【映画感想】キャッシュトラック(2021) | 後追い80's

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80年代カルチャー発掘備忘録

 

 

 

スターチャンネルの吹き替え版で鑑賞。

 

現金輸送専門の警備会社に謎の新人が入ってくる。

 

この謎の新人を演じるのがジェイソン・ステイサム。

 

ステイサム演じる謎の新人は、入社テストにギリギリで合格する程度のスキルしか持っていないはずなのに、いざ現金輸送車が襲われると全くビビる様子も見せずに正確な射撃と冷静沈着な判断力で強盗犯たちを返り討ちにして、一躍英雄扱いされるようになる。

 

しかし、謎の新人がこの会社に入社したのにはある目的があっての事で、そこから過去に遡って彼の素性や目的が明らかになっていき、再び現在に戻る…といった時系列で展開していくクライムサスペンス。

 

予告編ではアクション映画のような印象を受けたけど、実際にはクライムサスペンスとするのが妥当な感じの内容だった。

 

というのも、終盤の激しい銃撃戦以外はこれといってアクションシーンが無いから。

 

とはいえ、銃撃戦は十分に見応えあるものだった。

 

ステイサムはグロックやベレッタなどを使用していたけど、個人的にステイサムはグロックが似合うイメージがある。

 

本作に登場する銃器としては、H&KのG36Kが印象的だった。

 

 

ステイサムの同僚の警備員としてジョシュ・ハートネットが出ていた。

 

『ブラックホーク・ダウン』のイメージが強いこの人、久々に見た気がする。

 

あと、スコット・イーストウッドが本作では悪役として光っていた。

 

彼が悪役を演じているのは初めて見た気がするけど、むしろ悪役の方が合ってるんじゃないかと思うぐらい、何とも薄気味悪い不気味さを漂わせていて印象的だった。

 

毎度の事ながら、本当にお父さん(クリント・イーストウッド)によく似ている。

 

FBI捜査官の役でアンディ・ガルシアも出ていた。

 

 

内容的にはなかなかに面白い映画で、個人的には好きな作品となった。

 

監督は今年観に行った『コヴェナント/約束の救出』のガイ・リッチー。

 

やっぱりこの監督の作風は好みだな。

 

とはいえ、数多くの指摘があるように、どうすればそうなる?と疑問を持ってしまうような荒唐無稽なご都合主義も多く見られるのだが、この手の映画は雰囲気で観るものだと思っているので、そんな些細な事にはいちいち拘ることなく楽しむことが出来た。

 

20代の頃はこういった雰囲気のクライムサスペンスやアクション映画が大好きでワクワクしていたが、今となってはこういった映画がシネコンで上映されることも極々稀になってしまった。

 

スーパーヒーローやモンスターが出てくるようなスケールの大きいド派手な映画しかウケなくなってしまい、今やこの手の映画は配信等でしか観れなくなりつつある。

 

たまにこういった映画が上映されても、内容的にもそこそこ止まりの出来が多いせいで、余計に見向きもされなくなるという悪循環に陥っているようにも見受けられる。

 

こういった渋い大人向け映画は滅びてしまうのだろうか。

 

 

この手の映画が劇場公開されたら、支持する為にもなるべく観に行くようにはしているのだが、本作は評判も今ひとつでアクションシーンも少なめだと知って観に行くのをやめたけど、この内容なら観に行っても良かったかもしれない。

 

今度からこういったジャンルの映画が上映されたら極力観に行くようにしなければと少し反省した。

 

そうしないと本当にこのジャンルの映画が絶滅してしまいかねないから。

 

 

それにしても、本作が公開されたのが2021年だった事を知り、驚愕を通り越して固まってしまった。

 

つい昨年の事ぐらいに思っていたのに、もう3年も前の話だったなんて…。

 

海外でヒットしているジェイソン・ステイサム主演の『ザ・ビーキーパー』の日本公開日はいつになったら決まるのだろうか。

 

凄く楽しみにしているんだけど。

 

この手のジャンルはもうジェイソン・ステイサムが最後の希望だな。

 

ステイサムに続くようなアクションスターが出てくる気配もないから。

 

 

 

 

最後にネタバレありの感想も少しだけ。

 

ジェイソン・ステイサムは殺された息子の復讐を果たしたわけだが、結局は自分自身も殺した連中と同じ強盗犯なわけだから、同じ穴のムジナだとしか思えなかった。

 

犯人を探す過程で関係ない連中をたくさん殺していたし。

 

メインキャラが全員悪党だから、胸糞悪くてこの映画を嫌う人もいるだろうな。