2月22日19時 サントリーホール

指揮:チョン・ミョンフン(名誉音楽監督)

ベートーヴェン/交響曲第6番『田園』
ストラヴィンスキー/バレエ音楽『春の祭典』
アンコール
『春の祭典』より大地の踊り

何とも不思議な組み合わせ、東フィルHPの聴きどころによると、団員は『自然』というテーマの共通点があることを指摘しているが、ミョンフンの真意は不明だという
チケットは完売だそうだが、結構空席もあり、定期の席はない筈のP席にも空席があったのは何故だろう
田園は14型で、ミョンフンは肩の力が抜け、ほぼ正面の自席からは指揮の動きが分からないほどであった
しかし、何と洗練された演奏なのだろう、解説文を少し引用すると
「(東フィルとの)このような関係の変化に沿って、演奏自体も就任当初の“熱演”から「“良い”プロフェッショナルなレベル」すなわち“快演”へと移り、
そして今や「信頼とパーソナルな関係」を反映した“熟演”と呼ぶべき領域に達しているように思われる。」とあるが、私には現在の「“熟演”と呼ぶべき領域」の熱は感じられなかった
派手な動作の指揮が必ずしも熱演とは思わないが、正直心が動かない、東フィルの演奏は正にプロなのだが、上手すぎるのも考え物と思った

東フィルの休憩時間は15分、現在主流の20分休憩に慣れてしまったせいか少々短く感じる
というのも、ラウンジで外れの列に並んだ場合に飲み物にありつけるまでにすごく時間がかかってしまうことがあるからだ、先日も電子マネーで会計しようとしている客の対応にものすごく手間取っていた、列をくし型にすべきだと思うのだが、

後半は16型でホルンも9本とステージの人口密度が一挙に跳ね上がる
そういえば、春祭を聴くのは久しぶりだ、コロナ前にサロネン、フィルハーモニア以来かもしれない
昔は春祭と言えば、指揮者やオケの力量を測る課題曲として、こぞってレコードが作成され、やれマゼールだ、ブーレーズだ、とレコード芸術や音楽芸術で論じられたものだった

ミョンフンは田園に続いて暗譜で、東フィルは何と20年ぶりの春祭だという、
ホルンをはじめ管楽器がいい仕事をしているが、整然としすぎる感が強くしっくり来ない、そもそも3部作の中でメロディが少ない春祭を自分は苦手としていた
ようやく気分が乗ってきたのは、第2部も半ばを過ぎた辺りか、わたしももう少し耳を作って来れば良かった
演奏後、聴衆からはブラヴォが飛び交い、ミョンフンとしても満足の出来だったようで、珍しくアンコールがあった