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Nature | Photography | Music | Art

日々好奇心の趣くまま

サイト内の写真の使用ならびに無断転用を禁じます。

豪雪地帯・新潟県津南町にある名水百選にも指定されていて、湧き出し量も群を抜いているかなり大規模な湧水です。



池周辺の雪が解けてしまうと自由に水辺を歩けなくなると思われるので、新緑も見られる今の時期がベストシーズンかと思って立ち寄って来ました。

透明度が高くて水底まで見えてしまうエメラルド色の神秘的な光景は水辺好きのカメラマンにはたまらない被写体です。







この時期まだ雪がたっぷりあるので、通常の観光客は入り口だけ見て帰ってしまうが、雪上をズブズブ歩きながら池の奥の方に行ってみるとひっそりと水芭蕉なども咲いている。



で、ここへ来たのはもちろん水中狙い。
残念ながら植生が多くて水に触れられる場所はかなり限られるため構図の自由があまりききませんが、とりあえずこんな感じ。





エメラルド色の原因である水生の藻類(清流でよく見るが名前が分からない)がとにかく多くて、水中は蒼というよりグリーンが支配してしまいます。
これはこれで美しいと思うのですが。

ちなみにここ来る遊歩道の途中で水が汲めるのだが、さすが新潟、柔らかくて美味です。


沖縄から帰宅早々、そのまま荷物を解かず北アへ撮影に行ってきました。

まもなくゴンドラの冬季営業も終わる時期なので、今しか(楽に)行けない後立山連峰のどこかへ行くことに。
去年の同時期には遠見尾根を攻めたので、今回は白馬岳周辺を攻めようかと。

まずは駐車場からゴンドラを2つ乗り継いで栂池へ。

本来なら白馬大池かその上の稜線あたりまで登って撮影しようかと思っていたのだが、なにぶん沖縄の疲れが予想以上に堪えていて、少々手抜きして楽にアプローチできる栂池の末端にある白馬岳から鹿島槍まで見渡せるゴージャスすぎる展望地にて幕営・撮影することにしました。

楽…とは言っても大荷物の上に急登の連続なので時折踏み抜きつつ片道2時間ほどかかります。

このあたり、高度を上げれば上げるほどよい展望が得られるのですが、時期柄上部の方を見るとクラックが多数。

状況を見つつ適度な高度まで上がり、雪崩れても大丈夫そうな場所を見つけて木陰に幕営。この時期限定の快適なアルペンビューホテルが完成。



昼間はのっぺりとした眠い絵しか撮れないので、夕方のゴールデンタイムまで待って撮影開始。雲ひとつなく申し分ない。





日没後、惜しむらくはほぼ満月のために星々があまり写らないことだが、今回は月光浴写真だと割り切って撮影しました。

満月の光が降り注ぐ雪山は、雪の反射もあるためヘッデンが必要ないほど明るく、持参した焼酎などを片手に至福の撮影タイム。





翌朝、雲が少々出てきたおかげでほどよく焼けてくれた。





この時期、天候も安定して気温も高く(もちろん夜には氷点下にはなるが)この上なく快適に残雪の峰々を寒さに震えることもなく夜通し撮影することができました。今年は他所と同じで雪の量は異常に少ないですが。

雪があるうちにもう一度くらいは北アのどこかに行ってみたいところですが…果たして。
ここ最近、島に行きたい病が再発。
GW前半を利用して、なるべく観光客が少ない極力ユルい南の島へ行こう…ということで那覇からフェリーで数時間、渡名喜島で過ごしてきました。

そもそものきっかけは、以前久米島へ渡った途中にわずか10分ほど停泊したこの島、船上から見ただけで「居心地のよい雰囲気」がプンプン。
それ以来いずれ滞在してみたいと思っていたのです。

どうやらこの島、コアな沖縄離島ファンの間ではかなりの頻度でランク上位に挙げられるみたい。
行って見て納得、とにかく観光化がほとんどされておらず、(観光向けでない)古民家が多い唯一の集落はこじんまりとして時間がほとんど止まっている。







集落の南北には結構標高の高い(といっても200mに満たないが)山が聳えており、調べたところによるともともと2つの島の間が埋まって一つの島になったらしい。なので、南北で山の雰囲気はかなり異なります。

