「心理学的経営」個をあるがままに生かす方法を学ぶ | デキタン(できるヤツ探求アメブロ)

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ソヤマン(サイバーエージェント人事統括・曽山哲人)のブログです。

 

心理学的経営 個をあるがままに生かす。ずばりすごい本です。

 

リクルート創業メンバーの大沢さんが書かれた本ですが、ずっと絶版になっていました。少し前に電子書籍やオンデマンドで出版されてから、何回か読み直していますが毎回学びがある本です。

 

先日は、人事幹部の読書会の課題図書としてみんなで読みました。1993年の本ですが、これを実践するだけでも良い組織ができるだろうし、一人一人の力が引き出せるヒントが満載です。

 

学びのメモ。

 

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・小集団と自己組織化。小集団にすると当事者意識が高まり、自分の組織になる。組織を分割して小さい集団を維持するのは、埋没させないための作戦として重要。
 

・積極的な満足感は仕事から生まれる。盛り上げの施策などもとても重要だが、本質的な満足感は仕事を通じて挑戦したり、成果を出したりすることから生まれる。
 

・若者をモチベートする3つのポイント。自己有能性、自己決定性、社会的承認性。自分でできると感じるところがある、自分で決めるところが多い、周囲から認められる。若い人が自分でそういう環境を自らつくることも大事。
 

・目標は成否五分五分がちょうどよい。高すぎると行動がとまりやすく、低すぎると才能の無駄遣い。
 

・集団目標は高い業績を生む。個人目標も大事だが、組織全体の目標があると、1人ではできないことを成し遂げられるようになる。
 

・活性化された組織は、雑然とした無秩序な世界。活性化された組織に安定はない。カオスがあるからこそ新しいアイデアが生まれたり、若い人や実力ある人の抜擢もしやすくなる。
 

・組織を活性化させるためのマネジメント手法は、採用、異動、教育、集団活動、イベントの5つ。これをやることで組織が活性化し、新たな変革が生まれやすくなる。集団活動はワイガヤなどに代表されるような創造的集団思考のこと。

 

・アンラーニングの促進には、外的な強い力が必要。学習の継続をするには、外からの視点をもって刺激を受けないと内弁慶になりやすい。自ら外の視点を広げにいくか、外から強力な力が来るかすると学習意欲が高まる。
 

・リーダーシップ行動の4つ。要望性、共感性、通意性、信頼性。リクエストを明確に出すこと、共感を示すこと、情報を提供すること、相互に信頼しあえること。


・企業人としての適応には3つある。職務適応、職場適応、自己適応。仕事や業務への適応、人間関係や風土などへの適応、自己本来の価値の実現に向かっているかの適応。

 

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この本が特にすごいと思ったのは、「活性化」でひとつの章が書かれていること。サイバーエージェントでも「採用・育成・活性化・適材適所・企業文化」の5つを人事の大事な柱として「HRペンタゴン」と呼んでいますが、活性化についてこれだけ詳しく書かれている本はみたことがありません。活性化というのは単に盛り上げるということではなく、細胞の活性化のように、常に変化していく組織をつくりあげること。変化対応力をあげるための組織づくりを検討するのに、とても効果的な本です。

 

 

 

 

元リクルート専務・SPI開発者による『心理学的経営』が復刊。26年前の本、プリントオンデマンドに注文続々! 

https://www.sankeibiz.jp/business/news/190613/prl1906131142073-n1.htm