ON AIR STORY(´・ω・`)ノ ブログ小説 -12ページ目

ON AIR!!生徒会 リプレイ「ウソツキは恋ドロボーのハジマリ その3」お題『バニラソルト』

よくよく考えて見ると俺と会長の奇妙な関係が始まったのもあの頃からだった。

『はい、みなさんこんにちわ。そろそろまじめな雰囲気をぶち壊そうと初登場しました回想担当の黒子るるこです。本編では全くもって登場しませんでしたが小道具を用意したり、カメラマンとして登場してたり、超脇役街道まっしぐらな私です。ではスクリーンを用意してさっそく回想スタートといきましょう!以上、裏方担当の黒子るるこでした!私が活躍できる場所くるかなぁ……』

小学校6年の初夏。
俺は小学校最後の年をエンジョイしようと考えていたわけは全くもって頭に無く、ただ毎年のごとく普通に過ごしていた。
すこし違うことといえば俺の家の近くに新しい家が建ったということぐらいだ。
新しい家はそれはもう豪邸だった。まぁ俺の家がこじんまりとした2階建ての一軒屋なのでそれと比較してだけど。
幼心的に気になった俺はもちろん敵情視察(なんのこっちゃわからないが)そんな感じでこそこそと見に行ったわけだ。好奇心を持ちながらも未知の領域なのでそれはもう警戒しないはずが無い。小さい心臓をドキドキさせながらでも気持ちはわくわくしながら足取り軽くその家へと向かう。
俺の家の前の道を駆け足で進み、一つ目の角を左に曲がってさらに進む。同じようにまた一つ目の角を左にいくとその家はあった。俺は家からこっそりともって来たアンパンと缶コーヒーを片手に持って家の大きな入り口が見える近くの電柱の後ろで待機する。
気分はさながら良くテレビで見る刑事ドラマの刑事か、探偵だ。
アンパンをくわえて缶コーヒーを空けたところでアンパンを持ち直して電柱の影からそっとのぞく。
するとちょうど良く引越しのトラックから荷物を運び出しているところでどんな人が住むのか俺は観察を続けることに。
電柱がいい感じに影を落としてくれているので日差しの暑さはあまり感じない。俺は大きくアンパンをかじり缶コーヒーで流し込み観察を続ける。
引越し屋さんはテレビのCMで良く見るパンダのマークが目立つ引越し屋さん。制服を着ているのでだいたい誰が引越し屋さんかはすぐわかる。その中に一人私服の男の人が指示を出していた。おそらくあの人が件の家の主なのだろう。メガネをかけたすこし細身の優しそうな男性。ズボンはジーパン、上はピンク色の無地のポロシャツを着ている。どこにでもいそうな感じの人だ。
そうやって俺は着々と情報を集めている。気分はもう凄腕のエージェント、つまりはスパイだ。なんて考えていると後ろから。
「なにしてるの?」
突然で予想外からの声に俺は持っていたアンパンを落としてしまった。
「あ、もったいない」
俺の落としたアンパンを残念そうに見ていたのはここら辺じゃ見かけたことの無い少女。おそらく俺と同じくらい。
日に照らされてうっすらとやさしく淡い感じの長い黒髪にその黒とは対照的な真っ白なワンピース。目はくりくりとしていて大きな瞳に俺の落としたアンパンを写していた。
「アリが食ってくれるから問題ないさ」
「う~ん、それもそうだね」
少女はすこし首をひねった後、目を細めてかわいらしい飛び切りの笑顔で返答してくれた。俺はその笑顔に引き込まれた。驚いたせいかどきどきする心臓。気持ちを落ち着かせるために缶コーヒーを傾ける。
苦いはずの缶コーヒーがなぜかすこし甘く感じた。
「それでなにしてたの?」
「ん?えっとな、そうだな。う~ん……そうだ!俺はこの地域を征服しようとする悪の一味の一人なんだ。だから新しく来た人間を調べていたのだよ!」
「なにそれ?」
少女は俺の苦し恥ずかしのいい訳に笑う。俺は中途半端に張った胸を緩め、肩を落とすと開いた片手で頭を掻いて笑う。
「この時期の引越しって珍しいからこっそりどんな人が来たのか見に来たんだ」
「そこのお家?」
「おう!」
「そこ私のお家だよ」
「へえ~……ええっ!」
俺が少女の爆弾発言に驚いて大きな声を上げたせいか指示を出していた男の人が気付いたようで
「春美、そんなところでどうしたんだい?」
「この男の子とお話してる~」
「ええっと、そこの君~」
硬直していた俺は声をかけられてわれに返る。
はっと気付いたせいもあるがすこし距離が離れているので大きめの声で返事をする。
「は、はい!」
「初対面でちょっと悪いのだけど春美のこと頼んでいいかい?引越しでこれから大きな荷物を運ぶから家の中じゃ危ないんだ」
「じゃあそこの公園で遊んでますね~」
「うん、頼んだよ~」
男の人は俺の返事に満足したのか慌てて呼ばれていた方へと引越し作業を再開する。俺はというと春美と呼ばれていた少女の方に視線を向ける。すると少女は俺が持つ缶コーヒーに興味があるようでじっとみている。
「飲んでみる?」
「いいの?」
俺は少女に缶コーヒーを渡すと少女は恐る恐る口へと運ぶ。気付くと俺は少女の唇をじっと見ていた。
「にがい」
「まあコーヒーだし、これが大人の味らしいよ」
「君は普通に飲んでたよね」
「まぁな」
俺は少女から缶コーヒーを受け取ると一気に飲み干して
「これで缶けりでもしようぜ!」
「うん!」
俺と少女は近くの公園に向けて、俺が先導する形で駆けていった。


