5月23日14時 サントリー

指揮:アレクサンダー・リープライヒ
チェロ:佐藤晴真

ハイドン:交響曲第44番《悲しみ》 ホ短調 Hob.I:44
三善 晃:谺つり星〈チェロ協奏曲第2番〉 
アンコール
J. S. バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番 変ホ長調 BWV 1010より「サラバンド」
武満徹:群島 S.
R.シュトラウス:交響詩《死と変容》TrV158, op.24

リープライヒらしい凝ったプログラムだが、前回の定期も最初にハイドン、最後にR.シュトラウスという構成だった
邦人作品が2曲入っているが、客入りはまずまず

最初のハイドン悲しみは比較的取り上げられる機会が多い曲
オケは対向で、8,8,6,5,3、コンマスは扇谷さん
この曲は始まりが印象的で、ハイドンの交響曲で旋律が頭に浮かぶ作品の一つ、
若いころバレンボイムのハイドン中期交響曲の録音を愛聴していた
リープライヒがミュンヘン室内響の首席時代に何度も演奏したそうで引き締まった演奏だった

2曲目の三善作品、リープライヒは以前にも三善作品を採り上げていた
期待の佐藤さんがソロだったのだが、正直作品に共感できなかった、

後半は武満作品、楽器は5つのパートに分けられ、そのうち3つはステージ上には半円状に配置された、
記憶が曖昧だがステージ左は弦楽器とオーボエ、中央は金管楽器、右は弦楽器とフルートといった感じの構成
残り2つはステージ外、一回左右の一番前の扉の脇にクラリネット奏者が配された
色々なところで音のキャッチボールがあり、なかなか面白かった

最後の曲に向けてステージを整えている間に、リープライヒが通訳を伴って登場した、
まず、リープライヒがR.シュトラウス協会の会長で、これまで、日フィルと「英雄の生涯」、「ツァラトゥストラ」を演奏したのに続き、「死と変容」が演奏出来たといったことが述べられた、
さらに「死と変容」のメロディーが、後の4つの最後の歌の最終曲に顔を見せることなど色々語っていた
しかし、通訳のリープライヒのドイツ語訳が酷く、これだったら機械翻訳の方がましと思った

最後の《死と変容》は、16型の迫力の演奏だった、さすがR.シュトラウス協会の会長である
私の周辺座席の。普段は落ち着かない定期会員のおばさまたちも、すっかり聴きいってしまう演奏だった

 

5月21日19時 サントリー

指揮/ジョン・アダムズ
合唱/新国立劇場合唱団*
合唱指揮*・副指揮**/冨平恭平

ジョン・アダムズ:ナイーヴ・アンド・センティメンタル・ミュージック(1999) [日本初演]    
アイヴズ:答えのない質問**    
ジョン・アダムズ:ハルモニウム(1980)

連日の現代音楽だ、2年前に都響に初登場しハーモニレーレなど自作を振ったアダムズが、都響に再登場
アダムズ自身が都響との再共演を希望したという
会場には外国人の方がいつもより多かったような気がする

1曲目は日本初演となるナイーヴ・アンド・センティメンタル・ミュージック、
今回は都響のプログラム冊子が良くできていて、この曲についてはアダムズ自身の解説が有った
アダムズは表題のナイーヴとセンティメンタルを対極見ており、その対立を主題にした3楽章の曲が生まれたという
曲は初演のサロネンに献呈されている
サロネンも作曲をするので、アダムズと通じるところも多かったのかもしれない

オケは16型、コンマスは24年と同じ水谷さん、
事前にYOUTUBEでチェックしたチューリッヒ・トーンハレをアダムズが指揮した映像には無かったが、ステージ左にはアコースティックギターとアンプが
ステージに現れたアダムズは2年前と同じく精悍な印象だ
1楽章はギター時々ハープの伴奏に乗ったフルートの演奏が印象的だった
2楽章はゆったりとした曲調だが、各種打楽器がアクセントになっていた
3楽章はオケ全体が躍動した、
しかし、本日の演奏は、オルガンパートを追加しているというが、オルガンがどこで鳴ったのかは分からなかった

後半は、自作でなくアイヴズ作品から答えのない質問
去年のコンサートで、答えのない質問に続けてツァラトゥストラを経験しているので、もしかしら連続演奏かとも思いましたが違いました
ただし、管楽器をステージ外に配置する演出が有りました

そして、ハルモニウム、
合唱側から見た、この曲の難しさについて冨平さんの解説がプログラム冊子にありました、
私からは何も言うことはない、本当に良い曲、良い演奏だった、
冨平さん、新国立劇場合唱団の皆さん、ありがとう

リハには山和が来てたそうです、7月にはバーミンガムとハルモニウムをやるそうです
先日芸劇で水野の交響的変容の公演を実現した山和だから期待してます

5月20日19時 サントリー

指揮=シルヴァン・カンブルラン
ヴィオラ=アミハイ・グロス

ウェーベルン:パッサカリア 作品1
シン・ドンフン:ヴィオラ協奏曲「糸の太陽たち」(日本初演)
アンコール
J. S. バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番より「プレリュード」
デュティユー:瞬間の神秘
デュティユー:メタボール

読売定期、カンブルランだからこその、尖ったプログラムだが、さすがに尖り過ぎだったようで、客入りはすこぶる悪い
最初のウェーベルンが、今日演奏される曲では唯一、そこそこの頻度で演奏される曲
私はウェーベルンは苦手だが、パッサカリアは比較的抵抗なく聴ける
オケは16型、今日は客演コンマスで白井圭さん

2曲目のシン・ドンフンは韓国の新進作曲家だそうだが、聴くのは初めて、
本日のVlaは、初演も担当したベルリンフィルの首席奏者、アミハイ・グロス
1Fホール入口の中央付近に使用楽器の変更の告知が掲示されていた、ガスパーロ・ダ・サロに興味が有ったのでちょっと残念

ベルクの影響を受けたそうで、2楽章構成で、曲の雰囲気も特に2楽章がベルクに近いものを感じた
Vlaの独奏パートが多く、グロスはなかなかの熱演だったが、曲自体はあまりピンと来なかった

後半はデュティユー2題、最初の瞬間の神秘は初めて聴く、
24の弦楽器と打楽器とツィンバロンで10曲の小品を連続して演奏する作品だが、打楽器やとツィンバロンがスパイスになって愉しく聴けた
ツィンバロンがハーリ・ヤーノシュ以外で演奏されるのを聴くのは初めてかも
カンブルランの指揮にも熱が入り、団員もそれに応えていた
その熱演が伝わり、演奏後には聴衆からは大きな拍手が有った

最後は再び16型に増強してメタボール、こちらはセルの指揮するクリーブランドに触発された作品
構成する5曲は曲ごとに活躍する楽器が異なる、途中退屈な部分もあったが、最後は4管の金管群を含め大きく盛り上がった
カンブルランの指揮も精力的で演奏後にはすべてのパートのメンバーを立たせていた
客は少なかったが、密度の濃いコンサートだった