なんといっても美しいのが奇岩が散在するカルスト地形の南側の山稜で、一部を切り出してみると北アルプスと言っても騙せそうな佇まい。
ハブわんさかの島なので恐ろしくて遊歩道のあるところ以外は登ってませんが。







…というのは前置きで、

渡名喜島、南の楽園というほかに実はダイバーにとっては別の側面を持っており、那覇のダイビングショップなどからは「渡名喜島特別遠征」とか銘打った企画を催すほど人気のダイビングスポットなのです。

潮通しがよく急深なこの島周辺の海中は「渡名喜ブルー」と呼ばれる他所では見られない深いブルーに包まれるらしい。
特にそれが顕著なのが、島の南端にある「グルクの崎」という水深-2mくらいから一気に-50mほど落ち込むダイナミックなポイント。
ここを沖縄ベストポイントに挙げるダイバーもいるらしい。



ここで潜るには、渡名喜島そのものにはダイビングサービスは存在しないため、那覇などのショップが企画を出して参加者を集めてボートをチャーターして来るのが一般的なようで、スケジュールや天候・海況などの条件をクリアしなければならず、他地方の人間にはなかなかハードルが高い。

そこで、どうせなら島旅を兼ねて自力で「グルクの崎」まで行って、スクーバ機材などの機械の力を借りず体一つ素潜りで渡名喜ブルーに包まれることはできないだろうか…? というのが実は今回の旅の主目的。

もちろんWeb上にそんなニッチな情報があるわけはないので、現地で状況を見ていろいろ判断するしかない。

第一のハードルはこのポイントは集落から山を越えた南端の崖下に位置すること。アプローチが容易ではないのは旅行前からGoogleMapなどで下調べをして分かっています。

まず考えたのが、南端に遊歩道があるのでそのあたりの切れ目から海岸に降りる方法。
一見崖で下りられなさそうな場所でも、実は磯釣り用の崖下りルートがある場合も多いのでまずはそれを探す。

現地に行ってみて、唯一下りられそうな場所がここだった。右の岩の裏側にブルーホールという巨大海底洞窟があり、そこから泳いで1kmほどでグルクの崎。
降りられればおそらく最短距離で目的地に行けるはず。



写真ではのっぺりしていますが、実は結構な高度差があります。
良く見ると残置ロープもあるので釣り人が下りている形跡。 これは下りられるかもと思い残置ロープをつかんで少々下りてみる。

しかしながら、ロープは途中で終わり、地盤は非常に崩れやすい砂と石で出来ていて滑りやすく、落石の恐れもある。
長いロープがあれば懸垂下降もできるのだろうが、そういうものは持参しておらず、ハブわんさかな島であることも理由でこのコースは断念。

そうなると唯一の選択肢はエントリーできる最も近い浜から遠泳する方法。それでも片道2km、往復4kmほどありそう。

エントリーして見ると、浜そのものの海中はかなりサンゴが死滅して荒涼としていて、水の色も蒼というより緑で、少々気分が落ち込んでいく。
岬を一つ越えてみても様子はあまり変わらず。

沖に出れば様子は変わるかもしれないが、第二のハードルである潮の早い島なのであまり沖出ししないよう慎重に。

しかしながら、グルクの崎一つ手前の岬を越えたあたりから様子が変わってくる。
ほぼ無傷なサンゴの群生。人がほとんど立ち入らない証拠。



更にグルクの崎に近づくにつれて明らかに海の色が今まで見たこともないような深いブルーに変わってくる。
おそらく潮通しのよさと水底の深さがこの色を作り出していると思われる。



巨大なアオサンゴと渡名喜ブルー。



そしていよいよグルクの崎。巨大な建造物のような岩々が深みめがけてほぼ垂直に落ち込んでいる。
潜っても潜っても水底が見えない。ただただ深いブルーに包まれて心地いい。





悔しいことに、カメラではこの壮大さは捕らえきれませんでした。ただ雰囲気を切り取るだけ。
こういうときにカメラの表現の限界というものを感じます。



終わってみると、往復時間を含めて総時間3時間半ほどの体力勝負の耐久素潜りとなりました。
カヤックでもあればもっと楽に行けるのかも。

帰宅した今でもあの深いブルーが脳裏に焼きついています。

ちなみに、渡名喜島の素潜り事情ですが、基本的に集落から楽に行ける範囲の海岸はいずれもリーフがすこぶる遠く、リーフ内のサンゴもあまりないのであまり素潜り向きではないかもしれません。
唯一アンジェラ浜の沖に巨大なチャンネルがあり、ここはウミガメお触りスポットとしてダイビングポイントにもなっているみたいだが、今回は遠泳で力尽きたので行ってません。

