10月16日19時 武蔵野市民文化会館 小ホール

出演
パスカル・ロジェ[ピアノ]

プログラム
ドビュッシー:
 「2つのアラベスク」より第1番 ホ長調
 ≪映像 第1集≫より「水の反映」
 ≪映像 第2集≫ 「葉ずえを渡る鐘の音」/「そして月は廃寺に落ちる」/「金色の魚」
 ≪版画≫ 「塔」/「グラナダの夕べ」/「雨の庭」
 喜びの島
 ≪前奏曲集 第1集≫ 「デルフィの舞姫たち」/「帆」/「野を渡る風」/「音と香りは夕暮れの大気に漂う」/「アナカプリの丘」/「雪の上の足跡」/「西風の見たもの」/「亜麻色の髪の乙女」/「途絶えたセレナード」/「沈める寺」/「パックの踊り」/「ミンストレル」
アンコール
プーランク:「エディット・ピアフを讃えて」
プーランク:ノヴェレッテ 第2番
サティ:ジムノペディ 第1番

パスカル・ロジェ、若い時から活躍しており、来日も多いのだが、そんな彼も、もう72歳という、
今年、サン・サーンスのPf協「エジプト風」の演奏をN響定期で聴いているが、リサイタルを聴くのは初めて
今日は定番のオール・ドビュッシープロ、なお曲間には拍手をしないようにアナウンスがあった

1曲目のアラベスクは、連続する音が一部繋がって聞こえる、たとえて言えば草書体の演奏、
ペダルを多用し、音の間隔を詰めることで、独特な雰囲気を醸し出しているように思えた
映像 第1集から「水の反映」、映像 第2集と、版画と、印象派を象徴するようなしっとりとした音楽が続く、
版画の最後の「雨の庭」はドビュッシー:が複数の曲で使用したメロディーによるもの
喜びの島で盛り上がって前半が終わる

後半は≪前奏曲集 第1集≫、1、2曲は前半と同様、静謐な雰囲気の演奏、3曲目の「野を渡る風」は、最初のアラベスクとは違い音の粒がはっきりしていたが、静かなそよ風
8曲目の亜麻色がやはり草書体の演奏だった、10曲目は好きな曲、そうえば春に同じ場所でケフェレックも演奏していた、
そして後半も最後は陽気な曲で締めた

演奏後の聴衆の反応も良くロジェは上機嫌でアンコールを3曲披露した
エディット・ピアフは聴いたことが有ったが、2曲目は知らない曲だった
最後はN響の時もアンコールで弾いたジムノペディ 第1番を今日は特別にゆっくりと
人の心を穏やかにさせるいいリサイタルだった