新年度が始まることもあり、各事業部やチームごとに目標設定を進めてくれています。

目標設定を実際に行うのは当事者である事業部のリーダーやメンバーですが、サポートするのは人事の役割。ここ数ヶ月、目標設定に関するフレームワークやワークショップを人事でとりまとめて各部署で実施しています。

良い目標かどうかをチェックするIMPACTモデルとともに紹介しているのが、P&Pというフレームワークです。





先日はタップル誕生を運営するマッチングエージェントのみんなと、目標設定のワークショップを行いました。


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目標設定のフレームワーク「P&P」は、ワークシートを使って3つのステップで自分の目標を設定します。



1つ目のPは「Passion(パッション)」です。情熱や楽しさなど、個人の感情がプラスになる自分軸の要素を指します。2分程度の個人ワークで、仕事におけるやりがいを書いたり、どういう時に楽しさを感じるかを書きます。4人か5人ひと組みくらいの人数で一人づつ2分程度話すと、お互いの違いや共通項を理解でき、その点を尊重するだけでもこれから考える目標設定の材料となります。

2つ目のPは「Purpose(パーパス)」です。目的や貢献など、チームへの貢献につながる組織軸の要素を指します。これは普段から目にしている業績目標や、組織から期待されていることを書き出します。時間としては30秒から1分くらい。

 

3つ目のステップは「AND思考」です。パッションとパーパスを統合して自分の目標の案とします。

たとえばパッションに「感謝されるとうれしい!」とあって、パーパスに「売上1億円」とある場合、「感謝1億円!」などのようにとりあえず並べてみる。

 

「とりあえず並べてみる」という点がポイントです。目標はついパーパスの視点からが強くなりますが、個人の感情であるパッションと両方セットになっていれば納得度やワクワクが大きい、良い目標となります。目標には自分の感情が動く要素が盛り込まれているので、結果的に自分ごとの目標に近づいていきます。

 

サイバーエージェントでは組織全体の目標をみんなで議論するプロレポという取り組みがありますが、組織目標をみんなで議論することで同じ目線で議論できるようになります。それを踏まえて個別目標を決める際に、今回のP&Pのようなフレームを使うイメージです。

 

ワークショップでは自分の書いたP&Pを、IMPACTモデルでチェックしてもらいました。

 

 

グループで一人2分程度使い、目標の案をそれぞれがフィードバックするというものです。たとえば山田さんが自分のP&Pを他の4人に見せながら、より良くなるようにアドバイスをもらうというものです。4-5人でやっても、10分程度で済みます。

 

ワークには手順があります。まずは褒める。褒めを伝えることで、自己肯定感を高めた上で議論することができます。その上で、語尾にかもをつけてニュアンスをやわらかくしつつも率直な提言をする「かもトーク」を使って、課題を提案します。「覚えにくいかも」「ワクワクしないかも」など。フィードバックを受ける人は、もらったコメントを全てメモをとるというのがルールです。この流れで、お互いの目標を前向きな形でブラッシュアップすることができます。マッチングエージェントのワークショップでも、みんな前のめりに議論してくれました。

 

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アンケートも好評でよかったです。

 

・パッションとパーパスを結びつけるやり方が新鮮だった

・今までよりも、より自分ゴト化できる目標ができた

・使命感だけではなく、会社の楽しみ方をもっと持ちたいと思いました

・P&Pのフレームはじめてで、非常にハラオチしました。全社で取り入れるといい

・自分の目標をみんなからアドバイスしてもらう経験は初めてで、すごくいい目標に仕上がった

 

このフレームはすでに広告事業やゲーム事業でも紹介していますが、全社人事のリーダーがファシリテーターとなって他の部署にも紹介してくれています。

 

良い目標ができれば、達成したも同然です。逆に目標があいまいだと、粘りや貢献意識も高まりにくいのが実態です。良い目標づくりができるよう、人事としても全力でサポートしていきます。

 

 

このP&Pは「GREAT@WORK 効率を超える力」という著作のPの2乗という考え方がヒントになっています。目標設定、業務改善のヒントなどが満載で、本当にすごくおすすめです。