【80年代洋画】ドラゴンスレイヤー(1981) | 後追い80's

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80年代カルチャー発掘備忘録

 

 

 

スターチャンネルの字幕版で鑑賞。

 

以前から気になっていた作品だけど、日本ではDVD化されていないので観る機会に恵まれず、今回こうして観る事が叶って本当にありがたい。

 

ちなみにアメリカでは81年に劇場公開され、日本では86年にビデオスルーとして発売されたとの事。

 

 

物語は、未熟な見習い魔法使いのドラゴン討伐を描いた冒険ファンタジー。

 

冒頭、魔法使いの爺さんのもとに旅の一行が訪ねてくる。

 

話を聞いてみると、ドラゴンを退治できそうなのはもうこの爺さんぐらいしか残っていないらしく、何とか退治してほしいと依頼を受けた爺さんとその弟子が旅の一行と共にドラゴン討伐に向かう。

 

しかし、その動きを嗅ぎつけていた王様の家来たちが行く手に立ち塞がる。

 

王様は処女の生贄をドラゴンに捧げることによって、何とかドラゴンの怒りを鎮めて平和を維持しているので、下手にドラゴンを怒らせてしまったら全てが水の泡となってしまう事を恐れ、旅の一行を妨害しようとしているのだ。

 

この厄介な事態を解決しようとした魔法使いの爺さんは、王様の家来にナイフを持たせて私を刺してみろと言い出す。

 

その言葉に応えて遠慮なくぶっ刺す王様の家来。

 

魔法使いなのでナイフが体を透過するとか、皮膚がゴムみたいになって弾き返したりするのかと思いきや、普通に刺さって呆気なく死亡(笑)

 

この魔法使いの爺さんの死に方は、全てを悟ったかのように自らダースベイダーに斬られてフォースと一体になったオビ=ワンの死に似ているような印象を受けた。

 

爺さんは死んで灰になってしまったが、代わりに残されたアミュレット(護符)が魔法の効力を持つようになり、ろくに魔法も使えなかった弟子が急に魔法を使い始める。

 

調子に乗った弟子はドラゴンの巣窟の岩を魔法で壊し、遂にドラゴンを倒したぞー!と村はお祭り騒ぎとなる。

 

そして、ドラゴンの死によってもう処女が生贄にされる事もないと安心したのか、旅の一行のリーダー的存在だったヴァレリアンという美少年が……

 

本当は女性であることを表明したのだった。

 

しかし、そこに再び王様の家来が現れ、弟子は囚われの身となってしまう。

 

牢屋にぶち込まれた弟子の元に姫様(王様の娘)が現れる。

 

そして、王の娘である事を理由に、処女の生贄を決めるくじ引きから免除されてきたという事実を弟子から知らされた姫は激しく動揺する。

 

その後、激しい地響きが起きてドラゴンが生きていたことが判明。

 

大混乱のどさくさに紛れて、牢屋から弟子を逃がしてやる姫様。

 

ドラゴンの怒りを鎮めるために、急遽くじ引きが行われるが、姫が自らくじに細工したことによって、くじに書かれている名前は全て姫の名前となっていた。

 

高潔な精神を持つ姫様は、自分だけがくじ引きから免除されていた事実が許せず、これまでの罪を埋め合わせるかのように自ら生贄の役を買って出たのだ。

 

収拾がつかない事態に王様はテンパってしまい、弟子から奪い取っていたアミュレットを返還して娘を助けてくれと懇願する。

 

弟子はドラゴンを倒す為に、ヴァレリアンの父ちゃんが密かに持っていた槍に魔法を込めてドラゴンスレイヤーという武器に仕立て上げる。

 

いざドラゴン討伐に向かうと、生贄となった姫がドラゴンの子供たちから食い殺されていた。

 

子ドラゴンたちを殺して洞窟の奥に進み、遂にドラゴンとの決戦。

 

しかしドラゴンはあまりにも強すぎて、頼みのドラゴンスレイヤーも折れてしまう。

 

もはや為す術なしかと思われたが、弟子は師匠の遺言を思い出し、師匠の遺灰を湖にまいた。

 

すると師匠が蘇ってドラゴン相手に戦い始める。

 

 

