10月18日19時  神奈川県民ホール小ホール

オルガン:パールウール・ヤーノシュ

プログラム
モーリス・デュリュフレ作曲  ソワソン大聖堂のカリヨン主題によるフーガ Op. 12
シャルル・マリー・ヴィドール作曲  オルガン交響曲第5番 Op.42 No. 1
モーリス・デュリュフレ作曲  トッカータ、組曲 Op. 5
モーリス・デュリュフレ作曲  スケルツォ Op. 2
フェレンツ・リスト作曲  バッハの名による幻想曲とフーガ S.260
パールウールヤーノシュ   日本の伝統的な旋律による即興演奏

先日のタクティアートのブル9同様、チラシの中から発見したコンサート

タイトルのIOFJは、インターナショナル・オルガン・フェスティバル・イン・ジャパンの略
1991年から外務省、文化庁、企業の協賛、協力、助成などを得て、 毎年1回開催されているという、コロナ渦で2020ー2022年は中止となったが、今年3年ぶりの開催となったという
500円で購入したプログラムの冒頭には林芳正前外相、都倉俊一文化庁長官の言葉が寄せられ、と聞くと何と格調高いコンサートで有ろうかと思うのだが、初めて訪れた神奈川県民ホール小ホールはガラガラで観客は100人にも満たなかった

今日の目的はヴィドール、全10曲のオルガン交響曲を残しているヴィドールだが、5番のトッカータだけ有名になってしまい、オルガン交響曲全曲の演奏はなかなかない
ということで、兼ねてから、ヴィドールのオルガン交響曲を生で聴いてみたく、アンテナを張っていたのだが、見事発見できた

演奏のパールウール・ヤーノシュはブダペスト生まれので、現在リスト音楽院教授を務めているという
オルガンについて詳しくはないが、ネットで調べると小ホールのオルガンは1975年1月の開館にあわせドイツのクライス社により設置されたそうで、ストップ数30、パイプ数2024本だそうだ
他のホールも調べてみた、サントリーホールのオルガンがストップ数74、パイプ数5898本、ミューザ川崎はストップ数実働71、パイプ数5248本、オペラシティはストップ数実働54、パイプ数3,826本、NHKホールはストップ数92、パイプ数7640本、芸劇がストップ数126、パイプ数9000本、武蔵野市民文化会館はストップ数実働41、パイプ数2780本、東京カテドラル聖マリア大聖堂はストップ数46、パイプ数3122本、
但し芸劇は3台のオルガンの総計だから実質的にはNHKが最大なのか?NHKホールを閉鎖して回収したときにオルガンをメンテし増強したそうだ、
まあ、大きなホールに比べれば見劣りはするものの、公共のホールでパイプオルガンを備えるホールは少なく、神奈川県民ホール小ホールは貴重な存在だろう
また、今回初めて訪れた小ホールは音響設計は行っていないと思うのだが、多目的の大ホールに比べては音楽を聴くには適している空間に思えた

定刻すぎに現れた司会が、上記のIOFJの説明と行った後、奏者のヤーノシュの紹介を行ったのち登場したヤーノシュはがっしりとした体躯の紳士で、椅子にちょこんと座ると、オルガンが小さく見える
司会が前半の演目は、デュリュフレのフーガとヴィドールのオルガン交響曲第5番全5楽章であることを告げ演奏が開始された、
デュリュフレの曲は今日初めて聴くが、数分だが雰囲気のある曲だった、
演奏が終わるとヤーノシュ一旦立ち上がり拍手を受けた後に、次のヴィドールの演奏を開始した
ヤーノシュは比較的ゆっくりとしたテンポで3楽章迄は暗譜だったが4楽章のみ楽譜を置いて演奏し、5楽章のトッカータから再び暗譜の演奏となった
こうして無事に生でヴィドールのオルガン交響曲を聴くことができた、CDの平面な音でなく、立体的な音が聴けただけで満足なのだが、問題が1つ
プログラムでは、オルガン交響曲第5番は全4楽章で、4楽章がトッカータと記載されているが、司会者は5楽章と言い、私の持っている2種のCDは何れも5楽章だ
すなわちプログラムには4楽章アダージョの記述が抜けており、トッカータは5楽章として紹介されるべきなのだ、あまりいい加減なことは書かないで欲しい

15分の休憩後に再び司会が後半の曲目を紹介したのちにヤーノシュが現れ、すぐに演奏に移った、
どれも初めて聴く曲ばかりだったが、特にリストの曲が面白く聴けた、「日本の伝統的な旋律:荒城の月であった
最後に司会が再び登場し閉会が告げられたが、結局プログラムの誤りについて述べられることは無かった
人は間違えるし、プログラムに誤植があり訂正が挟まっていることも多々ある、司会は全5楽章と知っていたのだから、訂正を周知させるべきだったと思う
書き忘れていたが、ヤーノシュによる英語の挨拶と曲目紹介があり、司会者がその訳文を延々と読み上げたが、この訳文こそペラ1で配布しておくべきだったのでは
いろいろと運営には問題があると感じたが、ヴィドールが聴けたから、良しとするか

