大田区議会令和6年第3回定例会一般質問(令和6年9月17日)須藤英児
Ⅰ災害後の生活再建を踏まえ、士業との平時からの連携について
●想定震源地「大田区」の都心南部直下地震は複数の想定地の中でも被害が大きく、地盤が弱く揺れやすい地域のある大田区では万単位の建物被害・被災者が出る事が予想され、被災者のより良い生活再建が求められています。ただし、制度に被災者を当てはめようとする生活再建ではなく、困っている被災者、一人ひとりに合わせた生活再建である「災害ケースマネジメント」を目指す必要があります。
◎大田区が令和4年に締結した第二東京弁護士会との災害時協力協定の現在までの効果と、弁護士会や建築士会などの「士業」をいかに活用して災害ケースマネジメントの体制を構築する考えであるかを伺います。 また、発災時に生活再建・事業再建、復興ができるような「災害対策」とそれらの支援を適時的確に実践するための「体制の整備」を目的に、大田区と士業などが、災害協定に基づき、平常時から連携を深め、窓口部署だけでなく、全庁的に伝播させていくべきと考えます。
区の見解をお聞かせ下さい。

<区側答弁概要>
●災害ケースマネジメントに関する質問について、令和4年に第二東京弁護士会と「災害に対する連携協力に関する協定」を締結し、協定に基づき、定期的に研修会や連絡会議を開催している。
●協定締結以来、区との連携の焦点は、「災害ケースマネジメント」の研究にあり、ワークショップにより、日本弁護士連合会所属弁護士により考案された「被災者生活再建カード」を活用し、関係部局とともに、実際の「相談窓口業務」の理解を深めている。
●本ワークショップには、特別出張所の職員をはじめ、相談窓口業務に従事することが想定される関係各課の職員総勢43名が参加し、3個グループを編成した。各グループは、被災者役となる弁護士からの、実際に体験された様々な相談に、区の職員が対応し、職員のとった対応について、2名の弁護士が指導するといった極めて高度な研修を行っている。
●さらに、第二東京弁護士会から、災害ケースマネジメントの先進事例を共有する、東京三弁護士会主催によるシンポジウムへの参加の招待をはじめ、同じく招待された災害復興まちづくり支援機構による復興まちづくりシンポジウムへの聴講を通じ、災害ケースマネジメントに係わる研究を進めている。
●これら第二東京弁護士会との研究により、区の防災対策として、都心南部直下地震発生時に想定される区内の建物被害の規模を考慮し、想定期間内にり災証明書を交付し、被災者の自立・生活再建を支援するための、り災証明書交付窓口やその後の生活再建支援相談窓口の設置数をはじめ、他自治体からの受援を含めた職員従事体制などの検討を深化させている。
●このように、災害ケースマネジメントの実施にあたっては、被災者の抱える様々な課題に対応するための専門性が必要とされ、区単独では困難であり、より多くの民間の団体や機関と連携して取り組むことが必要になっている。
●特に、建築士は、危険度の判定、損壊の程度の判定、修繕の可能性の判断等に必要な連携先として、現在協定を締結している弁護士や司法書士等法律関係団体は、契約関係、債務整理、登記簿等権利義務関係等の場面や、各種支援制度の利用についての整理、助言の場面での連携先として、さらには、宅建業者等不動産関係団体とは、賃貸住宅等の斡旋の協力や土地の売買、不動産の評価等での連携先として、社会福祉士は、各種福祉制度の知見により、その他福祉関係団体と連携して、日常生活の自立に向けた支援についての連携先として、極めて重要になっている。
●このような支援関係機関との連携については、事前に災害時の連携協定を締結し、具体的な連携方法について明確にしておくなど、発災直後に関係者が速やかに連携できるよう準備しておくことが重要になり、引き続き、平時から顔の見える関係を構築できるよう取り組んでいく。