Iさんは、交際していた彼女と婚約しました。
いざ結婚!となったとたんに、「耐え難い不安」になり、食欲もなくなり、熟睡もできず、胸が苦しくなるばかりです。好きな彼女と居る時にもこのような症状が強く出るということで来談されました。
Iさんは、「不安になる原因は、何もない」と感じています。
お話の中から、Iさんがとても几帳面で、責任感のある方だと思いました。
結婚が具体的になるほどに不安が募ってきます。
どうしても彼女と結婚しなければならいという責任感が強く見られます。
まず、彼女への想いを尋ねました。この人以外に結婚相手はいないと思っていまうす。
結婚までのスケジュールと新婚生活の具体的な計画を尋ねました。
問題が無いように完璧に対処している。そんな感じです。
Iさんは、ただただ不安を解消したいと、もがいているようです。
その裏側に、完璧な結婚と言う幻想があるように感じました。
なんでも望む結果を出してきた自信もあります。
そこで失敗の体験を思い出してもらいました。
思い出すのは、受験と恋愛位でした。
自分が思い描いたように事が進む時もあれば。自分の願いのようには進まない時もある。
と、頭でわかっていてても、子と結婚に関しては、漠然とした不安が募るばかり。説明のつかない不安です。予測不能な不安です。
Iさんは、それらの事態の無い不安に打ち勝とうとしています。
プライドも高いし、こんなはずがない、不安が生じる自分を受け入れられず、不明の不安に必死に抵抗していると感じました。
自分のことも彼女ことも家族のことも分かっているという前提が、何とも言えない不安を創り出しているようです。
Iさんが「知っている」「解っている」ことを尊重しながらも、生きることが「知らないこと」「解らないこと」の連続だという点についても一緒に考えてみました。
「解らないこと」があるから、理解しようと取り組んできたIさんのこれまでの努力を確認・称賛しました。
知らないこと、不測のことを不安にしてから、不安を解消する方法を見つける努力をする。(不正解を正解にする学習態度を彼は身につけています)
知らないこと、不測のことを前提にして、肯定的に受け入れる学習をする。
(不正解でも正解でもなく、くつろぐ、安心できる、支え合う家庭生活、人間社会の学習)
負の出来事・体験を避ける、消去するのではなく、負の体験を希望・成功・成長の糧にする学習を体験する。
そんな学習を始めると、どんな問題が出てきても「不安にする」「不安に感じる」必要がなくなります。
出来事を「不安」に変える心の癖を直すのは、不安への対処法を学習すればいいのです。不安に依存しない生き方を学びます。