2月23日14時 サントリーホール

指揮/エリアフ・インバル

マーラー:交響曲第10番 嬰へ長調(デリック・クック補筆版)

88歳のインバル、都響で3度目のマーラー交響曲全曲演奏に取り組むという、
マジかと言いたくなるが、ステージに上るインバルの堂々たる歩みを見ると、増税メガネの虚言より、余程実現性があると感じられる

10番の全曲の実演は聴いたことが無かったので、今日の予習を兼ねて年頭に新響で聴いた、
アダージョはいい曲だが、それ以外はどうもしっくり来ないという感想だったが、それは私にも責任がある

私がマーラーを聴き始めたのはDGのクーベリックで、この組み合わせで全集を揃えたが10番はアダージョしか収められていない
その後DGのバーンスタインもほぼ全集を集めたが、やはり10番はアダージョだけだ、
そんなわけで10番のクック版はあくまで参考資料という認識だった

しかし、その後真面目に調べてみると、クック版が10番の完成形にかなり迫った作品であることが分かった
そして、今日の演奏はマーラー自身は破棄を望んだ10番を遺言として再現したものだった
オケは16型でコンマスは矢部さん、インバルの気迫と、それを受け止める団員たち、特に4,5楽章は会場を張りつめた緊張感が覆った

演奏後の反響は凄まじく、会場はインバル教の信者たちの集会と化した