバレエダンサーの中で私が一番好きな人です。1975年ノルマンディーのカーンに生まれ、10歳でパリ・オペラ座バレエ学校に入学します。1990年にオペラ座バレエ団に入団し1999年にプルミエール・ダンサーに昇格。2004年カロリン・カールソン振り付けの『シーニュ』とう作品の上演終了後、エトワールに昇格した事が発表されます。


 
彼女をエトワールへと導いた『シーニュ』という作品はカラフルな舞台美術や衣装、機械的な振り付けのコンテンポラリーの作品で、やはり私が彼女が踊るコンテンポラリーが大好きですね。。。。同じエトワールのオレリー・デュポンがジゼルを踊り、彼女がウィリを踊るパリ・オペラ座の鉄板的作品『ジゼル』等のクラシックな作品も素晴らしいのですがねぇ。。。。。


 以前、彼女が踊る、オペラ・バスティーユで上演された元ネザーランドバレエ団の主催、イリ・キリアン振り付けの『
輝夜姫(かぐや姫)』を、前から二列目で見た事があるんですが、あまりに好き過ぎてこの為に絽の着物を新調してPARISまで持参して行きましたね。


 最近では、やはり私の大好きなベルギーのデザイナー
、 ウォルター・ヴァン・ベイレンドンクがカラフルな亀甲縛りの衣装を制作した『Sous Apparance(ス・ザパランス~見かけの裏に)』という素晴らしい作品で振り付けを担当したり、恵まれない子供達のチャリティーの為に、他のオペラ座のダンサ=達とルーブルのピラミッドの下でフラッシュモブを行ったりと、精力的に活動しています。


 パリ・オペラ座のエトワールという事はまさにフランスの国家的な至宝。。。。。彼女のポートレートとドレスがここにあるという事は、力士の白鳳のまわしが飾られているくらい凄い事なんです!!!!



 メゾンのアイコンでもあるボウをモチーフにしたフェミニンなドレスは、現在世界のファッションの最前線で活躍するスーパーモデル達が纏うというゴージャスなポートレートで登場しましたよ。


 Yumi Lambert(ユミ・ランバート), Inga Savits(インガ・サヴィッツ) & Diana Gartner(ダイアナ・ガートナー)、Michelle Alves(ミシェル・アルヴス), Manuela Frey(マニュエラ・フライ) & Julia Frauche(ジュリア・フローチェ)。。。。世界中のコレクションのランウェイを華やかに飾り、アレクシ マビーユのショーにも登場する彼女達は、ベビーピンクからローズ、レッドまでの美しいグラデーションのドレスをエレガントに着こなしていましたね。

 
 シルク サテンやクレープ、カシミアと実にHaute coutureらしいファブリックを使い、ボウモチーフはビスチェの中央やショルダー、胸元に大きく飾られたりと実にドラマティックですね。。。。


 いやー、アレクシファンの皆様には溜まらないドレス達でございましょうねぇ。。。。。。ちなみに一番左の
Yumi Lambert(ユミ・ランバート)が着用している、ボディの真ん中でボウをキュッと結び、ベビーピンクのシルクサテンやダッチェスサテンで制作したドレスは、今回トップページ用にイラストにさせ頂きました!!!!




 続いてはフランス出身のモデル、女優のAudrey Marnay(オードリー・マルネイ)をイメージした作品です。


 イノセントなムードの彼女に合わせてクリエイトされたのは、こんなピュアなムードのドレスでございますよぉぉぉ。。。。限りなくヌードカラーに近いペールピンクのベルベットでビスチェドレスを仕立て、上からヴェールのように羽織ったチュールのドレスには前端やヘムにマザー・オブ・パールの刺繍が繊細に施してあります。


 最初に御紹介したディータのドレスのように、こちらにもマザー・オブ・パールのソートワール(かなり長めのネックレス)のデコレーションが、後ろ見頃にだけ施してありますが、お見せ出来ないのが残念です。。。



 15歳からモデルを始めたオードリーは、数多くのデザイナー達のミューズとしてファッションショーやコレクション、『VOGUE』や『ELLE』の表紙を幾度も飾ったスーパーモデルとして有名ですね。2006年に『My Best Friend』で女優デビューを果たしたそうで、現在はファッションショーの演出家のAlexandre de Betak(アレクサンドル ドゥ ベタック)との間に二児を儲ける、素敵なお母さんでもあります。



