90年代中期から後期は不毛の時代 | 後追い80's

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80年代カルチャー発掘備忘録

 

 

 

障害者に対して鬼畜の所業を繰り返してきた人間が、よりにもよってパラリンピックの音楽を担当するという、まさに今の時代を象徴するかのような悪趣味極まりない皮肉に、呆れ果てて言葉も出なかった。

 

あれだけの事態に発展しても尚、「自分の音楽が少しでも力になれば」などとホザける神経はとても普通ではない。もはやサイコだ。

 

なるほど・・・あれだけ卑劣な事ができるわけだと深く納得した。

 

そんな騒動も、何とも中途半端な「遅すぎる辞任」という煮え切らない形で一応は落ち着こうとしている。

 

本当に昨今は何にしても往生際の悪い大人ばかりになった。

 

素直に「ごめんなさい」が言える大人もほとんどいない。

 

 

コーネリアスの小山田という名前だけは知っていた。

 

でも、私は90年代のサブカルやいわゆる「渋谷系」などと称されていたカルチャーに関しては、人と違うものを好む自分に酔いしれるようなカッコつけが聴くものだと思って興味を持つ事も無かったので、未だに彼の音楽を聴いた事すら無い。

 

いくつかの渋谷系と称される音楽を耳にした事はあるが、イメージ通りのいけ好かない感じで、やはり嫌悪感しか抱かなかった。

 

だからこそ、今回の騒動にも、驚きより「やっぱりね」というリアクションしかなかったというのが正直なところ。

 

 

90年代は小室ファミリー全盛期だったが、私は心底嫌いだった。

 

当時はまだ街で音楽が流れていたので、流行の音楽を半ば強引に聴かされる形となっており、キンキン声で無理して高いキーで歌う小室ファミリーのヒットソングは本当に耳障りでしょうがなかった(それでもまだ今よりはマシだったと思えてしまうのが悲しいところだが)。

 

だから、のちに小室氏が詐欺罪で捕まった時も、驚きよりも納得の方が大きかった。

 

あの時代のカルチャーなんてロクなもんじゃなかった。

 

それが90年代中期以降のカルチャーに抱く総体的な印象だ。

 

 

以前ブログに書いた事もあるけど、最後の良い時代が94年辺りまでだと思っていて、ターニングポイントとなる95年から嫌な時代に突入して、その流れが現在まで続いているというのが私の見解。

 

特に90年代後期は酷く、本当に不快な時代だった。

 

異常なほどみんなが茶髪化してきて、国民総チャラ化時代に突入。

 

言葉が大きく乱れ始めたのもこの頃で、今の意味不明な若者言葉や極端な略語文化も、元を辿ればこの辺の時代から始まったものだと思われる。

 

 

アムラー、ヤマンバ、コギャルなど、目にするだけで不快になる物があちこちに溢れていた。

 

今で言うパパ活に繋がるエンコー(援助交際)が社会問題となったのもこの時代からだった。

 

流行を見ても、たまごっち、エアマックス、Gショックなどロクな物が無く、流行歌もアホみたいな歌ばかりになって、私がヒットチャートを追いかけるのをやめたのもちょうどこの時代だった。

 

全般的にかなりショボい時代になってきたなと、呆れて見ていた事を今でも鮮明に覚えている。

 

 

女性の釣り上がった細眉ブームも大嫌いだったし、ここから2000年代にかけてヤンキー文化が主流になっていった時は本当に終わってるなと呆れを通り越していた。

 

ダウンタウンに影響されて、平気で人の頭を叩くようなバカが増えてきたのもこの時代から。

 

ジャニタレがテレビのメインストリームに台頭してきたのもこの時代で、テレビがつまらないと文句を言い始めたのもこの時代からだった。

 

そして、99年からネットを始めてテレビを観る事も少なくなっていった。

 

今振り返っても、あの時代に対する内面で煮えたぎる不愉快な怒りの火種が未だにくすぶっているところはある。

 

 

本当に思い返したくもないクソみたいな時代だった。

 

ここから2000年代を含めた10数年間は、本当に何だったんだろうと思うほど劣悪な時代だった。

 

2010年代に入り、様々な事が正しい方向に変わってきて、クリーンな事を良しとする風潮になってきた。

 

そこだけ切り取ると良い時代になってきたと思いがちだけど、別の面における劣化があまりにも激しく、自分が生きてきた中では最も危険な時代に入ってきたので、改善されてきた問題さえも素直に喜ぶ心境になれないところがある。

 

とはいえ、90年代中期~2000年代は何も改善するどころか、多くにおいてどんどん悪くなっていく一方で、ドス黒い空気が覆っていた時代だったから、そう考えると相対的に今の方がまだマシなのだろう。

 

 

しかし、やっぱり改めて90年代中期から後期にかけてのカルチャーや空気感は本当に嫌いだ。

 

記憶を呼び覚まそうとするだけで吐き気すら催してくる。

 

あの時代が破壊してきた物はとても大きい。

 

あの時代のメインストリームの中心にいた人間やそれを持ち上げてきた人達によって、古き良き慣習や文化をたくさんぶち壊されてしまったように思えてならない。

 

80年代の文化に触れるようになって、その事実をより強く実感するようになった。

 

90年代当時はそこまで考えていたわけではなかったけど、あの時代に肌で感じていた不愉快さの正体はそれだったんじゃないかという気がする。

 

 

映画の感想記事にも度々書いているが、90年代の洋画は今観返すと本当に大した事がなくてビックリしてしまう事が多い。

 

凄く中途半端で、かったるい作品が大半を占める印象。

 

