【劇場鑑賞】『帰ってきた あぶない刑事』 | 後追い80's

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80年代カルチャー発掘備忘録

 

『あぶない刑事』のTVシリーズを全話観終わったので、先週の水曜日から今週の火曜日にかけて劇場版7作品を1作ずつ観ていきました。

 

7日間連続で2時間近く時間をとられる生活が続いて大変ではあったものの、楽しいひと時でした。

 

過去の劇場版作品に関する感想は後日改めて書くとしまして・・・・・・

 

とりあえず、6月20日木曜日に『帰ってきた あぶない刑事』を観に行ってきました。

 

正直、内容自体にはそれほど期待していなかったんですが、ほとんどケチのつけようがないほど楽しめて大満足でした。

 

2時間もあったなんて信じられないぐらい、あっという間でした。

 

今回、BS日テレの再放送であぶ刑事にハマったうちの母を誘って観に行ったのですが、また一つ良い思い出を作る事ができました。

 

うちの母は洋画の師匠なんですが、今や母を誘って観に行けるような洋画は皆無になってしまったので、こうして一緒に観に行ける映画があるだけでありがたく思えるのです。

 

 

冷静に考えると、自分のお金で邦画を観に行ったのはこれが初めてかもしれません。

 

他は記憶にありませんから。

 

そんな自分が何の抵抗もなく観に行って、終わってからその事に気付いたぐらいなので、いかにあぶ刑事が特別なのかを象徴しているように感じます。

 

ネットでユーザーレビューを見ても絶賛している人ばかりで、批判している人がほとんどいないのが不自然に感じるところはありましたが、実際に観てみて納得。

 

あぶ刑事が好きな人なら軒並み満足できると思われる内容でした。

 

満足できた理由は、やはりタカとユージが素敵な歳の重ね方をしている事が大きいのではないかと。

 

御二人とも内面から滲み出る優しさが表情に表れているというか、初期のイケイケだった頃から理想的な成熟を遂げているように見えて、大人の男として惚れ惚れするぐらいカッコいいとしか言いようがないのです。

 

 

 音楽について

 

全般的に演出も良くて、久々に帰ってきた夜の横浜をタカとユージがドライブしながらお馴染みのテーマ曲が流れるオープニングから掴みはバッチリだったし、柴田さんの『Running Shot』も使われていたし、お約束のレパードも登場したし、タカのショータイムも健在で本当に楽しかった。

 

しかも、嬉しいサプライズだったのは、タカのショータイムの際に流れた曲が・・・・・・

 

あぶ刑事の中でも一番好きな曲だと言っても過言ではない『On The Run』だった事!!

これは劇場版2作目の『またまたあぶない刑事』のクライマックスで使用された曲で、歌っているのはタマラ・チャップリンという外国の女性シンガーだという事を今調べて知ったんですが、この方のロックなハスキーボイスがたまらなくカッコ良くて好きなのです。

 

それだけに・・・今回は楽曲がアレンジされていて歌っている人も変わっていたのが残念ではありましたが、まあこの曲自体が使われた事が嬉しかったので気分は盛り上がりました。

 

何と言ってもイントロが猛烈にカッコいいですからねえ。

 

 

音楽の話で言えば、エンディング曲の「翼を拡げて〜open your heart〜」がまた最高でして、本当に素晴らしい余韻に浸れました。

 

曲の途中で退席して帰る人が何人かいましたが、「いやいや何でやねん!ここが最高なのに勿体ない事しよるなぁ」と、最近ファンになったばかりの若輩者が心の中で知ったような事を呟いていたわけですが(笑)

 

この曲も映画『またまたあぶない刑事』のエンディング曲で、劇場から帰った日の夜に『もっとあぶない刑事』を第1話から観始めて、実はもっとあぶない刑事の時点からエンディング曲として使用されていた事を知ったのでした(笑)

 

だから1日の間に劇場と自宅で2回聴いたことになるわけで、その日から翼を拡げてが脳内で頻繁に流れる状態が続いています。

 

ネット上では『冷たい太陽』の方が良かったと言ってる人もいましたが、今回の映画を締めくくる曲としては翼を拡げての方が絶対に合っていたと思います。

 

この曲を劇場で聴けただけでも嬉しかったですね。

 

 

 キャスティングについて

 

キャストに関する話も少しだけ。

 

