いよいよ今日前楽でしたね。あっという間過ぎてその日が来ないでと思う反面、先日結構な
ハプニングがあったと聞き無事その日を迎えてほしいと願うばかり。(どうやら今日も
振り付けかわったり、サヨナラショーで、、、本当に身を削って立ってらっしゃるんだなと)
観劇してから1週間。未だに後を引く作品って久しぶりかも。(それはもう、家に帰ってから
猛烈に恐ロシアな歴史を勉強したぐらいw)ショーも余韻があり、あとあと引きますね。
実は観劇を少しためらっていました(だから終盤の今に観劇)なぜかというと、まず自分がロシアに
少し敬遠する想いがあるというのと(『かもめ』は結構好きだったけど)初日明けてからの感想が
「すごく泣ける」という声と、「展開が早すぎてついていけない」「心情がわかり辛い」
そして「お芝居ショー共にサヨナラらしくない作品」という声と。正直退団公演に「サヨナラらしさ」は
個人的には求めてないのですが(そんな演出しなくとも組子や退団者が醸し出すオーラに
自然とコチラも感じるし、あまりにサヨナラな演出は一歩間違えると少し醒めてしまうので)
揺れる心のまま観に行きましたが、本当に観てよかった!そして初日明けてすぐではないので
舞台の練度も上がり、楽日にもそんなに間近でもないので違う感情も挟む事なく。公演内容
そのままの質を純粋に楽しむことが出来たと思います。ラストデイ、観に行けるものなら
本当に観に行きたかった、、、楽という状況でどう変化するのかが気になるところです。
以下、全体の感想です(ネタバレを含みますのでご容赦ください)
宝塚の作品に「直接肌で感じた方が良い作品」と「後々映像でじっくり楽しめる作品」があります。
勿論舞台なので前者の方が圧倒的に多いでしょう。全体的な演出なりキャストのオーラなりを
直に感じてグッと惹きこまれる。勿論後々見返しても良い作品は良い作品なのですが、
例えば舞台では泣けたものでも「あれ?こんなんだっけ?」とふと思ってしまったり
後者は主に正塚作品なんかがこちらにあたるでしょうね。舞台で観た時は表面しかわからず
とかく舞台も内容も暗いし(明るい作品もありますけど)心情がついていけなかった場合でも、
内容をわかった上でじっくり見返してみると「あぁこういう意味だったんだ!」と面白さがわかったり。
今回の場合はその両方を兼ね備えている。ライティングや盆、セリ、銀橋。細部まで先生が
拘りに拘りぬいたのがよくわかり、遠くで観ているとまるで場面場面が絵画のように美しい。
そして後に映像で間やキャストの表情を見ながら、その奥深くにある話を読み解きたくなる。
(まぁ本来ならどの舞台であってもそうあってほしいんですけどね)
脚本について。上田先生は今回で大劇3作目。『金色の砂漠』を観てないのであくまでダイジェストや
感想を見ての比較なのですが。きちんとしたベースがある方が良いんだろうなと正直なところ。
『星逢』は観劇時凄く感激しましたし良い作品だと思いますが、落ち着いて考えるとどうにも
ツッコミどころが多い作品。歴史的側面のツッコミは日本人で日本に詳しいから違和感を感じる
だけなのかもですが、、、、『金色~』にしても入りこめば入り込むほどツッコミ所も見えてしまう。
(、、、宝塚で突っ込まない作品あるかと聞かれたらNOと答えざるをえませんけどねw)
今回もフィクション部分はあるにしろ、主題の“ラスプーチン暗殺”というしっかりとした史実があり、
その一方できちんと宝塚らしく“愛”を描きながらも史実以上は踏み込まない。
更に支流に“共産主義の台頭”を。最後にすべてが合わさり皆を呑み込む大河となる。
あまりに流れがスムーズで、でも間を取るべきところはとる。見事としか言いようがない。
この“改変部分”は以前めっちゃ調べましたが(笑)そこまで無理のない改変なんですよね。
主に“イリナ”関係ですが、年齢が変わるだけで元の人物像からかけ離れてない。
なので主要人物で物語にも大きく関わりますが、史実の人物の中にあって浮いていない。
あえてツッコムとするならば、ドミトリーとイリナは物語上いくつで何歳差なんだろうと
実際のドミトリーが父親と離別したのが3歳、その頃イリナが嫁いだとして17歳くらい?
14歳差もありっちゃありかなと思うのは、ブラームスとクララ・シューマンもそうだったから
(観た感じはもうちょっと差は小さくて5~7歳差ぐらいのような気もしますけどね)
続く