BSの吹き替え版で鑑賞。
女の子を人質に取られた父親が知事の暗殺を命じられ、何とか知事殺しを回避しつつ、娘の命も助けようと奮闘するサスペンス映画。
この父親を演じるのがジョニー・デップで、彼に暗殺を命じるタチの悪い男をクリストファー・ウォーケンが演じている。
観る前から何となく面白そうな予感はしていたけど、実際に面白い映画だった。
ジョニー・デップが主役だという事以外は何も知らない状態で観たので、クリストファー・ウォーケンが出てきた時点でもう80%以上は満足してしまった(笑)
あと、私が録画した吹き替え版は本編時間が74分程度と、稀に見る短さだったのもポイントが高かった。
それでいて何の不足感もなかったし、終始テンポよく話が進んでいくので、そういった意味では映画の形式として理想的にも思える。
映画って2時間もやらずにこれぐらいの尺で十分なんじゃないかなと度々思ってしまう。
これだけ娯楽が多くなった時代に2時間を犠牲にするのはなかなかに骨が折れるというか。
全ての映画に短くなって欲しいというより、これぐらいの尺の映画をもっと増やして欲しいと言うべきかな。
内容的にはご都合主義が多く、現実にはあり得ないような展開や描写が目立つものの、それらはあくまでも観客を楽しませる為の映画的な演出だと分かるし、面白さにも繋がっていると感じられたので問題なし。
私の場合、こうした映画的演出は面白さに繋がっていると感じられたら割り切れるが、退屈な内容だったらシラケてしまう傾向がある。
要は面白ければ何でも良いのかもしれない(笑)
それにしても、ジョニー・デップに表情やジェスチャーで指示を出したりプレッシャーをかけてくるクリストファー・ウォーケンのイヤラしさが実に良かったなぁ(笑)
あれこそまさにクリストファー・ウォーケンの持ち味と言えるだろう。
暗殺のターゲットにされた女性の知事さんの名前がエレノアというのも良かった(笑)
途中から娘の救出に協力してくれる靴磨きのおっちゃんが良いキャラしてたなぁ。
「俺のキックは効くだろうが」は爽快だった。
ジョニー・デップもテンパった良い演技を見せていたけど、この映画で光っていたのはクリストファー・ウォーケンとあの靴磨きのおっちゃんだと思う。
ジョニー・デップの娘を演じた女の子が子猫みたいで可愛かったのも素晴らしいキャスティング。
ユーザーレビューでは意外に評価が低めの本作だけど、個人的にはこういう映画にハリウッドらしさを感じるし、むしろこういう映画が姿を消したからハリウッドはつまらなくなってしまったのではないかという気もする。
確かに色々と現実離れはしているけど、物語設定の面白さで勝負しようとしているだけ今のハリウッドよりもマシなんじゃないかと思えてしまうので。
90年代洋画にしては珍しく良作だった。
こういう単純明快な娯楽映画がやっぱり好きだな。