ちなみに沖縄本島に戻った後も連日連夜数時間の素潜りをこなし、いささか心身が燃え尽きています。




ニュース映像を見るとカトマンドゥ滞在時に毎日通っていた見覚えのある広場や通りが大きく崩壊していて胸が痛みます。

ヒマラヤの山々を生で見たくてネパールを訪れたのは、もう十数年以上前になります。

その時訪れたのは、標高8000m級の神々しいアンナプルナ山域に360度囲まれるアンナプルナ・ベースキャンプと「世界一美しい谷」と別名を持つランタン村(今回の地震で村が壊滅したとの情報があり心配です。)の2箇所。いずれも往復で一週間以上のロングトレックになります。

その後も時間と資金があるたびに世界各地の絶景スポットを訪れていますが、今のところアンナプルナ・ベースキャンプを超える絶景にはまだ出会っていません。

標高が高すぎて青ではなく宇宙に近いと感じる黒に近い空、朝夕の赤く染まった巨大な山稜、夜になると突き刺さってきそうな満天の星々、日本の原風景とも見える素朴な村々。
(この時にカメラをやっていなかったのが悔やまれる)

現在、技術もないのにせっせと山に登っているのもこの時の感動があったからだと思っています。

その後再訪したいと思ってはいたものの、マオイスト(武装組織)が跋扈し始めて内戦などできな臭くなってきたため足が遠のいていました。

写真は当時ポカラ滞在時にチベット難民の行商のおばちゃんから買ったチベタン・ベル。



とても澄んで倍音とゆらぎに富んだ深い音がしてお気に入りです。

できることならある程度復興したら、是非ともカメラを持って再訪できる機会を作ってあの絶景を映像にしたいと考えています。
観光で訪れることを通して些細ながら援助できるのだから。
gphoto2:オープンソースのカメラ制御ソフト&ライブラリです。

主要な民生カメラの多くをサポートしており、いろいろ制約はあるもののカメラ内部の状態や設定を自由にUSBから制御できてしまいます。

使いこなせればアイデア次第でカメラの可能性の幅を何倍にも広げることができると考えてます。

しかしながらこのソフト、実際使ってみると難点がかなりあって、

・とにかくまとまった情報が少ない上に、バージョン毎に使用方法が変わったり、またカメラの種類によって挙動が異なるなど、Web情報そのままで動作することがほとんどない。本家Webサイトのドキュメントもほとんど役に立たない。付属するサンプルソースもほとんどそのままでは動作せず、細かい情報は本家フォーラムの過去ログを逐次見ていくしかない。

・Windowsでは動作せず(非正規版はあるが、OSのドライバをハッキングする必要などがあり現実的でない)Linux&Mac上でしか動作しない。

・カメラの深い所を弄れるため、変な使い方をするとカメラにダメージを与える可能性がなくもない。

・反応が遅い。時々ハングする。

・その他諸々…

このような状況ではありますが、少々本腰を入れてこのライブラリと対峙してみました。
まだ完全に理解できているわけではありませんが、それなりにカメラを制御することができるようになってきたので、個人の備忘録を兼ねてまとめてみます。誤りも多々あるかもしれません。

ちなみに先日紹介したArduino PTPライブラリとこのライブラリはほぼ同じ機能を持っているのですが、EOSのみに関して言えばArduinoライブラリの方がより多くのパラメータを弄ることができるようです。

ただ、Arduinoという非力でOSのないコンピュータをベースにしているのであまり複雑で重い処理はできません。

gphoto2はLinuxベースなのでそこそこ高度な処理もできる(はず)

個人的にはどちらを最終的に採用するのかが悩ましいところ。

下の環境で動作確認しています。

・gphoto2 2.5.6
・libgphoto2 2.5.7
・libgphoto2_port 0.12.0
・5D2 & 5D3

VMWare上のUbuntu+gcc及びBeagleBoneBlack+Debian+gcc(いずれもLinux)にて動作確認しています。
個人的には最終的にBeagleBoneに自作制御システムを載せてアウトドアで使用することが目的です。

