10月21日14時 オペラシティ

指揮:ジョナサン・ノット 
ヴィオラ:ディミトリ・ムラト
オルガン:大木麻理

リゲティ:ハンガリアン・ロック
ベリオ:声(フォーク・ソングⅡ) ~ヴィオラと2つの楽器グループのための
ブルックナー:交響曲 第1番 ハ短調

東響のオペラシティ定期は、サントリーやミューザと違う曲が取り上げられるが、乗り換えが面倒なので聴きに行きたいプログラムがあってもパスすることが多い
しかし、今日は外せない、マニアックなプログラムの割には客入りも上々である

ノットのリゲティ好きは有名で、コンサートの最初にリゲティの小品を置くことが、まま有る
今年の悲劇的でも、最初にムジカ・リチェルカータを置いていた
今日も何らかの意図があってのことと思うが、それに対する説明が何もないのは不親切と思う
今日のハンガリアン・ロックはチェンバロのために書かれた作品だが、曲の解説は通り一遍のもので、今回オルガンで演奏する意図について記載がない
大木さんのXを見ると、とんでもない難曲で緊張したそうだが、それ以上の記載はなかった、残念
チェンバロ版の演奏を数か月前にトッパンのリゲティプロジェクトで聴いているが、音の響きが違う分ずいぶんと印象が変わる

ベリオの声は初めて聴く曲、ステージ上に小規模なオケと独奏ビオラ、大木さんの左右にも弦楽器、管楽器と、2群に楽器を分散配置して演奏された
ベリオは現代作曲家の中でも聴きやすい作品が多いが、この曲は民謡を基にしているそうで、一層聴きやすい
30分かかる曲が短く感じられた

休憩後はメインのブル1、聴くのはコロナ前にパーヴォN響定期で聴いて以来、
その時の演奏は何でも振りこなすパーヴォらしい洗練された演奏だったが、無機的な印象が残っている
ノットもパーヴォ」と同様東響でブルックナー、マーラーを積極的に取り上げているが、今まで聴いた演奏は特段私の好みと言えるものではなかった

散々けなしていた東響の解説だが、本曲は先日聴いたタクティアートの9番4楽章を補筆した石原勇太郎の解説
「おてんばお嬢―現在では19世紀後半を代表する交響曲作曲家の一人として知られているアントン・ブルックナーは自信の交響曲第1番をそう呼んでいた」の一文で始まっている
「おてんばお嬢」とは知らなんだ、しかし、この交響曲の特異な立ち位置を表すにふさわしい愛称なのだろう、4,1,2,3楽章の順に作曲されたというのも知らなかった、
そして、ノットの1番は、「おてんばお嬢」にふさわしい実にキビキビとした賑やかな演奏だった、そしてこのような演奏が1番にふさわしいと思わせるものだった
演奏後の会場にブラボーが飛び交ったのは言うまでもない、ノットのブルックナーで初めて満足した、そういえば6番はどうしたのか

10月20日19時半 NHKホール

指揮: 高関 健

ニルセン/アラジン組曲 作品34 -「祝祭行進曲」「ヒンドゥーの踊り」「イスファハンの市場」「黒人の踊り」
シベリウス/交響曲 第2番 ニ長調 作品43

本来ブロムシュテットが振る予定だったAプロは既に中止となり、Bプロは尾高さん、Cプロは高関さんが、それぞれプログラムの変更なしに振ることになった
もちろん、直前の代演には敬意を表するしかないが、やはりブロムシュテットを待っていた身としては、残念な気持ちは拭えず、複雑な気持ちでNHKホールに向かうのであった、
自分は原宿からホールに向かったのだが、ホールの周辺が何やら騒がしい、公園通り側からホールの手前辺りまで屋台が並んでいる、エントランスには"Tokyo Night Market"とあった

会場の入りは相変わらず悪い、今シーズンは2階席を取ったのだが後ろの方はがらがらだ
ニルセンのアラジン組曲は実演で聴くのは初めて、エスニックな雰囲気漂う曲だが、特に感想は無し、

シベリウスの2番は大変な熱演だった、高関さんのシベリウスは昨年シティの定期で聴いた4番が良かったが、2番とは大分作風が違うのでどうかなと思ったが
スケールが大きい演奏で、金管が良く鳴り、終演後は大いに盛り上がった、コンマスはマロ、オケは16型

10月19日19時 サントリーホール

指揮:クロエ・デュフレーヌ
(2021年ブザンソン国際指揮者コンクール聴衆賞、オーケストラ賞)
ヴァイオリン:中野りな*
(2022年仙台国際音楽コンクール優勝)

リリ・ブーランジェ/春の朝に
(リリ・ブーランジェ生誕130年)
サン=サーンス/ヴァイオリン協奏曲第3番*
アンコール
J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番より アレグロ
ベルリオーズ/幻想交響曲

指揮のデュフレーヌは2021年ブザンソンのファイナリスト(1位なし)の31歳、ヴァイオリンの中野は2004年生まれというフレッシュなコンサートになった
最初のリリ・ブーランジェは、初めて聴く、
解説によればローマ賞を受けたものの夭折したとあり、作品数も少ないようだが、演奏された「春の朝に」は幻想的な雰囲気の色彩感に満ちた佳曲で、他の作品も聴いてみたくなった
デュフレーヌは、曲調に合わせた軽やかな音作りが見事で「貴女只者ではないな」と思わせられた

サン=サーンスの中野りな、音に芯のあり弱音もしっかりと聴かせてくれるのがいい、堂々とした演奏ぶり難しいパートもさらりと弾いて大器を予感させる
技術的には申し分ないが、あまりに余裕があるので表情に変化が乏しいと感じさせてしまうのが欠点と言えば欠点か
デュフレーヌの伴奏も若いソリストに寄り添ったもので、彼女の腕の確かさを確認させられた

休憩後は幻想、オケは14型、CBは7台と厚めの布陣
デュフレーヌの指揮はスタイリッシュ、体全体を使った見ていて惚れ惚れとするような棒捌き、ブザンソンの聴衆賞も納得だ
音楽のほうも指揮ぶりに合わせ流麗であるが、音の強弱など彼女の解釈がオケにしっかり行き届いた演奏だったように思う、特に金管の活躍ぶりが目立った
個人的には3楽章のオーボエはPやRA辺りの観客に見える辺りで演奏して欲しいのだが、最近はそのような演出に出会えず残念、
昨年新日で聴いた時は、デュトワは打鐘を毎回左手で正確に指示していたが今回はなしだった、
幻想だと演出の面でも何かを期待してしまうのは曲の罪だろうか

終演後は盛大な拍手だったが、音がまだ鳴っているのにフラ拍がパラパラと合ったのは残念、東フィルはフラ拍への注意喚起を場内放送でしっかり流すべきだ
拍手やブラボーは多かったが、客席の入りは残念ながら今一つであった
ともあれ、デュフレーヌは是非また聴きたい指揮者だ、読響あたり早速触手を伸ばしてくるのでは