 Morgane Dubled(モルガン・デュブレ)は2004 AW COLLECTIONでデビューしたスーパーモデルです。16歳でスカウトされますが、学業を優先させるため断念しバカロレアを取得。医師になる為に現病中にアルバイトで始めたモデル業の面白さにのめり込みます。


 ブルネットに茶色い目という典型的なフランス女性のイメージを備えた彼女は、

あっという間にその人気に火が付き、パリ以外のランウェイでも活躍し、2005/6のビクトリアシークレットのモデルにも選ばれました。

 少年のような華奢な身体付きといつも眠そうな瞳を持つ事から『スリープ・ウォーカー』の相性で親しまれ、この作品の撮影の時には妊娠中でございました。


 
 お腹の大きな彼女に合わせて、アレクシはゆったりしとしたシルエットの幾重にもレイヤーしたミルフィーユドレスを制作します。ヌードカラーのシルクチュールには、時計を分解して出て来たようなジオメトリックなフォルムのミラーのビジューを、前身頃にはヒップラインくらいまで、後ろ見頃はたっぷりと引きずるトレーンに実に美しく刺繍していましたね。


 妊娠中のモルガンにピッタリの、母の慈愛に満ちた優しいドレスでございました。。。



 こちらもやはりアレクシ マビーユのコレクションには欠かせない、華やかなボリューミーなスカートが素敵ですね。


 シャツドレスのデザインで玉虫色のミッドナイトブルーのシルクタフタにメタリックカラーのレースをはめ込んでいます。ヘマタイトカラーのビーズの花びらのガーランドを飾り、ブラックレザーのベルトでマニッシュなムードに仕上げているのも実にバランスが良いですね。。。



 こちらは70年代後半に活躍した最初の黒人モデル、Mounia Orosemane(ムーニア・オルセメーネ)がミューズになっています。マルティニーク島生まれの彼女は元々空港でグランドホステスとして働いていた所をモデルとしてスカウトされます。


 ジバンシィやシャネル等名だたるメゾンのショーのモデルを務め、特にイヴ・サンローランとは公私供に親交が深く、スモーキングを始めとする彼がデザインした伝説的な作品に袖を通しランウェイを闊歩しました。2002年のイヴ・サンローランのラストコレクションでももちろんカトリーヌ・ドヌーブらと一緒に登場していましたね。


 イヴ・サンローランは有色のモデル達を好んで使用したデザイナーで、あの有名なナオミ・キャンベルはそれまで絶対に無理と言われていた『VOGUE』の表紙を、サンローランの一事で実現してしまったそうです。ムーニアもイヴに出会った事で、生まれて初めて自身の肌の色を誇れたと後のインタビューで語っていましたね。。。



 続いてはベビーピンクのヘアスタイルで同じみの、フランス人クリエイティヴ・アーティスト、Marie Beltrami(マリー・ベルトラミ)がモデルになったドレスです。同じくフランスのアートディレクター、ジャン=ポール・グルドと供に長年素晴らしいアートワークを行い、最近では自身の名前によるアクセサリーやインテリア等のデザインも手がけています。


 彼女のヘアのカラーに合わせた、実に美しいパウダーピンクのクレープをミルフィーユのように折り重なるように仕立て、お得意のシースラインのシルエットも実にエレガントですね。


 ネックラインにはハンドでペイントしたピオニーのコサージュをこれでもか!と飾り、普段エキセントリックなムードのマリーに、アレクシはクラシカルでフェミニンなドレスをクリエイトしたという所もユニークでしたね。。。



 最後にご紹介するドレスは、シンガーのOlivia Merilahti (オリヴィア・メリラティ)をミューズにしたドレスです。


 パリ出身の Dan Levy(ダン・レヴィ)とヘルシンキ出身のオリヴィアによる、インディーポップデュオThe Dø(ザ・ドゥ)は2015年のSummer Sonicで初来日を果たし、現在3作目となるアルバム『SHAKE SHOOK SHAKEN』が発売され、様々な音楽のスタイルを取入れた、現代のフレンチポップのスタイルとして人気を博しています。


 ヴォーカルのオリヴィアはまるで『アメリ』のオレリー・トトゥのような黒髪のボブヘアーがトレードマークで、サウンドと合わせそのポップでストリートよりのファッションも注目です。


 そんな彼女にアレクシが用意したのは、まさに生粋のパリジェンヌのようなロマンティックなこちらのセットアップです。ビジューのバックルを飾ったベルトが施されたジャケットは、アレクシが得意とするスモーキングスタイルのフェニミンなジャケットで、ヌードカラーのシルクサテンで仕立てられています。


 ドラマティックなスカートはキルティング施したモスグリーンのベルベットと、ヌードのシルクを縫い合わせ、間にカーキのガーランドを飾った可愛らしいデザインでしたね。。。



 会場にいらしたデザイナーのAlexis Mabille(アレクシ マビーユ)氏でございます。熱心に次から次にインタビューに答えてらっしゃいました。。。



 10周年、おめでとうございます!!!!





