星組大劇『スカーレット・ピンパーネル』感想③ | ★F**kin' Perfect★

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徒然なるままに、つらつらと。。。

かなり間があいてしまいましたがの続き右矢印

 

感想というか考察というかツッコミというか(笑)どうしてもバックボーンまで考えてしまうのが私の悪い癖。

ということで、ツラツラと疑問に思ったことや勝手な妄想をw並べていきたいと思います。

(あくまで今回の『スカピン』の世界観について。初演再演にも触れていますが)

 

・パーシーがスカーレット・ピンパーネルになったわけ

“スカーレット・ピンパーネル”は王太子奪還を目的としているわけですが、その間にも多くの貴族を

フランスに亡命させています。元々貴族の亡命の手助けをしていて「いっそのこと」と王太子を救う事に

したのか。それとも王太子奪還計画の方が先だったのか。元々の目的も気になるところですが。

(少なくとも、王太子奪還後は今までと同じように活動はできないでしょうし)

 

そもそもなぜパーシーは“紅はこべ”になったのか。元々フランス貴族とも付き合いが深く、パリにもよく

訪れていたパーシー。最初は友人を凶刃から救うためにやったのかもしれませんし、彼が愛した街が

狂気と粛清の嵐に呑み込まれるのを黙って観ているのは彼のノブレスオブリージユに反するからかも。

プロローグで処刑に湧く民衆を観ている愁いの帯びた瞳は彼の本質だと思いますので。

(一方「ひとかけらの勇気」が誰かに対する投げかけだけでなく自分自身に歌いかけているようにも

見えるのが(王太子に歌うときも)彼の恐怖心からか。完全無比なヒーロー像じゃないのも新しいですね)

(道化師としての顔も不遜ながらゲーム感覚なのも、恐怖心を紛らわすためかなとも解釈したり)

 

・マルグリットの革命女闘士時代

一時は新聞をにぎわせた女闘士だったらしいマルグリット。あーちゃんのは女優という面が強くて

女闘士と言われても?となってしまいそうですが(まりもちゃんのは先頭きって剣を手に戦ってそうw)

ではこの時代の女性革命家とはどういう役割だったのか。そしてジャコバン党との関わりは。

 

実はフランスの「自由・平等・友愛」を謳った人権宣言は、あくまでも“フランス人”の“男性市民”に

限ったものであり、女性の権利は革命前となんら変わらない状況でした。その中にあって、女性の

権利を求め結社を創るものも。中には女優さんとかもいたそうで、マルグリットのモデルも彼女かなと。

 

女性の権利を求める女権論者とそれを是としない革命政府。自身の権利を求めるのは同じなのに

最初から向いている方向が違ったわけであせるそりゃショーヴランも見向きもされないわけだわ(笑)

 

ちなみに粛清の嵐は彼女たちにも吹き荒れ。元々理想だけが先走って穴だらけだった革命。

そんな革命にさっさと見切りをつけて女優復帰し、イギリス貴族と結婚したマルグリットは

時流を見る力があったのかもしれませんね。(夫の正体とかは見抜けませんでしたけど)

 

・パーシーとマルグリットはどうやって出会った

(少なくとも表の顔は)派手好きで遊び人パーシーですから、パリの劇場にも出入りしていたでしょう。

そこで見初めたマルグリットに対し猛アタックしてYESをもらったのかな、、、と今まで思っていましたが。

 

結構謎なマルグリットさんの出自。なぜかというと、彼女はシュザンヌの同級生。つまり伯爵令嬢と

ご学友なわけで。伯爵令嬢といえば、あのオスカル様と同じじゃないですか!めちゃくちゃ大金持ちの

ブルジョワ階級(だったとしても同じ学校に通えるかどうか)だったか、良家のお嬢様なのは間違いなし。

(マルグリットを見てたらあまり思わないですけどwアルマンはどこかボンボンっぽい雰囲気ですもんね)

案外ドゥ・トゥルネー伯爵あたりの紹介でマルグリットとであったのかもしれませんね。

 

ちなみに原作設定ですが、パーシーは準男爵。大金持ちで社交界きっての伊達男で上流階級では

あるけれども、世襲制の爵位では最下位。そして実は制度上“平民”だったという衝撃的な事実が叫び

一番の友人デュハーストは最上位の公爵の子息だそうで、階級を問わない付き合いがここにも!

