3月2日14時 芸劇
指揮:ステファン・アズベリ―
チェロ:宮田大
ヘレン・グライム:ニア・ミッドナイト(日本初演)
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲 イ長調 作品33
アンコール
マーク・サマー:ジュリー・オー
ウォルトン:交響曲第1番
1月に久々に聴いたら結構よかったので、また来た
会場は各階とも後方は空席が目立ったが、プログラムが良いのでそこそこ入っていた印象
アズベリ―は初めて聴くが、PPTでは去年も振っているようだ
最初のヘレン・グライムは初めて聴く、詩をイメージして作曲された10分程度の作品
解説にあるように不安気で陰鬱だが、時折スリリングで緊張感のある時間帯もあるという夜の音楽のイメージ、映像作品の音楽としてそのまま使えそうだ
次が今日の目玉のロココ風、宮田大を聴くのは結構久しぶりだ、
ロココ風は曲が詰まらないと言われることもあるが、極上のレガートで何とも風雅な雰囲気を醸し出す、宮田大、流石の演奏だった
そしてアンコールは、ロココ風では披露できなかったテクニック満開の作品で多いの楽しませてくれた
休憩後はメインのウォルトン、金管が安定しているPPTの強みが生きる選曲だ、弦は12型相当で、トランペット、トロンボーンを4管に増強、
期待通り、トランペットのソロが上手い、アズベリ―も英国出身ということもあって堂に入った指揮ぶりだった
PPTは今日のコンサートが2023年度シーズンの最終公演だそう、
今回も期待通りのスカッとする演奏だった、来シーズンのラインナップにも魅力的な曲目が並んでいるので、また折をみて聴きたいと思う

2月23日14時 サントリーホール
指揮/エリアフ・インバル
マーラー:交響曲第10番 嬰へ長調(デリック・クック補筆版)
88歳のインバル、都響で3度目のマーラー交響曲全曲演奏に取り組むという、
マジかと言いたくなるが、ステージに上るインバルの堂々たる歩みを見ると、増税メガネの虚言より、余程実現性があると感じられる
10番の全曲の実演は聴いたことが無かったので、今日の予習を兼ねて年頭に新響で聴いた、
アダージョはいい曲だが、それ以外はどうもしっくり来ないという感想だったが、それは私にも責任がある
私がマーラーを聴き始めたのはDGのクーベリックで、この組み合わせで全集を揃えたが10番はアダージョしか収められていない
その後DGのバーンスタインもほぼ全集を集めたが、やはり10番はアダージョだけだ、
そんなわけで10番のクック版はあくまで参考資料という認識だった
しかし、その後真面目に調べてみると、クック版が10番の完成形にかなり迫った作品であることが分かった
そして、今日の演奏はマーラー自身は破棄を望んだ10番を遺言として再現したものだった
オケは16型でコンマスは矢部さん、インバルの気迫と、それを受け止める団員たち、特に4,5楽章は会場を張りつめた緊張感が覆った
演奏後の反響は凄まじく、会場はインバル教の信者たちの集会と化した
2月22日19時 サントリーホール
指揮:チョン・ミョンフン(名誉音楽監督)
ベートーヴェン/交響曲第6番『田園』
ストラヴィンスキー/バレエ音楽『春の祭典』
アンコール
『春の祭典』より大地の踊り
何とも不思議な組み合わせ、東フィルHPの聴きどころによると、団員は『自然』というテーマの共通点があることを指摘しているが、ミョンフンの真意は不明だという
チケットは完売だそうだが、結構空席もあり、定期の席はない筈のP席にも空席があったのは何故だろう
田園は14型で、ミョンフンは肩の力が抜け、ほぼ正面の自席からは指揮の動きが分からないほどであった
しかし、何と洗練された演奏なのだろう、解説文を少し引用すると
「(東フィルとの)このような関係の変化に沿って、演奏自体も就任当初の“熱演”から「“良い”プロフェッショナルなレベル」すなわち“快演”へと移り、
そして今や「信頼とパーソナルな関係」を反映した“熟演”と呼ぶべき領域に達しているように思われる。」とあるが、私には現在の「“熟演”と呼ぶべき領域」の熱は感じられなかった
派手な動作の指揮が必ずしも熱演とは思わないが、正直心が動かない、東フィルの演奏は正にプロなのだが、上手すぎるのも考え物と思った
東フィルの休憩時間は15分、現在主流の20分休憩に慣れてしまったせいか少々短く感じる
というのも、ラウンジで外れの列に並んだ場合に飲み物にありつけるまでにすごく時間がかかってしまうことがあるからだ、先日も電子マネーで会計しようとしている客の対応にものすごく手間取っていた、列をくし型にすべきだと思うのだが、
後半は16型でホルンも9本とステージの人口密度が一挙に跳ね上がる
そういえば、春祭を聴くのは久しぶりだ、コロナ前にサロネン、フィルハーモニア以来かもしれない
昔は春祭と言えば、指揮者やオケの力量を測る課題曲として、こぞってレコードが作成され、やれマゼールだ、ブーレーズだ、とレコード芸術や音楽芸術で論じられたものだった
ミョンフンは田園に続いて暗譜で、東フィルは何と20年ぶりの春祭だという、
ホルンをはじめ管楽器がいい仕事をしているが、整然としすぎる感が強くしっくり来ない、そもそも3部作の中でメロディが少ない春祭を自分は苦手としていた
ようやく気分が乗ってきたのは、第2部も半ばを過ぎた辺りか、わたしももう少し耳を作って来れば良かった
演奏後、聴衆からはブラヴォが飛び交い、ミョンフンとしても満足の出来だったようで、珍しくアンコールがあった