 花の都、芸術の都、PARISの中でもそのメッカと呼んでも良い、オペラ・ガルニエを舞台に行われた今回のアレクシ マビーユのプレゼンテーションでしたが、彼が信じるHaute coutureとはこうあるべきという究極の姿を、ゲストやジャーナリスト達にゆっくりと見れる形で発表しました。


 本来Haute Coutureのショーはそれぞれのメゾンのサロンで顧客達を招いて行われていました。小さなサロンに所狭しと椅子を並べ、顧客たちは手に触れれるような近い距離でドレスを見る事が出来て、ショーが終った後にはマヌカン達が作品を纏い受注を取るのが基本でした。


 Prêt-à-porterが主流となった昨今、Haute coutureにも世界的な大きなトレンドの要素が登場したり、スペシャルな会場を設営して大掛かりなコレクションを発表するビッグメゾンもありますが、このように伝統的なPARISスタイルで発表されるのも、やはり素敵ですね。


 prêt-à-porterがジャーナリストやメディア関係者を通じて世界に発信する場であるのなら、Hate coutureの主役は顧客です。いくかのブランドにおいては有名雑誌のエディターであろうが、顧客の邪魔にならない場所に座らせるというはっきりしたコンセプトがある所もあります。

 




 私はここ最近、全てがコンテンポラリーでなくてはいけないのか、本当に女性達はそんな物が着たいのかという問いをいつも念頭に置いて仕事をしています。多くのブランドが若いデザイナーに交代して、自分よりも随分と年下の経験の少ないデザイナーがクリエイトする、上手に出来た薄い服に対していつも疑念を抱いてしまいます。。。。


 実にスペシャルな、普通の人が簡単に手を出せないのがHaute coutureです。やはりこの舞台においては五臓六腑に染み渡る、体中の全ての細胞が喜ぶような豊かでエレガントな作品が発表されるべきだと私は思います。今回のアレクシ マビーユを見て、例えそれがメインストリームでなくても、このまま続けて行って欲しいなと心から願いましたね。



 私もウエストが小枝のように細く、ヒップラインを柔らかく包み込むようなシースラインのドレスが大好物です。10周年を迎え自分の歩いて来た道と、メゾンが最も大切にしている顧客とのプライベートな関係をクローズアップして自らを祝ったアレクシ マビーユ。。。。。マニュフェストとも思える静かで、でもとても力強い姿勢に、私の心の中にあったモヤモヤが少し晴れた気がしましたね。。。






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BOUCHERON 2015-16 AW Haute Couture !!!




 はい。12月も3週目の週末に突入ですね。皆様の忘年会シーズンもピークでございますか?胃や肝臓等内蔵の具合は大丈夫かしら?????


 今年も残す所あと僅かですねぇぇ。。。ホントに早いです。。。。事務所に届くクリスマスのグリンティーカードの中に『A Happy New Year』という文字を見付ける度に、『いやいや、まだやり残した事いっぱいあるんですけど。。。』と突っ込みながら、焦りまくっている私でございます。。。。。


 




 さて、今日はBOUCHERON(ブシュロン)の2015-16 AW Haute coutureのリポートをお伝えしましょうね。



 創業者フレデリック・ブシュロンがパレ・ロワイヤルに最初のジュエリーのブティックをオープンして157年、世界最高峰のハイジュエラーが今回見せてくれたコレクションは、これまで芸術史の中でも貴重な作品を発表し続けて来たこのメゾンの、新たな一歩を踏み出す特別なコレクションとなりました。



 今回、このスペシャルな作品達の発表と完成を祝って、ジュエリーデーの前夜祭として素晴らしいカクテルパーティーがヴァンドームの本店で行われました。。。早速新作を身につけた美女達とパシャリ!!!させて頂きました!!!!