これが俺と会長の出会い。何の変哲も無いどこかにある出会いの一つの形。
会長と俺の関係が微妙に変化を始めるのは中学。俺は変とは思っていない、会長もおそらく同じだろう。でも、はたから見たらとても変な微妙な関係。
ここからが俺の初恋の話。初恋というものはとにかく甘い。甘いからすぐに飽きてしまうのではと思ったのは俺だけだろうか。
甘い食べ始めも甘さが続けば舌が慣れるように人の出会いというのも親しくなって身近になってしまうと近くにいることが日常になる。つまりは甘いハジマリも時間が経てば甘さが続けばだんだんに飽きて、それが当たり前になる、とそんな話だ。
俺も会長も結局のところ似た者同士なのかもしれない。そう考えさせられたのはあの時だ。


つづく
その1はこちら
その2はこちら


あれ、これどこまで続くのだろう…w
まぁいいか、なんかいい感じに書けてるしということで皆さんこんばんわ(*・ω・)*_ _))ペコ
いちわっとです。
バニラソルトってお題なかなか難しいけど書いてて微妙に楽しかった。
ON AIR!!生徒会にしてはなんか恋愛色強めになっちゃったけどまぁいいかね
何か意見、感想、アドバイスがありましたらよろしくお願いします(*・ω・)*_ _))ペコ
P.S.今回はちょっと遊びました。気になる方は文章を選択して黒く塗りつぶして見てください



ON AIR!!生徒会 リプレイ「ウソツキは恋ドロボーのハジマリ その2」お題『バニラソルト』

「あ、ちょっと待ってて」
「おう?」
会長は何か思いついたように一言残すと俺の返事を待たずに来た道を駆け足で戻っていき、屋上からいなくなる。俺はわけもわからない内にまた一人になってしまった。まあいいのだが……。
俺は人気の全く無くなった屋上にすこしの居心地の悪さと寂しさを感じたがもともと一人だったので一度だけ深呼吸。気分を入れ替えてのんびりと外を見続けることにする。
「昔話か……」
遠くからきゃっきゃっと騒ぐ子供の声が聞こえて来たため、ふと、学校の柵の向こう側を見る。学校帰りの小学生だろうか遠くだから良く見えないが格好からして、一人は男の子、もう一人は髪の長い感じからして女の子だろう。
男の子は片手を高く上げピンク色のモノを持ってぴょんぴょんと跳ね、女の子は両手を伸ばしてその後を追っている。
「あんな時期が俺にもありました。なんてな」
誰にも聞かれてないとわかっていながらも、いやわかっているからこそ一人つぶやく。なんか無性に年をとった気分がして、右手で頭の後ろを軽く掻いて「まあいいか」と柵の外を行く小学生を見送る。
小学生の姿が屋上から見える範囲から外れたと同時にまた、屋上の扉が開く音がした。
「ごめんね、待たせちゃって。はい、これ」
「冷たっ!」
会長が戻ってきたのを声で確認し、横に来たようなので顔を向けたところ、冷たい金属が俺の頬に突然当たる。
「たっくんは缶コーヒーだといつもこれよね」
「良く覚えてたな」
「そりゃ生徒会長だもの。役員のことは全部把握しておかないと、ね」
「それは大変そうだ」
「ごめん、ちょっと見え張った」
俺は俺の頬にある缶コーヒーを会長の手から受け取る。もちろん礼を言うのは忘れちゃいない。缶を軽く振ってプルタブを空けると空気の抜ける耳あたりのいい音が聞こえた。
「ほれ」
「ん?」
俺は今栓を空けた缶を会長に渡してもう一つの会長の持つ缶をするっと奪って同じく栓を空ける。缶のラベルを確認するとどうやら同じだったのでそのまま一口だけ飲み、一息ついたところで会長を見ると俺の渡した缶を見てぼけっとしていた。
「どした?」
「あ、いや、なんでもないわ」
そういってそっぽを向くように会長は手すりに向かい合うと手に持つ缶コーヒーを一口飲んで俺と同じように一息ついている。俺は会長のぎこちない感じが気になったがまあ気にしても仕方ないので同じようにもとの格好に戻る。
「そういえば会長。缶コーヒー飲めるようになったんだな」
「ええ、誰かさんのおかげでね」
「誰だろうな、会長にコーヒー飲ませようなんてしたやつ。勇気あるな」
「ほんと、いいめいわ……、いや、いい度胸よ」
俺と会長の会話が途切れ、すこしの静寂が降りる。ただ、嫌な感じはせず、ただただ心地よい風に吹かれながらゆっくりと進む時をのんびりと感じて過ごす午後のひととき。
「もしかして、忘れてる?」
「ん?何を?」
「私が缶コーヒー飲むようになった理由」
「そんなのあったのか?」
缶コーヒーを傾けながら会長の方を横目でちらりと見ると会長は俺の方を横目でにらんでいた。俺、今何か悪いこと言ったのだろうか。会長の方に顔をしっかり向けると会長はがっくりとすこし深めの溜息をついて前を向きなおして缶コーヒーを傾ける。
「たっくんが私が缶コーヒーを飲むようになった理由を作ったんじゃない」
「そうだっけか?初めて会長が缶コーヒーを飲んだ時のことは覚えているがそれ以外は良く覚えて無いぞ」
「あっ!……」
しまったというように声を上げる会長。
「ええっと、確かあの時は……」
俺は会長の反応が気になったため、会長との一番初めの思い出を記憶の中からサルベージすることにした。けれど、さすがに時間が経っているためもやがかかったようになかなか思い出せなかったので、色濃く残る初めの出会いあたりから順に追って見ることにした。
たしか、俺と会長の初めの出会いは中学を超えて小学校の頃までさかのぼる。
そうそう、あの日も今日のような初夏の気持ちよく晴れた日だったのを覚えている。
ただ、今日のように心地のいい風は少なく、日差しがとにかく暑かったんだ。