以下参考にされる方は自己責任・No Question・No Supportでお願いします。

(1) コンパイル・インストール

本家サイトからgphoto2とlibgphoto2の最新版を落としてきて解凍、INSTALLファイルに書いてある必要ライブラリが入っているかどうかを確認、なければ事前にインストールする。
いずれの必要ライブラリもapt-getで取って来れると思う。

gphoto2そのものもapt-getで取得できるようだが、折角なのでソースからビルドしてみる。

あとはLinuxお決まり通りでlibgphoto2 -> gphoto2の順にそれぞれconfigure -> make -> sudo make installでビルド&インストール終了。

コマンドラインで

gphoto2 --version


など打ってみて正常にインストールされているかをチェック。

一点ハマったのがUbuntuなどはgvfsが勝手にカメラをドライブとして認識しに行ってgphoto2から制御できなくなるので、これをdisableする。

ubuntu gvfs mount disableなどのキーワードでググれば情報が得られる。

とにかく、勝手にマウントする系の動作はすべてOFFにしておいたほうが問題が少ない。
BeagleBoneの方はこのあたりあまり問題がなかった。

ここでlibgphoto2はライブラリでほとんどの仕事をする本体。gphoto2は単なるユーザインターフェースでlibgphoto2を裏で呼び出している。

(2) 使い方

使い方は2通りあって、

1. gphoto2を使ってコマンドラインから制御する。
2. gphoto2は使わず、自分でプログラムを組んでlibgphoto2を直接制御する。

今回はまず簡単な1の方法を紹介します。この範囲で用が済むのであればあえて辛い2に足を突っ込むことはないかと思います。

ただ、gphoto2を介することで実行スピードがやたら遅くなります。(フォーラムでも文句が沢山出ている)

すべては

gphoto2 [オプション]

という形で操作できるので、bashやperlやpythonでスクリプトを組めばカメラ自動操縦が可能になります。

なにはともあれ、まずはUSBでカメラとPCを接続してカメラ電源をON。(時間がかかる場合、カメラのオートパワーオフに注意)
うまく行けば、コマンドプロンプトで

lsusb

と打てば




Bus 001 Device 002: ID 1a40:0101 Terminus Technology Inc. 4-Port HUB
Bus 001 Device 001: ID 1d6b:0002 Linux Foundation 2.0 root hub
.
.
.
Bus 001 Device 004: ID 1a2c:0c21
Bus 001 Device 005: ID 04a9:3199 Canon, Inc.




という感じでどこかの行に接続しているカメラらしいIDが見えるはず。見えない場合、大抵はLinuxがカメラをドライブとしてマウントしてしまっていることが原因だと思われる。(本来はMTP/PTPデバイスでなければならない。)

その状態で

gphoto2 --capture-image

と打てばシャッターが一回切られるはず。

また

gphoto2 --capture-image-and-download

と打てば撮影後にLinux側にUSB経由で画像データ(RAW or JPG)が送られる。

いずれを使うかは用途次第で、Linux側で画像を確認する必要がなければ前者の方法でカメラ側だけに格納した方が転送時間がかからない分早く処理が終わる。

一点注意するのは、EOSはデフォルトで画像の格納先が内部RAMになっているようなので、電源を消したら画像も消去される。
格納先をメモリカードに切り替えてデータを残す場合には

gphoto2 --set-config-index capturetarget=1

と事前に打っておく。

ただシャッターを切るだけであれば、以上で終わりです。

しかしながら、gphoto2を使おうという人ならおそらくそんな場合は少なくて、一歩踏み込んでシャッタースピードやら絞りやらISOなど諸々の設定を弄りたい場合がほとんどかと思います。