今回、ユージとタカのどちらかの娘だと思われる女性を土屋太鳳さんが演じていて、観に行く前は正直あぶ刑事に太鳳ちゃんって合わないような気がしていたのですが、そんな先入観を持って本当にすいませんでした!と謝りたくなるほど、これがまた凄く合っていまして。

 

生意気で鼻につくようなキャラでもなく、凄く可愛らしくて、タカとユージが翻弄される姿が微笑ましかった。

 

最初にネットで本作の設定を知った時は、すぐに『ハーフ・ア・チャンス』だと分かりました。

 

『ハーフ・ア・チャンス』はアラン・ドロンとジャン=ポール・ベルモンドというフランスの2大スターが共演したアクション映画で、2人のどちらかの娘かもしれないという若い女性にドロンとベルモンドが翻弄される設定です。

 

結局、父親は誰なのか分からないまま終わるオチまで同じでしたしね。

 

 

他のキャストに関しては・・・岸谷五朗さんが素晴らしい俳優なのは今更言うまでもないので全く心配していませんでしたが、吉瀬美智子さんが思っていたよりも良かったのが印象的でしたね。

 

吉瀬さんをドラマで観た事はなく、CMで目にする程度でしたが、私の中では稀に見るほど欠点が見当たらないパーフェクトな美貌を持った女優さんというイメージでした。

 

それ故に見た目の良さだけなのかと思っていましたが、演技も良かったのですっかり印象が変わりました。

 

自分より年上とは思えないほど本当に綺麗で、大きな画面(スクリーン)で見てもやっぱりどこにも欠点が見当たらないパーフェクト美女でしたね。

 

 

仲村トオルさん演じる町田課長も、今回はカッコいい見せ場があって良かった(『あまちゃん』でゴーストバスターズを熱唱していた駅長さんに腹パン食らわせたシーンw)。

 

「リッチな生活か・・・。アリだな」には笑いましたが。

 

でも、若い頃から四六時中、女の事しか考えていなかった割には、未だに結婚してるような雰囲気がないけど、実際にはどうなってるのか凄く気になります(笑)

 

 

今回の映画にはほとんどケチのつけようがないほど満足していると書きましたが・・・・・・

 

唯一ちょっとだけ残念に感じたのは薫さんの扱いでした。

 

これは今に始まった事ではないんですけどね。

 

劇場版の何作目からか、単なるネタキャラ化してきたというか、それが毎回エスカレートしていって・・・遂に今回それが極まったという感じでした(笑)

 

あれじゃあ、もうただのゲテモノじゃないですか。

 

薫さんってドラマの頃は本当に信じられないぐらいに綺麗で、どんな服でも着こなしてしまうファッションリーダーだったのに、そんなアイドルの晩年があれでは、さすがに哀れ過ぎて笑えないというか…。

 

演じている浅野温子さん自身は「いい女は演じていて飽きる」とおっしゃっていたのでノリノリで演じているんでしょうけど、あの素敵だった薫さんの末路がこれかと思うと、ちょっと悲しくて笑えなくなるんですよね。

 

・・・と言いつつ、実際には何回も笑ってしまいましたが(笑)

 

特にトオルの乗った車に轢かれて、フロントガラスに乗り上げた際、運転席のトオルと目があった瞬間が最高でした(笑)

 

でも、やっぱり場末のオカマみたいなバケモノ扱いはやめてほしいなぁ。

 

もし次回作があるなら、その辺もう少し考え直していただきたいです(笑)

 

 

 まとめ

 

これであぶ刑事の劇場版は全て観たことになるわけですが、80年代の3作品は別格として、それ以外で一番良かったのは本作か、前作『さらば あぶない刑事』でしたね。

 

あぶ刑事と出会うのが遅すぎた事は悔やまれますが、劇場で観るチャンスにギリギリ間に合っただけでもラッキーだったと思います。

 

しかし、近所のシネコンは2軒とも公開から1ヶ月で1日2本の上映しかなくなっていて、しかも昼のみという扱いの小ささには不満を感じています。

 

私が観に行った劇場は平日の昼間だというのに割とお客さんが入っている方で、見た感じでは私が最年少だったぐらい、思っていた以上に年齢層高めでした。

 

今の時代、あぶ刑事に上手く出会えていない人が多いんだろうなと。

 

観れば絶対にハマる人が続出するのは間違いないんですが。

 

2010年代から80年代のドラマや映画を少しずつ観るようになりましたが、それもあぶ刑事との出会いによってピークを迎えたという感じがしています。

 

今後これを超えるような作品にはそうそう出会えないでしょうから。