80年代の洋画は今観ると凄く新鮮で、夢やアイデアに溢れていて、純粋な気持ちになれる作品が多いものだけど。

 

だから、2010年代に始まった80年代リバイバルブームは結構長く続いているけど、90年代リバイバルブームが来る事は無いだろうし、来たとしても長くは続かないだろう。

 

だって、つまらない時代だったんだから。

 

 

90年代を振り返ると、今でも輝いて見えるのはNBA、マイケル・ジョーダン、スラムダンク、格ゲーブーム、Xファイル、ID4、アメトイブームぐらいしか思い浮かばない。

 

テレビドラマは今よりずっと面白かったな。

 

不快に感じるような問題作も多かったものの。

 

あとは、自分が好きだった何人かの歌手ぐらいか(永井真理子さん、米米CLUB、ミスチルなど)。

 

それも、97年に米米は解散、ミスチルは活動休止、永井真理子さんは表舞台であまり見なくなるなど、個人的には終焉ムードを感じるばかりの生き辛い時代だった。

 

ヴィンテージデニムブームや古着ブームなんかも、今振り返るとあんな価値観に振り回されていたのがアホみたいだし。

 

本当に不毛な時代としか思えない。

 

ゲームも中途半端でつまらない時期だったしなぁ。

 

プレステ1なんて今更やりたいとも思わないし、スーファミも楽しかったのは最初の頃だけだった。

 

 

芸能人にしても、90年代の初め辺りまでは嫌いな人なんてほとんどいた記憶がなく、誰々が嫌いだとか思った事も無いんだけど、不快に感じる芸能人が出てきたのも90年代の中頃辺りからだったと思う。

 

そして、その人達の多くは消えていった(私が普段テレビを観ないからそう思い込んでるだけかもしれないけど)。

 

本当に黒歴史だな、あの時代は。

 

 

それでも、80年代から続く大らかな空気感、楽観的なムード、人間らしさ(ユーモア精神など)などが辛うじてまだ仄かに残っていた時代でもあった。

 

だから、決して悪い思い出ばかりというわけでもない。

 

むしろ、個人的には結構楽しい思い出もある。

 

そこを踏まえても、やはり劣悪な時代だったとしか思えないわけだけど。

 

我々ロスジェネ世代にとっては、特にそうなんじゃないかな。

 

 

まあ、時代というのは、その人の価値観やどこを切り取るかによって印象が大きく変わるものだから、ここに書いた事はあくまでも私の主観でしかない。

 

例えば、小室ファミリーに熱狂していた人達からしたら最高の時代だっただろうし。

 

でも、今回の小山田騒動を見ても、やっぱり90年代カルチャーってロクなもんじゃなかったよなぁと改めて強く感じる。

 

やはり私はあの時代以前の空気感や人間が好きだった。

 

 

あと、ヤフコメから少し抜粋させてもらうと・・・・・

 

>90年代バラエティではテレビみたいなマスな媒体、しかもHEYHEYHEYやダウンタウンDXみたいな深夜帯でもない番組でも未成年喫煙・飲酒、万引き、暴行、接客業への度を越えたクレーム等が笑い話として語られ、横山弁護士イジりみたいに容姿の劣った人や変わった言動をする人間への蔑みも当たり前だったし。

 

本当にこれだよなぁと思う。

 

ダウンタウンやテレビが与えた悪影響は凄く大きいと当時から強く思っていた。

 

まあ、『ごっつええ感じ』とか割と好きだったんだけど(笑)

 

でも、コント以外のトーク番組は酷かった。

 

あれによってモラルがかなり崩れた部分はあると断言できる。

 

まあ、そもそもああいった番組から悪影響を受ける方が馬鹿で問題なんだけど、やっぱり当時のテレビが持っていた強い影響力を考慮すると、ボーダーラインは必要だったと思うし、悪い意味であまりにも緩くなり過ぎた事は間違いない。

 

そういった理由から、私はバラエティ番組が嫌いになって観なくなった。

 

当時流行っていた『電波少年』なんかも、テレビで流れていてもまともに観た事は無いし、それはお笑い系の番組も然り。

 

だから、当時主流だった芸能人の話になっても、顔や名前は知っていても、その人がやってきた仕事の内容までは知らなかったりする事が多い。

 

と言っても、観てこなかった事に対する後悔はまるで無いんだけど。

 

 

『恋のから騒ぎ』とかも大嫌いだったなぁ。

 

勘違いしたバカ女ばかり出てきて、こんなもんの何が面白いんだろうと白い目で見てたし。

 

『THE夜もヒッパレ』のチャラいノリも好きになれなかった。

 

今思うと、あの番組に出てるタレントたちが好きじゃなかった気がする。

 

多分、自分と同じぐらいの世代なんだろうけど。

 

ほんと、同世代の芸能人って特別好きな人がいないなぁ。

 

誇りに思える人とか。

 

誰も思い浮かばないや。

 

少し上の世代になればいるんだけど。

 

 

本当にあの時代のカルチャーに対する不快感は話し始めたらキリがない。

 

記憶が蘇ってきたら、もっと色々と出てくるだろう。

 

おすぎの映画評論とか、ピーコのファッションチェックとか・・・お前ら何様やねん!ていうか誰やねん!といつも不愉快に思いながら見てた記憶も久々に蘇った(笑)

 

自分が若者だった頃のカルチャーを素直に誇れないっていうのは、ちょっと悲しいものがあるなぁ。

 

90年代中期以前のカルチャーなら、誇れるものがたくさんあるんだけど...。