その時に知っておかなければならないのがconfig valueというもの。

試しに

gphoto2 --list-config

と打ってみれば以下のような情報がズラズラと出てくる。




/main/actions/syncdatetime
/main/actions/bulb
/main/actions/uilock
/main/actions/autofocusdrive
/main/actions/manualfocusdrive
/main/actions/cancelautofocus
/main/actions/eoszoom
/main/actions/eoszoomposition
/main/actions/viewfinder
/main/actions/eosremoterelease
/main/settings/datetime
/main/settings/reviewtime
/main/settings/output
/main/settings/movierecordtarget
/main/settings/evfmode
/main/settings/ownername
/main/settings/artist
/main/settings/copyright
/main/settings/customfuncex
/main/settings/focusinfo
/main/settings/autopoweroff
/main/settings/depthoffield
/main/settings/capturetarget
/main/settings/capture
/main/status/serialnumber
/main/status/manufacturer
/main/status/cameramodel
/main/status/deviceversion
/main/status/vendorextension
/main/status/model
/main/status/ptpversion
/main/status/batterylevel
/main/status/lensname
/main/status/eosserialnumber
/main/status/shuttercounter
/main/status/availableshots
/main/imgsettings/imageformat
/main/imgsettings/imageformatcf
/main/imgsettings/imageformatexthd
/main/imgsettings/iso
/main/imgsettings/whitebalance
/main/imgsettings/colortemperature
/main/imgsettings/whitebalanceadjusta
/main/imgsettings/whitebalanceadjustb
/main/imgsettings/whitebalancexa
/main/imgsettings/whitebalancexb
/main/imgsettings/colorspace
/main/capturesettings/focusmode
/main/capturesettings/autoexposuremode
/main/capturesettings/drivemode
/main/capturesettings/picturestyle
/main/capturesettings/aperture
/main/capturesettings/shutterspeed
/main/capturesettings/meteringmode
/main/capturesettings/bracketmode
/main/capturesettings/aeb
/main/other/d402
/main/other/d407
/main/other/d406




カメラの種類やそのモードによって内容は異なりますが、例えば先ほど弄ったcapturetargetなども見つかるかと思います。
(名前は階層になっていますが、とりあえずは最後の名前だけで操作できるみたい。)

要はこれら一つ一つがカメラ内部のパラメータになっているわけで、例えばisoやshutterspeedやapertureなどというおなじみの文字も見つかるかと思います。
重要そうなものを以下に列挙してみます。

・iso …そのままISO感度
・aperture …絞り
・shutterspeed …そのまま
・capturetarget …前述。0の場合が内部RAM、1でメモリカードが保存先
・autofocusdrive,manualfocusdrive …フォーカス操作。オートか数値を指定して明示的に操作するかの違い。
・eosremoterelease …シャッターボタンの操作。全押し・半押し・離すなどの操作。
・viewfinder …ライブビューOn/Off。EOSの場合、これをONにしないとマニュアルフォーカス操作ができない。
・autoexposuremode …露出モード Av,Tv,M,Bulbとかおなじみのやつ
・exposurecompensation …露出補正 -2EVとかそういうやつ もちろんMモードの時は出てこない。

もし興味があればその他にもいろいろ弄れますので調べてみてください。

これらのパラメータの値を操作するのが、先ほども使った

gphoto2 --set-config [config名]=[config名]
gphoto2 --set-config_index [config名]=[config index番号]

というもの。またそれらの値を取得するには

gphoto2 --get-config [config名]

setが2種類あるのはconfigの「名前」で操作するか「値」で操作するかの違い。

例えば、Tv以外のモードにして

gphoto2 --get-config aperture

と入れると以下のように出てくる。




Label: Aperture
Type: RADIO
Current: 4
Choice: 0 2.8
Choice: 1 3.2
Choice: 2 3.5
Choice: 3 4
Choice: 4 4.5
Choice: 5 5
Choice: 6 5.6
Choice: 7 6.3
Choice: 8 7.1
Choice: 9 8
Choice: 10 9
Choice: 11 10
Choice: 12 11
Choice: 13 13
Choice: 14 14
Choice: 15 16
Choice: 16 18
Choice: 17 20
Choice: 18 22
Choice: 19 25
Choice: 20 29
Choice: 21 32




ここでCurrentとなっているのが現在値、Choiceと列挙されているのが設定可能な絞り値の一覧となり、2カラム目がconfig index値で、3カラム目がconfig名になるわけです。

ここで絞りを3.2にしたければ

gphoto2 --set-config aperture="3.2"

もしくは
gphoto2 --set-config-index aperture=1


のいずれでもOKです。
個人的な趣向で文字列より値で操作したいので、以降は後者で統一します。

(3) スクリプトでコマンドを組み合わせる。

基本が終わったので、実践に移ります。
ここでは例として、マニュアル露出モードに切り替え後、露出の異なるブラケット3ショット(4,1/4,1/60)を20秒毎に3回実行するスクリプトを作ってみました。
内容が理解できれば、そのままいろいろ応用ができるかと思います。

