葛城の迷宮 -62ページ目

『モールス』

1983年のニューメキシコ州ロスアラモス、雪に閉ざされた田舎町。
学校でのいじめに悩む孤独な少年オーウェン(コディ・スミット=マクフィー)は、ある日隣家に引っ越して来た少女アビー(クロエ・グレース・モレッツ)と知り合う。

アビーは、いつも雪の中を裸足で歩いていた。
オーウェンは、自分と同じように孤独を抱えるアビーのミステリアスな魅力に惹かれていき、何度か会ううちに二人は仲良くなる。
お互い直接会えない時は、壁越しにモールス信号で合図を送りあう二人。

しかし、時を同じくして町では、残酷な連続猟奇殺人事件が起きていた。

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スウェーデン映画『ぼくのエリ 200才の少女』のリメイクである。
舞台をスウェーデンのストックホルムから、アメリカのニューメキシコ州に移し、主人公二人の名前もオスカーとエリから、
オーウェンとアビーへと変更されている。

予告編を初めて観たときには、とても期待していた。

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しかーーっし、この作品を観て確信に至ったことがある。
ヴァンパイアにアメリカは似合わない。
ハリウッドの演出も似合わない。
そういえば、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』でも、アメリカ時代はイマイチだったけれど、ヨーロッパに舞台が移ってからは華やかな雰囲気が合っていた。
アイルランド人監督ニール・ジョーダンの繊細な演出も、ヴァンパイア映画に向いていた。
今作のマット・リーヴス監督の演出には少し違和感を感じた。

ホラー描写がB級並み。
ヴァンパイア化してるアビーの動きのCGがぎこちなさすぎる!!
『ヤッターマン』や『GOEMON』並みの安っぽさ。
クロエ・グレース・モレッツは『キック・アス』でも素晴らしいワイヤーアクションを見せていたのに、なんだ、この残念な表現は。

それと、アビーが血を吸うために噛み付いたときの顔を、コワい顔に変身させる必要があったのか?
いくら好きな女の子だって、あんな顔を見せられたらオーウェンも引くわ!!
・・・と思ったのだけど、もし初恋のコがあんなのだったら、盲目的になっちゃうかも。
ちょっとミステリアスな女のコの方が一緒にいてもドキドキするし・・
(何だか違う方向に感情移入しているな)


オーウェン役のコディ・スミット=マクフィーは良く似合ってた。
この年頃の男子は、同い年の女子がどんどん成長していくことに較べて、どうしても幼さが残っている場合が多い。
大人っぽい顔立ちのアビー役のクロエに憧れる、童顔のコディというキャスティングは男子なら誰しも共感できる!
(ような気がする・・・のは、オイラだけか!?)

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『ぼくのエリ』は、製作国を問わず映画をよく観る、という人には間違いなく素晴らしい作品だ。
ぼく自身もこちらの方が好きだ。(たった一部、映倫の所業を除いては!!)

しかし、話題の作品が好きだ、あるいはハリウッド映画しか観ないという人には、テンポが悪く感じたり、静かすぎたりするのかも。
そういう人には、『モールス』のほうがオススメです。
基本の物語は、ほぼ同じなので雰囲気で選ぶのが良いです。

もうひとつ、原作本もそうらしいんだけど、『モールス』ってタイトル、あんまり物語に関係なくねい!?
(モールス信号のくだり、ちょっとしかやらんぞ)


監督:マット・リーヴス
出演:コディ・スミット=マクフィー
    クロエ・グレース・モレッツ
    リチャード・ジェンキンス