ワインじゃないお前は酢 -152ページ目

補給

朝起きると雲行きが悪い。

気分ではなくて天候。


この前の週間予報をすべてにして新しくをまったく知らず、自転車をまたぎ通勤。

五月にもなると湿気が濃くなる。漕ぎ始めてから浅草、神田を通り過ぎた頃、腕に張り付いた汗は気化することもなく滴になる。

片道28キロ弱の通を輪行すると、汗の量は半端ではなく、1リットル入りの紙パックに入ったお茶を飲み干すほど。景気の良い発汗で最近は体もだいぶ絞られた。


雨に降られること無く会社へ着いた。汗を拭いてスーツへ着替える。濡れたTシャツを脱ぐ時は、不愉快の離脱。小さな窓なし閉切りの個室で着替えているにも関わらず、体に風がそよいでいるような爽快さがある。

着替えが終わり仕事場へ。


「夏はどうなるのか。」

日焼けをしたこちらの顔と、汗だらけで隅っこに目立たないように干したTシャツを眺めて先輩は笑っている。

パンをかじりながら暫く何となく駄弁っていたけれど、心中はこのまま夏になって熱中症で倒れやしないかと不安になった。


昼休みに入って多摩川へ少し走りに行った。

雲は繁っているが薄くなり、日差しが入るようになった。

湿気っぽい雰囲気が、今は蒸して暑い感じがする。

多摩川河川敷。

バーベキューの人、宿無しのとっつぁん、ランナー、サイクリスト、カラス、親子連れ。

全てにつながる印象は、みな、何か飲み物を調達している。

我が自転車へドリンクホルダーが取り付けられるのは、さほど遠い話にならなそうだ。

不真面目な男、真面目な男

早く帰ろうぜの日、月曜日。
ブラックマンデーは史実よりも言葉のインパクトで生きる。不景気だけれど、それだけで人はへこたれないもっと深い闇が一つ二つ、幾多とあるのでは。

知った事ではない自転車での帰り道、早く帰り新聞の集金に合わせて寄り道をせんと真っ直ぐ帰る。

昨日のこと。
「こんにちわぁ毎日新聞です」と来た。
3ヶ月をかけてタイミングの悪さから折り合いつかぬ、あなたと私、仲良く払いましょ、小さな掘っ立て小屋の下。
持ち合わせなし。

3ヶ月と拒んで避けているように思われるのもたまったものではない。
明日を指定し、勘弁してもらう。

そして、今日。
どうして日本は金を貰う側が立場を落とすか、昨日の人が低姿勢で来た。
こちらがタイミング悪しとはいえ、すっぽかしている。分はない。

月曜日の夜は低姿勢合戦で終わる。

食通とははるか遠く

最近食べたもので一番おいしかったもの ブログネタ:最近食べたもので一番おいしかったもの 参加中

一日、一日と献立を作ることに面倒を覚えた一人暮らし数年目かの春。
生意気にそれでも食事は美味しさを求める。

美味しさはそれぞれで、味が濃いの薄いの淡白だのといろいろあるが、大食らいの傾向にありながら一所集中型を好み、一かきのスプーンでさまざまな味がすることを望む。
考え付く限りの最短はカレーだった。

そこで、先週の土曜日に牛筋、玉ねぎ、人参、じゃが芋、しいたけ、酒、固形ルー、デミグラスソースを求めて午前中はずっと自転車行脚。食い物の為にお腹を減らし、「これぞ馳走よ」と気分は荒武者気分。

バッグパックをパンパンに張らせて家に着き、しばらく何もしたくない心境に陥った後、止まない空腹から仕方なく重い腰を上げて事に取り掛かる。
久しぶりに玉ねぎを黄色くなるまで炒めて、牛筋も丁寧に下処理をしてアクが出ないよう煮込み、そして、料理の腕前なんぞ関係なく美味しくなるブースターである、デミグラスソースを溶かし、ルーも溶かし、牛筋が「食べごろでっせ」とふにゃらけてやる気なく食われるところまで煮込む。
ご飯は多めにそして、カレーの為に少し硬めに炊いてある。

カレーが仕上がり、ついに食べる。トッピングは生卵でご飯との相性抜群のスタープレイヤーだ。
すべて盛って、すべてかき混ぜてがっついて食べる。
昼の午後、一番暑い時間帯。汗をふきながらスプーンを動かす。牛筋から出る出汁、玉ねぎのうまみ、人参のあまみ、じゃが芋の豊穣な香り、デミグラスソースのパワフルなアタック。

炊飯釜を空にして大いに食べた。
ビールも飲んだ。美味いに尽きる。
明日はカレーうどん。これも一番美味い。