葛城の迷宮 -63ページ目

『遊星からの物体X』

その恐怖は一匹の“犬”から始まった。
見渡す限り氷に囲まれた白銀の大雪原をヘリコプターに追われて逃げる“犬”は、アメリカの南極観測基地へと辿りつく。
ヘリコプターを操縦するノルウェー隊員が銃を乱射したため、アメリカ隊員はやむを得ず彼を撃ち殺す。

ノルウェー隊に何が起こったのか?
真相を究明するため、ヘリ操縦士のマクレディ(カート・ラッセル)他数人がノルウェー基地に向かう。
そこで彼らが見つけたものは、何かに脅えて自殺し凍りついた男の死体、何かを取り出したと思われる氷の塊、そして異様に変形したおぞましい焼死体だった。
一行は調査のため、記録フィルムと焼死体を持ち帰る。

隊員たちはノルウェー隊の記録フィルムから、10万年前に宇宙のどこかからやって来た生物が冬眠から覚めて人間を襲ったことを悟る。
その生物は接触するものを体内に取り込み、同化・擬態し、更に増殖することができた。
やがて吹雪に閉ざされた基地内で、隊員たちは誰がそれに同化されているか判断できなくなり、互いに疑心暗鬼に陥っていく。
試算によれば、人間社会に辿り着いたそれが全人類を同化するまでに必要な時間はおよそ2万7000時間。
果たして隊員の、そして人類の運命は?

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『ハロウィン』、『ザ・フォッグ』等、B級SF映画の怪作を次々と発表してきたジョン・カーペンター監督が、『ニューヨーク1997』に続いて、カート・ラッセルとコンビを組んだ、SFホラー作品。

一度目にしたならば記憶の底にトラウマとなるであろうその映像!
グロテスクかつ吹き出してしまいそうなクリーチャーのデザイン!
どんなに冷静な人間でもその瞬間、
お尻が2センチは浮き上がる衝撃の演出!


特殊メイクアップアーティストのロブ・ボッティンが1年と5週間、不眠不休で作り上げた渾身のクリーチャーたちのキモチ悪さが素晴らしい!!
(この後具合が悪くなったロブ・ボッティンをカーペンター監督自身が病院に連れていったらしい・・・)

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また、“犬”の造形には、アニマトロニクスの第一人者スタン・ウィンストン。
メリッと割れて、ビロビロして、ヒュンヒュン言わして、ムッキムキの“犬”は、最初の衝撃であり、
この先この作品に耐えられるかどうかのテストにちょうど良い。

  ちなみにちょっと昔、特殊メイクや効果のアーティストとして有名だったのは、
    リック・ベイカー(クリーチャー担当、ロブ・ボッティンの師匠)
    ロブ・ボッティン(クリーチャー担当)
    トム・サヴィーニ(ゾンビ担当)
    スタン・ウィンストン(アニマトロニクス担当)
    デニス・ミューレン(CG担当)
    レイ・ハリーハウゼン(モデルアニメーション担当、相当古い)
    彼等の名前がクレジットにあるだけで、子供心に胸がトキメいた。
    (まだ恋愛を知らなかったもので…)

主演のカート・ラッセルは『バックドラフト』や『エグゼクティヴ・ディシジョン』などの大作映画にも主演しているけど、カーペンター監督作品の常連でB級映画がとてもよく似合う。
(この二人は、よほどウマが合うようだ)

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昨今のCG技術の発達でどんなモノでも表現できるようになったけど、
この時代の「いったいどうやって、この映像を作り上げたんだ!?」
というアナログな雰囲気がひしひしと伝わってくる。

公開された1982年は、同じ宇宙人モノという『E.T.』に完敗だったけど、ぼくの心のランキングでは、
『遊星からの物体X』の方がずっと上です。

監督:ジョン・カーペンター
出演:カート・ラッセル




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