①の続き
演出について。こんな舞台初めて見ました。セットは回転扉と椅子(カウチも含め)そして床の升目。
舞台の隅に常に組子が座り(更にそのサイドにドクターがまるでグランドホテルの調度品にでも
なったかのように、客と同じく眺めていて)椅子の置き場所を変えたり片付けたり。それだけで
場面転換がスムーズになされるのは純粋に凄い!(某暗転過多幕前芝居先生に観てほしいw)
升目も最初舞台に升目?て話を聞いた時はちんぷんかんぷんでしたが、なるほどそういうことかと。
多くの人が決まった動作をマスゲーム的に一部の狂いもなく動いていく。まるで毎日が決まってて
ゼンマイ仕掛けの人形のように。そのマスゲームから逸脱しているのが主要な登場人物たちであり。
(その主要人物であるにもかかわらず、マスゲームに自ら組み込もうとしているドクターが興味深い)
間合い、動線、空間。すべて考えし尽された演出に思わず吐息が漏れてしまう。と同時に、深読みも
してしまう。自分はあのグランドホテルという人生のミュージカルの中でどんな役割なんだろうかとか、
従業員も含めすべて回転扉を通る。じゃぁ椅子や人々の間を通り抜けて一切回転扉をとおらない(はず)
伯爵夫人とジゴロは物語に置いて何を語りかけているんだろう?とか。全てに意味を求めてしまいそう。
ナンバーについて。正直帰り道に口ずさむような頭に残るナンバーというのはあまりないのですが
演出も含めると割とどれも印象深い。主題歌の「Grand Parade♪」はこれから何が起こるのだろうと
期待させるし、オットーやラファエラのソロもそれぞれの心情が痛いほど伝わってくる。(ソロと言えば
フラムシェンがあまりにらしくてw)グルーシンスカヤは自分こそチャーミングだろ!って言いたくなる(笑)
従業員のナンバーは演出を全く知らなかったので普通に心臓が飛び出るぐらいビックリしました
(あのガチャン!ってやつね)グッときたのは「♪Roses At The Station」男爵が後悔と仮名序への愛に
苛まれる歌。結果は知っていましたけど初見ではあの歌詞まで結末がわからないわけで
「どうして 殺してしまったんだ」に男爵が殺したと思わせてからの「僕を」と。歌だけでなく、
死のデュエットもリフトが凄いとかもありますが、緊迫感もあり芸術性も高く見ごたえありました。
まぁ一番は男爵とオットーとの楽しいナンバーですけどねあの洗濯物状態も凄かったですが、
ポール芸が凄い!美弥ちゃん吹っ飛ぶんじゃないかってぐらいのサイドステップでしたね
衣装について。ガタイがいいのでwコスチューム物も似合うんですが、スーツが本当に似合いますね。
あの忍び込み用の衣装はなんなんだ?とも思いますが(これもオリジナルに準拠してるっぽい)
一番ツッコミたいのはラファエラの寝間着?ですけどね。何人?って思ってしまいましたよ、、
続く