10月17日19時  サントリー

指揮=セバスティアン・ヴァイグレ
ピアノ=ルーカス・ゲニューシャス
ソプラノ=アンナ・ガブラー
メゾ・ソプラノ=クリスタ・マイヤー
バリトン=ディートリヒ・ヘンシェル
バス=ファルク・シュトルックマン
合唱=新国立劇場合唱団
合唱指揮=冨平恭平

ヒンデミット:主題と変奏 「4つの気質」
アイスラー:ドイツ交響曲 作品50(日本初演)

久しぶりのヴァイグレ、何と今年初めてだ、
最初のヒンデミットはヴァイグレが好んで取り上げる作曲家の一人で、以前に読響定期で画家マチスを聴いている
今日演奏される 「4つの気質」は初めて聴く曲だ
以前の定期で演奏予定があったが、コロナで中止になっていたので、リターンマッチになる

 「4つの気質」は、解説を読むとギリシャ時代に唱えられた人間を体液によって4つに分類したことに由来するそうだ、
各楽章が4つのうちの1つの気質に対応しているそうだ、つまり気質を表すテーマを変奏していくという構成
弦楽とピアノで演奏され、各楽章変化に富む曲調で、面白く聴けた
そういえば、ニールセンの2番もそうだったと調べてみたら案の定だった、
でもニールセンの作曲が1901-1902年に対し、本作は1940年か、時代の流行という訳ではなさそうだ

後半は、ヴァイグレが「私の使命」とまで言い放った「ドイツ交響曲」の日本初演、
演奏については多くの人が書いているだろうから多くは書きません
ヴァイグレ渾身の演奏だったとは思うし、曲も悪くはないと思う
でも字幕があっても、やはり歌詞の内容が直接心に響いて来ることはありませんでした
終曲後のホールの反応も微妙だったように思う
ヴァイグレのこの攻めのプログラムは素晴らしいと思っていることは確かなのだけど

10月16日19時 武蔵野市民文化会館 小ホール

出演
パスカル・ロジェ[ピアノ]

プログラム
ドビュッシー:
 「2つのアラベスク」より第1番 ホ長調
 ≪映像 第1集≫より「水の反映」
 ≪映像 第2集≫ 「葉ずえを渡る鐘の音」/「そして月は廃寺に落ちる」/「金色の魚」
 ≪版画≫ 「塔」/「グラナダの夕べ」/「雨の庭」
 喜びの島
 ≪前奏曲集 第1集≫ 「デルフィの舞姫たち」/「帆」/「野を渡る風」/「音と香りは夕暮れの大気に漂う」/「アナカプリの丘」/「雪の上の足跡」/「西風の見たもの」/「亜麻色の髪の乙女」/「途絶えたセレナード」/「沈める寺」/「パックの踊り」/「ミンストレル」
アンコール
プーランク:「エディット・ピアフを讃えて」
プーランク:ノヴェレッテ 第2番
サティ:ジムノペディ 第1番

パスカル・ロジェ、若い時から活躍しており、来日も多いのだが、そんな彼も、もう72歳という、
今年、サン・サーンスのPf協「エジプト風」の演奏をN響定期で聴いているが、リサイタルを聴くのは初めて
今日は定番のオール・ドビュッシープロ、なお曲間には拍手をしないようにアナウンスがあった

1曲目のアラベスクは、連続する音が一部繋がって聞こえる、たとえて言えば草書体の演奏、
ペダルを多用し、音の間隔を詰めることで、独特な雰囲気を醸し出しているように思えた
映像 第1集から「水の反映」、映像 第2集と、版画と、印象派を象徴するようなしっとりとした音楽が続く、
版画の最後の「雨の庭」はドビュッシー:が複数の曲で使用したメロディーによるもの
喜びの島で盛り上がって前半が終わる

後半は≪前奏曲集 第1集≫、1、2曲は前半と同様、静謐な雰囲気の演奏、3曲目の「野を渡る風」は、最初のアラベスクとは違い音の粒がはっきりしていたが、静かなそよ風
8曲目の亜麻色がやはり草書体の演奏だった、10曲目は好きな曲、そうえば春に同じ場所でケフェレックも演奏していた、
そして後半も最後は陽気な曲で締めた

演奏後の聴衆の反応も良くロジェは上機嫌でアンコールを3曲披露した
エディット・ピアフは聴いたことが有ったが、2曲目は知らない曲だった
最後はN響の時もアンコールで弾いたジムノペディ 第1番を今日は特別にゆっくりと
人の心を穏やかにさせるいいリサイタルだった