今日はエンジニアを対象とした社内勉強会でした。評価者ではなく、珍しく「被」評価者むけに目標設定について勉強会を開催してほしいということでLOTを実施しました。

 

参加者は様々で若手もたくさん参加してくれていましたし、普段トレーナーをやっている人も参加してくれました。60分の勉強会に100名弱のメンバーが参加してくれて、目標設定のフレームワークであるP&Pなどを紹介しました。終了後のアンケートで想像以上に反響があったのが、今回初めて紹介したPSCモデルです。

 

 

下記がアンケートの反応の一部です。参加してくれたみなさん、ありがとうございました。

 

 

PSCモデルとは、Performance, Strength, Challengeの略。成果、強み、挑戦を意味します。使い方は、3つのキーワードについて自分の考えを書くだけ。月イチ面談や1on1などの面談の前に、3分でも時間があればひとつのキーワードについて1分づつ書き出すだけでもまずは十分です。

 

PSCは上司でも使えるのですが、特にメンバー側である被評価者におすすめです。面談が決まったら事前にこのPSCについて自分の考えを書き出し、上司やトレーナーに見せながら話すだけでより良いフィードバックを受けやすくなるというものです。

 

①成果(パフォーマンス)は何か?
・アウトプットしたものは何か
・途中経過でも成果物があれば
・失敗や学びも書きだしてみる

 

成果のすりあわせ。文字に書いて話すことで、お互いに俯瞰しながら話すことができます。あるひとつの成果物だけに時間がかかって適切な議論ができないということを避けることができますし、俯瞰できているので上司からもどれが良くてどれに課題があるのか、冷静に議論することができます。過去の認識をすりあわせることで、未来に向かうことができます。

 

②強み(ストレングス)
・自覚している強みは何か
・大事にしている考えや価値観は何か
・成果のために習慣にしていることは何か

 

強みや大事にしている考え方をすりあわせる。自分の認識している強みや外せない価値観を明文化することで、上司から肯定してもらえて自信が高まったり、自分が気づいてない強みをフィードバックしてもらうことができます。大きな成果を出すための一番の秘訣は、強みを活かすこと。自分の考えを上司とぶつけて、相談することで自分の強みを自覚することができます。強みを議論することで、上司も活かし方のイメージが沸きますし、自分自身の才能をどう開花させるかのイメトレも進みます。

 

③挑戦(チャレンジ)
・挑戦したいこと
・部署でやらせてほしいこと
・組織貢献できること

 

自分が取り組んでみたいことを意思表明する。やりたいことというのは「言わないと伝わらない」と考えた方が自分のチャンスも掴みやすくなります。上司側ももちろん本人を抜擢したり、活かすことを努力してくれていると思いますが、想像以上にメンバーのやりたいことには気づけないものです。だからこそ自分が挑戦したいことを文字にして、上司や先輩に見せてみる。そうすると想像以上に早く任してもらえることもありますし、ダメならダメで自分が気づいてない課題を指摘してもらえることがあります。チャレンジを議論することで明るい未来や期待感をもつことができるようになります。

 

P(成果)で過去について合意し、Sで自分の伸びしろを自覚し、Cで未来の道筋を描く。ここに上司や先輩の考えやフィードバックを織り交ぜることで、成長角度を上げることができるようになります。

 

PSCをワークシートにしたときのイメージです。


 

PSCはチャットなどテキストで面談前に送るのも良いですし、上記のようにフォーマットにして用意するのも便利です。くれぐれも、時間は短くても構いません。

 

実際に今日の勉強会では、PSCはそれぞれ1分づつで書き出してもらいました。たとえ1分だとしても、1項目で1つ2つ書く人が多く、中には5つほど書き出しているメンバーもいました。実際書き出してみると「自分が成果と思ってるものはどう見えるのか」「自分が認識している強みはどう見えるのか」「自分が挑戦したいものについてどういうフィードバックがあるのか」など他者からの反応をもらいたいと感じる人が多かったようで、上記のようなアンケートの反響が生まれました。

 

面談は定期的にくる「成長のチャンス」だと考えています。良いところは良いとフィードバックもらって自信につなげ、ダメなところは率直に受け止めて次につなげる。この成長機会を受け身にするのではなく、主体的にモノにする。そのために有効なのは自分の考えを整理した上で相談すること。このPSCのようにたった3つでも切り口をもつだけで、話の広がりはとても大きくなります。

 

上司との限られた面談時間もPSCを書いて話せば自分の成長につなげることができますし、評価者側になる上司からもこのPSCを事前に書いてきてもらうようにお願いすれば、ミーティングの議論の内容が濃くなります。

 

会議はアジェンダや事前資料があったほうが効果的になります。面談でもお互いに事前に準備をして、伝えたいことや相談したいことを書くようにすると時間対効果が爆発的に上がります。

 

面談は信頼関係をつくるとても貴重な機会なので、こういうフレームや仕組みをどんどん広めていきます。