 

まぁ、それにしても真実の顔を知らないマルグリットは本当にパーシーのどこに惚れたんだろうw

 

・サンシール侯爵の居所

先ほどの続きですが、公爵の息子デュハーストがサン・シール侯爵と親しいのも頷けます。

(なんとなくですが、フランス貴族の窓口は階級上色々都合のつきそうなデュハーストが受け持ってそう)

パーシーとフォークスは先に帰国していますが、彼は侯爵の処刑を見届けたのだろうか。

 

そんなフランスの協力者サン・シールの居所をパーシー、デュハースト、フォークスが知っているのは

わかるのですが、何故そこに紅はこべとしての活動を知らしていないマルグリットにまで漏らしたのか。

しかもわざわざ手紙という証拠のつきやすいものも残して←これはただの演出上の問題だろうけどw

 

手紙と言えば「この封蝋がしてある手紙を誰にも見られてはならない」と言ってた張本人が見られて

しまいましたが(笑)その後で伝令で伝わっているじゃん!というツッコミも演出上の問題ですねにひひ

 

ここで“妻に隠し事をしたくなかった”パーシーの性格。ただの“紅はこべの協力者”としてだけなら

わざわざ妻に言わなくてもいいわけですから、侯爵も個人的にマルグリットと付き合いが会ったのかな

とも思ったり(侯爵の居場所を知らせた手紙の存在をなぜショーヴランが知っているかは疑問ですが)

 

・閣下の焦燥

公演を重ねるごとに、更に描かれるようになりました。特に印象的だったのがマルの「ひとかけらの勇気」

初演や今公演も最初の頃はただただ怒りに震えていただけでしたが。自分でも破たんがくるのが

わかってて、マルグリットの歌が言わんとしていることもわかって(かつての自分が目指していたもので)

それでも後には引けないもどかしさとやり遂げなければならない使命感に打ち震えている感じ。

 

新曲や「♪栄光の日々」での様子を見る限り、なまじ頭の良い人ですからわかっているんだろうなと。

頭の片隅には、もう自分に時間が残されていないことを。それでも言葉や行動で奮い立たせている辺り、

やっている事は真逆でも自分の正義を頑なに貫くところはパーシーと似ている部分もあるだろうなとも。

 

話が春先から夏にかけてだろうなと思ったのは、パーシーが冬には結婚しないだろうというのが

ありますが(笑)閣下の影にかつての仲間ダントンやデムーランが見えないこと。出演してないからと

言えばそれまでですが、なんとなく友人を自身の手で処刑したあと、つまり4月以降じゃないかなと。

 

ミクロンでのパーシーの恰好が寒そうじゃないから(笑)もし初夏だとすると、あと1か月後には

ロベスピエール自身も処刑されるかと思うと、、、なんともやるせない気持ちになりますね。

 

・ショーブランと閣下

初演verは面従腹背と言いますか。口では「ハッ」と言いながらも心の中では馬鹿にしてそうだし、

いつかは蹴落として自分があの立場に立ちたいとか思ってそうだし、グラパンの正体が

スカーレットピンパーネルと知った時は「ざまぁww」とか思ってそうでしたが(笑)

 

今回は閣下にかなり忠実で崇拝しており、中間管理職としての哀愁も漂わせております。

革命政府に名を連ねる前は、ロベスピエールの演説を目を輝かせながら聞いてたのかなと。

閣下の存在が彼の青春であり、彼の夢でもあり。自分を信じるそういう部下がまだいるからこそ

ロベスピエールも折れなかった(逆に言えば誤りとわかってても道を曲げることが出来なかった)

 

・ショーブランとマルグリット

あすかさんもまりもちゃんも一時はショーブランと何かあったのかなと匂わせる感じでしたが、

あーちゃんのは全くショーブランのつけ入るスキのないw本当に何ともなかったんだろうなと(笑)

愛したのは革命の夢で、ショーブランはただその夢に参加している男の一人だったんでしょうね。

 