 いつもはフランスのエスプリを感じさせるクラシカルでゴージャスなこの場所ですが、この夜はまるでインドのマハラジャ達の晩餐会のよるなエイキゾティックなムード。。。。美しい刺繍のサリーを纏った褐色の淑女の方々や、特別にあつらえた白いモスクのようなインテリア等、新作のジュエリーの世界を体感するような素敵な一夜となりました。。。。 

 




 カクテルパーティーの様子でもお解りのように、今回のブシュロンの新作のテーマになっているのはインド。。。。。古くは紀元前2600年に起こった世界の古代文明の一つのインダス文明に始まり、ブッタが生まれ仏教が生まれた国。絢爛豪華で類い稀な文化や芸術は常に西洋の人々を魅了して来ました。


 パリの名だたるハイジュエラー、ブシュロンにとってインドはとても縁の深い国の一つでもあり、常に特別な関係を築いて来ました。1909年創業者フレディックの息子、ルイ・ブシュロンは初めてインドを訪れ、その絶対的なまでの荘厳な世界に魅了されます。この旅がきっかけとなり、その後数多くのインドのマハラジャ達がブシュロンのヴァンドームのサロンを訪れます。


 中でも1928年、パティアラのマハラジャは7571石(計566カラット)のダイヤモンドや1432石(計7800)カラットのエメラルドを含む財産をブシュロンに託し、149点ものジュエリーをオーダーしたというエピソードは、歴史上最大のオーダーとして現在もヴァンドーム広場に伝説的に受け継がれています。



 ルイ・ブシュロンがマハラジャ達と結んだ友情関係はブシュロンのクリエイションにエキゾティックなスピリットをもたらし、現在までインドテーマにした芸術的なジュエリーを数多く生み出す事になります。そして今回クリエイティブ・ディレクターのクレール・ショワンヌはこのルイ・ブシュロンの経験した感動の体験と友情を、世紀を越えて経験する事になります。インド北西部の州、ラジャスタン州の都市ジョードプルのマハラジャ、ガジ・シン二世との間に生まれた友情関係が、今回の素晴らしいコレクションの出発点となったのです。



 数年をかけて実現したこのコラボレーション、クレールは幾度かインドに渡り、ジョードプルの素晴らしい建築やアート、庭園等からインスピレーションを拡げ、またこの地で生産されるユニークなマテリアルをハイジュエリーに使用して意欲的なコレクションを完成させました。そしてマハラジャはこの華麗なクリエイションに積極的に関わったそうです。





 『BLEU DE JODHPUR(ブルー ドゥ ジョードプル)』というタイトルの今回のコレクションは、ブシュロンというメゾンの両手、そしてガジ・シン二世の両手、計四つの手から生まれる四つのチャプターから成り立つコレクションです。


 まずは今回のコレクションの中で一番の壮麗な作品とも言って良い、こちらのネックレスから御紹介しましょうね。その名も『Jodhpur Necklace(ジョードプル ネックレス)』というこちらは、伝統的なムーガル様式をリスペクトしながらも実にユニークなアイディアに溢れた作品です。


 カイト(凧)の形を表現したモチーフを幾重にも連ね、顔を中心に放射状に広がるフォルムが実に情熱的ですね。センターには6.1カラットのモチーフに合わせたカイト カットという特別なカットを施したダイヤモンドを神秘的に輝かせ、それぞれのモチーフやリンク、チェーンに施されたリング等にもダイヤモンドが緻密にセッティングされています。


 用いられている乳白色のマテリアル。。。。。皆様一体何だと思いますか?????実は、こちら、マーブル(大理石)でございます。。。。ジョードプルにほど近いMakrana(マクナラ)という街は世界有数の最高級の大理石の産地で、ここで産出される大理石は、かの世界遺産にも認定されている白亜の霊廟、『タージマハル』にも使用されているそうです。


 
 もちろん、マクラナ大理石をハイ ジュエリーに使用するなんて世界初でございましす。。。。ちなみに先に御紹介した美女との画像の右のモデルちゃんが着用しております。。。。




 このネックレス。。。。。それだけではパリのハイジュエラー、ブシュロンの気が収まる訳ありません。。。。なんと、リバーシブルなんです。。。ここまでのハイジュエリーでこんな大胆なリバーシブルなんて、今迄一度も見た事ありません。。。。


 裏返すとなんと!!!!!カイト型のモチーフにはクリアーなロッククリスタルがあしらわれ、その上にダイヤモンドとサファイアの草花のモチーフが美しいレリーフで飾られているではありませんか!!!!