スクリプト言語はなんでもよかったのですが、最近流行のPythonを使ってみました。bashでもperlでもrubyでもお好みのスクリプトで同様のことが出来ると思います。
実行するにはPythonがインストールされている必要があります。




#!/usr/bin/env python
import subprocess
import time

interval = 20
repeat = 3

# Shutter Speed List
SS_30 = 0
SS_25 = 1
SS_20 = 2
SS_15 = 3
SS_13 = 4
SS_10 = 5
SS_8 = 6
SS_6 = 7
SS_5 = 8
SS_4 = 9
SS_3_2 = 10
SS_2_5 = 11
SS_2 = 12
SS_1_6 = 13
SS_1_3 = 14
SS_1 = 15
SS_0_8 = 16
SS_0_6 = 17
SS_0_5 = 18
SS_0_4 = 19
SS_0_3 = 20
SS_1p4 = 21
SS_1p5 = 22
SS_1p6 = 23
SS_1p8 = 24
SS_1p10 = 25
SS_1p13 = 26
SS_1p15 = 27
SS_1p20 = 28
SS_1p25 = 29
SS_1p30 = 30
SS_1p40 = 31
SS_1p50 = 32
SS_1p60 = 33
SS_1p80 = 34
SS_1p100 = 35
SS_1p125 = 36
SS_1p160 = 37
SS_1p200 = 38
SS_1p250 = 39
SS_1p320 = 40
SS_1p400 = 41
SS_1p500 = 42
SS_1p640 = 43
SS_1p800 = 44
SS_1p1000 = 45
SS_1p1250 = 46
SS_1p1600 = 47
SS_1p2000 = 48
SS_1p2500 = 49
SS_1p3200 = 50
SS_1p4000 = 51
SS_1p5000 = 52
SS_1p6400 = 53
SS_1p8000 = 54

# Mode List
EXP_MODE_TV = 1
EXP_MODE_AV = 2
EXP_MODE_MANUAL = 3
EXP_MODE_BULB = 4

def call_gphoto2(arg):
cmd = "gphoto2 " + arg
subprocess.call(cmd,shell=True)


def do_bracket():
#arg = "--set-config-index shutterspeed=%d" % SS_4
arg = "--set-config shutterspeed=%s" % "4"
call_gphoto2(arg)
#call_gphoto2("--capture-image-and-download")
call_gphoto2("--capture-image")

#arg = "--set-config-index shutterspeed=%d" % SS_1p4
arg = "--set-config shutterspeed=%s" % "1/4"
call_gphoto2(arg)
#call_gphoto2("--capture-image-and-download")
call_gphoto2("--capture-image")

#arg = "--set-config-index shutterspeed=%d" % SS_1p60
arg = "--set-config shutterspeed=%s" % "1/60"
call_gphoto2(arg)
#call_gphoto2("--capture-image-and-download")
call_gphoto2("--capture-image")

if __name__ == "__main__":

# Init
call_gphoto2("--auto-detect")

call_gphoto2("--set-config capture=on")

arg = "--set-config-index autoexposuremode=%d" % (EXP_MODE_MANUAL)
call_gphoto2(arg)

arg = "--set-config-index capturetarget=%d" % (1)
call_gphoto2(arg)

# Show Aperture & ISO
call_gphoto2("--get-config aperture")
call_gphoto2("--get-config iso")

for i in range(repeat):
f1 = time.time()
print "repeat:", i

do_bracket()

f2 = time.time()
while (f2-f1) < interval:
f2 = time.time()

print "Bye"




補足するとmainの頭で設定している--auto-detectと--set-config capture=onはなにやら入れないといけないらしいので入れてますが、なくても動作しています。とりあえずオマジナイ。

実際gphoto2を起動しているのはsubprocess.call(要はPython流の外部コマンド実行)の箇所です。

しかしながら以上を実行してみると、実は大変反応が遅いのです。中でも--set-config処理がなぜか非常に時間がかかるのです。

そこでもっとサクサクと動作させるには、結局自分でプログラムを組んで直接libgphoto2を呼び出すことになってしまうのですが、それについてはGW明けにでも。

補足. 続編は以下をご覧ください。

http://ameblo.jp/delphinus1024/entry-12028456726.html