一方、ショーにとってはマルグリットはどぶの中に咲く力強くも艶やかな大輪の花だったんでしょうね。

そういう意味では、彼自身も「憧れ」を「恋心」にはき違えている可能性も大なんですが。その違いが

わからないぐらい「恋い焦がれている」のには違いないでしょう。なんせ彼真っ直ぐすぎるし。

 

・洗濯女

ピンパーネル団がパリに侵入するときの一番最初の変装手段が洗濯女に化ける事。

ですが、デュハーストとフォークスのかわいさは普段から着慣れているに違いない(笑)

しかもデュハーストさん、普通にパリの男誘惑しているしw彼自分のかわいさを熟知しているわ得意げ

 

・靴屋のシモン

実は靴屋のシモン夫妻は実在の人物。そして実際はそんなに厳しく当たらなかった、、、らしい。

でもルイの行く末は、、、粗野でも物語の展開の方がよかったですねしょぼん

それにしても、外交の切り札を熱心な崇拝者だからと言って靴屋に預けちゃうのは(史実とはいえ)

 

・マリーまたの名をマダム・タッソー

今回マリーがかの有名なマダム・タッソーだと初めて知った!(アルマンドンマイww)とはいえ、

名前を語っているだけでほぼほぼ別人ですけどね。実際の彼女は気の強いどころか、ギロチンで

処刑された人々(国王夫妻)の精巧なデスマスク(蝋人形)を作っていたわけですから叫び

それにしても、毎度思うのはマリーのアトリエを見る限りデザイナーとしてのセンスは(笑)

 

・プリンス・オブ・ウェールズ

ウェールズ大公を意味し(ここでのプリンスは王子という意味ではなく、大公や領主という意味合い)

はるか昔から代々イングランドの次期国王であり現国王の最長子に送られるもの(結構王太子だけど)

後のジョージ4世であり、彼自身もフランス宮廷や亡命貴族への支援を惜しまなかったとか。

しかもフリーメイソンのグランドマスターというわけですから、パーシー以上にスゴツヨ感が!

 

・ベルギー人

当時ベルギーはオーストリアからの独立戦争中で、一時フランスとの共闘関係にあり(フランスが

ベルギーを占領した形ではありますが)ということで混乱期であっても革命政府と交流があったわけで。

 

とは言え、いくら何でも怪しすぎるグラパン。初演も再演も「どうしちゃったの?」と思うくらいロベが

グラパンのこと好きすぎるだろうって感じでしたが手今回は彼が説く革命の理念とグラパンの

言葉が上手く合致しちゃったんだろうなと。孤独な彼が今信じられるのが自分と同じ考えのグラパン

だったんだろうと(つまり自分自身しか信じられない←勿論グラパンは口先だけなんですが)

(そんなグラパンを閣下の言葉ならばと使ってはいるものの、密かに妬いてそうなショーブラン)

自分の信じてた人が自分がずっと敵と追いかけていたものと=だったと知った時、彼は何を思うのか。

 

そういえば、グラパンをベルギー人のスパイと売り込めるほど大使館ともコネがあるのね汗

 

・ショーヴランはその後どうなったのか

メルシエが国元にもたらした知らせは「グラパンがスカーレット・ピンパーネルだった」

そこへ地元の公安委員会に引き渡されたのはグラパン姿のショーブラン。

 

ロベスピエール筆頭にショーブランがグラパンでないのはわかっているし、ショーブラン自身も

イギリス貴族のパーシーがピンパーネルだったと証言するでしょう(おそらくメルシエ達も)

 

でも、ロベスピエールが欲しいのは結果。民衆の目をそらすため劇場に派手な出し物をさせると同様、

革命政府の敵として“グラパンこと裏切り者ショーブラン”を処刑するのもやぶさかじゃないのでは。

 

願わくば革命期を上手く乗り越えてひょっこりナポレオン軍に加わってくれないかなと思ったり。

 

・パーシーたちのその後

流石にもうフランスで活動するのは危険すぎますから、マルグリットと仲睦まじくくらしたとさ音譜

とはいえ、刺激を求めて狩りに乗馬、クリケットに繰り出すのは相変わらずになりそうですが汗

王太子はドゥ・トウゥルネー伯爵の息子として育てられそう(実際に殿下を見守る伯爵の目が)