 ホントにため息の連続。。。。。。。。デザインだけではなく、こういうメカニックな部分にも最高のテクニックが用いられているのもブシュロンの素晴らしさですねぇ。。。




 こちらも実にユニークでしょ???ブシュロンのジュエリーの中で人気のモチーフの一つに、動物を表現したアイテムがあります。的確な観察眼によってクリエイトされるそのプロポーションは実に精巧で美しく、着けても見ても、そしてコミュニケーションのツールとなるアイテムで実に楽しいですね。。。


 こちらはそんな動物モチーフとインドの美意識が見事に融合された作品で、『Perroquet Bracelet』というインコをモチーフにしたブレスレットです。インドテイストに表現されたインコの顔が可愛らしいでしょ???www


 ホワイトゴールドの台座に彫刻を施した瑪瑙、サファイアとダイヤモンドがパヴェでセッティングされている実にユニークな作品で、手に着けた時にインコの顔を腕の外側にするか、内側にするかで全く表情を変える楽しいアイテムでしたね。。。




『Lumière de Jodhpur Necklace』というこちらのネックレスは、ホワイドゴールドにラピスラズリをセッティングし、その上にダイヤモンドがあしらわれたミニマムでスタイリッシュなアイテムです。


 このネックレスの素晴らしい所はラピスラズリに施されたダイヤモンドの位置を少しずつズラしてセッティングしている所で、ダイヤモンドとラピスラズリの二つのネックレスを重ねて着けているような、また見ているうちにネックレス自体が動いているかのような不思議な感覚に捕われます。


 こちらのコレクションで印象的的に使われているサファイアやラピスラズリのブルー
、今回のコレクションのタイトルにも使われているブルー。。。。ブルーはまさにジョードプルを物語る色で、この街はブルーシティーという相性で呼ばれます。元々は害虫駆除の為に壁に塗ったライム色の科学薬品が時を経てブルーに変色したそうで、今ではこの美しい街の景観が魅力の一つともなっています。



 ジョードプルからさらに北へ向かった所に、ラジャスタン州の中でもっとも美しい宮殿と砦を持つと言われるNagaur(ナガウル)という都市があります。『Indian Palace(インディアン パレス)』というこのチャプターでは、ナガウルにあるオークルとオレンジの色合いの美しいウマイド・バワン宮殿のアールデコ様式の宮殿や庭園、その壮麗な建築スタイルがインスピレーションとなっています。


 まずこちらは『Nagaur Necklace(ナガウル ネックレス)』という作品です。ムガール帝国の歴代のマハラジャ達のジュエリーへのオマージュを表現したこちらは、伝統的なインディアンジュエリーの要素がいくつも鏤められています。


 本来インドではジュエリーとは王家の財産として大切にされ、大きな作品になるとその人が成し遂げた偉業の功績として、儀式や祭典の時に男性が身につける物でした。まずチェーンの部分はインドで聖なる数と言われる7にフィーチャーした7連のパールで作られ、間にダイヤモンドを飾った小さな筒をあしらっています。またインドの伝統的なジュエリー技術でもあるシルクの糸でつなぎ止められているのも、ジュエリーに滑らかな動きを与えていましたね。


 そして何よりインパクトのある中央のモチーフ。。。こちら一体何のストーンを使用していると思いますか?????大理石?瑪瑙?????いえいえ、実は砂なんです。。。


 実はこの大きな10角形のモチーフ、ロッククリスタルで作り上げたケースの中に密着状態でタール砂漠の砂が納められているんです。クリスタルのケースには2カラットのクッションカットダイヤモンドをセッティングし、ダイヤモンドで表現されたボタニカルなモチーフは砂漠から沸き出す絶え間ない水源、つまりオアシスを意味しています。



 砂を使ったジュエリー。。。。。。。前代未聞でございます。。。。。。



 こんなジュエリーは今迄存在した事が無かったので、ブシュロンでもかなり試行錯誤を繰り返し完成させたそうです。ケースの中で微動だにしない砂を表現する為に砂の細かい粒にまで拘ったそうで、ホントに驚愕のジュエリーでしたね。。。。




 こちらの『Plume de Paon Timepiece(パリュム ド パオン)』はインドの国鳥でもある孔雀の羽根をイメージソースにしたコレクションで、こちらは羽根の中央に施されている目玉模様の中に小さなダイヤルが施されているタイムピースになります。


