第6話 「ウワサ」 | つばさの小説ぶろぐ★

つばさの小説ぶろぐ★

小説を載せていきたいと思います。
まだまだ未熟者ですがよろしくお願いします!
そして読んでくださる皆様!感謝でいっぱいです!


 「ねぇ。きいた?」
 「ん?なにを?」
 「あんたのとなりの剣吾くん、愛海ちゃんと付き合ってるんだってー」
  …え? 
 健吾くんが愛海ちゃんと…?
 ウソ…。
 私は周りの音とか、しゃべり声とか全部が聞こえなくなった感じがした。
 なんていうのかな。
 絶望…?
 いつの間にか健吾くんは私の心の支えになってたから。
 …勝手にしただけだけど。

 本当なら蒼汰と話し込んでいる剣吾くんに、今すぐにでも聞きたい。
 でもそんなことしたら…。
 違うのなら全然全く問題はない。
 むしろ最高に嬉しいよ。
 でも。
 もしも仮に。
 そうだよ。なんて言葉でも返ってきてしまったら…。
 多分学校をサボり出すと思う。
 かと言って聞かないなんてできない。
 これはこれで夜も眠れなくなる。
 夜ふかしは美容の大敵だし。
 これは聞くしかない。
 その日の帰り、剣吾くんを誘って一緒に帰った。
 もちろん、あの事を聞くために。
 学校から結構離れた頃、あの話を切り出した。
 「け…剣吾くん…。あの噂、本当?」
 「噂ぁ?なんだそれ、俺は何も聞いてねえよ。おしえてくれる?」
 え…。本人が知らないとかどういうこと!?
 私は友達から聞いたことを、そっくりそのまま剣吾くんに伝えた。
 やっぱり剣吾くんは、何も知らなかったと言って驚く。
 「あ…ありえねぇ…。俺、あーいう女子スッゲェ苦手なんだよ。」
 「ったく…。勘弁してくれよぉ…。」なんてぐちりながら、参っていた。 よかった。
 うそだった。
 安心したからかなんなのか、私は調子に乗ってとんでもないことまで聞いてしまう。
 「じゃぁさ、剣吾くんはちゃんと好きな人とかって…いる…の…?」
 自分で聞いて途中で緊張してしまう。
 だってまるで…。
 こんなの告白と同じじゃない。
 多分耳まで真っ赤なのがバレないように、少し下を向いた。

 「…さぁ。」

 …なんてあっけない答え方。
 なんでだろう。あれ、 涙が…出そう…。
 気づいたら涙で周りが見えなくなって、思わず転んでしまった。
 「…っいたぁ…」
 なんだか情けなくて余計に涙が出てくる。 
 「おいおい…。お前どんだけドジなん…え…?うそっ…ちょっと…」
 ちょっと転んだだけで泣いている私に驚いたのだろう。
 剣吾くんの焦り方は人生で一番だった。
 「な…何泣いてんだよぉ。」
 「だってぇ…。だって剣吾くんに話無視された気がして…。」
 こんな理由じゃぁ、絶対嫌われる。
 そう思った。
 剣吾君は私の前にしゃがみこんで、指で涙を拭った。
 「…だって…。す…好きな奴に…好きな人誰かなんて…答えられないっつーか…」
 驚いて顔を上げた。
 うつむきながら、顔を真っ赤にして話す彼は、上目遣いで私を見ていた。
 は…反則っ…!

 「ここまで言わせたんだから、責任とって…くれるんだろうな…?」

 そういってわたしの首の後ろに手をまわして、そっと…キスをした。
 
 
 

 あぁ、もう。
 バカ詩織…。
 自分からキスするなんて…。
 
  ごめん。 美香…。


俺はついに恋をしてしまった。

 タブーを犯してしまった…。