宙組『カジノ・ロワイヤル』観劇感想② | ★F**kin' Perfect★

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徒然なるままに、つらつらと。。。

の続き右矢印

 

脚本について。原作は未読で、映画は視聴。映画はところどころの流れは同じですが、

潤花ちゃん含む原作にもないロマノフ王朝の面々が、作品を宝塚らしい

ロマンスと華やかさに花を添えています。(振り返ってみればですが、

ボンドガール(春乃ちゃん)が相手役だと少し生々しい感じになるか)

 

ロマノフ王朝は宝塚でもお馴染みですから、内容の入りやすさにも

繋がってきますね。(お馴染みならではのネタもありましたがw後述)

実際の時代は冷戦のさなか。丁度偶然なのですが、個人的に立て続けに

その時代の話の映画『キングスマン ファースト・エージェント』や

ドラマ『SPY CITY』を視聴したばかりなので、時代に入っていきやすかったです。

 

1幕はどちらかというと物語に入り込むための紹介的な感じですが、

『オーシャンズ11』とかもそうでしたね)人物や目的がわかってからの

2幕は大きく動き出し、一気に物語に引き込まれていきます。

 

話自体はコメディよりですが、人物造形がそれぞれかっこいいので、

(ずんちゃん以外w)個人的には前評判よりは「ザ・コメディ」とは

感じなかったかな?ルシッフルの野望も実は映画より大きくて良き。

(ただ、詰めの甘さがベネディクト並みw)

 

人物造形といえば、潤花ちゃんがまたまた等身大の女の子で可愛い×可愛い

なのですが、ロマノフ王朝の令嬢というよりはアメリカンな感じ。

でも、実際のパリでも日本の学生運動よろしくこういった運動が

あったのですね(今回初めて知りました)元々フランスで育ったのなら

令嬢っぽさがなくてもいいのかもですが、姉妹とあまりに雰囲気が違うのであせる

 

今回の主役は間違いなくボンドなのですが、主人公はどちらかいうと

デルフィーヌですよね。話の根本的な部分に関わるからなのですが、

歌唱指導もイルカの歌でしたし、トップの退団公演にしては少し意外な気もしました。

 

まぁこの作品の場合、深く考えずに組子のかっこいい姿を眺めつつ、

真風君の歴史のオマージュを探しながらハチャメチャ具合を楽しむのが

正しい見方なのかもしれませんねグッド!

 

ラストシーン。これまでの雰囲気とは変わり、ぐっと退団ぽい雰囲気に。

すっしーさんにあのセリフを言わせ、真風君は次の任務(次の道)に旅立つ。

去っていく背中に真風君の男役としての集大成が観られました。

 

 

演出、セットについて。所々に小池先生の遊び心が見え隠れしている今作品。

『神々の土地』『アナスタシア』(愛君からキキ君へのラスプーチン同期バトンタッチや

マリア皇太后の写真w)とこれまでの宙組作品のオマージュのみでなく、

『オーシャンズ11』のドクターを彷彿とするキャラがいたり、

(元々カジノが舞台ということで、全体の雰囲気も『オーシャンズ11』ぽいですよね)

『スカピン』ぽい会話があったり(夫婦の会話は~って言いだすかとw)

立ち回りが『るろ剣』ぽかったり。他にもオマージュを探すのも楽しみ方の一つ(笑)

やたらと『エリザ』押しだったのはなんだったのか汗

 

なにより、お披露目『天赤』でも出会いがしらに誤魔化すためにキスをして怒られ、

でもすぐに恋に落ち。退団公演でも全く同じ流れなのは偶然なのか、

小池先生からの愛がなせる業だったのか。

 

今回カジノが舞台ということで、とにかく巨大なカジノセットが目につきますね。

これまでも何度かカジノが舞台に登場してきたことはありますが、舞台用に少し

大きいくらいのサイズ(だと思う)なのが、今回は巨人サイズなのが笑ってしまったw

しかも斜めにして客席から見やすいようにしてますが、演じる側は大変そうだ。

 

元々映像を使う先駆けだった小池先生。今回も駆使されておられますが、

ツヴァイシュタイン博士の場面はなんでこんなに手の込んだと思うくらいに(笑)

映像に力入れてますね!(ツヴァイシュタインって名前も意味が分かったとき

「駄洒落かよ!」って思わず突っ込みをw←アイン(1)、ツヴァイ(2))

 

この場面にもありましたが、キヨちゃん率いる武闘集団の訓練シーンが

面白い&かっこいい!若い若いと思っていましたが、キヨ君もいつの間に

こんなカッコいい男役さんに!キレッキレの訓練&コサックダンスを観るだけでも

今回のお芝居見る値打ちがありますね!それくらいキヨ君が素敵でしたドキドキ

 

007シリーズに欠かせないのはガシェット。いわゆるスパイ道具ですね!

時折扱いが難しそうですが、観ているだけでもわくわくする小道具。

仕掛武器を今度間近で見られる時が楽しみ(今は寂しい、、、ですが)

 

一番の目玉はラストのパラシュートのシーンでしょうか?

皆さんがキャベツとおっしゃってたのがようやくわかりました汗

(しかしなぜにキャベツ畑?とも思わないでもないですが。。。)

その前の小さなパラシュート、メイちゃんでもそんな演出あったなぁと。

(そして、思えばそれも真風君が出てた公演じゃないですか!?)

 

 

音楽、衣装について。音楽はあまり耳に残るものはなく、

「我が名はボンド~♪」と歌うのは、映画主題歌が「♪You know my name」

だからなのかもしれませんが、ちょっと日本語で歌ってしまうとダサい汗

ただ全体的の歌の雰囲気(歌だけじゃないですが)が『オーシャンズ11』

似ており、『オーシャンズ11』も何度も観ているうちに曲もするめ曲になったので。

コチラも何度も観ていると曲が耳になじんでくるかも。。?

 

衣装はザ・スーツ祭!カッコよくスマートに着こなす宙男を観るだけでラブラブ

途中のロマノフ王朝の伝統衣装の場面は宝塚らしく華やかで音譜

何気好きだったのが潤花ちゃんのヒッピー姿。よく似合ってましたよね!

本当、こういう感じの衣装きさせたらピカ一だなぁ~退団が寂しいえーん

 

 

フィナーレについて。上記にも書きましたが歌唱指導がまさかのイルカソング!

イルカそんなに大事やったんか~いってなる汗小池先生らしいフィナーレに

男役も娘役もカッコよかったのですが、なんていったってすっしーさんでしょうえーん

ダンサーすっしーさんのザ・男役としての踊りに涙せざるをえない。

あきもやシドー君も今回で最後ですもんね。。。そう思うと喪失感でいっぱいです。

 

デュエットは初日で流れたリフトだけかと思いきや、計3回も!

二人のデュエットも本当に好きだったなぁ~二人の白いお衣装も素敵でした。

一本物なので芸名で演じるところがフィナーレでしかありませんが、

潤花ちゃんを優しい笑顔で見守る真風君が本当に素敵で。

あの泣き虫だった真風君が~と、なんだか親目線で(笑)見てしまいました。

 

 

本拠地千秋楽まで10日を切り、そろそろお化粧前が白くなるころでしょうか。

どうか最後まで悔いなく走り抜けられますよう。。。