 こちらの白いマテリアルはポリッシュ加工を施した大理石で、実に柔らかな質感でありながら触れると石独特のひんやりとした質感のある実に美しい素材でしたね。。。ワシントン条約で禁止になってしまった象牙を少しだけ彷彿させましたね。


 このジュエリーのモチーフにもなっているオスの孔雀の飾り羽根に登場する目玉模様ですが、これは目玉=視線を意味しているらしく、多くの視線に見られている錯覚からメスは恍惚となるそうです。実際に羽根の数と目玉模様の多いオスが交尾に成功する確率が高いそうです。


 オスの飾りバネはあくまでも交尾の為だけで春から初夏のみにしか生えないそうで、夏を過ぎる頃からすっかり抜けてしまい寂しい姿になるそうですよ。。。wwww


 続いては『Garden and Cosmos(ガーデン アンド コスモ)』というチャプターになります。こちらでは17世紀から19世紀にジョードプル起源として発展した、3代に渡るマハラジャ達が愛した絵画のスタイルへのオマージュを表現したチャプターになります。


 その中でもブシュロンが注目したのは森羅万象の想像を描く一枚の絵、、、。そこにはヒンドゥー教のヴィシュヌ派の伝説の1シーンが描かれていたそうです。宇宙が生まれる前、原始の神ヴィシュヌは竜王アナンタの上に横たわり瞑想に耽っています。やがてその臍からスルスルと蓮の茎が伸び、花が開くとそこから生まれたのが創造神ブラフマー。そしてその額から生まれたのが破壊神シヴァと言われています。


 宇宙創世のシーンに登場する印象的な蓮の花にフィーチャーしたこちらの『Fleur de Lotus(フルール ド ロテュス)』というコレクションは、ロータス(蓮)を実にコンテンポラリーに落とし込んだ現代的なデザインが特徴です。メゾンを代表するクエスチョンマークのネックレスを制作するにあたり、カラフルなストーンをセレクトする為に膨大なリサーチの時間がつぎ込まれました。


 花心に用いられているのはカイト カットの15カラットのピンクトルマリン。ルベライト、燃えるようなオレンジのスペサタイトガーネット、サファイア、ダイヤモンドがマーブルやホワイトゴールド、ピンクゴールドで作られた台座の上にグラデーションでセッティングされ、情熱的で聖なる花ロータスに命を吹き込んでいましたね。。。 



 こちらも同じチャプターのネックレスになりますが、よりウエアラブルなスタリッシュなデザインが特徴ですね。


 シンメトリーに建設されるインドの城塞や宮殿にインスパイヤされたデザインは穏やかな印象で、エメラルドやダイヤモンド、オキニスを施したしたリングや筒を組み合わせる事によって構成させています。


 カスケードするセンターストーンは9.08カラットのコロンビア産のエメラルド。。。。この圧倒的な迫力が作品に絶対的な威厳を与えていましたね。。。




 カクテルリングとしても楽しめそうな大振りでドラマティックなリングも、ブシュロンではとても人気で、小さなピースの中にアトリエの最高のテクニックと唯一無二の美意識が感じられるのも素晴らしい所です。


 まず、右側のアイテムは『Garden and Cosmos(ガーデン アンド コスモ)』のチャプターの『Tiger Ring(タイガー リング)』というアイテムになります。センターの12.41カラットのミャンマー産のルビーを支える台座には、ダイヤモンドがパヴェセッティングされた二匹のタイガーヘッドが施され、真上から見ると羽根を広げた鳥のようにも見えるユニークなデザインのリングです。


 左は『Indian Palace(インディアン パレス)』のリングでございまして、緩やかなスクエアのドーム型に彫刻されたオニキスの上には、シンメトリーにダイヤモモンドの小さなモチーフが飾られ、中央にはやはりミャンマー産で最も高価と言われる『ピジョン レッド』の4.36カラットのルビーが鎮座したデザインです。


 小さなリングの中にも今回のテーマのエキゾティックなインドのムードが、丁寧に込められていましたね。。。

 
 最後は『Maharani(マハラニ)』というチャプターになります。この言葉はマハラジャの夫人、マハラジャの位を持つ女性という意味で、こちらのネックレスはその中の『Mehendi(メヘンディ)』というコレクションです。メヘンディとは『ヘナで肌を染める、ヘナで肌に模様を描く』という意味でございます。


