事例④どう生きればいいのか、わからない
D子さんは、大学生です。
何事にも関心が薄れ、無気力になったと来談されました。
中学・高校時代は、学業も部活も趣旨も遊びも熱心に打ち込めたけど、大学に入ってから目標が見つからず、何とか自分を奮い立たせてきた。
でも、最近は好きな音楽や読書にも興味が薄れ、特に生理になると死にたくもなる。体重も減り、授業もサボるようになった。彼にも両親にも依存しつつ、相談できず「どうしたらいいのか」と毎日一人で悩んでいる。と言うことでした。
彼や両親には、心配をかけたり、幻滅させたくないという想いがあり、それが相談できない理由だといいます。彼から見捨てられるのではないか、という不安もあります。
D子さんは、最も信頼できる存在に相談できない。
それはD子への彼や両親の信頼を失いたくないという想いであり、恐れでもあります。
今のような怠惰・無気力な生き方を知られたくない。
でも、とても辛く、どうしたら以前のような活き活きとした自分を取り戻せるのか?
それが問題でした。
面談が深まることによって、希望の大学に入学によって生きる目標が失われたこと。彼に出会い恋愛関係が始まったけど、満たされない。彼に依存していると思うけど、嫌われたくない。というD子の想い。
まだ学生なのに、彼ができたこと、学業に打ち込めない自分を両親に知られたくない。両親に知られたら、自分は両親の期待を裏切り、信頼を得られなくなるのではないか、両親を失望させたくない。というD子の不安が積もり積もってきたという想いが伝わってきました。
そこで、私はD子の眼差しを別の対象に向けられるように援助しました。
大学の授業で興味が持てる科目は、有りますか?
お気に入りの先生は、いますか?
一緒に居て楽しい友達は、いますか?
彼女は、希望の大学への入学が目標だったので、学部や学科の専攻について関心がありませんでした。だから授業にも先生にも興味が持てない。大学で何が勉強したいのか分らない。普通に学友とも付き合っているが、本当に親しい友人と言える人はいない、と言うことでした。
どんな職業につきたいですか?
就職したい会社はありますか?
D子は、「分らない」と言います。
そこで、眼を閉じて描画法(自動書記)で、画用紙に自由に描いてもらいました。
どんな感じがありましたか?
ふわふわした感じ、飛んでいる感じ、あっちに行きたいという感じがありました。
「飛んでいる」「あっち」にフォーカスしました。
「飛んでいる」は、地についていないと、飛び立ちたいがあります。
「あっち」とは、天国、楽園でした。
そこで、天国・楽園の絵を描いてもらいました。
それは、美しい楽園でした。
そこには、穏やかな幸福と平和に満ちていると感じていました。
そこで、幸福と平和について考えることを宿題にしました。
そんな面接を重ねて、D子は、国際ボランティアに行ってみたいというようになりました。その準備を始めて、夏休みを利用してカンボジアで教育支援に行きました。
帰ってきたD子の目は、活き活きとしていました。
自分のしたいことが分ったとのことでした。
教師資格を取って、国際NGOで働きたいとのことでした。
私の援助は、終結しました。