つづく
その1はこちら から




ということでここから『会長 過去編』です
会長のストーカー癖やタクミとの関係の始まりがここで明らかになるかも?
珍しくゆっくりと笑い少なめで送っておりますON AIR!!生徒会
たまにはこんなんでもいいかな?
珍しいこの雰囲気のON AIR!!生徒会 お楽しみいただけたら幸いです(*・ω・)*_ _))ペコ

P.S.コラムの方も最近、閲覧されている方がいらっしゃるようなので参考程度になればまたコラム書きます
そんなわけでご質問等ありましたら気軽にどうぞ
また、相変わらずお題も募集しております
あ、短編小説なら読みにいけると思うので感想、アドバイスが欲しい方は気軽にお声かけてください(*・ω・)*_ _))ペコ




ON AIR!!生徒会 リプレイ「ウソツキは恋ドロボーのハジマリ その1」お題『バニラソルト』

「お疲れ様でーす」
俺はいつもどおりに挨拶をして生徒会室の扉を開ける。生徒会の挨拶はいつもこれだ。それというのも基本的には通常の授業が終わってからの仕事となるため、授業お疲れ様と先に作業している面々へということでいつの間にか固定となっている。
「って誰もいないのか」
今日、掃除当番だった俺は生徒会室に来る時間が多少遅くなったため誰かいると思っていたのだが案外そんなことは無かったようだ。会議用の円卓の上にいくつかカバンがあるところを見ると誰か居たのだと思う。
「まぁ今日は特に会議とか入って無かったしどうすっかな」
俺は自分のいつもの席にカバンを降ろす。特にやることも無かったので学校内を巡回することにした。巡回といってもただ校内をふらつくだけなのだが。
ふらついていればそのうち誰かに会うだろうと生徒会室を出て俺はとりあえず上を目指す。
どこに行こうか考えるならやはり屋上が一番だろう。ということで屋上へ。
屋上の重い扉をゆっくりと開く。すこし錆付いているのか鉄の軽くきしむ音。
外の方が明るいのか徐々に開く扉の隙間から光が漏れ出す。
屋上に出ると後ろの方でゆっくりと錆付いた扉の音が響き、閉まっていくのがわかる。
風が吹く。暖かさが混じるすこし涼しいやさしい風。
空は高く、蒼い空に立体的な雲が浮かんでいる。
すこし暑く感じる日差しの中、俺は歩みを進めてグラウンドや校舎をある程度見渡せる方の手すりへと向かう。
手すりまでたどり着くとその上で腕を組み体重を乗せる。
風がいい感じに吹く。俺は目をつぶり耳を澄ます。
グラウンドで楽しそうに部活動をする生徒と指示を出す教師の声。
ホイッスルの音が良く響く。
校舎の方からは吹奏楽の部活始めなのかてんでばらばらな楽器の音。
他にも騒ぐ生徒と怒る教師の声や風に乗って校舎に残る学生の声がかすかに聞こえる。
人の生きる音のある学校が俺は好きだ。俺は目を開けてどこを見るわけでもなく、ただただボーっと屋上から見える学校すべてを見ていた。
日は最高点を超えて傾きつつあるが、この時期の日はまだまだ長い。
いつも慌しく進む毎日なのだからたまにはこうしてゆっくりと時を感じるのもいいかもしれないな。
放課後の屋上に誰かが来ることはほとんど無い。
あるとすれば告白に来る男子生徒と女子生徒くらいか……って今時いるのかな?
そんなどうでもいいことを考えているとグラウンドの方から金属バットが甲高い、いい音が聞こえてくる。
その音した方の空を見上げるとそこにはちょうど良く太陽があり、俺は手で影を作りながら目を細くする。
太陽の中に黒い一つの点がふわりある。おそらく野球ボールだ。