 邪悪な物から身を守るという意味があり世界中に存在するヘナアートですが、特にインドではヒンドゥー教に登場する幸運の女神ラクシュミーが最も愛した植物という事から特別な意味を持ちます。古来より儀式や祭典等では女性達は必ずと言って良い程メヘンディを施します。


 また婚礼前夜を『メヘンディ・ラート(メヘンディの夜)』と呼び、特別な祝賀の儀式が催されます。新婦の手足にびっしりとメヘンディを施し、その色が濃く出れば出る程花嫁は幸せになり、嫁ぎ先で大切にされると信じられているそうです。


 このコレクションには1878年にフレデリック・ブシュロンがカプルタラのマハラジャの為に制作した、丸みのあるグラフィカルなペーズリーモチーフがヒントになっています。やがては消えてしまうヘナアートの儚さを永遠のタトゥーのように表現する為に、アトリエで選ばれたのは必然的に最も固い石、ダイヤモンドでした。


 サラサラと筆で肌に描いた軽やかさを表現するようにセッティングは極めてエアリアル。。。ホワイトゴールドの上に施したダイヤモンドはまるで刺繍のように繊細で、こちらはブローチでございますが、ネックレスとしても着用可能だそうですよ。。。


 こちらも『Maharani(マハラニ)』のコレクションの『Ricochet Necklace(リコシェ ネックレス)』という作品になります。


 2014-15 AW Haute coutureでブシュロンはメゾンと縁の深い様々な世界の国をテーマに、悠久の時空を旅するような壮大なコレクションを発表して話題になりました。その中の日本をテーマにした『Rives du Japon(日本の海辺)』というコレクションに登場した『Ricochet(リコシェ)』のモチーフがインドテイストになって再解釈されました。


 リコシェとは『水切り、跳ね返り』等を意味するフランス語で、川に石を投げて水面に石が飛び跳ねる様子を楽しむ遊びの事です。小さい頃に遊んだ方も多いのではないでしょうか????


 水の波紋を表現したようなパーツは、彫刻を施したロッククリスタルにダイヤモンドがセッティングされ、周囲にパヴェのダイヤのケースと上下に飛び出したエアリアルなダイヤモンドが実にエキゾティックな印象です。グラデーションして行くモチーフは曼荼羅に描かれるようなインド的な宗教感を感じさせ、実に素晴らしかったですねぇ。。。










 いつもながらにラグジュアリーな美しさと卓越したテクニックにより生み出された、独創的なブシュロンによるの『ブルー ド ジョードプル コレクション』、、、、皆様いかがでございましたか????



 4つのチャプターには、歴史あるインドの豪華絢爛なアートや建築へのリスペクト、そしてインドの文化や習慣に対してもとても深く理解した上で、ブシュロン独自の個性溢れるクリエイションで表現している所が実にユニークでしたね。




 個人的にはやはりマクラナ大理石やタール砂漠の砂等、インドならではの個性的なマテリアルの作品が注目ですね。現在世界中の宝石はその需要に間に合わず、多くのジュエリーブランドで、クオリティの高い大きな宝石を集める事はとても困難と言われています。


 限られた資源を取り合うような平和的ではない方法ではなく、新しい資源の美しさを発見するという考え方は実に新鮮で、今回登場したマテリアルにはインドをテーマにしたコレクションだからかこそ、その場所の素晴らしい資源を利用するという新鮮なアイディアを感じます。


 また、タリスマン(お守り)としての新しい解釈をプラスし、ハイジュエリーを周囲の人々にひけらかすだけ為だけではなく、より着ける人のプライベートな感性で楽しむという現代的な提案も強く感じましたね。





 なんだか、このコレクションを見て、クリエイティブ・ディレクターのクレール・ショワンヌが感動したインドのジョードプルに行ってみたくなりましたね。。。『選ばれた人しか行けない国』と言われるインド、日本文化、仏教文化のルーツでもあるインド。。。。私は選ばれていないのか、44歳にしてまだ一度も足を踏み入れた事がありませんが。。。。。。wwww
 






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  現在好評発売中の私の初めての著書、『ブランドパスポート』では、このBOUCHERONの豪華な世界をより詳しく理解する事が出来ます。金細工の世界最 高峰と呼ばれるジュエリー『デリラ』、スネークモチーフの『セルパン』等のお話も書いておりますので、是非書店にてお求め下さいね。


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