葛城の迷宮 -58ページ目

『クライング・ゲーム』

アイルランドの移動遊園地で、ブロンドの美女ジュード(ミランダ・リチャードソン)に誘われた英国軍の黒人兵士ジョディ(フォレスト・ウィテカー)。
しかし彼の頭上で銃の撃鉄を引く音が響く。
たちまち男たちに押さえ付けられた彼は、顔に袋を被せられて誘拐されてしまう。

IRAの一員ファーガス(スティーブン・レイ)は、ジョディを監禁しておくように仲間から言い渡される。
ジョディは、英国政府に捕らえられた仲間たちの釈放を要求するための人質だったのだ。
相対する立場だったが、二人きりで過ごしているうちに、いつしか彼らはお互いに友情にも似た感情を抱く。
ジョディはファーガスに「あんたは親切な人間だ。それがあんたの性なんだ」と語る。
そしてジョディは、「もし自分が殺されたらロンドンにいる恋人ディルに会って『愛していた』と伝えてほしい」とファーガスに頼む。

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とうとうIRAの幹部たちは、ジョディの処刑を執行する命令を下した。
銃を手にジョディを森の中に連れて行くファーガス。
「オレを殺したことにして、逃がしてくれ!!」
そう言いながら、逃げ出すジョディ。
追いかけるものの、銃の引き金を引くことができないファーガス。
森の反対側に出た途端、ジョディは突然大きな車に轢かれて死亡する。
それはジョディを救出するためにやって来た、英国軍の装甲車だったのだ。
間もなくIRAのアジトも軍の急襲を受けて炎に包まれる。

かろうじて逃げ延びたファーガスは、ジョディとの約束を果たすためロンドンに赴き、美容師のディル(ジェイ・デヴィッドソン)を訪ねる。
ディルは夜になると歌手としてバーの舞台に立っていた。
美しく歌うディルの妖艶な魅力にひかれ、二人の気持ちは急速に接近していく・・・

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上記のあらすじ部分は、ホンの導入部です。
物語はこれからなのですが、ここから先は知ってはいけません。
よってここにはネタバレは書きません!
(基本的に「この映画どんな話?」ってきかれたら、導入部しか話しません!!)


アイルランド人監督ニール・ジョーダンが脚本・演出を手掛けた傑作ラブサスペンス。
1993年の第65回アカデミー賞において、ほぼ無名に近いスタッフ・キャストながら、6部門にノミネートされて話題になった。
リアルな銃撃戦、ユーモアのある脚本、見事にハマったキャスティング。
映画好きなら何となくわかる、ニール・ジョーダン作品の他の監督とは一線を画す、幻想的な雰囲気を時折見せるオリジナリティ溢れる演出が沁みわたる。
アカデミー脚本賞受賞。

ニール・ジョーダン作品には欠かせない俳優、スティーブン・レイが素晴らしい。
何が素晴らしいって優柔不断そうな雰囲気の醸し出し方が見事すぎる。
元からこんな感じのヒトかも知らんけど・・・
いやいや、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の時はテンション高かったな。
やっぱ演技なのかも・・・あなどれねぇー!!

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この作品のキーとなるジェイ・デヴィッドソンは、ブティックで働いていたところをジョーダン監督にスカウトされたそうだ。
キャスティングを見つけてから脚本を書いたのか、役にピッタリの人間を見つけたのか。
ミステリアスさ満点のこの人ナシには、この作品自体が全く成り立たない。

今やオスカー俳優となったフォレスト・ウィテカーの、回想でコチラに向かって何か投げているシーンが(何だか気持ちわるくて)印象的で頭から離れない。
昔から思ってたけどこの俳優、笑福亭鶴瓶に似てる。
(絶対みんなもそう思ってるハズ)

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ミランダ・リチャードソンは、クールな悪女役がよく似合う。
年齢を重ねた最近でも、やっぱり悪いオバチャン役がよく似合う。

無名の作品が評価されたら、類似作品が出てくるもんだけど、他に似た内容の映画も一切ない。
オリジナリティ溢れすぎて、他のどんな映画とも被らない。
ただ、主題歌の『クライング・ゲーム』を歌っているボーイ・ジョージに興味がないので、80年代のカルチャークラブを知ってる人なら、より思い入れが強くなるかも。

監督:ニール・ジョーダン
出演:スティーブン・レイ
    ジェイ・デヴィッドソン
    ミランダ・リチャードソン
    フォレスト・ウィテカー




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