C子さんは、出産して現在育児休業中です。
そろそろ職場復帰する予定だそうです。
でも、C子さんは、そのことを思うと、気がめいるそうです。
C子さんは、復職すべきか、転職すべきか、迷っています。
転職も考えて、別の会社から内定もいただいているとのことでした。
迷い方は、次のようです。
安定した職場を望めば、復職したい。でも新たな職場にもチャレンジしたい。
でも内定した転職先は、福利厚生の点で不安、ということでした。
よく聴くと、「やりたい仕事に就きたいが、将来の安定した生活が望めるだろうか?」という不安でした。
C子さんは、経済的にも家庭的にも安定した穏やかな生活が持続できるようにしたいと考えています。
これは、どなたでも同じ思い、願いでしょう。
でも、現実にはなかなか実現困難な目標ではないでしょうか?
私は、今後、K子さんが想定できる困難を思い描いてもらいました。
彼女は、自分も含めた家族の病気が、予測される困難の中心にありました。
彼女が、次に予測した困難は、失業でした。とたんに経済的窮地に追い込まれることが大きな不安でした。住宅ローンがまだ30年あるということです。
私は、尋ねました。
あなたが病気になったときの対策はありますか?
医療保険と生命保険があります。
ご主人が病気になったときの対策はありますか?
医療保険と生命保険があります。
お子さんが病気になったときは?
私が付き添います。
もし、あなたが失業したときの備えは、いかがでしょうか?
備えはありませんが、次の就職先を探します。
ご主人が失業した時の備えは、いかがでしょうか?
備えはありません・・・・
(K子さんに不安が募る表情が覗えます。
こんな質問をした私にもイラっとしてした表情が垣間見えました。)
しばらくして、私が尋ねたことは、
「あなたがどれほどご家族を大切にしているのか、とてもよくわかりました。
ちょっと辛くなるかもしれませんが、あなたは人生には必ず死が来ると言うことを考えたことがありますか?」
「なぜ、そんなことを聞くのですか?私は仕事の相談に来ているのです。そんなこと考えたことありません」と怒りを表出されました。
「その通りですね。なぜこんな質問をしたのかというと、実はあなたが望む、安定した幸せな家庭生活は、想定される困難の中に自分と家族の『死』を想定しているかどうか、気づいて欲しかったからです。危機対応の力があれば困難に対しても安定していることができます。誰の人生にもいろいろな危機があると思いませんか?誰にも等しくある最大の危機が「死」ということだと思います。人生には「死」があると想定して、生きる意味を見出すことができるようになると、どんな仕事や環境・条件であっても幸せに安定していられるようになる。そんな学びをしたことはありませんか?」
<生きる歓び>に安定していられる人生にしたいと思いませんか?
それは、自分の外側にあるのではなく、自分の内側にあるのです。
どんな仕事にも、どんな条件・環境にあっても<生きる歓び><生きる幸せ>を
感じようとすれば、それを観じる能力が人間にはあります。
その能力を発揮できるような学習こそが、人間にとって最も大切な学習だと思いませんか?