お話
※今回は、ヨンはではなく、チェ・ヨンとしました
チョナとのシーンだと、どうもヨンが、しっくりこず久方の再会を喜びあった後、王とチェ・ヨンは、卓を挟んで対座していた
王妃をはじめ、内官、尚宮たちも下がり、男同士水入らずの場だった
「医仙に非ずと、チェ・ヨンそなたは、今、そう申したのか?」
広い王宮の一室に王の声が響く
耳を疑った王は、思わずチェ・ヨンの方に、顔を振り、声を張りあげ、聞き返した
「はい、医仙に非ずと、確かに、そう申し上げました」
一語一句違わぬよう答えを返す
王は言葉のまま受け止めきれず、吐き捨てるよう息を吐くと、苦い笑いを浮かべた
「チェ・ヨン、何を申すのだ。医仙が戻ったのだと、チェ尚宮からも報告を受けておる」
困惑から頬が微かに引き攣る
医仙が戻ったと報告があったのに、それが違ったとは、一体、何事か
王は心の用意もなく、動揺を隠す術を、持ち合わせていなかった
続いて真っ直ぐこちらを見据えながら、チェ・ヨンが口にしたのは、あまりに理解に苦しむ言葉だった
「医仙は生涯を閉じたようです」
四年もの長い間、ずっと待ち続けていた女人が戻ったのだと、皆もそう思っていた
「何だと?」
それがこの男は、今、余の目の前で、生涯を閉じたのだと、そう申したのか?
なんだ、これは、なんなのだ…王は、信じ難く、対応に苦慮したが…
動揺しながらも、何とか冷静を取繕い、必死に頭を働かせようとしていた
チェ・ヨンこの男は、此度自ら足を運んだ、では他に考えられるとするならば…
王である余へと、大切な何かを、己の口で伝えるために、ここに参ったはずだ
「聞こう」
チェ・ヨンの思惑は全く読めず、まずは話を聞いてから、判断するしかないと思う
王が目配せをすると話し出す
「四年ほど前になるでしょうか、私はあの女人を無力にも失いました
王妃様の御身のため、天界から此の地へと留めた、医仙あの方です
徳省府院君、奇轍一派との格闘の末、私はあの方を連れ戻しました」
その時のことは、余もよく記憶しておる、叔父が、王位を脅かしたあの時だ
医仙は毒に侵されており、この男の憔悴ぶりは、見るに痛しましかった
「私はあの方に婚姻を誓い、その夜、私たちは一つになりました
毒に打ち勝ったあの方は、私のもとへ、留まって下さるのだと言いました
妻に迎えるつもりでした
翌日、私達は天門へと向かいました
天に御座す、あの方の父上と、母上に、婚姻の御許しを頂くつもりでした
ですが、奇轍の奇襲にあい、あの方は天穴に飲みこまれてしまった
チョナも概ねご存知のことかと」
医仙を失った過程は、以前にチェ・ヨンに聞いたことがあった為
王も「よく知っておる」と頷いて答える
「恐れ多くも、下界の人間ごときが、天人を拐かしたのです
それだけではない、私は、天女の羽衣を奪い、無理やりこの地に留めた
私は、天の怒りをかったのだと思っています。ゆえに失ったのかと」
さらにチェ・ヨンはそう付け加えると、瞼を閉じ、自嘲気味に笑った
目を開き、王に一度視線を向けてから、チェ・ヨンはまた話を続けた
「驚いた事に先月、私は、再びあの方の姿を、この目にしました」
それが四年後の今、現れたとされた女人か
王は頭の中で、理解に苦しむこの状況を、何とかまとめていき、チェ・ヨンは話し続けた
「私の前に現れた女人は、天の門をくぐり、ここまで辿り着いたそうです」
「なんと…」
四年後に現れたとされる、謎の女人もまた、天の門から来たという
やっと少しずつ、落ち着きを取り戻していた王は、また言葉をなくした
チェ・ヨンはさらに驚く事を告げた
「その女人は、姿形は、医仙と同じなれど、失ったあの方ではありませんでした」
「はっ…何を、言う」
姿形は同じだが、医仙に非ずとな…こうなると、息を吐くのがやっとだ
「医仙の姿をした、天門から参ったというその女人は、私にこう伝えました
天人であった医仙は、天に連れ戻され、苦行の日々を送られたそうです
天人が卑しい下界の男と通じたのです、あの方が私の犯した罪を償った
そして、苦行を終えたあの方は、天界で天寿をまっとうされたのだとか」
ここにきて王は少しずつ気づき始めた
最初から、なにか違和感があったが、今迄その訳がわからずにいたが
医仙の命の灯が消えた、その話を、この男は終始笑いを浮かべ話している
チェ・ヨンは決して、冷酷な男ではない、むしろ情の深い男だ
医仙の生死に関わる話を前にして、語りながら、微笑を浮かべておる
王はついに確信するに至った
この男は、今、まさに余を謀っておるのだと、そう伝えておるのか
チェ・ヨンは出来る限り不敵に笑った
それが自分が見せる、王へのせめてもの忠義だと、思ったからだ
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おはようございます
一気に進めちゃいました
いつ、尻尾巻いて逃げ出すか分からないので ← 某Rがですね
皆さま、どうでしたか、もうお分かりになった方も多いのでは?
ヨンの思惑、皆様の思惑、あたっていましたか?
でも、最後まで読んでくださいね
まだしばらく続きます(^^)
続きも書いてあるので、日曜日もアップする予定です
頑張って失速せず完成させますね 
」