「結構高くまで飛んだなぁ」
こっちまで来るかと思ったが案外、届かないものだ。慣れている人では無いので距離感がいまいちわからない。
そんな感じで人から見れば無駄に、でも俺から見れば有意義な時間を過ごす。
すると、俺が来た方向、つまりは出入り口の方から錆付いた扉の軋む音と人の気配。
「珍しいな、誰か来たのかな……」
俺はちょっと気にはなったがせっかくの雰囲気が壊れるのもあれなのでまたどこという訳でもない所を眺める。
誰かは知らないがきっと用事が済めばさっさとどこかへ行くだろう。
「あっ!やっぱりここにいたわね」
聞きなれた声が俺の後方から聞こえてくる。どうやら、この時間は終了かなと思いながら仕方なく振り向くことにした。
「会長、何かありました?」
後ろを振り向くと俺の進む先を遮るかのように、いや、追い詰めたというように。会長が腰に両手を添えてご機嫌な様子で仁王立ち。俺の質問を聞いた後は右手を口元にもっていき考える素振りをしたかと思うと
「そうね。今日は特に会議も無いし、仕事は各自の予定だから何も無いわね」
「探してる感じだったんで緊急会議かと思いましたよ。それで会長は何しにここへ?」
「別に何も無いわよ。ただ、たっくんのカバンが生徒会室にあったから放送室にいなきゃここだと思ってね」
会長は俺の横に流れるように移動して始め俺がしていたのと同じように手すりの上で腕を組み体重をかける。
俺が会長の方をみるとちょうど良く風が吹き、会長の綺麗な長い黒髪がさらさらとけれど艶やかに流れ、俺の胸の中に緊張がすこし走る。
俺は気を逸らすように会長が来る前と同じく手すりの外に体の方向を向けて軽く深呼吸。気持ちが落ち着いたところで俺は会長と同じように手すりに体重をかける。
「こういうのもたまにはいいわね」
「たまには、ですか?」
「今は誰も居ないし仕事もしてないのよ。敬語は使わなくてもいいわ」
「了解です」
「ほら、また」
「あ、ごめん」
会長……いや今は神田か……まぁどっちでもいいけど、彼女は注意されても敬語が出てすこし慌てる俺を空の方を見ながら目を細めて笑う。
「いつ振りかしらね?こうしてゆっくり話すのは」
「さぁ、覚えて無いよ」
「ウソツキは泥棒の始まりよ」
「その諺通りだとすると世界中泥棒だらけだ」
「自分で言っておいてなんだけど、全くそのとおりよね」
「ああ、全くもって」
校舎のあちこちから聞こえてくる音をBGMに俺と会長は見詰め合うことも無く、言い合いをするわけでもなく、珍しく落ち着いた雰囲気の中、ただただ空を眺めてたわいもない会話をする。
「たまには昔話でもする?」
「昔話か……」
「たまには……ね」




つづく



皆さんこんばんわいちわっとです(*・ω・)*_ _))ペコ
今回は久々のON AIR!!生徒会です
タイトルを見てもらえばわかると思いますがリプレイがついているということで、今回のお話はちょっと趣向を変えて会長とタクミくんの裏話になります。
ちなみにお題をいただけたので早速使用させていただきました
あんまり難しいお題だと書けないかもしれませんが書けるものから消費していこうと思います
まだまだお題募集中なのでコメントで書いていってくれればOKです(人数がいるようなら一人につき一つペースで順繰り順繰り書いていこうと思います)
そんなわけで今回のお題は幼ゐこみさんからいただきました『バニラソルト』です
甘いだけならソルトをかけようということでさてさてここからどうやっていこうかなと考える俺でした(*・ω・)*_ _))ペコ