師匠の魔法でドラゴンに雷を食らわせるも致命傷にはいたらず・・・

 

 

最終手段として、師匠が捨て身の戦法を使う。

 

師匠から言われていた通りに、ベストなタイミングを見計らってアミュレットを破壊する弟子。

 

するとドラゴンに掴まれた師匠の体がメガンテ状態となり、ドラゴンもろとも大爆発。

 

こうして遂にドラゴン打倒を果たしたのだが、手柄はちゃっかり王様が横取りしてごっつぁんゴール(笑)

 

王様の名がドラゴンを倒した英雄として語り継がれるのだった。

 

そして、弟子とヴァレリアンは新たな旅へ・・・THE END(笑)

 

 

 

本作のドラゴンはストップモーションから更に進化したゴーモーションという技術によって描かれているらしく、ほとんどこのドラゴンを見る為だけの映画と言っても過言ではない。

 

現代のCGで作られたドラゴンにはない独特の不気味さ、おぞましさ、生物感にはなかなかの味わいがあった。

 

こういった映画はいざ観てみると本命の出番はちょこっとしかなくてガッカリというパターンが多い気がするのだが、本作では意外にもドラゴンの登場シーンが多く、期待外れでモヤモヤさせられる事もなかった。

 

ただ、1本の映画として見ると極めて凡作。

 

というかインパクトが弱い。

 

本作のユーザーレビューを見ると「ファンタジー映画の最高傑作」と絶賛している人が結構いて意外にも評価高めだったが、それは恐らくリアルタイムで観た人達なのだろう。

 

これを80年代当時に観ていたら、確かに物凄いインパクトがあったのではないかと想像できるし、ファンタジー映画の金字塔という印象にもなったかもしれない。

 

しかし、2024年に初見の私の目には残念ながらそのようには映らなかった。

 

それでも期待していたドラゴンをたっぷり拝む事ができたので、その点においては満足。

 

 

その他、細かい感想としては、当初は美男子を装っていたヴァレリアンが結構な美少女だった件。

 

逞しくも可愛いヒロインでした。

 

そして、主人公ポジションだった魔法使いの弟子に関しても、この見るからにマヌケな表情からヘタレっぷりが溢れ出ており、役に合った絶妙なキャスティングだと思えた(笑)

 

『ダイの大冒険』のポップ的なキャラと言えばイメージしやすいだろうか。

 

当初は本当にマヌケだけど、師匠が死んで魔法の力を得てからはだんだん精神面も逞しく成長していきます。

 

キャスティングの話で言えば、スターウォーズファンには嬉しいパワー!なあの御方が出ていた。

 

そう・・・銀河皇帝パルパティーン様です(笑)

 

正確に言えばパルパティーンを演じたイアン・マクダーミドなのだが、ご覧の通り若い!

 

出番はほんの少しだったものの、顔芸が拝めたりと見せ場はあります(笑)

 

 

なんせ銀河皇帝様なので、ドラゴン相手だろうと怖いものなしでこの罵倒っぷり(笑)

 

 

しかし、怒ったドラゴンが・・・・・・

 

 

お口の中からボワっと~♪ボワっと~~♪(←おどるポンポコリンの替え歌でw)

 

 

一瞬にしてハゲ散らかしてしまう銀河皇帝様(笑)

 

この一連の小芝居には笑ってしまった(パルさんの醜い顔はメイス・ウィンドゥにやられたのではなく実はドラゴンに焼かれた説w)。

 

ドラゴンと言えば、子ドラゴンが姫様を食い散らかしているシーンが意外にグロかったのがちょっとした驚きだったなぁ。

 

何と言うか作品全体のトーンと合っていなくて、そこだけ浮いてしまっているというか。

 

最後のドラゴンの死体も内部の状態が見えるようになっていて無駄にグロかったし。

 

割と綺麗めな作風なだけに、何が狙いで死体の描写だけリアルにしようと思ったのかが謎だった。

 

 

というわけで、ここまで感想を書いてきて思った事。

 

長いな!

 

あまりにも長過ぎる。

 

こんなにも長いと読む方も書く方もしんどいばかりで、まさに誰得にしかならない。

 

今後はよほど好きな作品でない限り、映画の感想は短くまとめるよう心がけなければ。