大田区議会 決算特別委員会 款別 都市整備費
◇高台まちづくりについて(令和6年10月4日)
●近年、日本近海の海水温度の上昇に伴い、猛烈な台風が日本列島に上陸する可能性が高まっており、それの伴い、集中豪雨や線状降水帯が発生し、生命財産を脅かす水害が多発しています。
●先日、令和6年9月21日、能登半島において線状降水帯が発生し、度重なる地震により山間部など、崩れた個所に大雨が降り、土砂や倒木が混じった濁流が河川に流れ込み、弱くなった護岸を破壊し、河川が氾濫し、住宅地に流れ込みました。
●地震により下水管などの排水機能が低下していたことも浸水被害を大きくした要因と考えられ、大規模水害の脅威を感じます。
●大田区においても、多摩川や呑川などの河川、地中にはおびただしい数の下水管が埋設されており、大雨時には外水氾濫と内水氾濫の双方による浸水被害は脅威です。また、大田区は東京湾に面していることから、高潮・高波、津波による、海岸や河川からの大規模な浸水による被害が発生する可能性もあります。
●大田区では、「高台まちづくり基本方針」策定に向けて取り組んでいるとのことですが、これは、大変すばらしい取り組みだと評価しております。方針策定後のまちづくりでは、多くの区民に理解・協力を頂き、合意形成を図りながら、事業を進めていく事になると思います。
●一人でも多くの方々に、「高台まちづくり基本方針」について、策定段階である今のうちから知っていただきたいと考えています。
質問➀
◎そこで、高台まちづくりをテーマに質問をしたいと思います。大田区の水害危険性について、浸水面積や浸水エリアに住む区民の数など判りましたら、教えて下さい。
回答➀
ハザードマップでお示ししている、浸水想定区域は、区の面積の4割、浸水想定区域に住んでいる方は区の人口の約6割である。
質問②
●大田区の面積の約4割である浸水想定区域に約6割の大田区民が暮らしているという事、想定通りの浸水被害が出た場合、大田区の人口約73万人の6割である約44万人の区民の生活に影響が発生し、被害も甚大になる事が想像できました。
◎では、「高台まちづくり」では、どのようなまちづくりを目指しているのでしょうか?お聞かせください。
回答②
〇国と東京都では、近年の気候変動により水害が激甚化していること等を踏まえ、防災まちづくりを強力に推進している。
〇区では、令和4年3月に改定した「大田区都市計画マスタープラン」において、都市づくりのテーマに安全・安心な生活の実現のため、強靭で回復しやすい減災都市を目指した都市づくりを進め、緊急かつ長期的視点から、強靭な都市構造や市街地の形成、治水対策等による減災都市づくりの必要性を掲げている。
〇高台まちづくり基本方針では、区内全域を対象とし、ハザードマップによる被害想定を踏まえ、地域別の水害危険性の分析に基づく課題抽出や対応方針の検討を行っている。
〇高台整備の必要性の高い地区を抽出し、高台緊急避難先の確保について、短期・中期・長期に分けて整備手法を検討し、浸水被害から生命と財産を守るまちづくりを推進していく。
質問③
●短期・中期・長期の高台整備とは、具体的にどのような整備を考えているのか、伺います。
回答③
〇短期の高台まちづくりは、緊急対策としてできるとことから、公共施設・民間施設を活用し、命を守る避難場所として垂直避難の空間を確保していく。
〇中期の高台まちづくりは、避難先の拡充及び、公民連携による拠点として建物群や高台公園などを整備していく。
〇長期の高台まちづくりは、100年以上の期間が掛かると考えていますが、国や都と連携し、多摩川の高規格堤防整備を目指してしていく。
質問④
●まず長期的視点から大田区全体を考え、治水対策などのハード対策と、避難の準備・対応などのソフト対策などを組み合わせ、すぐにできる短期的な事、時間が必要な中期・長期的な事と段階的に進め、大田区民を守るためのまちづくりを目指すという事、理解しました。
◎では、伺います。区内に、高規格堤防整備済みの場所はありますか。
回答④
○区内には、高規格堤防が整備されている場所が2か所ある。
〇下丸子地区では、工場跡地でのマンション建設の際に約1,000m。
○多摩川二丁目地区では、東京都住宅供給公社のマンション建設と大田区の公園整備の際に約120mの高規格堤防が整備されている。
質問⑤
●多摩川の高規格堤防整備は、住民合意を始め、長期的な視点で進める必要がありますが、垂直避難による避難先になりえる高層マンションや商業ビルやペデストリアンデッキなどの建築物は、大田区内でも多数思いつき、短期・中期的に実現可能と思います。
●また、海抜5mの大森第三中学校直ぐ裏にある、海抜22mの佐伯山緑地等の高台公園は避難場所として、命を守る拠点に最適であると考えます。
●高台まちづくりが進んだ際には、避難の考え方が変わったり、場所によっては水害時に避難しなくてよいまちになるのでしょうか?
回答⑤
○高台まちづくりでは、これまで通りのマイタイムラインによる事前の計画的な避難を行うことを前提としており、避難の考え方に変更はない。
○事前に避難を促したにもかかわらず、何らかの事情で避難ができなかった方や、急な浸水により逃げることができなかった方がいた場合に、地域の身近なところに垂直避難できる場所を確保することにより、生命と財産を守るまちづくりを目指していく。
質問⑥
●高台まちづくりとは大田区全体を高台にするまちづくりだと思っていましたが、ハードとソフト、様々な方法を用い全ての大田区民守るためのまちづくりを目指すという事、理解しました。
●令和6年9月21日、大田区の方々と、たまたま、石川県珠洲市にいました。午前9時頃、線状降水帯が発生し、あっという間に、珠洲市内の至る所で川が増水し、土砂災害も各所で発生しました。道路冠水しているエリアもありましたが、何とか最寄りの避難場所である珠洲市野々江町にある珠洲市立緑丘中学校に避難できました。
●マイタイムラインの作成などにより、早めの情報収集、早めの判断、そして早めの避難行動の必要性を強く認識していたつもりでしたが、直ぐに現状を認識出来ず、早めの避難行動が出来なかっ事を強く反省しています。
●また、避難所で一緒になった方々から、避難場所までの避難を諦め、自宅にて垂直避難している方が多くいる事を伺いました。お年寄りや身体の不自由な方々は、サポート無しで避難場所までの避難は難しいと痛感しました。
●避難について、大田区に置き換えて考えた時、近くに高台がない場合でも、近場にマンションでも、ビルでも、ペデストリアンデッキでも、高層の建築物などがあり、直ぐに避難できる環境づくりが重要です。
◎最後に「高台まちづくり基本方針」策定に向けた進捗状況について伺います。
回答案⑥
〇高台まちづくり方針は、今年度末の策定を目指して検討作業を進めている。
〇12月頃に予定しているパブリックコメント実施に向けて、地域別の水害危険性の分析に基づく課題抽出や対応方針の検討と並行して、素案の作成作業に取り組んでおり、予定通りに進捗している。
結び
◇これからも、大雨による中小河川の氾濫、降雨に対して排水が追い付かないことによる内水氾濫が大田区内各所で予想されます。
◇河川の護岸や防潮堤、大田区内各所の排水設備が予定通りに機能しなかった時のことも考えると、ハードに頼り過ぎず、避難などのソフト対策も継続的に進めなければならないと強く感じます。
◇大田区民73万人、全ての大田区民を浸水被害から守るための『高台まちづくり』に期待して、進捗状況に応じて、今後も質問させていただきます。以上です。












