※過去アクセスの多かった記事を加筆修正して再掲載しています。
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しかし無心といっても○十万ルピアの世界なので、正直いえば援助できないこともない。それではなぜ援助しないのかといえば、いい加減ここで歯止めをしておかないと、またずるずる甘えられてしまうのだ。兄弟姉妹の頭の片隅には「また困ったら、妹(姉)夫婦に頼もう」がある。
これが平均的なインドネシア人の考え方ではあるまいか。「一家族だけ見て判断すべきではない」と言われる方がいるかもしれない。しかし同じような境遇にある私の友人達も同様な感想を漏らしている。
さて「インドネシアで、金持ちがケチといわれる理由」である。そう、ケチにならないと、際限なく無心されるのだ。その結果、自身も貧乏になってしまうのである。私がいい例かもしれない。もちろん全財産を援助した訳ではないが、援助しなければ結構な金額を貯金できただろうと思うほどなのだ。
現在私と女房は非常にケチになっている。もう貸す余裕などない。あれば子供の将来のため貯えに回すだろう。こちらの台所事情など知りもせず、最近ケチになったものだから、一部兄弟姉妹の間では「金持ちになったら、ケチになるのさ」とやっかみを言う輩がいるらしい。
そんなこともぼちぼち耳に入ってくるので、女房はカンカンだ。「いままで、何回援助したと思ってるの?」女房は二度と援助してやらないと決めている。
以前女房は、兄弟姉妹から「金持ちになったら、ソンボン(生意気、傲慢の意味)になった」と言われたくなく、彼らの陰口を非常に気にしていた。
しかしこの頃は、ケチだと言われれば、「そうよ、ケチだもの。あの人たちよりも我が子の方がよっぽど大事」とまったく意に介さない。だから、インドネシアでは金持ちはますますケチになっていくのである。
金持ちがケチになる理由(終)
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