禾・田集抄 巻頭三句【7月】更新 | DEN

DEN

「田」俳句会のブログ

 遅くなりましたが、今月は、史子さん、芽茶さん、明子さんです。おめでとうございます~♪ニコニコ

DEN-7月禾・田集抄


 毛皮着てロビーを寒くしてゐたる  史子

 この感じ、すごーくわかります!
なんか今まで感じていた「毛皮」に対する違和感というか、毛皮を着ている人を見た時の率直な感覚というか、そんなような頭の中でモヤモヤしていたものが、この俳句を読んだ時にスッキリと整理されたような気がしました。
日本では、防寒というよりファッション的要素の強い「毛皮」、暖かいはずの「毛皮」がロビーの空気を寒くしているというこの逆転の発想?とても面白く、現代的な感じがしました。「ロビー」という場所の選定が見事です!

ちなみに、最近の若者言葉?で「寒い」という使い方があります。
面白くないギャグなどを披露した時や、場違いな発言をしてしまった時など、相手から突然言われてしまったりするので、こちらはお気をつけください(笑)。


 霞から霞へ渡る石の橋  芽茶

 とても美しい映像ですね。動くものとの対象物を石の橋にしたことで、霞の動きが手にとるように見えてきます。
主宰も選評で、「棚引く霞の中、石の橋を渡ってゆく姿は幻想的である。悠久の時の流れを、過去から未来へ渡ってゆくかのようなシーンである。」と書かれています。


 一組の長靴の立つ春野かな  明子

 あっけらかんとした春野の明るさと素朴な春の感じをよく捉えているなぁと思いました。なんで「一組の長靴」なんだろう、さみしいななどと思ったのですが、よく読むとやはり「一組の長靴」の立体感が、春野の広やかさを見事に演出してることに気づかされます。  MERI